20/02/15(土)22:18:33 ID:dUSg7oyA キタ━━━━━... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1581772713013.jpg 20/02/15(土)22:18:33 ID:dUSg7oyA dUSg7oyA No.663446844
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
1 20/02/15(土)22:19:37 No.663447217
惨劇最悪バッドエンド② あなた達が間違えた選択の果てに、世界は滅亡しました 終わった。 (終わった) 終わった。終わった。終わった。 (終わった。終わった!終わったあァァっっっ!) だが、はたして何が終わった? 佐天の歯を噛み千切ることが? もちろんそれは終わった。 佐天との間にあった信頼関係が?
2 20/02/15(土)22:19:53 No.663447302
それは修復は可能なほどに終わってしまった。 上条の精神性は? それもまた、終わってしまったモノの1つだろう。 いくつもの出来事が終わり、モノとして存在しない目に見えない何かもまたいくつも終わってしまった。 それが良いか悪いかはまだ分からない。もしかしたら上条の行動が後の災厄に繋がるのかもしれない。 けれど、確かに此処に1つの事象は終了したのだ。 上条が終わらせた。 「はっ、はふっ……はぁーっ、ははっ!はぶ、げふッ!…………あ゛、…………ぁ゛」 唾液と血液でぐちゃぐちゃになった佐天の左手親指を掌の上に吐き出して、上条は荒い息のまま何とか佐天に話しかけた。 「さ、てん……大丈夫、か……?」
3 20/02/15(土)22:20:03 No.663447349
「……………………………」 返答はない。 「佐天……?」 膝に手をついて息を落ち着けながら、上条は顔を上げて佐天を見上げた。 佐天は、恐怖に歪んだ顔のままぐったりと頭を下にしていた。 「っ!……ぅ」 ピクリとも動かない佐天。 気絶している、のだろう。 全身から力が抜けている。だらりと下がった四肢に半開きになった口、開いた瞳孔。全てが佐天が正常ではない状態であることを示している。 言うまでもなく、上条がそうした。 (仕方なかった……仕方なかったんだ!)
4 20/02/15(土)22:20:10 No.663447387
バレンタインにローラからチョコ届いたのぜ 中身どっちぜ…?
5 20/02/15(土)22:20:17 No.663447428
そう、思うしかない。今はまだ、罪悪感を抱くわけにはいかない。 やらなければならないことがある。 佐天の痛みを、その犠牲を、無駄にするわけにはいかない。 「Aえー!」 と上条は食蜂を呼んだ。 佐天の左手親指が手に入った以上、後必要なのは刀夜の右目だけだ。つまり食蜂が刀夜の右目を抉りだせていれば、事態の全ては解決する。 はずなのに、 「何してるんだ……?」 奇妙なことに、食蜂は刀夜の右目に手を伸ばしたまま静止していた。 「大丈夫、か?」 緊張しているのだろうか。 躊躇しているのだろうか。 それも仕方ないと思う。上条だって、躊躇いの中で覚悟を決めて佐天の指を噛み千切ったのだ。だから食蜂が出来なくても仕方ない。
6 20/02/15(土)22:20:30 No.663447520
(いざとなったら) いざとなったら、上条が食蜂の代わりをやるしかないだろう。 けれどまず、上条は食蜂を励ますためにその左肩に手を置いた。 「変わろうか?」 と声をかけて、 ドン、と食蜂の身体が倒れた。 「……………………………………………………………………………………………は?」 一瞬、停止。 だが、すぐに動き出す。 「食蜂!?」 倒れ伏した食蜂に上条はすぐさま駆け寄った。 何だ?何が起きている?どうして食蜂が倒れた? 「おいっ、どうした!?しっか」
7 20/02/15(土)22:20:46 No.663447601
呼吸が、停止していた。 心拍が、無かった。 「――――――――――――――――――――――しょく、ほう?」 一般的には、呼吸をせず心臓も停止している人間のことは死体と呼ぶ。 つまり、食蜂は死んでいた。 「待てよ」 死んでいた。 「起きろよ!何、何で……食蜂ッ!」 ガチャリと音がして、誰かが上条の背に凭れ掛かってきた。 「ぐっ、痛ッ!?」 背中に奔った衝撃を振り払うかのように、上条は食蜂の身体を支えたまま片腕を背に手をやった。
8 20/02/15(土)22:20:57 No.663447682
何かが上条の背中に墜ちてきた。 何かが上条の背中に降ってきた。 それを背中から降ろして、上条は降ってきた何かを確認し、 上条刀夜が死んでいた。 「……、…………?」 今度は言葉すらも出なかった。ただ、ふらふらと開いている方の手が刀夜の頬に伸びた。ふらふら、ふらふら、ふらふらと。 「父、さん……?」 動かない。 ピクリとも、動かない。 触らなくても分かる。 触れなくても分かる。 上条刀夜は死んでいる。
9 20/02/15(土)22:21:06 No.663447735
創約でも元気に血みどろぜ
10 20/02/15(土)22:21:07 No.663447747
「あ」 呆けたように口を開きっぱなしにして、食蜂を横たえ、上条は立ち上がった。何が起こっているのかわからない。何が起こっているのか分からない。何が起こっているのか分からない。 でも何かが起こってるのなら、と上条は立ち上がった。 四つの枷から解放され、倒れ伏した佐天が視界に入った。 「は」 確かにそうだ。食蜂が死んだ。刀夜が死んだ。ならば佐天だって死んでいるだろう。全くそうだ。非常に納得できる。 「なら、ジャーニーも……」 佐天と刀夜が解放されたなら、もちろんジャーニーも死んでいる。見る必要もない。だって、12のルールにはこうあった。『ジャーニーが培養器の外に出るか、ジャーニーが死亡した時点で2人の拘束は解かれる。』、なら当然ジャーニーは死んでいる。 4人とも死んだ。
11 20/02/15(土)22:21:18 No.663447802
此処で生きているのは上条だけだ。 「……外に」 なら、もう此処に居ても意味はない。外に出て、助けを呼ばなければ……。 ふらふらと頼りない足取りで階段を上り、部屋を出る。 その部屋の外では、少女が死んでいた。 「…………………、蜜蟻、……か?」 その顔には見覚えがあった。 蜜蟻と名乗る少女と同じ顔をしていた。 ……待っていた、のだろうか。 ジャーニーを救出した後の上条に会いに来るつもりだったのだろうか。 死体は黙して語らないから、真実はもう分からない。 「……………………………、…………」
12 20/02/15(土)22:21:31 No.663447904
歩く。 ただ、歩く。 とにかく外に行かなければ何も始まらない。外に行けば助けを呼べる。助けを呼んで駆動鎧パワードスーツを止められる。だから、まずスタジアムの地下から出なければならない。 「…………もう、ちょっと」 後数歩でスタジアムの外に出られる。 後2歩でスタジアムの外に出られる。 スタジアムの外に出られた。 「っ」 太陽光の眩しさで僅かに目が眩む。だが徐々にその明るさに慣れて、視界が開けた。 インデックスが死んでいた。 「――――――――――――――――――――――――――――――」
13 20/02/15(土)22:21:43 No.663447967
ひどい、酷い様だった。 片腕を切り落とされ、半ばまで切断された胴からは内臓が零れ落ちている。白を基調とした修道服はあちこち裂かれ、穴が空き、そこから今もなお流れ出る血が、修道服を赤黒く変色させていた。数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどにインデックスの体の傷は多かった。 何度も、何度も、何度も。 誰かがインデックスの体を切り裂き、斬り付け、痛めつけ、命を弄び、尊厳を凌辱し、生き様を侮辱し、そして突き立てて、消えない傷を残したのだろう。 永遠に消えない、傷跡を。 どうして、そこまでされなければならなかったのか。 どうして、そこまでしなければならなかったのか。 「―――――――――――――――――――――――」 苦痛に満ちた顔を、 恐怖に歪んだ顔を、 せめて、せめて、せめて、少しくらい安らかにしたい。 だから上条は死にきったインデックスに近づいて、その瞳を閉じさせてあげた。 それくらいしか、出来なかった。
14 20/02/15(土)22:21:53 No.663448021
「……………………」 そうして、上条は携帯電話を取り出して病院に電話した。119番。死体を病院に渡さないといけない。 通話がつながる。 「あの」 自分でも驚くほどに冷たい声が出た。 なのに、 『―――――――――――――――――――』 「あの!」 通話口からの返答がない。 話しかけてこない。 「……仕事してくれよ」 119番からの返答がないなら自分で歩いて病院に行くしかない。 どこの病院が良いだろうか?一番近い所なら、やはりカエル顔の医者の所か? 「歩けば、いつか辿り着くか」 そう言って、上条はスタジアムの外に出る。
15 20/02/15(土)22:22:07 No.663448108
スタジアムの外には、輝の死体があった。 「……勝てなかったのか」 それだけ言って、上条は大通りに向けて歩き始める。大丈夫だ。死体が1つ増えただけだ。病院に連絡する手間が増えたけれど、それぐらい上条が負担するべきだろう。 10分ほど歩き、上条はようやく大通りに出た。 燃え盛る炎がいくつもあった。 「熱っ!」 炎上しているのは車だ。 交通事故が起こっているのだ。この大通りだけで何件も。 「……警察に、連絡しないと」 もう一度、上条は携帯電話を取り出して警察に電話した。 110番。 通話がつながる。
16 20/02/15(土)22:22:34 No.663448271
「あの」 『―――――――――――――――――――』 通話口からの返答がない。 話しかけてこない。 「……………………」 仕方がないから上条は電話を切って再び歩きだした。 どいつもこいつも仕事をせずにさぼっていて、学園都市は大丈夫なのだろうか? 「…………………………」 歩き続ける。 車の中で見知らぬ誰かが死んでいた。 歩き続ける。 歩道にある椅子の上で誰かが寝転がっていた。
17 20/02/15(土)22:22:48 No.663448339
歩き続ける。 道端でカップルが抱き合ったまま動かずにいた。 歩き続ける。 青髪ピアスが家に寄り掛かっていた。 歩き続ける。 炎の中に誰かが立っていた。 歩き続け、 「青髪ピアス……?」 振り返った上条は来た道を戻って青髪ピアスに近づいた。 近づいて、その瞳が何も映していないことに気が付いた。
18 20/02/15(土)22:22:58 No.663448392
「―――――――――――――――――――――――う」 一歩、下がる。 足が誰かの肉に当たる。 下を見る。 倒れ伏した吹寄と目が合った。 「うあああああぁぁぁぁぁぁぁッ――――――!!!」」 もう、我慢できなかった。 無茶苦茶に走り回る。 滅茶苦茶に叫ぶ。 「あああああああああああああああああっ!!!!!くがあああああああああああああああ!!!!!ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 両の目から流れ落ちる涙が視界を歪ませる。 あらゆるところにある血液がびちゃびちゃと上条の足元で跳ねる。
19 20/02/15(土)22:23:10 No.663448467
どうしようもない。 もう、どうしようも、ない。 「何なんだよ、これ…………」 全て、死んでいた。 「何なんだよ、これっ!?」 死が、溢れていた。 「何なんだよ!これは!?」 ここには死しか、なかった。 「誰か、誰かいないのかよ!!!」 もう恥も外聞もなく上条は走り回った。ようやく、脳が現実を直視した。 死んでいる。死んでいる。死んでいる。 「誰か!誰かァッ!誰でもいいから、返事してくれよ!!!」 死んでいる。死んでいる。死んでいる。 「ふざけんなよ!どうしてこんなことになってるんだよ!!!俺が、俺……ああああああああああああっ!」
20 20/02/15(土)22:23:21 No.663448529
死んでいる。死んでいる。死んでいる。 「なんで、……なんで……っ、インデックス……インデックスぅ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」 全てが終わって滅んでいる。 視界を埋め尽くす赫と無数の死体だけが、上条が今ここにいる証明だった。 膝をつく。 何もかもが死に尽くした世界で、徐々に上条の正気が薄れていく。 なにもわからない。 なにもかんがえたくない。
21 20/02/15(土)22:23:33 No.663448606
精神を犯し尽す絶望が上条の中から希望を消し去っていき、五感すら奪い去ってく。 消える。消える。消え失せる。 意識が、思考が、感情が、何も残らない。 はずだったのに。
22 20/02/15(土)22:23:45 No.663448704
ざっ、と上条の後ろで足音がした。 「ッ!?」 その音を聞いた上条はまるで今にでも消えそうな蝋燭の明かりを必死に維持しようとするかのように振り向いた。 生きている人がいる? 誰かがまだ、生きている? そう思って、上条は振り向いて、 白過ぎる腕に、首を掴まれた。
23 20/02/15(土)22:24:04 No.663448803
「あぎぃッ!?」 絞まる。しまる。しまっていく。 首が徐々に絞めつけられていき、呼吸が出来なくなっていく。 「だ……に……」 誰が上条の首を絞めているのか分からない。 何で上条が首を絞められなければならないのか分からない。 だが、 「時間、掛けすぎだよ」 全てが死に犯された世界に色を喪った呟きが響き、 ――――――上条当麻の生命活動は、完全に停止した。
24 20/02/15(土)22:24:43 No.663449015
私はいつも一人だった。 だから願った。愛されたいと。 私は多くの人から愛された。 だから思った。一人がいいと。 そして私は独りになった。 だから悟った。これが幸福だと。 ――――――二九七 それでも僕は、明日が欲しかった 裏お茶会~1周目~ 崩れ落ちる上条ヒーローの身体を睥睨しながら、230万の死体で溢れる学園都市の中で僕は溜息をついた。
25 20/02/15(土)22:24:55 No.663449091
「わりと、期待してたんだけどね……」 言葉にすることで僕は僕自身の考えを再認識する。 そう、期待していた。本当に期待していたんだ。 上条当麻なら、あるいはこの僕を上回ることが出来るかもしれない、と。 「いや、……矛盾だな」 僕の世界の人類を護るためには、いずれ上条当麻は必ず殺すことになる。それが早いか遅いかの違いだ。 「…………遅かったね、アレイスター」 「殺したのか」 「どのみち、間に合わなかったさ。彼はあまりにも遅すぎた」 男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』、そう評されるアレイスターの方に視線を投げかけて、僕はこの全てが終わった世界を見通す。 70億の、そして数百の死体しか存在しないこの世界でただ1人、僕だけは違うから。 結局すべてが絵空事の虚言でしかないと知っているから。
26 20/02/15(土)22:25:08 No.663449170
「それを分かっていたからこそ、君も滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの対策を発動させなかったんだろ」 「あの程度の術式に気付けないのならば、どのみちヤツは救済者ヒーローには相応しくないだろう」 「随分な言い様だ……。君の、君達の主人公ヒーローだろう?」 「違うな。私達の主人公ヒーローは彼ではない。上条当麻だ」 「厳しいね……。彼だって、僕がいる中頑張ってると思うけど」 「結果世界が滅んだが?」 「……………………もう少し、サポートしてあげれば良かったのに」 フラグが立たなかったのは確かに上条の責任だが、たった1回で完全な救済を為せだなんて難易度が高すぎるだろう。今回は解決しなければならなかったことが多すぎる。瞬を倒して、蜜蟻をどうにかして、学究会防衛作戦を成功させ、咎負虐殺を止める。 そんなの無理だ。 僕だって、サポートなしで出来るとは思ってなかった。 「それは」 「呼ばれてないのにじゃんじゃじゃ~~~ん!!!」 空から純正の人類絶対悪が降ってきた。
27 20/02/15(土)22:25:28 No.663449305
「五行……。今結構重要な話してたんだけど」 「あぁ、あぁ、あ~あ。まさかこんな結末になっちゃうなんてなぁ~」 「聞けよ」 いや、五行が人の話を聞かないのはいつものことなんだけど、今だけは邪魔しないでほしかった。アレイスターと一対一で、互いの本当の立場を曝け出して話せるのなんて、今ぐらいしかないだろうから。 「木原五行、全能存在パントクラトールか」 ほら話が次に移った。 「……………はぁ」 僕の隣に立つ少女を見て、アレイスターが言った。 当然、調べられている、か。 「くきっ、くききッ!!!ま~さっか!第六物語シックススストーリーの主人公ヒーローが死んじゃうなんて。フラグの立て方ミスっちゃった?」 「あぁ、ラスボスとの交戦フラグを立てないでサブイベントに入れ込んだんだ。馬鹿なことにね」 「くきっ!なら私のしたことの意味がなくなっちゃうな~。せっかく、第七物語セブンスストーリーの主人公ヒーロー連れてきて物語交錯クロスオーバーさせてあげようと思ったのに」
28 20/02/15(土)22:25:44 No.663449401
わざとらしい口調でアレイスターを挑発する五行を僕は止められない。権限自体は僕の方が上だし、立場も僕の方が上だけど、物語を進める役トリックスターの自発的な動きを止めることは僕には出来ないし、しようとも思わない。 そういう称号キャラクター性の持ち主の行動はどのみち止められないモノだし。 「ふん、たかが全能如きが私と の話を邪魔をするのか」 だいたい、物語を進める役トリックスターは自由だからこそ意味があるんだ。 「くきぃ!たかがっ、たかがだってさリーダー!……このあてをたかがだなんて、さすがにムカつくかなあああああああああああああ!!!!!」 だからほら、また勝手に手の内を晒す。 「超克科学オルディニスクレアーレ――――――完全無欠ウルトラ、十全十美スーパー、常勝不敗アンリミテッド、絶対究極パーフェクトガール、故に私は全知全能の絶対神イズミー!」 超克科学オルディニスクレアーレ。覚醒ブルートソウルした極点突破者デスペラードのみが使う事の出来る世界物語キャラクターストーリー理論の最終到達地点。人類最終到達地点候補生たちの目指すべき場所。
29 20/02/15(土)22:25:56 No.663449464
といっても今回五行が使ったのは見る限りただの即興術に過ぎないのだけれど、出来れば勝手に使わないでほしかったなぁ……。 「あれ?発動しない……?……うん?」 まぁ、当然邪魔されるんだけど。 「全能の逆説オムニポテント・パラドックス。……まさか知らないわけではあるまい」 二言だった。そして、その事実がアレイスター=クロウリーという魔術師にして科学者の強さを示しているんだ。 「……ぶ~、つまんなぁ~い」 がっかりと肩を下げて、興がそがれたように超克科学オルディニスクレアーレの発動を止めた五行。まさか、全能の逆説オムニポテント・パラドックスを、全能者は全能であるが故に全能ではないという一学説を忘れたわけではないだろうに。 いや、五行のことだから本当に忘れていたのかもしれないけど。 「殺しちゃう?殺っちゃう?ねぇリーダー!」 「落ち着けよ五行。いや頼むから落ち着いてくれ。だいたい彼を殺したところで」
30 20/02/15(土)22:26:07 No.663449529
空から剣が降ってきた。 「死を晒せよ、侵略者インベーダー」 そんな声と共に、全長数十キロメートルにもわたる長大な剣が五行の脳天に向かって振り下ろされる。誰が、どうやって?そんな疑問が浮かぶ……、 「痛い」 だなんてことは当然なかった。 当たり前のことだ。僕は知っている。僕は識しっている。その剣がどんなもので、その剣を操るのが誰なのかを。 「痛い痛い痛い!痛いよリーダー助けて!」 「はいはい。ちょっと待ってろ」 剣が直撃してるのに傷一つついてないくせにそんな泣き言を言う五行に呆れながら僕は軽く剣に触れる。それだけで、剣は消え去る。 干渉。 無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreakerを使う僕からすればこの程度のことは当然だ。
31 20/02/15(土)22:26:17 No.663449593
「出てきなよ。いるんだろ?」 「無傷か」 いつの間にかアレイスター=クロウリーの隣に立っている男を僕は知っている。 「右方のフィアンマ。あいつの下位互換程度が今更何の用?というか、この大絶滅リセットから生き残ってたんだ」 「……俺様も舐められたモノだ」 僕のあからさまな挑発に、右方のフィアンマはあからさまに怒りを見せた。まぁ、下位互換と言われていい気になるような人間はいないだろう。 「あいつ、それって僕様のこと言ってるの、主あるじ?」 そいつは右方のフィアンマと同じように突然現れた。 これで3VS2。 「『神の代行人』GE13か」 「……下位互換程度が僕様に話しかけるなよ。ウザいんだよ代替品」
32 20/02/15(土)22:26:30 No.663449669
GE13が右方のフィアンマを睨みつける。仕方がない事とはいえこの2人は相変わらず相性が悪い。といっても聖なる右を持つ右方のフィアンマが『神の代行人』であるGE13の劣化レプリカなのは周知の事実だ。そして自分の劣化レプリカ、クローンのようなモノが勝手に造られたというのは確かに気分の良いモノではないだろう。 「なんだ、還してほしいか?GE13オリジナル?」 誰が見ても分かるくらい上から目線だった。 その挑発には、当然GE13は耐えられない。 「――――――調子にっ」 「やめろ」 だから僕は止めに入った。やれやれ、いくら『核』が固まっていないとはいえ、安易に行動するのはやめてほしいモノだ。 「あひゃひゃ!怒られてやんの~!」 「……主」 縋るように目を向ける13を、それでも僕は静止する。 「13、別に聖なる右を使われたところで君がオリジナルであるという事実は揺らがないさ。だから簡単な挑発に乗るなよ。……まだ、底を見せるな」 「了承したよ、主」
33 20/02/15(土)22:26:49 No.663449784
底が知られても強さが変わらない先住民センチネルにとって強さを示すことは恐怖ではない。彼らの強さの限界点は1度知られている、だからこそその『上』にいけるんだ。底が暴かれれば弱くなる僕ら侵略者インベーダーとは違う。僕らは安易に力を晒せない。そうすれば、終わってしまうから。 「それにしても、本当に君達はこれで良かったのかい?」 「何がだ」 「大絶滅リセットで利するのは言うまでもなく侵略者インベーダーたる僕らだ。先住民センチネルたる君達からしたら、大絶滅リセットだけはどんな手段を使っても回避したかったんじゃないのかい?」 少しの沈黙の後にアレイスター=クロウリーが口を開いた。 「ある意味ではそうかもしれない」 肯定が返ってきた。 「だがある意味ではそうではないだろう」 否定も返ってきた。 そして後に続くように右方のフィアンマが言った。
34 20/02/15(土)22:27:04 No.663449861
「俺様達ももはや純粋な先住民センチネルとは言えまい。ならば妥協はするべきだ、というのが俺様達の出した結論だ。大絶滅リセット程度ならば、完全閉鎖アーカイブスルーや中断事象リアルが起きないのならば、やりようはいくらでもある」 「ふぅん……そう。だったらまぁ、初お披露目はこの程度でいいかな」 そう言って僕は、諦めたように言う。そういうしかないから、言う。 「愛し子よMary、愛し子よMary、僕の愛するMy fair愛しき世界よMary Sue。 その運命を改変しておくれCambiare il destino、 その物語を書き換えておくれFare una storia。 我が神のお望みとあらばWenn es meines Gottes Wille、 我らが神のお望みとあらばWenn es unsere Gottes Wille、 過去など無いに等しいのだDie Vergangenheit ist vorbei。 すべての可能性を内包した書の中でO mundo onde há esperança e o desespero ただ一つの意志のみがEle destruiu何もかもを無に帰すのだo mundo」 何度も言ってきた初めての詠唱を、僕は紡ぐ。 「絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ――――――無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreaker」
35 20/02/15(土)22:27:18 No.663449953
「さあ、やり直そうか」 「次は、失敗しないようにね」 一つ言っておこうか。 愛がないのならば、この物語の真実には辿り着けない。
36 20/02/15(土)22:28:15 No.663450289
親友と家族を天秤にかけた。 彼女は絆より愛を選んだ。 家族と恋人を天秤にかけた。 彼女は愛より恋を選んだ。 恋人と自分を天秤にかけた。 私は、 私は恋より生を望んだ。 ――――――二九七
37 20/02/15(土)22:28:26 No.663450362
そろそろ根幹を探求してみようか 上条当麻とパトリシア① 『主メイン』『人キャラ』『公クター』 目覚めは鬱屈だった。 底なしの泥沼に嵌ってしまったかのような倦怠感が上条の身体を襲っていた。 「……っ、……ぅ、あ?」 覚醒する意識と共に背中に冷たい感覚が奔る。 何かを探すように手を動かして、重く感じる頭を起こして、 上条は自分が今いる場所が廃ビルの一室であることに気が付いた。 「……………………………?」 床に無造作に寝かされた影響か、痛む全身を無視しながら、途切れ途切れの記憶を手繰り寄せて上条は現状把握に尽力する。 そう、確か、上条は……、あのスタジアムで『誰か』と戦って……。
38 20/02/15(土)22:28:39 No.663450435
「どう、……なったんだ?」 記憶はそこで途切れていた。1周目の世界で人類が死滅した理由を探るためにインデックスに協力を仰ぎ、1周目のインデックスの行動の理由を推理して『スタディ』の居城があるスタジアムの地上部に行き、そこで『誰か』による襲撃を受け、上条はその襲撃者の攻撃によって胸や肩を貫かれて、 「!?」 バッ、と上条は自らの身体を弄った。混乱していたからか今まで全く気が付かなかったが、スタジアムで戦っていた時と服装が変わっている。制服から半袖シャツと半ズボンに洋服が変わっている。 上条が自ら着替えた記憶を持たない以上、誰かが上条を着せ替えたのだろう。 だが、それよりももっと重大な異常が上条の身には在った。 「傷が……」 無かった。 「……………………………」
39 20/02/15(土)22:28:50 No.663450509
あるはずのモノがなかった。 記憶と現実に齟齬があった。 「……なん、で」 極限の混乱を抱えながら、上条はもう一度自分の身体を触る。 少なくとも右肩と左腹と右胸には大穴があいていたはずだ。不可視の攻撃、おそらく銃弾のようなモノが上条を貫き、上条はその痛みから地面に倒れた。 それは覚えている。 だからおかしい。 あの傷はそう簡単に塞がるようなモノではない。 身体にあいた大穴はそう簡単に消えるモノではない。 「それに、ここはどこなんだ?」 普通に考えれば、もしもあの状況から助かったのだとすれば、上条は病院に運ばれているはずだ。
40 20/02/15(土)22:29:03 No.663450609
誰が病院に連絡してくれたのかとか、どうして襲撃者は上条に止めをささなかったのかとか、なぜ上条はあれほどの傷を負って即死していないのかとか、いろいろ問題点疑問点はあるにしろ、現在上条が助かっている、生きている以上、普通に考えれば上条は病院で治療を受けたと考えられる。 そしてそうだとすれば納得できるのだ。病院で適切な治療を受け、その結果として大怪我が治った。大いに納得できる。だが、現実は違う。上条がいる場所は明らかに病院などではなく、治療を受けたような痕跡すらない。 だからわからない。 「何が……、どうなってるんだ…………」 項垂れる。 何も分からない。 何も、何一つとして。 上条一人では、此処からどうすればいいか全く判断が出来ないだろう。 「あっ、起きたたんですか?」 「っ!?」
41 20/02/15(土)22:29:13 No.663450664
だからこそ外からアクションがあった。状況を進めるための駒が外側から現れた。 「あんた、は?」 現れたのは短い金髪をカチューシャで押さえ額を露出した髪型をした少女だった。服装に関しては短めのプリーツスカートに半袖のブラウスといった極一般的なモノ。ただし一目で学園都市製ではないと分かる材質で造られていて、故にこの少女は『外』から来た人間であると上条は一目でわかった。 年齢のせいか見目麗しいというほどではないが、それでも可愛らしい、庇護欲をそそられる容姿をした少女。 だが、その姿にはどこか違和感があった。 (……鬘かつら?) 違和感の原因は身体でも服装でもない。その髪だ。 光を反射して輝く金髪の中に明度の違う金髪が混じっている。その明度の違いが上条に違和感をもたらしている。 1人の少女が持つ2種類の金髪。それが上条にどうしようもない違和感を与えていた。 だが、もちろんそれは重要なことではない。
42 20/02/15(土)22:29:31 No.663450775
より正確に言うのであれば上・条・当・麻・の・所・属・す・る・物・語・に・関・係・の・あ・る・話・で・は・な・い・。 「私はパトリシア=バードウェイ。欧州最大の魔術結社、『明け色の陽射し』のサブリーダーで、あなたと同じ七連物語セブンスストーリーズに属する人間。役割ポジションと称号キャラクター性は主役級メインキャラクターと主人公ヒーロー。そして手にした唯一性オリジナリティは誰も救えない英雄ガラクタヒーロー。……誰一人として救うことのできなかった、どうしようもない欠陥英雄ガラクタですよ」 悔恨の過去に自嘲しながら、パトリシアはそう自己紹介した。 久し振りに会った、会う事の出来た、自分と『同じ立場』の存在。抗えない『宿命運命』を担った同類。 もう『終わってしまった』パトリシアには根源的には関係ない事だが、しかし物語交錯クロスオーバーした以上完全に無関係ではいられない。 パトリシアは上条が七連物語セブンスストーリーズのどの物語に所属しているのか知らない。
43 20/02/15(土)22:29:50 No.663450899
パトリシア自身が所属していた第四物語フォースストーリー、同じ『立場』の知り合いがいる第二物語セカンドストーリー、『完結』している第一物語ファーストストーリーと第三物語サードストーリーは除くとして、残りの3つ、第五物語フィフスストーリー、第六物語シックススストーリー、そして第七物語セブンスストーリーのどれに上条が所属しているかはまだこの時点では分からない。 けれど間違いなく『同類』だ。 それが分かる。分かるのだ。 だから必然、パトリシアの上条に対する好感度は高く、同時に低い。 それはパトリシアが上条に期待しているからで上条を羨んでいるからだ。 『終わってしまった』蛇足の人生を生きるパトリシアと比べて、上条はまだこれからだと分かる。 あんな戦闘に巻き込まれていたことからも分かる。
44 20/02/15(土)22:30:01 No.663450964
「『明け色の陽射し』……、魔術結社?」 上条はパトリシアの言っていることの8割も理解していなかった。だから、理解できた単語だけを口に出した。 魔術結社、『明け色の陽射し』。 魔術結社という単語はインデックスから聞いたことがある。 その名の通り魔術師の組織。同じ志を持った複数の魔術師が所属する組織。それが魔術結社。 「……そっちに注目するんですか?私達のような存在にとって重要なのはそっちじゃなくて称号キャラクター性の方なんじゃ?」 「称号キャラクター性?」 「……?……何で理解できないみたいな顔してるんですか?あなただって私と同じ、私と同じ主人公ヒーローでしょう?」 端的に言って、 「当り前のように命の危機に瀕して、当たり前のように多くの人に好まれて、当たり前のように秘密を抱えて」 ひどく単純な話として
45 20/02/15(土)22:30:11 No.663451022
「誰かのために身体をはって、誰かのために心を擦り減らして、誰かのために生きる」 とても簡単なことで、 「主人公ヒーローでしょう?」 上条当麻はパトリシア=バードウェイの言っていることが何一つとして理解できなかった。 「何、言ってんだ……?」 『終わってしまった』パトリシアと『始まったばかり』の上条では自分の立場に関する理解度が大きく違う。 役割ポジションと称号キャラクター性、そして唯一性オリジナリティ。 主役級メインキャラクターであり、主人公ヒーローとして覚醒ユーヴァーメンシュした結果、誰も救えない英雄ガラクタヒーローの称号キャラクター性を手に入れたパトリシア。 パトリシアは自覚している。この世界の在り方についてすべてではないが知っている。 パトリシアの物語は既に『完結して終わって』しまっているから、パトリシアは上条よりも先に進んでいる。 対して上条は違う。上条の物語はまだ始まったばかりだ。 上条は主役級メインキャラクターであり主人公ヒーローでこそあるが、まだ覚醒ユーヴァーメンシュしていないし、故に固有の称号キャラクター性を持っていない。
46 20/02/15(土)22:30:25 No.663451111
つまりは称号持ちネームドとしてはまだ半人前だ。 個性がない、と言い換えてもいい。 記号的である、とすら言ってもいい。 だからまだ上条は知らない。 パトリシアの領域には届かない。 「ん、えーと」 パトリシアの表情に戸惑いが混ざる。あり得ない事態への困惑。予想外の反応への混乱。このタイミング、この時期であれば知っていて当然のはずなのだ。その当然を知らないとは一体どういうことなのか。 「………………………」 パトリシアの知っている限り第一物語ファーストストーリーから第四物語フィフスストーリーまでの物語は既に『完結』している。そして『完結』している以上、それぞれの物語の主人公ヒーローは世界物語キャラクターストーリー理論の概要くらいは知っているはずなのだ。 故に断定される。この少年の所属は第五物語フィフスストーリーか第六物語シックスストーリーか第七物語セブンスストーリーである。
47 20/02/15(土)22:30:44 No.663451222
だが、パトリシアは既に物語交錯クロスオーバーしている第二物語セカンドストーリーの主人公ヒーローから第五物語フィフスストーリーと第六物語シックスストーリーの情報を聞いている。 情報によれば第五物語フィフスストーリーの舞台は現実世界ではなく、第六物語シックスストーリーの舞台は学園都市外のはずだ。つまりこの少年の所属は第五物語フィフスストーリー及び第六物語シックスストーリーではないとパトリシアは断定する。 ということは、 であるとすれば、 その推論が正しいのであれば、 「あ、な……たが……?」 いや、いいや。 辿り着く。 パトリシアはようやくたどり着く。 「あなたが、」 その喜悦を抑えられない。 求め続けていた『中心』。世界の全てを操ることのできる本当の『最重要人物キーキャラクター』。核の違う、格の違う『最後の希望Last future of Embryo』。
48 20/02/15(土)22:30:57 No.663451316
それが、今、目の前にいる? 「あなたが主軸メインストーリーなんですか?」 見つめる。 見つめる。 口元が歪む。 いや、いいや、断定していいはずだ。 「ねぇ、答えてよ」 詰問口調になるのも仕方がないだろう。なんせ本当に長い間求め続けてきたのだ。あの地獄を乗り越えて、人類史史上最大の犠牲者を出したテロを踏み越えて、三発目の核爆弾の爆発を止められないで終わったFDEGを想い出にして、永劫の悪夢をリフレインさせながら生きることを選んで、心を擦り減らして精神を狂気に浸して魂を冒されながら生きてきた絶望のヒビが、 ようやく、終わる。
49 20/02/15(土)22:31:16 No.663451456
「あなたが、全部終わらせられる、何もかもを完膚なきまでに救う、完全で、完璧で、完成された、最新の、最後の、最高の、正常に動作する、正当な行動だけをする、皆に認められて、誰にでも褒められて、頂点に立つ、多くを導く、悪人を説得できる、敵でも協力させられる、どうしてか都合の良い事ばかり起きて、あり得ないくらいのペースで事件に巻き込まれて、試練もあるけど乗り越えて、たくさんの異性から好意を持たれて、特殊な力を持っていて、いろいろなことを隠されていて、出自に秘密があったりして、土壇場で逆転の秘策を思いついて、追い詰められれば覚醒して、自然に仲間が出来て、普段はくだらない日常を過ごしていて、平穏を維持するために戦って、時に精神的な問題を抱えて、出来のいい師匠がいて、親友が闇堕ちしたりして、死んだと思っても実は生きていて、知り合いの死を乗り越えて大統領とか裏組織のトップとかと繋がりがあって、
50 20/02/15(土)22:31:54 No.663451702
実は両親が重要人物で、黒幕の思惑に利用されて、だけど絶対に悪を倒すことが出来る、世界を救える、人を助けられる、誰も犠牲にしない第三の選択肢を生み出すことが出来る、尋常じゃない回復力と常人とは比べものにならない才能を持っている、誰にでも出来ることを率先してやる、神様にこそ愛された、選ばれている、愛されていた、都合の良い、天才的な閃きを持つ、運よく生き残る、よく事件に巻き込まれる、いつの間にか世界規模の戦いに参加している、高校生以下で、飲酒も喫煙もしない、血だらけになってもたてる、アバラが折れても戦闘を続行できる、咄嗟に誰かを庇える、自分の命を誰かのために使える、大怪我を負っても敵に立ち向かう、正義感に満ちた、曲がったことが赦せない、柔軟で、高度な、臨機応変に動ける、迫害された、差別された、仲のいい同性の友人が情報通で、急に転校生が同じクラスに来たりして、道端で重要人物とぶつかって、時にあくどいこともやる、1人暮らしの、
51 20/02/15(土)22:32:04 No.663451777
辛い過去を持った、頭のいい、でも馬鹿だったりする、誰にでも優しくて、努力家で、みんなを手伝える縁の下の力持ちで、神様に選ばれた、多くの人に支持される、どうしようもないほどに愛に満ちた、人間離れした、裏切りも許容する、特別で、特異で、特性で、スピンオフとかで活躍しちゃう、表と裏を、白と黒を、光と闇を行き帰する、誰よりも」
52 20/02/15(土)22:32:19 No.663451856
「なんなんだよッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」 「―――――――――――――――――――………………」 「なぁ、なんだよ!?さっきから黙って聞いてりゃ訳の分からないことをべらべらしゃべりやがってッ!主人公ヒーロー?主軸メインストーリー?なんだよそりゃ?俺は知らない知らない知らなんだよそんなことはッッッ!!!」 髪をぐちゃぐちゃに掻き毟って上条は叫んだ。 いっぱいいっぱいなのだ。 ある意味ではパトリシア以上に上条には余裕がなかった。 だから睨みつける。ねめつける。憎しみをもって、上条はパトリシアのことを見る。 訳が分からないいい加減にしてくれどうして俺ばっかりと、圧倒的な負の感情をぶつける。 「どうしてこんなわけのわかんない事ばっか起きるんだよ!?どうして俺にばっかりこんな『不幸』が降り注ぐんだよ!?なんで前の人類は死滅したんだ!?誰があのスタジアムで俺を撃ったんだ!?お前はいったい誰なんだよ!?どうして俺の身体には傷一つないんだよ!?どうして、どうしてっ、どうして……っっっ
53 20/02/15(土)22:32:31 No.663451933
もちろん、普段の上条はこんな理不尽なことはしない。きちんとパトリシアの話を聞いて、分からないことを理解しようと努力して、相互理解を努めようとするだろう。 上条の根幹にあるのは優しさだ。どれだけの悪人でも、どれだけイカレテイル存在でも、問答無用で殴りつけるなんてことはしない。 だから珍しいのだ。本当に珍しいのだ。 上条当麻という人間が年下の少女を理不尽に怒鳴りつけるなんてことは。 「…………………………………俺に、何を、どうしろっていうんだよ」 そう言って、上条はズルズルと壁にもたれかかった。 何をすればいいか分からない。何が起きているのか分からない。どうすれば正解なのか判断できない。 情報が足りなくて、人手が足りなくて、信頼の有無が理解できなくて、もう一歩も動けない。 全てが分からないからもう終わりだ。 「俺は、………………もう…………………」 「一つ、アドバイスしてあげます」 よく分かっていた。 パトリシアは今の上条のことをよくわかっていた。 かつてのパトリシアも今の上条と同じようなことがあった。
54 20/02/15(土)22:32:50 No.663452035
誰が敵か分からず、誰が味方か分からず、何をすればいいか分からず、どう行動を起こせばいいのかわからず、そもそも行動を起こすことが正解なのか分からず、手掛かりもなく、たった一人で恐怖に震え、絶望に悲嘆し、実の姉すらも攻撃したその過去。 救えない。 救えない。 救えない。 生半可な言葉では、届かない。 「――諦めるのは簡単です」 だから単純でいい。
55 20/02/15(土)22:33:01 No.663452105
「でも」 たった二言でいい。 「私達主人公には、似合わない」 私達主人公は必ずもう一度立ち上がれると、誰も救えない英雄パトリシア=バードウェイは知っている。 かつての自分がそうだったように、上条も必ず立ち上がるとパトリシアは知っている。 主人公ヒーローとは、そういう生き物だ。 少しだけ、明かされる『世界観』。
56 20/02/15(土)22:33:12 No.663452178
…………えっ?上条のキャラクターが原作と違うって? あははっ、よく気付いたね。 でも大丈夫。それにはきちんと理由があるんだ。 あははっ、だって彼はもう―――――――――――――――――― ね? 分かるだろう?
57 20/02/15(土)22:33:45 No.663452359
パトリシア=バードウェイ① 斃たおすべき『敵』の名は 初まりは一通のメールだった。 それがパトリシアの全てを狂わせた。 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。 『第七回DEG』への招待状。 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。 正しく常軌を逸していた。 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。 生き残るために何だってしていた。 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。 ある男はたった一人の人間を殺すためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。 ある母は隠れ潜んだ敵を殺すためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
58 20/02/15(土)22:33:58 No.663452442
ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。 今でもそう思う。 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。 それでも、終わらなかったのだから。 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。 七分の一の、四十九分の一の生存者。 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。 そのメインテーマは『犠牲』。 その系統は『デスゲーム』。 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、 「………………………人類絶対悪ビースト」
59 20/02/15(土)22:34:11 No.663452505
人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。 人類絶対悪ビースト位階総序列第一位Ⅰ。 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
60 20/02/15(土)22:34:23 No.663452580
人類絶対悪ビースト位階総序列第二位Ⅱ。 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。 星が生み出した、星の癌。 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位Ⅲ。 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。 故にその名は『木原五行』。 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
61 20/02/15(土)22:34:41 No.663452692
人類絶対悪ビースト位階総序列第四位Ⅳ。 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
62 20/02/15(土)22:34:52 No.663452752
人類絶対悪ビースト位階総序列第五位Ⅴ。 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。
63 20/02/15(土)22:35:18 No.663452904
人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Ⅵ。 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
64 20/02/15(土)22:35:29 No.663452972
人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Ⅶ。 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。 故にその名は『断罪の七大罪』。 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
65 20/02/15(土)22:35:44 No.663453064
人類絶対悪ビースト位階総序列第八位Ⅷ。 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。 神を求めるがあまり神をすら殺す、本末転倒な組織。 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
66 20/02/15(土)22:36:29 No.663453349
人類絶対悪ビースト位階総序列第九位Ⅸ。『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。
67 20/02/15(土)22:36:43 No.663453439
人類絶対悪ビースト位階総序列第十位Ⅹ。『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪 故にその名は『復讐同盟』。誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
68 20/02/15(土)22:36:55 No.663453514
人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
69 20/02/15(土)22:37:06 No.663453594
人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。 故にその名は『電脳生命体α』。 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。 人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。 故にその名は『極悪博物館』。 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。
70 20/02/15(土)22:37:24 No.663453706
人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
71 20/02/15(土)22:37:35 No.663453783
人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。 故にその名は『聖なるカナン』。 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
72 20/02/15(土)22:37:45 No.663453847
人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
73 20/02/15(土)22:38:10 No.663453958
人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。 故にその名は『上×勢力』。 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。 人の生み出した、人の業。
74 20/02/15(土)22:38:20 No.663454039
以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。 「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
75 20/02/15(土)22:38:31 No.663454113
だから、 「…………………やっと終われるよ、お姉さん」 だから、パトリシアは微笑む。 確信していた。 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。 本当に、やっとだ。 待っていた。 待っていた。 ずっと、待っていた。
76 20/02/15(土)22:38:42 No.663454183
この瞬間を、この時間を、このトキを。 「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」 呟く。 語る。 話す。 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。 「それでも、ね」 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
77 20/02/15(土)22:38:56 No.663454267
努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。 「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」 だから、パトリシアは泣く。 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。 矛盾した言動で、泣く。
78 20/02/15(土)22:39:07 No.663454336
十七の人類絶対悪ビースト。 人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。 終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。 彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。
79 20/02/15(土)22:39:26 No.663454454
とある暗部の御坂美琴(2周目) 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか? 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか? 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか? 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。
80 20/02/15(土)22:39:46 No.663454568
※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。 ※『白衣の男』と御坂美琴⑪ 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。
81 20/02/15(土)22:40:30 No.663454801
あいつ
82 20/02/15(土)22:40:58 No.663454960
なんかの粘着か?
83 20/02/15(土)22:41:37 No.663455200
ナニココ
84 20/02/15(土)22:42:33 No.663455533
オリジナルキャラクター紹介 白白白はくびゃくしろ……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 造られた子供たちプログラムチルドレン 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 風紀委員本部セントラルジャッジメントの委員長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している部下を使って暗躍した。
85 20/02/15(土)22:42:43 No.663455592
木葉桜十五夜このはざくらまんげつ……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐、学園都市特記戦力 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長補佐のため無し 特殊能力 原石 世界支配ワールドイズマイン 二つ名 最強原石 風紀委員本部セントラルジャッジメント最後の切り札 委員長の懐刀 意思無き人形 正義の尖兵等 所持武器 専用武器懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』 戦闘スタイル 位相操作、万能型 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い暗躍した。基本的に白には絶対服従である。原石世界支配ワールドイズマインは局地的位相操作を行うことのできる力であり、基本的に戦闘で負けることはない。十のリミッターがかけられており、普段の力は大幅に制限されている。
86 20/02/15(土)22:42:56 No.663455666
扼ヶ淵埋娥やくがぶちまいが……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊総隊長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 攻撃部隊総隊長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 数の無い槍ロストオブランス 所持武器 火炎放射器 戦闘スタイル 近接格闘、遠距離火炎放射 風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い上条当麻と戦闘を行い勝利した。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。能力は現段階では不明だが、地下下水道の崩落から身を守るために能力を使ったように描写がされている。
87 20/02/15(土)22:43:32 No.663455862
魅隠罠明みかくれみんみん……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 開発部隊総隊長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 作ったモノ 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』等 風紀委員本部セントラルジャッジメントの開発部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件で動いた様子はないが、開発部隊総隊長だけあって武器や防具、兵器、道具類を作ることに天才的能力をほこる。ただし、自分の製作したモノを馬鹿にされたと感じるとヒステリー気味に怒鳴る。罠明の製作したモノを馬鹿にするのは止めた方が賢明である。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。ただし、白が別組織から引き抜いたような描写がなされる。懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』の製作者は彼女であるが、霊装をつくれるという事は魔術師なのかもしれない。
88 20/02/15(土)22:44:35 No.663456243
千疋百目せんひきひゃくめ……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊第二班班長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 第10位→第8位 特殊能力 超能力『反転世界パラレルワールド』 強度 大能力者レベルフォー 二つ名 逆さまに狂う世界オセロゲーム 所持武器 不明(本来なら武器は所持しているようだ) 戦闘スタイル 近接格闘、投擲 称号 宿敵ライバル
89 20/02/15(土)22:44:48 No.663456328
風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊第二班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と戦闘を行い勝利した。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの一件終了後白の指示によってに風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングが二つ上がった。傷を負うことを恐れており、本人は少なくとも風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング五位になるまで無傷でいなければならないと思っている。第八拘束リミッターまでを解除した十五夜の姿を見て気絶ですんだことからも、百目自身の強さがうかがえる。
90 20/02/15(土)22:44:50 No.663456336
インターネット深淵って突然近所にポップするよね
91 20/02/15(土)22:45:02 No.663456423
無何有峠妃むかいとおげきさき……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊総隊長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 諜報部隊総隊長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。両名が地下下水道に入ったのを見てから撤退を行った。
92 20/02/15(土)22:45:05 No.663456437
とあるのPSPに出てくるレッドプレイヤーとホワイトプレイヤーみたいだな
93 20/02/15(土)22:45:11 No.663456481
よくわからないからdelしとこう
94 20/02/15(土)22:45:15 No.663456501
五寸釘匕首ごすんくぎあいくち……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第一班班長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明 特殊能力 超能力一方念話ワンサイドテレパス 強度 強能力者レベルスリー 二つ名 無し 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第一班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白と妃の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。また、同時に連絡要員として能力を使用し埋娥や百目に指示をした。
95 20/02/15(土)22:45:29 No.663456580
浣熊四不象あらいぐましふぞう……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第■班■■ 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 爆弾使用、銃?使用 風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第■班■■。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い空中の戦力への対応、人員の回収を行った。『HsAFH-18』に追いつき、侵入できるほどの能力を持っている。空を飛ぶ姿を確認できるが、何らかの道具によるものなのかそれとも能力によるものなのかは不明。
96 20/02/15(土)22:45:35 No.663456620
伸びてるから覗いたらビックリだよ!
97 20/02/15(土)22:45:39 No.663456657
常世涯最果とこよのはてさいはて……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 封印戦力のため無し 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 専用武器体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』 戦闘スタイル 自爆 風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力。最果のことは苦罠らも表に出てくるまで知らなかった。能力は不明ながら擬似的な不死のようなものだと推察できる。脳幹は『封印』という手段で楽に対処できると語った。普段は 風紀委員本部セントラルジャッジメントの地下第11層にいる。白さえもなるべく使いたくないと思う戦力であるが、自爆戦法を使えるという点ではほかの何物にもできない唯一の戦力ではある。
98 20/02/15(土)22:45:50 No.663456709
常闇燕獅とこやみえんし……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント防衛部隊総隊長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 防衛部隊総隊長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 風紀委員本部セントラルジャッジメントの防衛部隊総隊長。それ以外のデータは現段階では一切不明。
99 20/02/15(土)22:46:00 No.663456773
白神九十九つくもがみつくも……性別 女 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊総隊長 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 支援部隊総隊長のため無し 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 風紀委員本部セントラルジャッジメントの支援部隊総隊長。白は十五夜を通してこの人物に百目の風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングを上げるように命令した。
100 20/02/15(土)22:46:14 No.663456861
五安城安土城いなぎあづちじょう……性別 男 所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント 役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント■■■■■■■■■ 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 詳細一切不明。白曰く外のことを任せているらしい。
101 20/02/15(土)22:46:25 No.663456920
死縁鬼苦罠しえんきくわな……性別 男 所属 学園都市統括理事会 役職 学園都市統括理事会メンバー 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 ブレイン 天埜郭夜 学園都市統括理事会メンバーの一人。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では天埜郭夜と共に暗躍した。計画プロジェクトと呼ばれる計画を進めているようだが詳細不明。交渉力、部下の豊富さ、知略に富んだ頭脳、どれをとっても敵にまわしたくない存在である。木原幻生とのつながりがあり、大覇星祭中に御坂美琴の絶対能力者レベルシックス化を行う予定だったようだが、何のためかは不明。彼がここまで御坂美琴にこだわる理由はいったい何なのだろうか……。
102 20/02/15(土)22:46:37 No.663456978
神亡島刹威かみなきじまさつい……性別 女 所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力 役職 死縁鬼苦罠直属の部下 特殊能力 超能力交点爆撃チェックボンバー 強度 無能力者レベルゼロ 二つ名 無し 所持武器 無し 戦闘スタイル 近接戦闘型 死縁鬼苦罠の部下の一人。といってもいくらでもいる消耗品としての部下であり本人もそれは自覚している。それでも苦罠に尽くすのはかつて苦罠に『闇』から救われたから。浣熊四不象によって殺害され、『HsAFH-18』の爆破と共に死体も消失した。実は見捨てられた女グレイレディによって操られていたが本人は当然自覚していない。交点爆撃チェックボンバーは定めた人物と自身の視線の交わった部分を一直線として、その直線の中間部分を爆破する能力。ただし無能力者レベルゼロ のため実用性は皆無。完全に死亡しているため今後登場することはない。
103 20/02/15(土)22:46:52 No.663457081
巳神蔵豈唖みかぐらあにあ……性別 女 所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力 役職 死縁鬼苦罠直属の部下 特殊能力 超能力水分生成クウォータージェネレーション 強度 大能力者レベルフォー 二つ名 無し 所持武器 無し 戦闘スタイル 能力使用 死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
104 20/02/15(土)22:47:06 No.663457164
殿岳深罠てんがくみみん……性別 男 所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力 役職 死縁鬼苦罠直属の部下 特殊能力 超能力染まらない透明インビジブレ 強度 大能力者レベルフォー 二つ名 無し 所持武器 無し 戦闘スタイル 能力使用 死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
105 20/02/15(土)22:47:17 No.663457232
裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいが……性別 女 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 団長 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 布、剣等 流派 天地破壊流 彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの団長。点々とはまたベクトルの違った戦闘狂である。死なない最果を相手に互角に戦う、脳幹を初まりの領域に送り届ける等、所々でファインプレーをしている。
106 20/02/15(土)22:47:30 No.663457296
柿柘榴水跳かきざくろしぶき……性別 女 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第一級部隊長 特殊能力 超能力不動冥奧ストップモーション 強度 強能力者レベルスリー 二つ名 無し 所持武器 無し 戦闘スタイル 能力使用 彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級部隊長。御坂美琴との交渉時、苦罠からの要請で護衛としてかしだされた。戦闘能力は確かなモノであり、並の強能力者レベルスリーよりもはるかに強い。観察眼も優れている。金には汚い。
107 20/02/15(土)22:47:42 No.663457352
矛盾矛盾ほこたてむじゅん……性別 女 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第三級部隊長 特殊能力 超能力念動能力サイコキネシス 強度 無能力者レベルゼロ 二つ名 無し 所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成銃HsP-07 戦闘スタイル 銃撃、近接格闘 十五夜足止めのために戦った人間の一人。シスラウの時計による毒で死亡した。復活はない。
108 20/02/15(土)22:47:55 No.663457435
鳳仙花蝶々ほうせんかてふてふ……性別 女 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第三級部隊長 特殊能力 超能力発火能力パイロキネシス 強度 無能力者レベルゼロ 二つ名 無し 所持武器 速振動剣チェーンソード 戦闘スタイル 近接剣撃 十五夜足止めのために戦った人間の一人。シスラウの時計による毒で死亡した。復活はない。
109 20/02/15(土)22:47:59 No.663457457
どっかからの転載?
110 20/02/15(土)22:48:07 No.663457499
罪罰贖つみばつあがない……性別 女 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第一級大隊長 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明(狙撃時観測手となる) 彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超遠距離から狙撃を行う波並波狂濤なみなみなみきょうとうの観測手として戦った。描写を見るに能力によるものか何らかの道具を使ったかは不明だが、二キロ先を目視で視認できている。
111 20/02/15(土)22:48:20 No.663457575
波並波狂濤なみなみなみきょうとう……性別 男 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第一級大隊長 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成狙撃銃HsSR-04 戦闘スタイル 狙撃 彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超々一流の狙撃手であり二キロ先の獲物を確実に狙撃することが出来る。狙撃時のペアは贖である。
112 20/02/15(土)22:48:36 No.663457679
屑爬劉くずのはりゅう……性別 男 所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン 役職 第三級大隊長 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 何やら苦罠らが動かしていた存在。現在の所、何をしたのかは不明。
113 20/02/15(土)22:48:52 No.663457796
一本線点々いっぽんせんてんてん……性別 男 所属 無し 役職 個人傭兵、学園都市特記戦力 特殊能力 不明 二つ名 三千世界武神 所持武器 剣(名称不明) 流派 天下無双流 学園都市に三人しかいない個人傭兵の一人。苦罠の依頼で十五夜の足止めを行った。戦いに飢えているというよりは強さを求める類の戦闘狂であり、かつては全能神トールと戦い引き分けたこともある。位相を操る十五夜に一撃を与えたことからもその戦力の強大さがわかる。
114 20/02/15(土)22:49:00 No.663457834
妄想龍的ななにかか
115 20/02/15(土)22:49:07 No.663457876
『空白の主』……性別 不明 所属 不明 役職 不明 特殊能力 位相操作、神器創造、神器属性混合 二つ名 空白の主 所持武器 不明 戦闘スタイル 武器投影及び投擲 初まりの領域と呼ばれる場所に住む異形の存在。一方通行アクセラレータは直感的に人類の敵と感じた。位相操作能力を持つが、濃度で十五夜に劣るため戦いでは押し負ける。ただし、人類の生み出した魔術は効かない、初まりの領域では死なない、一方通行アクセラレータを上の位相世界に送り届けるなど隔絶した実力を持つことは変わりない。
116 20/02/15(土)22:49:18 No.663457956
アルフ……性別 不明 所属 不明 役職 不明 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 『空白の主』と親しげに話す正体不明の存在。普段は最終血戦城カステルル・ブランという場所にいるらしい。
117 20/02/15(土)22:49:29 No.663458021
占卜卜占せんぼくぼくせん……性別 女 所属 不明 役職 不明 特殊能力 不明 二つ名 不明 所持武器 不明 戦闘スタイル 不明 佐天涙子を占った占い師。ただの一般人のようにも思えるが……? たぶんこれで全員だと思います。漏れがあったら教えてください。 あっ、モブキャラは書いてませんのであしからず。
118 20/02/15(土)22:50:19 No.663458323
インデックスと大悪魔と空白の主① 理を外れ人を外れた存在 その場所は地球上のどこでもなく、それでいて地球という世界を見上げることのできる場所であった。白く、白く、白く、ただひたすらに白いその場所で、1人の少女が佇んでいた。 「……………………………………」 呆然と、まるで信心深い宗教家が神に見放されたと自覚した時のように茫然と、その少女は立ち尽くしていた。 何が起こってるのか分からないというのか、この場所がどこなのか分からないのか。 いや、いいや、違う。そうじゃない。そんなモノじゃない。 「…………………………………………………………」 ただ見えていないだけだ。ただ分かっていないだけだ。ただ受け入れていないだけだ。 少女の世界は終わっていた。少女の世界は崩壊していた。少女の世界は破壊されていた。 たった一人の少年の死によって、少女の自我は完全に終焉を迎えていた。 だから少女はもはや廃人。 ただ酸素を吸って二酸化炭素を吐くだけの人型物体。 「…………………………………………………………………………………………」
119 20/02/15(土)22:50:33 No.663458403
それだけ大切な少年だったのだろう。 それだけ喪いたくない人だったのだろう。 己の命よりも、己の所蔵する10万と3000冊の魔導書よりも大切な存在だったのだろう。 だから壊れた。 よりもよってその死に様を直視してしまったから壊れた。 己の無力が少年の死を招いたと誰に言われるまでもなく自覚していたから壊れた。 魔神にすら至れる可能性を持つ幼き少女は、もう完膚なきまでに狂って終わって壊れた。 そんな少女の名をインデックスという。 「――――――ごふっ」 唐突にインデックスは吐血した。 ただでさえ赤い紅い朱い修道服が、さらに赫く染まる。 ただでさえ青い碧い藍い顔面が、さらに蒼く染まる。 「あ、ふっ……ひ」 血を吐いて、血を吐いて、血を吐いて、白しか存在しない世界を少しだけ赤く染めて、インデックスは喉を抑えるようにして蹲った。どうでもいい、ひどくどうでもいいことでしかないが、喉奥に何かが引っかかっている。 血溜でも引っかかっているのか。だとすればこのままでは窒息死してしまうかもしれない。
120 20/02/15(土)22:50:55 No.663458547
窒息死。 それはどれだけ苦しい死に様だろうか。 上条の億分の一でも、当麻の兆分の一でも、救済者ヒーローの京分の一でも苦しいのだろうか。 「か、――――――ひぅ、ぐ、はひーっ、ひーーっ……ふ、……ひゅー、――――――」 息が詰まる。 それはきっと二重の意味での苦しみ。 肉体的な、そしてそれを上回る精神的な苦しみ。 後悔。 後ろの悔い。 痛い。 痛い痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 堪らない。 耐えられる程度の、傷み。 「はっ、ははっ、……当麻、……当麻ぁ」
121 20/02/15(土)22:51:13 No.663458669
時間の感覚なんてとっくの昔に無くなっていた。時節フラッシュバックするする現実を痛感しながら、インデックスはただ記憶の中の想い出後悔に浸る。立ち尽くして、血を吐いては蹲り、涙を流して顔を手で覆い、発狂した様に髪の毛を毟って爪を噛み、肌を引っ掻いてまた泣く。 この白に埋め尽くされた空間を赤色で染めながら、インデックスはもうずっとそうしていた。 「…………あ゛………………………ひっ、ひくっ…………………ごふっ」 そしてまた血を吐く。 「……………………………………………………………」。 そしてまた沈黙する。 痛いくらいの沈黙が白き空間を満たす。 呆然と、まるで信心深い宗教家が神に見放されたと自覚した時のように茫然と、その少女は立ち尽くしていた。 「……………………当麻……………………………………」
122 20/02/15(土)22:51:29 No.663458771
立ち尽くす。泣く。血を吐く。呻く。記憶のフラッシュバック。そのサイクル。 ここが何処かもわからず、ここが何かも知らず、己が何をしているのかもわからず、ただ機械のように繰り返すそのサイクル。 そ・こ・に・突・然・、異・物・が・雑・じ・る・。 「酷い様なりけるのよ」 あり得ないことが起こった。 あり得ざる存在が存在した。 「力ある存在キャラクターが、己の称号キャラクター性すらたもてなきとは」 異物が雑じる。 この白き空間には存在しないはずの存在が現れる。 「………………………………………………………………――――――――――――――――――――――――」
123 20/02/15(土)22:51:48 No.663458878
その女は見た目18歳程度でありながら老齢な雰囲気を宿す矛盾した成り立ちをしていた。 その女は背丈の2.5倍ほどある宝石店に売られていてもおかしくないような黄金色をした髪を持っていた。 その女はベージュ色という本来では修道服としては相応しくない色をした修道服を着ていた。 ……その女のことをきっとインデックスは知っていた。 「されとて、まさか『初まりの領域』にまで堕ちたりけるとはね」 呆れたように、女はそんな台詞を口にする。予想外、とまではいかないが予定外の事態だった。上条当麻ヒーローの敗北とインデックスヒロインの崩壊。いくらこれが嘘だからといってそれはまだ早いだろうと僕は思うのだけど。その辺、お前らはどう思う?それも敵が人類絶対悪ビーストであるのならばともかく、ただの暗部組織が相手と来た。 期待しすぎたか、と女は少しだけ反省する。 だがある意味では仕方がないというか、当然の期待でもあったのだろう。
124 20/02/15(土)22:52:17 No.663459052
彼らは本来ならば出来たはずなのだ。 敗北をすることなく、勝利を掴めたはずなのだ。 積み重ねた10年以上の時が、彼らが暗部組織程度の敵を、悪を蹴散らせる事実を保証しているはずなのに。 それでも負けた。 それでも負けたのは……やはり……。 「当麻……………………………………ぐすっ、………ひぅ……っ!…………当麻あ゛……………ぅうぅぅ……………………」 「ここまで近づきても気付けぬか……。………………潮時なるかな」 距離50センチメートルでも反応無し。 わりと大きな声を出しても反応無し。 直接触ってみても、
125 20/02/15(土)22:52:34 No.663459144
「……………――――――――――――――――――……………………………――――――…………………………………………………………」 直接触ってみても反応無し。 だから女は決断する。 幾つもの出来事イベントを乗り越え、10年以上の時をかけ積み重ねてきた全てを切り捨てる覚悟を持つ。 「仕方なき、か」 「…………………………………………………………………」 見切りをつけた。 インデックスは此処で終わりだ。ここまで上条当麻に依存していたことは完全に予想外だった。こんな廃人はもう役に立たない。どれだけ素晴らしい能力を持っていても、どれだけ貴重な役割ポジションをもっていても、どれだけ代替の効かない称号持ちネームドでも、この程度でいちいちいちいちメンタルケアを必要とするなら、ここまではともかく、これから少し先はともかく、全ての役者が揃った後では絶対に役に立たない。
126 20/02/15(土)22:52:44 No.663459199
必要となるのは能力よりも技術よりも友人関係よりも金銭よりも精神なのだ。 だからインデックスはもういらない。 幸いにも変わりはもうきちんと登場している。 だから躊躇いはなかった。 勝つための最善手を、女は打つ。 「根源魔術オルディニスデーストルークティオー―――――― 揺らぎゆく自己同ドッペルゲン 「クラウ・ソラス+グングニル=万物貫九輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス」 バグドダッッッ!!!!!、と轟音が響いた。 第五宇宙速度をもって顕現した神話の武具が女に向かって直進する。 人間では見ることも出来ないほどの速さ。 人外でも追いつけないほどの速度。 それが銀河集団脱出速度である第五宇宙速度。 光速には届かないが、それでも十分すぎる。
127 20/02/15(土)22:53:01 No.663459303
秒速にして1000キロメートルの攻撃を避けることなど、どんな生物でもできる訳がない。 故に、 「…………………空白の主」 女は避けなかった。 いや、正確に言うなら避ける必要すらなかった。 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。 アイルランド民話に登場する剣と北欧神話に登場する槍の特徴を合成させた融合神話武器。あらゆる敵を貫き、追尾し、切り裂く絶対の武器。 それも敵がそれ以上の力を持つのなら意味はない。 「からからから、かかかからからからからからから!!!初めま四十のひ三四ぶりっ、大悪魔五六ンゾンンンンンンンンンン!!!!!!!!!」 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスは女に、いやコロンゾンに刺さりもしなかった。当たる直前でコロンゾンの霊媒アバターであるローラ=ザザの左手が 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスを掴み取っていた。 そしてそのまま握りつぶす。 「取り戻四二来たのか七守り二来たのか七助け二来たのか七救一二来たのか七ぁ!」 ついでとばかりに放たれる空白の主の追撃。
128 20/02/15(土)22:53:11 No.663459361
フラガラッハ+ブリューナク+天下五剣=天下に轟く雷速絶貫の回答者天剣・フラガラック・ブリューナク。 レーヴァティン+如意金箍棒にゅいきんこぼう=伸縮自在の全焼枝金棒・レーヴァティン。 ハデスの兜+トリシューラ=不可視三叉槍トリシューラ・ハデス。 それをコロンゾンローラは弾く、捌く、消す。 その程度の武器ではコロンゾンは傷つけられない。 「遅一遅一遅一四遅すぎる!今ッ更ァッ、出来る訳が七一の二一!」 コロンゾンを殺したいのであればそれこそ外世界の存在でも連れてこなければならないだろう。 例えばタングラムとか。 「同士討ち!自爆!フ零ンドリーッッッ、ファ一アアアアアア!!!無自覚十八一え憐零だ四ね。仲間同士で潰四合う七ん十ッッッ!!!」 威圧するかのように顔を歪ませる空白の主をコロンゾンローラは真正面から見つめる。 まだ、敗けていない。 ここからの逆転はあると信じている。 「勝ち誇るには早きけるのよ、空白の主」 「からから、勝ち誇る二八早きける?勝ち誇りもするよ。何せ、君達の最重要駒が一つ脱落四たんだからからからから!!!」
129 20/02/15(土)22:53:26 No.663459446
「まだ確定はせざりたるわ!」 反撃。 反抗。 反対。 「禁書目録インデックスは七連物語セブンスストーリーズ第六物語シックスストーリーの庇護対象ヒロインであろうぞ!」 「からからから。禁書目録一ンデッ九スの絶対性八まだ保障さ零十一七一。彼女八まだ庇護対象ヒ六一ンであっ十隣二並び立つ者メ一ンヒ六一ンじゃ七一」 言葉と言葉の応酬おうしゅうはそれでも彼女たちが行えば全く別物へと変化する。
130 20/02/15(土)22:53:36 No.663459516
片やこの世界においても十二指に入る単一存在。『333』の数字を等価に持ち、拡散という本質にそって世界に汚泥と悪逆を撒き散らす大悪魔であり、世の理の結合を妨げる人外。単純戦闘能力ではかのアレイスター=クロウリーですら敵わないとされる絶対にして先住民センチネル側の理外人外の1人。 イギリス清教最大教主アークビショップ、必要悪の教会ネセサリウストップ、ローラ=スチュアートコロンゾン。 片やこの世界においても十二指に入る始源存在。人類が生み出した文明の全てを無効化し、人類が殺害することは絶対不可能である人外。人類が生み出した文明の全てを支配し、操作し、隷属させる罪人。時空間を超越し、運命論からも抜け出し、神話を体現する原初の片割れにして侵略者インベーダー側の理外人外の1人。 『初まりの領域』の主、本名未だ不明、『空白の主』。 この二人――――――人ではないから二人という数え方が適切かは分からないが、二人からすれば言葉は十分に武器足りえる。 なにせ二人が口にする言葉はただの言葉ではない。相手の称号キャラクター性に対する攻撃だ。
131 20/02/15(土)22:53:59 No.663459671
「インデックスはまだ死んでなきなのよ」 「今の一ンデッ九スが上条当麻の隣二立つ五十八不可能!そして、今の一ンデッ九ス八もう正気二八戻零七一!」 「そんなことはなきなのかしら!復活を望む声があれば黄金の餞はなむけでインデックスは復活できたるわっ!まだ、そこまでは確定していなきよ」 だから二人とも必死だ。口論で負ければその時点で『核』が破壊されてしまう。そうなれば復活は絶対にできない。 だから敗けられない。 そして言い負かせれば、殺せる。 故に本気の本気も本気。 全力全開の全身全霊の一所懸命。 「からから、悪あがき!一ンデッ九ス八地球位相二八戻零七一!一ンデッ九ス八この『初まりの領域』で一生狂気二浸っ十過ごす!五零八確定四十一るのお!」
132 20/02/15(土)22:54:18 No.663459814
「それはどうなりけるかしら」 「………………?」 「インデックスとは、一つの称号キャラクター性を指すものではなかりけるわよ」 この戦いを理解できる人間はどれくらいいるのか? この二人の言っていることが分かる存在はどれくらいいるのか? お前達には、 君達には、 理解できるか?
133 20/02/15(土)22:54:43 No.663459951
春が近いからな
134 20/02/15(土)22:55:09 No.663460100
空白の主と大悪魔① 原初の0.5 初まりの領域において『空白の主』が根本的な敗北をすることはあり得ない。初まりの領域は原初の世界であり、全ての基礎である場所だ。そして『空白の主』は初まりの領域の住人。全てが繋がっている初まりの領域の住人である『空白の主』を殺すということは、つまり全時間軸に存在する全人類を全滅させるということに他ならない。 故に、『空白の主』を殺したいのであれば全時間軸に存在する全人類を全滅を許容するするしかない。それを否定したいのであれば、絶対に不可能であるが初まりの領域から『空白の主』を引き離すしかない。全時間軸の全人類の生存は逆説的かつ無条件に『空白の主』の生存を証明し、しかしながら『空白の主』の生存は人類の生存を証明しない。理不尽な相互依存関係がそこにはあるのだ。 「から、からから、からからから!」
135 20/02/15(土)22:55:22 No.663460208
ただ、もちろんの事、単純な実力のみで考えれば現イギリス清教最大主教アークビショップである大悪魔コロンゾンは『空白の主』に勝まさる。アレイスター=クロウリーの原型制御アーキタイプコントローラーによって区分けされた時代アイオーン。イシス、オシリス、そしてホルスの時代アイオーンすらも超越した、さらに先の世界に存在する存在。 全力の魔神複数柱からすらも逃れることの出来る、別位相ですらない『新たな天地』という新世界から地力で脱出可能な力を持つ存在。 大悪魔コロンゾン。 拡散の本質を持つ、真なる邪悪。 神話上の存在でありながらあくまでも人間でしかない『空白の主』では決して勝てない敵。 にも拘らず。 「可哀想。可哀想。七ん十可哀想七奴だ。大悪魔五六ンゾン」 這い蹲っていたのは、膝をついたのは、汗を流しているのははローラ=スチュアートだった。
136 20/02/15(土)22:55:35 No.663460301
「ぎ、ぐ」 その様を、 かの黄金夜明S∴M∴の創設者の1人であるサミュエル=リデル=マグレガー=メイザースが目にすれば、驚愕のあまり心臓を停止させたかもしれない。 その様を、 近代西洋魔術という形式を作り上げた学園都市の王であるアレイスター=クロウリーが目にすれば、幻と断じたかもしれない。 だって、想像できるか? あの大悪魔が、あの大悪魔コロンゾンが、 アレイスターですら制御できなかった、メイザースをも出し抜いたあの大悪魔コロンゾンが、 たかが『空白の主』程度に敗北しているなど。 「人類七ん十見捨十十四まえば、私七ん十、五の『空白の主』程度、楽二殺せるの二」
137 20/02/15(土)22:55:53 No.663460427
言うまでもなく、そして何度でも繰り返すが。 大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートの実力は『空白の主』を上回っている。確かにこの初まりの領域は『空白の主』の庭だ。だが、だから何だ?その程度の有利ではかの大悪魔との差は埋められない。 だから、当然別の要素があった。ありていに言えば、大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートは非常にらしくないことをしていた。自然分解、拡散の性質、本質的な邪悪。 それが大悪魔コロンゾンだというのに。 「は、ははは、はっ、くっッ!」 だが笑う。 無様な様を晒しているのは大悪魔コロンゾンの方だというのに、それでも笑う。 人間ではない人外はそもそも視点が違う。 最初から全てを超越している存在は絶対的にスケールが違う。 それを、表しているかのように。
138 20/02/15(土)22:56:04 No.663460495
「この霊媒アバターでは、これが限界なりけるかしらね」 局地的な勝利が全体的な勝利につながるとは限らない。スポーツの団体戦において1勝が全体の勝ちを意味しないように、ここでの敗けは許容できるものでしかない。けれど、そんなことを知らない『空白の主』にとってこの勝利は違和感にしかならなかった。 論ずるまでもなく勝てるはずがない。できるのは時間稼ぎで、それさえもできるかは分からない。 (アルフは何を四十一るのか七……。五の化物を相手二出来るの八、同じ化物の君四か一七一の二) アルフ。 『空白の主』の友人であり同類。 秘匿された真名はbyucgjビュックグジュール・dqsディクェス・finprovzフィンプロブズ・mekhatwxメカトゥウィークス。 ともすれば、魔術側の最高戦力である魔神すらも凌駕するかもしれない存在。 来てくれれば、心強い。
139 20/02/15(土)22:56:29 No.663460652
「からからから。……なぜ、殺三七一?……大悪魔五六ンゾン。ま三か、人類を守っ十一るわけでも七一だろうに」 「……いひ、我は悪魔、大悪魔コロンゾンなりけるのよ」 正直なところを言えば、圧されているのはこちらの方だ、と『空白の主』は思っていた。コロンゾンの思惑が一切分からない。敗北した?負けた?まさか!そんなわけがない。コロンゾンの強さを『空白の主』は十二分に知っている。た・っ・た・2・週・間・前・に・手・に・入・れ・た・ば・か・り・の・情・報・に・よ・っ・て・コ・ロ・ン・ゾ・ン・の・強・さ・は・更・に・補・強・さ・れ・た・の・だ・。 例え血に伏せ地に臥せた状態とはいえそれでもコロンゾンの強さは何も変わらないのだ。 生命の樹セフィロトの隠されし一線、深淵アビスを守る大悪魔。 この世界■■における、頂点の一角。
140 20/02/15(土)22:56:40 No.663460723
「メイザースとの契約はまだ切れていない。である以上、私に貴様は殺せない」 「……かっ、からからから!!!メ一三ース!黄金夜明S∴M∴の三ミュエル=リデル=マグ零ガー=メ一三ースか!!!から、だ十す零八、だ十す零八随分十素晴ら四一事を四十九零た。ま三か、五の私の安全が、そん七語十で保障三零る十八ッ!」 『空白の主』と人類種は敵対している。かつて、全ての人類の祖である『空白の主』は全ての人類を愛していた。だが『空白の主』は愛する子供達に裏切られた。『空白の主』が完全に清浄なる存在となり、元いた場所に帰るために作った子供達は、よりにもよって逆に『空白の主』を縛ってきた。 子と親という強い強い関係性を利用して、縛ってきたのだ。人間が名を用いて契約を結ぶように。その繋がりを利用して。『空白の主』と人類種は流血ではなく流れる血によって繋がっているから。 「だったら殺せる!この私でも、人間でも、大悪魔たる君を追放できる!!!」
141 20/02/15(土)22:56:52 No.663460801
故にこそ、『空白の主』は初まりの領域などという辺鄙な場所にいる。魔神のいる『隠世』でもアルフのいる『最終血戦城カステルル・ブラン』でもない、常世に対する一切の干渉を制限されたこの初まりの領域に。 エイワスは例外中の例外だ。エイワスも結局のところ常世では霊媒アバターなしに大規模な行動はとれない。そして何よりも契約に縛られる。そう、かつてとあるご令嬢フロイラインと交わした契約は、今もエイワスを縛っている。 メイザースによって縛られたコロンゾンと同じように。 「あぁ、あぁ、あぁ!!!子供に罪を押し付けるまでもない!大悪魔を打ち倒すという功績を立てれば、私の罪は禊がれるッ!!!」 その喜びを抑えることはできなかった。 あるいはこの世で最も罪深き存在に唆される前の『空白の主』であれば、こんな風に欲望を露わにすることはなかったのかもしれない。人類が人類となった理由は賢くなってしまったからだ。つまるところ知恵を付けたから。その理由こそが善悪の知識の木の実を食べてしまったから。故に『空白の主』は楽園を追放された。
142 20/02/15(土)22:57:06 No.663460890
この出来事を、――――――失楽園ペルディトゥス・パラディススという。 「――――――戻れる、あの場所に。愛しの楽園に、もう1度ッ!!!今度こそ、私は神に成れる!」 賢さは罪だと定義されている。欲望を持つことは罪だと言われている。今より先に行きたいと、もっと楽になりたいと、誰かのためではなく自分のためにと、それらは全て、全て罪深いのだと、そう言う人がいる。神が人を楽園から追放したのは、人が神になることを恐れたからなのか。神が人に知恵の樹の実を食すことを禁じたのは、人が神の座に辿り着くことを懼れたからなのか。 『空白の主』は、自覚していない。 人類には罪がある。 傲慢スペルビア。嫉妬インウィディア。憤怒イラ。怠惰アケディア。強欲アワリティア。暴食グラ。色欲ルクスリア。 これを7つの大罪といい。 そして莠ャ螟ェ驛主・??ェ邯コ隴壹?螟ァ豐シ遘倶ク?驛弱?菫晄怏謚?閭ス縲弱じ繝サ繝ッ繝ウ繝サ繧キ繝ウ縲によれば、彼は莠コ縺ョ蜈ォ縺、逶ョ縺ョ螟ァ鄂ェを決して自覚できない、無自覚の罪の集約体を『雋ャ莉サ霆「雖』と定義した。
143 20/02/15(土)22:57:20 No.663460980
「だから君は此処で死んで?私のための踏み台になって?」 『空白の主』は雋ャ莉サ霆「雖している。彼女は物事を正しく見ていない。人類全体を生贄としか見ていない。当然の供仏。奉仕されることが当たり前と思っている。最も不浄であるが故に、最も清浄に憧れた『空白の主』。 こんな詩を知っているだろうか。 菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。 遏・諱オ縺ョ螳溘r蜿」縺ォ縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。 菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。 陋??逕倩ィ?縺ォ閠ウ繧定イク縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。 縺セ縺?鄂ェ縺後o縺九j縺セ縺帙s縺。 縺昴l縺薙◎縺後≠縺ェ縺溘?鄂ェ縺ェ縺ョ縺ァ縺。
144 20/02/15(土)22:57:41 No.663461113
『空白の主』は分かっていない。なぜ楽園から追放されたのか。なぜ人類が反逆したのか。与えられる側だった『空白の主』には奉仕する側の気持ちは分からないし、与える側の気持ちもわからない。 「くっ、くっくっくっ」 だからこそ、『空白の主』にはコロンゾンが怖く見えるのだ。恐れていて、畏れている。誰・か・に・頼・る・こ・と・で・し・か・危・機・を・脱・し・て・こ・な・か・っ・た・『空・白・の・主・』は・根・本・的・に・弱・者・だ・。 齢をどれだけ重ねても弱いまま。 実力は上がらず、弱い者いじめしかできない。 コロンゾンの思惑も分からない。 「あっはははははははははははははは!!!!!!」
145 20/02/15(土)22:57:51 No.663461175
思わず、といった調子であった。 まるで1秒先に来る絶望を知らない赤子を見る様に、コロンゾンは大笑いした。 「……何が、おか四一?」 「くっくっ、おかしいと思わなきかしら」 「一った一何について!?」 止めを刺そうとしないのは反撃を恐れているから。 会話を続けようとしているのは時間稼ぎのため。 神器召喚でコロンゾンを攻撃しないのは悪魔殺しの業を背負いたくないから。 『空白の主』には覚悟がない。だから、簡単に諦めて、次を探してしまう。『空白の主』は何1つとして背負っていないから、軽い。8月21日のあの日に木原脳幹と木葉桜十五夜を逃がす必要はなかったはずだ。一方通行アクセラレータに対する干渉ももっと深くできたはずだ。 世界をあるべき姿に還そうとしているコロンゾンとは格が違う。 自分だけのために戦うモノは、弱い。
146 20/02/15(土)22:58:01 No.663461233
「くっくっ、私がここに来た理由は、貴様と戦うためでは、ない」 「…………………………………………………………………」 『空白の主』には見えていなかった。意図的に無視をしていたわけではない。ただ純粋に、その存在を認識していなかったのだ。地を這う蟻は意識しなければ気付けないように、空を飛ぶ蚊もまた意識しなければ気付けないように。『空白の主』からすればあまりにも矮小すぎる存在ゆえに、『空白の主』はその存在を忘れていた。 なぜコロンゾンは初まりの領域に来た? その理由ははたして何だった? 「警告、第二二章第一節。命名、『神よエリ、・何故私を見捨てたのですかエリ・レマ・サバクタニ』――――――完全発動まで一秒」 「ッッッッッ!!!!!?????」 いきなりだった。 妙に機械的な声がした瞬間には、もうその赤き閃光は『空白の主』に直撃していた。 だが、
147 20/02/15(土)22:58:13 No.663461298
「…………………………………出来ない」 閃光が晴れると同時に、『空白の主』は呟く。あれほどの一撃が直撃してなお無傷なのに、それでも。 認められないかのように、信じられないかのように。 大悪魔コロンゾン。三三三。拡散。自然分解。共倒れ。 それはあり得ない。 『空白の主』の対が、 いや、いいや、いいや!!! 「不可能二決まってるっ!人類で八私を、五の原初の片割零たる『空白の主』八殺せ七一っ!親殺四のパラドッ九ス。五の全時間軸二繋がっ十一る初まりの領域で八、人類の手で八私八殺せ七一!」 だからインデックスは此処にいるのか? わざわざ、そういう風にセッティングした?『空白の主』の対が、その『破壊の象徴』が、共倒れの相手が、インデックスだと?
148 20/02/15(土)22:58:44 No.663461494
イギリス清教第零聖堂区必要悪の教会ネセサリウス所属の魔導書図書館。 そんなことは認められない。 そんなことは認められない! 格というモノがある。 オリンピック選手とアマチュア選手なら共倒れするのか 最新鋭の戦闘機と旧式の装備を持った歩兵は共倒れするのか? いや、あり得ない。だから絶対にあり得ない。インデックスでは『空白の主』の対にはなれない。なのに、なのに、それなのに!なぜ、コロンゾンはそこまで『空白の主』を下に見る! 「馬鹿、二」 怒りが発露する。 暴風雨のような怒りが、畏れを上回る。 「馬鹿二するのも大概二四六ぉ!!!五の、五の私八っ、『空白の主』八ッ!原初の一、初まりの片割零、全十の人類の母!!!勝十七一、人類じゃ、君のバッ九アップを受けた十四十も!險ュ螳八覆ら零七一!!!!!五の、私の五十を、ど五まで下二見零八ッ!大悪魔、五六ン」 「な・ら・魔・神・な・ら・」
149 20/02/15(土)22:58:59 No.663461577
それは至極単純な答えだった。 「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――まさか」 知らず、冷や汗が流れた。 インデックスの脳内に記憶されている一〇万三〇〇〇冊の魔道書を正しく使えば魔神に至ることが出来るとされている。一方で、インデックス自身が魔神になることは不可能だとされている。その理由はインデックスが魔力を生成することが出来ないからだ。 なら、インデックスが魔力を生成できるようになれば? もしもインデックスに付けられている3つの枷が全て外れるような事態に成れば? インデックスは分離した。今この初まりの領域にいるのは仮想人格ナンバー006『哀れな子羊アニュス・デイ』だ。 空虚な心と不完全な器。乗っ取るには、霊媒アバターとするには十二分すぎた。
150 20/02/15(土)22:59:16 No.663461678
「――――――魔導書図書館、Index-Librorum-Prohibitorum」 恐怖が、 死が、 そこにある。 「これならばメイザースとの契約には反しない」 元来、悪魔とは狡猾であるモノだ。メフィストフェレスなどが有名であるが、悪魔とはその弁舌で人を騙し、その弁舌で人を誘惑し、その弁舌で人を誘導する生き物だ。契約の穴を見つけることなど簡単にできる。 策はなった。 そのためだけに、コロンゾンはわざわざインデックスを『殺した』のだ。 赤・き・楔・は・掻・い・潜・ら・れ・た・。
151 20/02/15(土)22:59:31 No.663461770
「殺せ」 一言だった。 単純な命令だった。 絶対の死刑宣告だった。 勝てないと、本能的に分かってしまった。 因果応報。罪には罰を。盛者必衰。兵どもも夢の跡。 だから、 「ここからは私が受け持ちますdeath。我が朋友、『空白の主』」 ブンッ、と空間がぶれた。 そして、いた。 黒のスーツに黒のズボン、黒のマントと黒の指輪、黒の靴、黒の髪、黒の手袋、黒の襟、黒のモノクル、そして白い肌と紅い唇と瞳。 救援は最適のタイミングで現れた。彼は『空白の主』を庇うように前に立った。
152 20/02/15(土)22:59:44 No.663461845
その男の名を、アルフといった。 「第六物語シックスストーリの最終敵ラスボスであるか。そしてこの大悪魔と同じ人類外」 「同じとは人聞きが悪いdeath。私はあなたほど悪辣ではないdeathよ」 交わされた会話はそれだけだった。 そして戦いが始まった。 生命の樹セフィロトの奥に潜む悪魔と1700年前に人類種に敗北し常世から逃走した『空白の主』の息子の末裔の戦いが始まった。 さながら、最終決戦であるかのように。 さーて、『空白の主』の正体、もう分かりましたよね?全世界の神話でも五指に入るレベルで有名な人間ですよ。
153 20/02/15(土)23:04:03 No.663463577
ベイパーキャノーン
154 20/02/15(土)23:05:11 No.663464045
ハーメルンか何かか
155 20/02/15(土)23:08:32 No.663465557
終わった?
156 20/02/15(土)23:10:55 No.663466505
ナニコレ
157 20/02/15(土)23:11:16 No.663466643
Q.なぜ世界は滅んだのか? 学園都市統括理事会① 襲来の人類絶対悪ビースト 8月29日午前9時33分 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍の間』にて 学園都市統括理事会は学園都市に存在する暗部の一つである。そして同時に学園都市の最高機関でもある。 所属するメンバーは統括理事長を除いて12人。そのほとんどが一癖も二癖もある『悪』人であり、自身の利益のために他者を平気で糾弾する屑だ。善人といえるのははそう、貝継と親船の二人くらいのモノだろう。 純粋な善が割を食い純黒の悪が栄えるのは世の常。いつもいつも良い人はいつも損をするものだ。 だが、だからといって常に悪人が栄え続けるのもまたあり得ない。栄枯盛衰、諸行無常。変わらないものなどないのが世の中なのだから、学園都市統括理事会のメンバーもまた、さらに強大な『悪』に叩き潰される時が来る。 多くの統括理事会メンバーはそれが分かっていない。自分だけは安泰で、最後に嗤うのは自分だと思ってる。それがただの妄想だと気づきもせずに。 いつかその時が来るとしても、なんだかんだで自分だけは例外だなんて思ってる。
158 20/02/15(土)23:11:32 No.663466747
だから苦罠は郭夜からの報告に焦っていた。苦罠もまた、結局の所自分だけは安全位置にいると思っていたから。 その平穏が一瞬で終わるだなんて、思いもしなかったから。 「とりあえず、集まってくれたようで安心したよ」 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍さそりの間』。統括理事会メンバー同士が秘密の会談を行う際に使用される学園都市の中でも最もセキュリティの厳しい場所の一つ。その『蠍の間』に今、10人の人間が集っていた。 死縁鬼苦罠。 トマス=プラチナバーグ。 親船最中。 潮岸 。
159 20/02/15(土)23:11:48 No.663466865
貝積継敏。 薬味久子。 亡本裏蔵。 アラン・スミシー。 ロード・アンドレイ。 奈落ならく奈波ななみ。 以上10人。全員が全員統括理事会メンバーだ。 「ふん」 「まだ、二人ほど来ていないようですが」 「全くだぜ。あの潔癖症と重病人はどうしたっつうんだ?」 これはもはや奇蹟に等しい会合だった。いがみ合い争い合い憎しみ合う統括理事会の人間が10人も一堂に会するなど飛行機が墜落するくらいあり得ない。彼らは自分以外のメンバーを追い落とすのに全てを懸けるほどの悪人。彼女たちは誰よりも自己中心的で世界が自分を中心に廻っていなければ気が済まないような狂人。 けれど今、この場に10人もの統括理事会メンバーがいる。
160 20/02/15(土)23:12:01 No.663466949
それはひとえに苦罠が連絡したからだ。 死縁鬼苦罠という男が、彼らを集めた。 「潔癖症の彼女には先に動いてもらっている。彼女もどうやら私と同じ情報を得ていたようだからね。そしてあの重病人について私も知らないな。割と緊急性の高い事態だから出来れば参加してほしかった、というのが本音だが」 「緊急性?」 アランが馬鹿にしたように言う。 「緊急性?何がだ?今この学園都市で、どんな緊急事態が起こってるっていうんだ?統括理事会全員を招集しなけりゃいけないほどの緊急事態が起こってるなんて、俺にはとても思えんがね」 「それならなぜあなたはきたのそれなら何故あなたは来たの?がくえんとしのぼうえい学園都市の防衛をまかされているあなたがきたということは任されているあなたが来たということは、なにかだいじ何か大事があったんじゃないかとおもったのだけれど思ったのだけれど」 「別に対した理由なんてねぇよ。ただ時間はあるし、同類の緊急要請に応えないほど俺は狭量じゃねぇ」 「ふん、ただこれ幸いと死肉を漁りに来ただけではないかね?」 煽り合い。罵り合い。マウントの取り合い。
161 20/02/15(土)23:12:04 No.663466971
あと7分そこらぜ
162 20/02/15(土)23:12:15 No.663467040
ほんのわずかでもイニシアチブをとり優位に立とうと彼らは言葉という名の武器を交わし合う。 言葉。そう、あくまで言葉だけだ。間違ってもここで武器を交わすようなことはない。そのリスクは全員が承知している。 「はっ、あいにく腐った肉を喰らう趣味はねぇな。そこの美食家気取りでもあるまいし」 「それは私のことかな?『ネクター』は君が思っているよりもはるかに素晴らしき美酒だなんだがね」 「別に『ネクター』をどうこういうつもりはねぇが、つまるところ『ネクター』は人肉だろう?食人鬼に成り下がるつもりは、俺にはねぇなぁ」 「『ネクター』を人肉などというモノと一緒にしないでれ。あれはもっと高尚な」 「どちらにしろ、下賤なモノであることには変わりないと思いますがね」 亡本とアランの軽い、統括理事会メンバーとしてはあまりにも軽い言い合いですらない『話し合い』に親船が割り込む。生来争いを嫌う性質である、統括理事会メンバーの中でも数少ない『善人』である親船。彼女の未来はそれ故に閉ざされているが、しかし彼女だからこそ使える手というのもある。
163 20/02/15(土)23:12:54 No.663467315
かつて『平和的な侵略行為』を行うと恐れられた親船。その刃は今はしまわれているが、しかししっかりと砥がれている。 『善人』であるからといって、『弱い』という事にはならない。 親船はくさっても統括理事会の一員だ。 「でも、いま今はそんなことどうでもいい。くわな苦罠、そろそろおしえて教えてくれてもいいでしょう?ぜんいん全員、ふたりたりない二人足りないけどほぼぜんいんあつまったんだし全員集まったんだし」 「そうだな……、あいつは結局来なかった、か」 来るとはそこまで思っていなかったが来てほしいというのが苦罠の本音だった。今起きている最悪の非常事態には統括理事会の全員で立ち向かう必要がある。それほどの敵、悪がいる。 全員で戦わなければ勝てない。とても敵わない。 4年前のようなことをもう一度起こすわけにはいかない。
164 20/02/15(土)23:13:31 No.663467548
https://syosetu.org/novel/56774/ とある暗部の御坂美琴(2周目) 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか? 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか? 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか? 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。 高評価宜しくお願いします
165 20/02/15(土)23:14:38 No.663468029
冗談だろ
166 20/02/15(土)23:14:56 No.663468171
くたばればいいと思います
167 20/02/15(土)23:15:32 No.663468464
ちょっとお客様過ぎる…
168 20/02/15(土)23:15:38 No.663468525
一時間かけた宣伝だったか