20/03/03(火)21:46:23 夢を見... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1583239583863.png 20/03/03(火)21:46:23 No.668111760
夢を見ていた。 何の用事だったか忘れたけど、父さんと一緒にサザナミタウンへ行ったときに見た夢だ。 暗いどこかの洞窟の中、オニゴーリのようなドラゴンが泣いていた。 とても怖い顔だというのに、まるで迷子になった子供のように泣いていた。 「どうして泣いているの?」 私は気になって尋ねた。 「とても怖くて、寂しいから」 怖いドラゴンは、涙交じりの声で答えた。 「なにが怖いの?」 「みんなぼくから離れていったから。ぼくの中が空っぽになったから」 私は、その言葉の意味がよくわからなかった。 ただ、彼が寂しさを感じていたことだけはわかった。 「ぼくにはなにもなくなっちゃったの。ぼくの『本当』も、ぼくの『夢』も」 やはり私には、言葉の意味が分からなかった。 ただ、なにかが彼と一緒にいて、それが離れていったのだけはわかった。
1 20/03/03(火)21:46:53 No.668111908
「なら寝ればいいんじゃないかな? きっといつか戻ってくるよ、それまで寝て、待っていよう」 私は、寝ることが嫌いだった。父さんや母さん、姉さんたちが、どこかへ行ってしまうかもって、私が寝ている間に、私を置いてどこかへ消えてしまうんじゃないかって。 でも、目が覚めたときに父さんや母さん、姉さんたちの顔を見るのは、嬉しかった。 「おはよう」と挨拶をするために、私は寝ることができた。 彼は、首を横に振った。 「ぼくはなにもない。『本当』も『夢』も、ぼくから離れていった。ぼくはひとりぼっち」 なるほど、それでは夢は見られないな。 私はなぜか、その言葉に納得した。どういう理屈で納得したのかは思い出せなかったが、夢なんてものはそんなものだろう。 私は、彼に提案した。 「なら、私の『夢』を貸すよ」 「…『夢』を?」 「良い夢ばかりじゃない、たまにはイヤな夢を見ることもあるかもしれない。それでもきっと、寝ている間は寂しさも感じないはずだ」 「…でも、そうしたら君の『夢』は」
2 20/03/03(火)21:47:17 No.668112049
「もちろんいつかは返してもらうよ。だから貸すだけ。君から離れていったものが帰ってきたときに、私に返してくれればいい。君から離れていったもの達からの話という利子…?はもらうけど」 「…うん、わかった。『夢』、借りるね…ありがとう、おねえちゃん」 私は、彼に夢を貸すことにした。 そうして私は、その日以来『夢』を見なくなった。 懐かしい夢だな…と感じながら夢を眺めていると、元気にこそなっているが、私の記憶と同じ声が私に響いてきた。
3 20/03/03(火)21:47:34 No.668112140
【夢をありがとう、おねえちゃん。ぼくから離れていってた『本当』も『夢』も戻ってきたよ! だからね、お姉ちゃんに『夢』を返すね! あとねあとね、あのあと色々なことが起きてね! あっ、もう時間だ…また今度、夢で会おうね! あと夜更かしばかりしてちゃ駄目だよ!】
4 20/03/03(火)21:48:10 No.668112379
そこで私は、目を覚ました。 時計を見てみると時刻は午前4時…久しぶりに、結構な時間寝てしまったようだ。 ふと私のベッドを見ると、寝惚け眼のキュウコンが私を一瞥し、「またか」とでも言いたげに瞼を瞑った。 私はタマムシジム産緑茶で喉を潤し、伸びでバキバキの身体をほぐしてから、日課の研究を再開するのだった。
5 20/03/03(火)21:49:23 No.668112775
急に思い付いたので氷三女とキュレムの『夢』小説書いた ……なんで?
6 20/03/03(火)21:53:31 No.668114234
ジムチャレンジから縁遠いイメージの三女にこういうのがあるのはちょっと面白い
7 20/03/03(火)21:55:58 No.668115062
三女ちゃんはまたお嬢や姉たちと違ったお話が繰り広げられてるな… >急に思い付いたので氷三女とキュレムの『夢』小説書いた >……なんで? 私はいいと思う、こういうの好きだよ
8 20/03/03(火)22:03:56 No.668117711
いつか遊びにきそうだなキュレムくん
9 20/03/03(火)22:17:58 No.668121879
>いつか遊びにきそうだなキュレムくん 中々寝ないから待ちきれず直接遊びに来るキュレムくん…可愛い…
10 20/03/03(火)22:22:21 No.668123141
途中まで読んで夢渡したのが三女が寝ない理由か…ってなったけど夢帰ってきてよかった >私は、寝ることが嫌いだった。父さんや母さん、姉さんたちが、どこかへ行ってしまうかもって、私が寝ている間に、私を置いてどこかへ消えてしまうんじゃないかって。 >でも、目が覚めたときに父さんや母さん、姉さんたちの顔を見るのは、嬉しかった。 >「おはよう」と挨拶をするために、私は寝ることができた。 ここすごくかわいい…だからもうちょっと寝て…
11 20/03/03(火)22:23:28 No.668123500
キュレムには……もう入国許可が出てる……
12 20/03/03(火)22:24:31 No.668123803
つまりいつでも遊びに来れるってことだな…
13 20/03/03(火)22:33:41 No.668126674
(放牧地でムーちゃんとかけっこしてるキュレムくん) (言葉が出ない家族)