20/01/15(水)00:58:32 ・・・... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1579017512924.jpg 20/01/15(水)00:58:32 No.654950423
・・・・・ 湿気った空気に湿気った地面。そんな第二鉱山で、お嬢様はエール団のおじさん二人を正座させていた。 「まったく、何をやっているのですかあなた達は おじさんたちはエンジンシティへ戻ろうと洞窟を進んでいる私たちの前を立ちはだかり、喧嘩を売ってきたのだ。 なので、お嬢様とホップ君でのしたという訳なのだが…… そそくさと去ろうとするおじさんたちをお嬢様が力づくで正座させた。 お嬢様めっちゃ力強いんだよな…… あの背丈と胸とお尻に付いた脂肪の塊で動き回るにはそれだけの筋力が必要って事なんだろうけど。 前にふざけてお尻を引っぱたいたらアイアンクローで浮かされたからね。軽くトラウマだよ。 そんな恐怖の記憶がよみがえり震えていると、どうやらお説教が始まったようだ。 「わたくしは以前言いましたよね?一般の方々の迷惑になるようなことはおやめなさいと」 「あ、いえ……オレたち初対面ですが……」 恐る恐る挙手したおじさんAをお嬢様は鋭く睨みつける。 「口答えをする覚悟はおありですか?」 「いえ、すみません……」
1 20/01/15(水)00:58:57 No.654950516
大の大人二人が理不尽に屈する様を見ると、法や倫理なんてものは力で突破できるのかもなんて無法の理を感じてしまう。 「よいですか?あなた方の一挙手一投足がそのままあなた達が応援しているというマリィの評価に繋がるという事を理解しなさい」 「はい……」 「なんなら今この場にマリィを呼び出してあなた達と共に説教してもよいのですよ」 「それはやめてくれないでしょうか!?」 なんだろう、この万引きをして捕まった主婦を見た時みたいな居たたまれなさは。 いや悪いのはおじさんたちなんだけどさ、なんというかこう……ね? ホップ君も同じように思っていたようで引きつった表情でこの惨劇を見守っている。 「でしたら、もう二度とこのような事はしないと誓いなさい」 「……はい」 「わかりました……」
2 20/01/15(水)00:59:12 No.654950562
あ、そろそろ終わるかな? お嬢様の言葉に合わせるように、おじさん二人はその場で深々と頭を下げる。 お嬢様はそれを見てふん、とため息を吐く。 「よろしい。ではさっさと去りなさい」 やっとこさお許しがでたのでおじさんたちはトボトボと帰っていった。 ……いやぁ、酷いものを見た。 「お嬢様はさぁ……もうちょっとこう、手加減ってできないの?自分の子供みたいな年齢の人に大の大人が怒られている姿を見るのってめっちゃ辛いんだけど」 「何を言っているのですか。だからこそ、しっかりと言い含めなければいけないのです。いざという時困るのは彼らとマリィなのですから」 まぁそれはその通りなので私もこれ以上言うのはやめておこう。
3 20/01/15(水)00:59:40 No.654950652
・・・・・ その後、ガラル鉱山と同じようにあちこちで輝いている鉱山に同じように目を輝かせながら進んでいると、まーた見知った目立つ格好をしている人を見つける。 「ねぇホップ君あれって……」 「ああ、エール団だな」 さっきの二人だろうか?……いや、あれよく見ると別人だな。同じようなファッションとメイクしてるからわかりにくいったらないよ。 二人の前にはトロッゴンを連れているらしきおじさんもいた。 ユニフォームを着ているしもしかしてあの人もチャレンジャーなのかな? だとしたら、エール団に妨害されてるって事だろうか。 「……」 二人を見た瞬間、お嬢様は無言で怒気を膨らませずんずんと進んでいく。 私たちは慌ててその後を追う。 「お嬢様あれ別人!さっきの人とは違う人だって!!」 「それが何でしょうか」 ああダメだ。これはもう止められないな。 私が諦めて立ち止まる。
4 20/01/15(水)01:00:02 No.654950726
「ちょっと待て!」 すると、ホップ君が何かに気づいたようにお嬢様を制止する。 流石のお嬢様もホップ君の言葉には耳を傾けたようで、「なんですか」と視線で問いかけてくる。 「あそこにいるの……カブさんだぞ!」 その言葉に、エール団の前にいるおじさんに注目する。 確かに、その人はチャレンジャーではなく、エンジンスタジアムのジムリーダーカブさんだった。 「エール団!トレーニングにおつきあいありがとう!だが……働くトロッゴンの邪魔は許されない事です!」 カブさんは毅然とした態度でエール団を制し、追い払う。 「カブさん……かっこいいぞ!流石炎のジムリーダー!」 その堂々とした姿にホップ君は大層感激したようだ。 「君たちは……ダンデが推薦したホップにユウリ、それにユウリだね?」 「ああもう私たちの名前はひとまとめにしちゃっていいですよ」 ていうか、カブさんに名前を覚えられてたって事の方がびっくりだね。
5 20/01/15(水)01:00:25 No.654950827
「そんなわけにはいかないよ。ぼくたちジムリーダーはチャレンジャーに敬意を払っているからね」 「あはは……さすが、炎のジムリーダーですね。熱いです」 「ありがとう!君も確か炎ポケモンでジムチャレンジに挑んでいるんだったよね?」 「はい!」 「ルリナから聞いてるよ。随分と悔しがっていたね」 「あはは……本当に運でもぎ取った勝利ですけどね……」 いや本当に。 謙遜ではなく本心からそう言うと、カブさんはキリっとした表情を崩さないまま私の肩を叩く。 「その運を拾うのもまた実力だよ。君たちのような強いジムチャレンジャーと最高の勝負をするためにぼくもギリギリまで鍛えているんだ」 その言葉に、カブさんのジムリーダーとしてのプライドが見えた。 ……これは、強敵だね。 「とはいえ夜も遅い。第二鉱山を抜けてまっすぐ進めばエンジンシティ。ホテルに戻りゆっくり休んでコンディションを整えなさい!」 カブさんはそう言うと、トロッゴンと一緒に去っていった。 「明日は燃えるよ!」 去り際に残した言葉は明日ではなく、今私の心を燃え上がらせた。
6 20/01/15(水)01:00:44 No.654950904
・・・ 「アニキが言ってたぞ。カブさんに勝てなくて諦めるジムチャレンジャーが多いって」 「つまり、カブさんは強いって事だね」 「ああ」 「……燃えてくるね!」 「ああっ!燃えてくるな!!」 ああ明日が待ち遠しい。 炎ポケモンの使い手として大先輩のカブさんに今の私がどれだけ立ち向かえるか。 あの人との闘いはきっと私をもっと強くしてくれる。 そんな、確信に近い予感を抱いていた。 「それじゃあさっさとエンジンシティに戻って明日に向けてコンディションを整えようか!」 「おう!」
7 20/01/15(水)01:01:00 No.654950965
じっとしていられず駆け出す私とホップ君、けれど、お嬢様はその場で立ち止まったままだ。 「お嬢、どうかしたのか?」 「……いえ、何でもありませんわ。ほら、急ぐのはわかりますが足元には気をつけなさい。もう暗いのですから」 「お嬢様に言われたくないなぁ」 歩いてるだけでよく転ぶ人に足元を注意されるとはね。 お嬢様は私の軽口に「うるさいですわ」と返すと、そのまま歩いていった。 だから、私たちも気にせずにそのままエンジンシティへ向かって行った。 ――――今思うと、その時もっと彼女の事を気にかけておくべきだった。 彼女がどんな表情をしていたのかしっかり見ておくべきだった。 きっと、あの時彼女の異常を察することが出来たのは私だけだったのだから。 私たち3人の旅に暗雲が近づいていることを、この時は誰も気づいていなかった。
8 20/01/15(水)01:01:27 No.654951067
前回までの su3571943.txt
9 20/01/15(水)01:02:40 No.654951332
なんか不穏な空気に…
10 20/01/15(水)01:03:17 No.654951466
対火だからそりゃなぁ…
11 20/01/15(水)01:09:26 No.654952705
ていうかお嬢パワータイプだったのか…
12 20/01/15(水)01:09:39 No.654952741
お嬢の山場か…
13 20/01/15(水)01:10:23 No.654952885
アイアンクローはやばいって!
14 20/01/15(水)01:10:30 No.654952906
数多のお嬢がぶつかってきた壁にこっちのお嬢もついにぶつかる事になるのか
15 20/01/15(水)01:11:06 No.654953017
>ていうかお嬢パワータイプだったのか… 園芸趣味にしてたしホップ任せだけじゃなくて自分でも土とか運んでたんだろうな…
16 20/01/15(水)01:13:02 No.654953417
>アイアンクローはやばいって! お嬢はエリック家の血を継いでるのか…
17 20/01/15(水)01:15:47 No.654953899
来たか…
18 20/01/15(水)01:16:24 No.654954011
炎ウリが結構あっさり水ジム突破してるから余計にこう…
19 20/01/15(水)01:16:40 No.654954061
炎ウリはヤクデがもらいびならかなり楽に進められるな トロッゴンもいるから岩でカブさんの手持ちなら3タテもありえそう
20 20/01/15(水)01:20:14 No.654954648
炎は水が最大の鬼門でそこさえ突破すれば結構どうとでもなるんだよな…
21 20/01/15(水)01:23:44 No.654955241
続きがきになる引きをしやがってからに