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20/01/12(日)23:43:36 No.654390147
「行け―!!トドメだラビフットー!!」 私の声と共に、彗星の如く落下する拳がカジリガメの甲羅を叩き割る(イメージ)。 ダイマックスしていたその体は爆炎に包まれ、元の大きさへと戻り、ボールへと回収されていった。 「嘘でしょー!?炎ポケモンにやられるなんてー!?」 ジムリーダーのルリナさんは頭を抱えて悔しがっている。 まぁ、それは当然だろう。何と言ったってここはバウジム。水のジム。 そこを炎ポケモンだけで突破されたのだからそのぐらいのリアクションしてもらわないと張り合いがない。 とはいえ流石はジムリーダー、取り乱したのは一瞬の事ですぐに冷静さを取り戻す。 「ふう……あなたたちチームは逆境をものともしない素晴らしいガッツがあります。そのスピリット……このみずバッジを受け取るにふさわしいわ!」 固い握手と共に受け取ったみずバッジをリングにはめ込み、これにて私のジムチャレンジは第二のジム突破という事になった。
1 20/01/12(日)23:44:04 No.654390311
・・・・・ 無事全員第二のジムバッジを手に入れたという事で私たちは上機嫌のままジムを後にする。 「まったく……本当にその手持ちで突破できるとは思いませんでしたわ」 後ろを歩くお嬢様が呆れたような声を出す。 それに対抗しようと振り返って満面の笑みを見せつける。 「ふふん!私はあの程度で湿気るような炎じゃないからね!ラビフットもガーディーもトロッゴンも最高に燃え上がってくれたよ!」 「まぁ三度目の正直でしたが」 「ぐっ……」 その言葉に思わず声が詰まってしまう。 いやー……ジムの挑戦自体に回数制限が無くて本当に良かったよ。 「流石のユウリも一回じゃ突破できなかったものな」 隣を歩くホップ君がうんうんと頷く。 いや私としては最初の挑戦で突破するつもりだったんだけど、ジムチャレンジはそう甘くはなかった。
2 20/01/12(日)23:44:46 No.654390559
「それでも、二人のおかげでだいぶ楽にはなってたんだよ……」 ホップ君とお嬢様の試合の2回。それを観戦していたからこそ、三度目の正直に至ったのだと思う。 何と言ってもルリナさんの手持ちの情報を知る事が出来たのが大きい。 そこに私自身が挑戦しての2回も加えた計4回。 それだけの数ルリナさんの試合を見た私は、持ち前の予知能力(ほのおタイプ)で彼女の出すポケモン、出しそうな技、それらをある程度予測出来るようになった。 もちろん、これはルリナさんがジムチャレンジャー用に手加減してくれているから出来た事で、 そこまでやった三戦目でも針のように小さい穴を通した上で、最後は運だったのは間違いない。 というかまずジムミッションの迷路をヤマ勘で突破したしね。 「それでも、突破できたんだから良かったぞ!これでオレたち全員二つ目のバッジをゲット出来たな!」 ホップ君が私の肩を抱き寄せてガッツポーズをする。 ……うん、良いね。 彼の笑顔は空を彩る夕焼けのように熱く輝いていて、これを間近で見られたのが何よりものご褒美かな、なんて。
3 20/01/12(日)23:45:38 No.654390888
「あなた達、約束の事を忘れていませんか?」 なんてことを思っていると、お嬢様が不機嫌な声を出す。 「約束……?あ!?」 「忘れていたのですか……?」 「いやそんな事ないってば!!」 いや本当に忘れていたわけじゃないんだよ。ただ直近の大きな出来事に軽く塗りつぶされてただけで。 ああ、約束というのは私たち3人がバウジムを突破出来たら委員長がお祝いにしてくれるって事。 なんかチャンピオンから推薦をもらった私たちの事をもっとよく知りたいんだって。 だから、委員長の秘書さんにさっさとレストランに来い(要約)ってジムを出た時に言われたんだった。 関係ないけど秘書さんってなんだかお嬢様に似ているね。とお嬢様に伝えたら何とも言えない表情をしていたね。 同族嫌悪ってやつかな?まぁいいか。私はちょっと名残惜しいもののホップ君から離れて前に出る。 「ほら!なんとかギリギリ夕方までに間に合ったんだから早くレストランに行こ!!」 「おう!そうだな!」 「あなたが二回も失敗したせいでギリギリになったのではありませんか」 それは言わない約束でしょお嬢様……
4 20/01/12(日)23:45:50 No.654390955
・・・・・ レストラン防波亭はシーフードで有名なレストランなんだって。 レストランでお祝いって事はね?美味しいもの食べさせてくれるって事だよね? ワクワクするよね!ってウキウキで行ったらなぜかソニアさんもいた。 なんでも、ソニアさんも委員長招かれたそうだ。 委員長と並ぶソニアさんを見つけた時、お嬢様の目つきが鋭くなった気がしたけど気のせいだろうか? ……気のせいじゃないんだろうなぁ。 ソニアさん、ホップへの距離感妙に近いし。私から見るとあれは弟とかそんな感じの距離感なんだけど、 彼女と年の近いお嬢様にとってはそう楽観できるものじゃないっぽいね。 とはいえ、せっかくのお食事タイムを険悪にするような人じゃないしここは烈火のごとく行こうか! 「委員長、ゴチになりまーす!!」
5 20/01/12(日)23:46:41 No.654391250
・・・・・ 防波亭での食事はとても穏やかに進んでいった。 私たち3人とソニアさんで随分と大人数になったのでって、わざわざ大きいテーブルまで用意してくれたんだから委員長は流石噂通りのやり手だと感心する。 ただ、委員長はダイマックスの事に随分と熱心というか、私たちそっちのけでソニアさんと話していたね。 やはりダイマックス研究の第一人者であるマグノリア博士の孫って事とで色々聞きたかったんだろうか。 まぁ私としては美味しい海鮮料理食べられたんだから別に良いんだけど。 ああ、テーブルマナーの類は私は全く分からないのでお嬢様のやり方を真似させてもらったよ。 流石上流階級の人だね。マナーなんてのは染みついているって感じだったよ。 ……あとホップ君が妙に様になってたんだけど、ホップ君曰く、『お嬢の家で一緒に食事した時にその手のマナーを叩きこまれた』んだって。 なんというか、お嬢様って外堀埋めるのに躊躇いがないよね。 そうこうしているうちに委員長の方が時間になってしまったようで、私たちに申し訳なさそうにしながら次の仕事へと向かって行った。
6 20/01/12(日)23:46:57 No.654391357
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7 20/01/12(日)23:47:49 No.654391678
もちろんお代は向こう持ちなので文句なんて言う訳がないけど。 むしろ委員長の厚意を無駄にしないためにもしっかりと料理を楽しまないとね! そういうわけで、私たちは一層目の前の料理に集中した。 その後の話なんだけど、バウスタジアムを突破したという事でお祝いにソニアさんからわざマシンをもらったよ。 もらったんだけど……『かたきうち』ってのがどうにも引っ掛かるよね……ソニアさんってルリナさんと親友なんだよね? 「どう思うお嬢様?」 「知ったことではありませんわ」 まったくもって同感だね。
8 20/01/12(日)23:48:36 No.654391963
前回までのお話 su3566646.txt 防波亭で出してるシーフードの具材が何なのか気になってしょうがない
9 20/01/12(日)23:49:49 No.654392387
お嬢…苦手タイプへの苦戦に小言言ってるとすぐブーメランとして帰ってきますよお嬢…
10 20/01/12(日)23:53:35 No.654393718
ソニホプの時代がくるーーーーっ!
11 20/01/13(月)00:01:15 No.654396342
どっちのユウリがザ犬を手に入れることになるんだろうなぁ…
12 20/01/13(月)00:01:37 No.654396478
ムゲンダイナと犬2でちょうどいい
13 20/01/13(月)00:06:15 No.654398067
この委員長は殊更紳士的だな…
14 20/01/13(月)00:24:53 No.654404827
ルリナさんはまだ最終進化ポケ使ってこないから比較的ほのおだけでも楽そうだね
15 20/01/13(月)00:33:12 No.654407756
むしろ強引に晴れにできればワンチャンあるな対水