虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

20/02/11(火)22:08:58 No.662399680

高速で遠ざかるものは光の波長が引き延ばされ赤く見える。 飛ばし六方で銀河の彼方へ放逐したぴるす星（※890*10^546匹のぴるす君で月面を覆ったもの）は赤く輝き、そしてやがて消え去った。 赤方偏移の彼方、赤外線しか発さない速度にまで到達したのだ。 既にぴるす星は自重でぴるす君達自身を完全に殺滅し終えているが、だからと言って掲示板を荒らされた恨み、怒り、憎しみが消える訳ではない。 そう、憎しみは死によっては晴らされないのだ。 如何なる罪も、本来的には償う方法はない。被害者が気にしなくなるその時まで贖罪する必要があり、そして被害者が許さぬ限り贖罪には意味が無い。 数えることも困難はぴるす君が無為に死に果てても、「許さない」と一言告げるだけでその死に意味はなくなるのだ。 もうぴるす星は誰にも見えない。月を失ったこの地球もやがて大きな変動を起こすだろう。 それでも、恨みや憎しみには何ら関係が無い。 人の業。 頭を掠めたその言葉を忘れぬように捕まえて、胸の内に刻みながら、私は546*10^1400匹のぴるす君を新たに生成した。