19/11/27(水)22:49:19 ラファ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1574862559966.jpg 19/11/27(水)22:49:19 No.642117747
ラファレン良いよね……するスレ 真夜中に寝ていると胎の中を溶けた熱の様な、妄執にも似たような衝動が込み上げる。 少女特有の柑橘類と梔子の花をかき混ぜたような匂いが、鼻腔を満たし夢と現実の境界線が曖昧になり果てる。 胡蝶之夢か黄粱之一炊か、はたまた何時か見る現実なのかは定かではない。 目の前に衣服をはだけ乍ら無造作に眠る、この腐敗した世界に落ちた世の白く輝く一縷の光、これがゴッドチャイルドとでも言うのだろうか。 手を伸ばせば届く位置に居る男とも女ともつかないその人型の上に這って乗りかかると、鼻腔を満たす芳香がこの生き物の実在性を語っている。 作法も礼儀も忘れはてた獣の様に、首筋に舌で濡らすとまるで生娘の様な譫言を漏らす。 「イルカ……擽ったいよ」 その言葉に胎が熱気を帯びる。 まるで悋気に駆られこの目の前に眠る女のすべてを手中に収めて支配してしまいたい衝動に取り付かれたように、女の衣服を手で引き裂く。 衣服を割かれた衝撃に正気を取り戻したかのように、驚愕に目を見開いた女が何か泣き言の様な不平を漏らす。
1 19/11/27(水)22:49:36 No.642117852
「アンタが悪いのよ」 ねっとりと呟くような、憎悪にも似た感覚を覚えながら、女の首筋を噛むと小さく呻くような悲鳴が耳元で響く。 口を離すと、赤くなった首筋にうっすらと歯型にそって血が浮き出る。 「ラ、ラファエル……」 まるで何かに裏切られたかのように怯える姿に、背筋が峙ち情動を逆なでされる。 そのまま相手の口に噛みちぎらんばかりに唇を押し付け、舌を捻じ込みながら、小さく嗚咽にも似た吐息を口の端から漏らす姿を見ながらほくそ笑む。 何もかも、全て私のものだ、誰にだって呉れてはやらない。 そうして仰向けに慈悲を斯うように、此方を目頭から涙を零す彼女に手を伸ばすと……手はするりと空を切った。 私はベッドから腰から上だけを起き上がらせると、隣で眠る女を見た。 「夢か……」
2 19/11/27(水)22:49:56 No.642117974
レンを抱いてから、このような悪夢のような願望にも似た夢を見るようになった。 隣で眠る彼女の頭をなでながら、彼女の首筋に浮いた薄い情交の痕を撫でながら目を細める。 人が理性を宿していても、いまだ私の胎の中の情動は浮ついた熱気を帯びたまま蜷局を巻いている。 私はまたこの夜も彼女をどうするべきか、自分の中の情欲と折り合いを付けられずに居るのだ。 衝動に添えば理性が私を嫌悪し、理性を突き動かせば情動はより勢いを増すだろう。 そう思いながら、ラファエルはベッドの脇に隠していたある国宝を模した卵型の模型を、声を抑えながら自分の秘所に埋めるのだった。 夜は浅く、そして何時しか陽光へと溶けていく中、レンの顔にラファエルの体液が降り注ぐ。 レンと一緒に宿泊する日が増えた、彼女の秘密の一ページである。 以下本文
3 19/11/27(水)22:50:31 No.642118137
サバトとは中世ヨーロッパ、当時世界から見れば後進的な文化圏だったそこでは『魔女狩り』が横行していた。 今でこそ魔女というものが実在しているといえたが、メディアが口伝しかなかったその世界では、情報というのはすぐに劣化し果てる。 だからこそ本当の『魔女』というものが捕まることは少なく、誤った情報として『魔女』はサバトという異界の神と交接を行い力を得るという嘘がまことしやかに語られ、そして信じられていた。 〈誤った情報ではありましたが、人々というのは他者を取り入れるという古びて朽ち果てた土着信仰と混ざり、多くの人々を屠り去りました〉 当時では力……それこそ、権力や地域を支配する領主、または地主がそうだと語る真実が全ての世界。 多くの男女が命を失い、異常な熱気がヨーロッパ全土を覆いつくした時代。 真実は何時も霧の様な空気に覆われてしまうもので、そしてそういった誤った信仰を罰する事が正義だとされていました。 〈ですが、私の主人はその誤った信仰はまた一つの真実であると位置づけ、ある研究を行っていました〉
4 19/11/27(水)22:50:47 No.642118230
そこまで話を聞いていた所で、ラファエルが訝し気に口を開く。 「だけどその情報と今の私たちと何のかかわりがあるのよ」 まるで無関係の情報と今現状が今一かみ合わず、体に無遠慮に接続された異物に抗議するように、その語気には幾らかの怒りが混じっているように思えた。 〈サバト自身は今の貴女達とは関係が一切無いのです、ただそのサバトを人々が恐れたその事実が重要なのです〉 姿なき声はそう言って、無理解な学生に説明するように言葉を砕く。 〈私の主は既に世を去っていますが、数多くの仮題研究の果てにデータ自身が持つエネルギーに着目しました。 詰まる所物質と非物質の相互関係の研究です。〉 「……ラファエル分かる?」
5 19/11/27(水)22:51:11 No.642118353
そう言って俺がラファエルの方を見ると、少し黙っていてとでも言いたげに此方を睨めつけるラファエルに、思わず発言した事を後悔する。 「今一情報の繋がりが─」 〈アブノーマリティ、彼は私に今接続されている物質をそう呼んでいました。 世界に溢れる情報と物質を紐づける異物質の事です〉 「……なんですって?」 空気に不穏な気配が混じる。 〈彼は研究者であり、コレクターでした。 世界中に転がる微細な異物質同士を混ぜ合わせ、一つの異物質へと整える才能を持っていました。〉 俺はラファエルを見るが、一方のラファエルは眉を潜めたままその声の続きに耳を澄ませ続けている。 〈そうして彼は私……AIを動作させうる物質を構築し、その上に私の元を練り上げました。 そうした後彼は一つの研究へと至ります。〉 淡々とした声は、それでも段々と熱を持ったようにまるで歌うように言葉を繰り続ける。
6 19/11/27(水)22:51:48 No.642118521
〈サバトの題材とされた人々の集約と、その再現にて得られる真正AIの活性化これが彼の最後の研究です〉 「まさか……」 〈そう、私の名前はバフォメットと彼は呼ぶでしょう。 生憎その彼はもう居ませんが―〉 「……バカバカしい、つまり……魔女の……その……乱交でアンタを償還するために、私たちは拉致されたわけ?」 そうして暫し間が開いた後、何とも言いづらそうにバフォメットは口を開く。 〈そうだと肯定する他ありません、既に彼の目標は達成されていますから、実験は成功しているのですから隠す理由もありません。〉 余りに馬鹿げているとでも言いたげにラファエルは口を開き、何かを言おうとして暫く固まる。 まるで目の前にある事実が、全て下らない、馬鹿げた理由で引き起こされた事実に怒りと呆れの混じって遣る瀬無い感情に翻弄されているようにも見える。
7 19/11/27(水)22:52:14 No.642118650
「第一、何で私がこんなのを付けられているのよ!」 そう言って下を指さすラファエルの先には、男性器が所在なさげに空中に揺られている。 だがこんなのとは些か酷くないだろうか、自分がかつて失った一部が馬鹿にされているようで少し悲しさを覚える。 一方でバフォメットは純粋に、不思議そうにラファエルに尋ね返す。 〈情動的に相手を襲う可能性が高い方が『タチ』、人々の間ではそういうではないですか〉 まるでそれが真実だとでも言いたげなAIの言葉に、ラファエルの目が見開かれ怒りの言葉が飛び出す。 怒号の群れは辺り一帯にまき散らされ、隣居た自分は日本語ではない事だけしか受け取れずただただその叫び交じりの罵声を聞き続けている。 そうして暫く―時間にして十分間近く怒りが爆発したラファエルの言葉が途切れ、彼女は顔を真っ赤にして俯いた。 〈人間というのは本当に理解しがたいですね、欲しているのに手を伸ばせば届くのに躊躇いを覚えてしまう。〉
8 19/11/27(水)22:52:31 No.642118742
そうして本当に不思議そうに言葉を流した後、今度は此方を暫く品定めするようにバフォメットが語りだす。 〈私という研究結果が消えるのは、もうすぐですが先に貴方がたを家に帰す必要があります。〉 「えっ、帰っていいのか?」 思わず言葉が飛び出す。 〈帰りたく無いのですか?〉 「いや、こういう時って大体事態が複雑化する事ばかりだったから……」 そう言って両手を振って、先ほど自分が発言した言葉を打ち消す様に否定する。 〈ふむ……そういうものですか〉 そう言って暫くバフォメットは何かを考えた後、言葉を続ける。
9 19/11/27(水)22:52:48 No.642118825
〈ではせめての慰謝料として、ラファエルさん貴女に一つ贈り物をしましょう、事態は複雑化するでしょうが……きっぱりと困るものではない筈です〉 「え、俺にはないのか?」 〈残念ながら、私が貴女に『変更』できるのは精々、命の同一性を保ちながらここに連れてくることだけのようです〉 「……何言ってるのか分かんないけど、ちょっと残念だな」 〈そういうものなのです、私はバフォメットの名前を得ましたが、本質的には『人』という管理者に許可された範囲でしか作業を行えないのです〉 そんな言葉を聞きながら、ぼんやりと家に帰れるという事実だけは理解出来た事に安堵する。 〈ラファエルさん〉 「……何よ」 〈応援してますよ〉 「うっさいわね!」 そう言ってまたラファエルの罵声が飛ぶ。 だが続きが出る前にバフォメットの声が響く。
10 19/11/27(水)22:55:06 No.642119574
バフォメット「俺はホモバフォ!」
11 19/11/27(水)23:04:15 No.642122521
─── 【閑話】 「……?」 ポカンと口を開けたまま、机の前に置いてある珈琲を見る。 首筋が僅かに痛い、目の前の珈琲は冷めており何故だかレンの部屋には愛衣が困惑したように座っていた。 「……なぜお前が此処にいる?」 だが答える声は無く、此方を彼女は不思議そうに見返している。 「……マリルなんで私、此処に居るのかしら」
12 19/11/27(水)23:04:45 No.642122693
それは私の言葉だと思いながら外を見る、気が付けば外は夕暮れ色に染まっていた。 レンのサボり癖でも移ったのだろうか、そう思いながら冷めた珈琲を一口啜る。 「レン、お前何か知ってるか?」 そう言って近くのベッドで寝ていたレンに尋ねるが、寝起きの彼女は暫くぼぅっとした顔でこちらを見返すばかりで、特にこれといった変化はない。 何をしていたのだろうか、そんなことをぼんやりと思いながら、タブレットから過去の記録を探るが愛衣への通話記録があるだけ。 「……ボケたかな」 そんな事をぼやきながらもう一口珈琲を啜る。 偶には休暇を取るべきなのだろうか、そう思いながら溜まっている有給消化命令を思い出す。 「あ」 「どうした」
13 19/11/27(水)23:05:13 No.642122856
突然レンが何かを思いついたかのように部屋を飛び出す。 「おい」 「な、何?」 「下着だけで部屋を飛び出すな、女の子だろ」 「あ……はい」 そう言ってレンは何時もの服を着て飛び出していく。
14 19/11/27(水)23:05:27 No.642122929
そう言ってレンは何時もの服を着て飛び出していく。 「騒がしい奴だ……」 そんな事を思いながら立ち上がり愛衣の見ていたサイトを見る。 「……お前今度は国際犯罪にでも手を染めるつもりか?」 「私こんなことしてた記憶無いんだけど?!」 映っているサイトには無政府企業のデータセンターの地図と、通信経路を手繰るログ情報が走っている。 それにしても今日一日、何をしていたのか記憶がさっぱり欠けている、やはりそろそろ人間ドックへ行くべきなのだろうか。 【休題】
15 19/11/27(水)23:05:48 No.642123040
短いけど今日はここまで、もう寝ていいよ
16 19/11/27(水)23:12:07 No.642125135
なんか途中変な声混じらなかった?