20/01/10(金)20:51:28 su35600... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1578657088780.jpg 20/01/10(金)20:51:28 No.653724557
su3560094.txt これまでのお話 ────────────────────────────────────────────── ゴリランダーを乗せたタクシーが飛んでいくのを見送った後、私はしばらく夕日が沈んでいくのを眺めていた。 もう街を発つには時間が遅い……ナックルシティを目指すのは明日にしよう。そう考えて振り返った所でふと気付く。 ……スパイクタウンに泊まれる所ってあるのかな。 切れかけの街灯がジジ、ジ、と音を立てて点滅する。再び足を踏み入れたスパイクタウンはやはり暗く、殺風景だった。 あんまり宿の期待は持てないけど…少なくとも雨風をしのげるのだから外より良い。 最悪の場合はポケモンセンターでキャンプさせてもらおう。
1 20/01/10(金)20:52:06 No.653724812
そんな事を考え歩いていると、わずかな人通りに混じって歩くネズさんが目に留まる。 「おや、まだスパイクにいましたか」ネズさんもこちらに気付いた。 「あっはい、ちょっと色々ありまして」 「それは構いませんが…熱があるのにこんな時間まで外をうろつくのは良くないですね」 「それなんですが、その…泊まれる場所を探してるんです」 「宿、ですか……なるほど」 「どこかありませんか?」 「うーん…」ネズさんは目線を上にして思案し始める。 「とりあえず寝泊まりできれば大丈夫です」 「うーん………」ネズさんは長考に入っている。 「……ないんですか?」…目を合わせてくれない。 「……………そうだ。昔、観光客向けの民宿だった店があります」 「本当ですか!…今は何なんですか?」 「…案内しますよ」 「今は何なんですか!?」
2 20/01/10(金)20:52:29 No.653724945
何とも不安な心持ちだが、他に頼れる人もおらずネズさんについていく。 大通りの途中で細い路地に入り、さらに角を一つ曲がった先に、アンティークな雰囲気のランプでぼんやりと照らされた扉があった。 「ここです」 ネズさんが扉に手をかけると、ドアの軋む音とカランカランと小さなベルの音が同時に鳴った。 お店の中にはひとりお酒を飲む人もいれば、数人で食事をしてる人もいる…こういうお店のことを小料理屋って言うらしい。 「あらネズさん……ずいぶん小さな娘を連れ込んできたのね」 「人聞きが悪いです」 お店の主人らしき、私のお母さんより少し若いくらいのお姉さんが出迎える。
3 20/01/10(金)20:52:55 No.653725136
「この子、ジムチャレンジャーなんですけどね。スパイクタウンで一泊したいそうで」 「あらまあ物好きねえ。ふふふ、それで旅館やホテルなんてないから困ってるって訳ね」 「そんなところです。ひとつ頼まれて貰えませんか」 「そうねえ…客間はもう物置みたいになってる部屋しかないけど…ベッドはあるわよ」 「あ…是非、お願いします。」思わず話に割り込んだ。ベッドで寝られるだけでも願ってもない話だ。 「じゃあ決まりね」お姉さんはくすっと笑って答えた。 「助かりますよ。あとは……ちょっと風邪気味らしいんで、胃にやさしいものを食わせてやって下さい」 「あらそう、じゃあ何か考えるわ。宿と食事代は後でジムに請求するから」 「ええ、どうぞ」 「えっ?あのっ、そこまでお世話になるのはさすがに…」 「気にすることないですよ、結局は街にお金が回るわけですし」 「はあ……」ネズさんはどうでもよさそうに言ってるけど、いいのかなあ…。
4 20/01/10(金)20:53:26 No.653725325
「こんな部屋だけれど、大丈夫かしら?」 お姉さんが見せた部屋はベッドと最低限の家具、それに簡易の洗面所と確かに宿泊施設だったなごりを感じさせる。 空いたスペースに使ってないテーブルや椅子が積まれて狭くはなっているが、一晩過ごすぶんには何も問題ない。 「十分です、ありがとうございます」 「シーツは新しいのに替えておいたわ、エアコンも動くと思うから好きに使って」「はい」 お姉さんが店に戻って、一人になった私は荷物を置きベッドで横になった。 正直もうくたくた、このまま朝まで寝ちゃうかも… だんだんと瞼が重くなってきた所でお腹がぐうと鳴った。……いけない、空腹が眠気を上回ってる。
5 20/01/10(金)20:53:50 No.653725459
「眠いのに…お腹がそれを妨げる…」 「一句できたわね」お姉さんが帰ってきた。 「詠んだ訳じゃないです……」気恥ずかしくなってその場で体を丸めた。……背後から良い匂いがする。 振り返ると、ベッドの脇に一人用の小さなテーブルが置かれ、その上に料理の並んだトレーが乗っていた。 「食欲、ある?」 あります、とても。私はいそいそとテーブルの前へ座り直す。いいにおいが鼻からお腹へ流れ込んで眠気を吹き飛ばした。 「ふふ…良かったわ。食べきれない分は残していいから」 そう言い残してまたお姉さんはお店に戻った。
6 20/01/10(金)20:54:12 No.653725614
改めてトレーに並んだ料理を見る。 ほんのり甘い香りのするミルクのおかゆと、少し赤みがかった具だくさんのスープ。野菜が半透明になるまで柔らかく煮込まれている。 それから薄くスライスしてたれのかかった鶏肉に、フルーツが数種類。隣には暖かい紅茶のポット。 シンプルな見た目にたっぷりと優しさを詰めたそれらの料理を口にすると、お腹の中からじんわりと身体を癒されている気がした。
7 20/01/10(金)20:54:37 No.653725784
おわりです スパイク編は終わりませんでした
8 20/01/10(金)20:56:07 No.653726332
スパイクタウンはあったけぇなぁ……
9 20/01/10(金)20:56:18 No.653726393
ふくざつ飯きたな…
10 20/01/10(金)20:58:11 No.653727086
本編がお姉ちゃん飯になってる
11 20/01/10(金)21:01:37 No.653728332
つまりお姉さんが盛られる
12 20/01/10(金)21:04:05 No.653729295
お姉さんを強調してるだけでエスパーお姉ちゃんとは限らないだろ!
13 20/01/10(金)21:05:49 No.653729985
お姉ちゃんがお姉ちゃんに飯を!?
14 20/01/10(金)21:08:28 No.653731018
最初そうでもなかったのにみんなのレスのせいでお姉さんがお姉ちゃんに見えてきた…
15 20/01/10(金)21:09:32 No.653731365
ぺたぺたしてきたな…
16 20/01/10(金)21:11:33 No.653732178
>「一句できたわね」お姉さんが帰ってきた。 ここお姉ちゃんポイント高い
17 20/01/10(金)21:13:20 No.653732992
スープの具にビート君いるよね
18 20/01/10(金)21:14:17 No.653733396
マスターはスパイクタウンにも支店出してたのか…
19 20/01/10(金)21:15:12 No.653733753
でもスパイクお姉さん美人だろうな
20 20/01/10(金)21:17:32 No.653734696
>スープの具にビート君いるよね いねえよ!?
21 20/01/10(金)21:22:28 No.653736676
>>スープの具にビート君いるよね >いねえよ!? いや本人じゃなくて野菜的な意味でね!?
22 20/01/10(金)21:24:43 No.653737570
>いや本人じゃなくて野菜的な意味でね!? ごめん普通に勘違いした
23 20/01/10(金)21:35:35 No.653742126
テーブルビートのスープか…