ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/02/11(火)21:45:01 No.662390287
前回までのあらすじ! 「私が完全無敵のチャンピオンにしてムゲン団総帥のユウリお姉さんなのだよホープ君!! 私の目的は過去に戻って子供時代の自分自身を消すことなのだよホープ君!!!」 「そんなことしちゃダメだ!うぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!ダメだった!!」 「ハッ!目覚めるとそこは自分の部屋だった!つまりこれは2周目!」 ホープ君の勇気がユウリお姉さんを救うと信じて!ご愛読ありがとうございました! (総帥と一緒にホープ君が時間遡行する話の続きです)
1 20/02/11(火)21:45:30 No.662390475
ホープ君がカブさんに勝利した。 最終的には私を倒すほどのトレーナーに成長するのだから不思議なことではないが、 1回目の挑戦でいきなり勝ったのは初めてのことだった。 旅を始めて間もない頃のホープ君は、まだまだ粗削りだ。 一方のカブさんは、場の展開を読み、流れを引き寄せる手管に長けている。 いつもホープ君は流れが変わった時に焦ってしまい、自滅に近い形で敗北している。 しかし今回の彼は、まるで予測していたかのようにその一手先を打っていた。 今まで見たことのなかった、自信と決意を漲らせたその横顔。 勝利を掴み、得意げに笑うその表情に、不覚にもドキっとさせられてしまう。
2 20/02/11(火)21:46:00 No.662390688
ワイルドエリアへ移動し、祝勝会を兼ねたキャンプ。 いつもは慰めるための催しだったが、今回はお祝いだ。 まだ戦闘時の興奮が冷めやらないのか、ろくろを回しながら先程のバトルを語っている。 苦笑いしながらカレーを注いで渡すと、喋るのを止め、いただきます、と手を合わせた。
3 20/02/11(火)21:46:30 No.662390874
食事も終わり、まったりとした時間が流れる。 隣同士に座って暫くした時ふと横を見ると、ホープ君は舟を漕いでいた。 寝袋を用意しようと立ち上がろうとした瞬間、ホープ君が寄りかかってきて、肩に頭を乗せてくる。 どうやら疲れて本格的に眠ってしまったようだ。あれだけはしゃいでいれば無理もない。 動いて起こすわけにもいかないので、すぐ近くにある整った顔を見つめる。 寝顔にはまだあどけなさが残っているが、今日の昼は本当に格好良かった。 何十年ぶりかわからない、穏やかな気持ちになっていることに気付く。 こんな時間が続けばいいのにな。そう思いながら、私も目を閉じた。
4 20/02/11(火)21:52:51 No.662393340
あらすじの勢いが良すぎてダメだった 総帥もう気づきそうだな…
5 20/02/11(火)21:57:00 No.662394945
最初にホープ君と会ったのは、ムゲン団アジトの時計塔の中だった。 ムーちゃんに借りた力で初めて時間遡行しようというその刹那、現れた挑戦者。 ホップ君とソニアさんの息子だ、というのは見た瞬間に判った。 正直に言うと、あの時は完全にホープ君を侮っていた。 そのツケを、30年間で初の敗北という形により、私は払うことになる。
6 20/02/11(火)21:57:30 No.662395137
ザシアンとザマゼンタによる猛攻を受けボロボロになりながら、ムーちゃんがこっちを見ていた。 準備はできているようだ。後は私が決断するだけ。 「お願い、ムゲンダイナ!!」 周囲の景色が溶け始め、私とムーちゃんの時間は遡る。 ぼやけていた意識がはっきりした私の目に飛び込んできたのは、血溜まりに沈むザシアンとおっちゃんの姿だった。
7 20/02/11(火)21:58:00 No.662395289
心がどす黒い感情に押しつぶされ、吐き気がこみ上げてくる。 どうして。どうして。どうして。どこで間違えた?そこまで考えて、ふと思い当たる。 浮かぶのは、遡行直前の戦い傷ついたムーちゃんの姿。 傷ついていたことにより、当初の予定通りに遡行できなかったのだろう。 勝てるだろうと思い込み、驕っていたいた結果がこれだ。 私の慢心が、また、家族を殺してしまった。 地面にへたり込む。視界はぼやけ、何かを言おうとするが言葉にならず泣き叫ぶ。 今度こそ。そう思って始めた2周目は、開幕から最悪の結末を迎えていた。
8 20/02/11(火)21:58:30 No.662395509
ムーちゃんに力を借りたのが原因なのか、時間遡行を経験してから私の体は変調していった。 一番顕著だったのは、肉体が年齢を取らなくなったことだ。 「あんたはなかなか背が伸びんね」なんて言っていた人たちも、10年以上そのままの私を見れば勘づく。 他にも、動体視力や身体能力が飛躍的に上がったこと。テレポートできるようになったこと。 大きな欠伸をすると目の前にいる人が睡魔に襲われるようになったこと。 火打石なしでキャンプの火を起こせるようになったこと。羅列すれば枚挙に暇がない。 いっそ楽しく生きてしまおうか、などと考えもした。 しかし、夜布団に入るたび、紅に染まった皆の姿が脳裏に焼き付いて離れなかった。
9 20/02/11(火)21:59:00 No.662395711
鬱屈とした時間が永遠に続くのかと思っていた折、人伝にホープ君が旅立つことを聞いた。 私の無敗記録に土をつけたトレーナーだ。そしてなにより、ホップ君とソニアさんの…。 ブラッシータウンへテレポートした私は、そこでホープ君を待つことにした。
10 20/02/11(火)21:59:30 No.662395906
見覚えのあるシルエットが歩いてくる。ホープ君だ。 こんにちは!君が、ホープ君だね? あからさまに怪訝な顔されてる!当たり前か!初対面だし! 「えっと、あなたは…?」ヨシ!なんとか話が繋がった!通報とかされなくて良かった! でも私チャンピオンなのにここでユウリって名乗っていいのかな…?まあいいや! 私は、えーっと…ユウリ。ユウリお姉さんって呼んでね! 握手を交わす。 これから何度も何度も繰り返すことになる、彼との旅の始まりだった。
11 20/02/11(火)22:09:17 No.662399808
前半と後半のギャップがひどい…
12 20/02/11(火)22:10:31 No.662400319
この総帥ポケモン化が始まってる…
13 20/02/11(火)22:14:43 No.662402049
あらすじの勢い ホープ君の頑張りと安らぎ おつらい過去 邂逅時のわたわた 乱高下が激しすぎる
14 20/02/11(火)22:19:39 No.662404104
テレポートしてるところをポプラさんが咎めに来るけど 「もう手遅れかね…」とか言いながら帰っていくやつ
15 20/02/11(火)22:32:54 No.662409419
>この総帥ポケモン化が始まってる… ムゲン仮面もリザードンのエアスラッシュとだいもんじ避けてたし…