虹裏img歴史資料館

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20/02/02(日)23:45:35 ・・・... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1580654735435.jpg 20/02/02(日)23:45:35 No.660011093

・・・・・ ラテラルタウンのラテラルジム。 わたくしはそこを治めるジムリーダー、オニオンさんに苦戦の末勝利することが出来ました。 「お姉さんは、とても強いです。が、頑張ってくださいっ!」 オニオンさんが笑顔(仮面で表情は見えませんが)でわたくしを讃えます。 本来であればわたくしもそれに見合った礼儀を払うところなのですが…… 「……ありが、とう……ございま、す」 わたくしの声から漏れるのは何とも曖昧な音のみでした。 「……大丈夫ですか?」 ええ、ええ。まったく、あのぐるぐる回るのは一体なんなのでしょうか。 出来る事ならば文句の一つでも言ってやりたいところですが、こちらを心配そうに見つめるオニオンさんを見ているとそんな事言えるわけもなく、 わたくしはぐっと不満を飲みこみました。

1 20/02/02(日)23:46:44 No.660011502

・・・・・ 「お嬢様大丈夫?」 「問題、ありませんわ……」 「いやそんな青い顔で言われても……よくそれでオニオン君倒せたね」 足元のおぼつかないわたくしを見て小娘は心配そうな表情をします。 「正直、バトル中の記憶はあまりありませんが……なんにしても、勝てたから良しとしましょうか……」 「まぁそうだね」 まったく、ターフタウンといいラテラルタウンといい。ジムチャレンジとはこうも肉体を酷使されるものなのですか。 碌に鍛えた事も無いこの身にはいささか厳しいものですね。 出来る事なら、次のジムは頭を使う方向のチャレンジであって欲しいのですが。 などと次のジムへと思いを馳せていると、 「それじゃあ……行ってくる」 ホップが覚悟を決めた表情でわたくしたちに告げました。 いつもならば、彼が一番槍を務めていたジムチャレンジ。

2 20/02/02(日)23:47:14 No.660011662

しかし、今回彼は一番最後に挑む事を選びました。ギリギリまで、考えたい。そう言って。 勢いのままに進むことが良い事だとは言いません。 いえ、今の彼のように考えて進もうとすることは間違いなく彼の成長に繋がるでしょう。 ですが、その過程は決して楽なものではありません。 悩み苦しんで、取捨選択をする。 時に痛みさえ伴うそれを、彼はいつまで続けることになるのでしょうか。 それを思うと、胸が痛くなります。しかし、それを口にすることは許されません。 そんな、同情をしたらわたくしは二度とホップと向き合う事が出来なくなります。 ですから、わたくしが、わたくしたちが出来る事はただ一つ。 「……うん、頑張って」 「ホップ……あなたなら大丈夫ですわ」 信じて、背中を押すこと。 信じて、待つ事。 「……おう!しっかりバッジゲットしてくるから待っててくれ!」 彼は笑顔でそう言って、ラテラルスタジアムへと挑みに行きました。

3 20/02/02(日)23:47:45 No.660011837

・・・・・ 「さて、私たちはホップ君の応援に行くとするか」 「ええ」 出来る事は少ないですが、少しでも彼に声援を届けたい。その思いはわたくしたちで一致しています。 なので、スタジアムへ行こうと足を進めた時、 「イヌヌワッ!!」 どこかで聞いたことのある鳴き声が聞こえました。 わたくしが声の主を探していると、いつの間にか足元でワンパチがお座りをしていました。 「あれ?このワンパチ……」 「やあユウリちゃんズ、奇遇だね」 現れたのはわたくしたちと同郷の博士助手であるソニア。 相変わらずどうにも呑気で何も考えていないかのような声で私たちに挨拶をしてきます。 「ああ、ソニアさんのワンパチ君だったんだね。君は相変わらず可愛いなー!!」 ワンパチを抱きしめひたすら撫でまわす小娘。 わたくしはそれを呆れて見下ろします。

4 20/02/02(日)23:48:08 No.660011945

「ふふっ、ありがと。あたしのワンパチ、きみたちが気に入ったのかな?」 「ていうかソニアさん、どうしてラテラルタウンに?」 「いえ、それよりも『ユウリちゃんズ』なる雑な括りについて尋ねたいのですが」 「ん?ラテラルタウンの遺跡がね、ガラルの英雄の事を伝えてるって話なの。だから調べにきたんだ」 わたくしの質問は綺麗に無視をされ、わたくしは若干苛立ちますがこの程度の事で怒っていたらキリがないのでぐっと飲みこみます。 代わりにわたくしは小娘から奪ったワンパチをぎゅっと抱きしめます。 ああ……ワンパチは可愛いですね……ソニアとは大違いです。 などと癒されていると。 「でね、せっかくだしきみたちも一緒に来て?」 なにがせっかくなのかわからない事をソニアが言いました。

5 20/02/02(日)23:48:27 No.660012074

「なぜわたくしたちまで」 「ほら、きみたち中々鋭いしさ、意見を聞かせて欲しいんだ」 「断ります。わたくしはホップの試合を観戦するので」 別に暇なら協力するのもやぶさかではありませんが、それよりも大事な事があるのですから。 わたくしは謹んでお断り申し上げます。 「お願いだよー!!」 だというのに、ソニアは人目もはばからずわたくしに縋りついてくるではありませんか。 「ええい鬱陶しいっ……あなた、一応わたくしよりも年上なのですからもうちょっとそれらしい態度というものをですねっ……」 「そんな年変わらないんだからいいじゃんねー!」 彼女のこういうところが嫌いなのです。 わたくしよりも年長者だというのに年下に甘える事に遠慮がなく、ホップに対しても妙に距離感が近いですし。 本当にっ……勘に触る女ですわっ……!

6 20/02/02(日)23:48:40 No.660012142

いっそこの場で気絶させてやろうかと思いますが、その前に小娘がソニア を引き剥がします。 「まぁまぁソニアさん。別に今すぐじゃなくてホップ君のが終わってからでも良いでしょ?」 小娘の提案に、ソニアは不満を全く隠しません。 「今すぐ行きたいんだけどなぁ」 「子供ですかあなたは……」 わたくしはいい加減呆れてものも言えなくなります。 一度膝を突き合わせて説教でもしてやろうかと考えた時―――――爆発音のようなものが響き渡りました。

7 20/02/02(日)23:48:53 No.660012211

「何、今の音。お嬢様のお腹の音?」 「え、ユウリちゃんお腹にドゴームでも飼ってるの?」 わたくしはソニアの頭を引っぱたき、音のした方角を見つめます。 「今の音……遺跡の方から聞こえましたね」 「一体何が……」 「いってみよ!おいでワンパチ!」 わたくしたちがどういうことか考えている間に、ソニアはワンパチを連れて走り出します。 あの行動力は見習ってもいいかもしれません。 とにかく、今更知らんぷりをするという訳にもいかず、わたくしは心の中でホップに謝罪をして遺跡へと向かいました。 ……ホップ、あなたならきっと大丈夫です。 今必死で戦っているであろう彼にそう、思いを馳せて

8 20/02/02(日)23:49:48 No.660012499

前回までの su3619964.txt 明日また同じぐらいの時間にスレ立てます

9 20/02/02(日)23:58:58 No.660015335

ユウリちゃんズからしたらビートくんのリタイアはホップのことあるしざまぁみろぐらいの感覚なのかな?

10 20/02/02(日)23:59:30 No.660015474

ああついにビートくんの死が直前に…

11 20/02/03(月)00:01:09 No.660015968

ソニアさんのノリすっごい軽いな!

12 20/02/03(月)00:02:08 No.660016254

ソニアさんは年下にも容赦なく甘えるからな…

13 20/02/03(月)00:03:09 No.660016549

まぁある意味ビート君はここで一旦死ぬが…

14 20/02/03(月)00:04:04 No.660016836

骨は誰かが拾ってくれるかな…

15 20/02/03(月)00:05:39 No.660017443

ああここだとビート君はつぎあったら許さんと言われてるしこりゃめだめたにされそうだ……

16 <a href="mailto:s">20/02/03(月)00:05:59</a> [s] No.660017545

一番最初のスレ立てた時にも言ったかもしれないけど この怪文書だと ソニア、ダンデ20歳ぐらい 草ウリ 18~19歳ぐらい ホップ、炎ウリ 15歳ぐらい って年齢をイメージしてます

17 20/02/03(月)00:09:36 No.660018720

なぜ草はソニアさんに厳しくなるのか

18 20/02/03(月)00:15:18 No.660020972

旅してる3人そんな歳だったのか 通りでみんなちょっと大人っぽいと思った 草ウリもこんぐらいだと体と適正はあるかな…

19 20/02/03(月)00:19:57 No.660022855

>なぜ草はソニアさんに厳しくなるのか ホップとの距離が自分と血縁者除いて一番近い女だからね 本能的に警戒してしまう

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