虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

19/11/16(土)18:25:18 No.639133305

我々歌舞伎役者は舞台の一回一回に命を注ぎ魂を燃やす。 しかしながら、哲学の初歩も初歩のような疑問だが…魂とはどこにあるのだろうか。 そんな素朴な疑問が私の心にぶら下がり続ける。 …ときにぴるす君。これはリンゴだ。何の変哲も無い真っ赤で美味しそうなリンゴだ。 このリンゴからほんの薄い切片を取ったとする。すると「リンゴ」と「リンゴの切片」が生まれる。 …このリンゴはいつまで「リンゴ」であり続けられる？「リンゴ」が「リンゴの切片」へと変わる境界、そこに概念としての魂があるのではないか？ 右足と君、どちらが本体だ？君はまだ「ぴるす君」か？ 「ぴるす君」なのならば、次は左足だ。 眠るな。眠れば返事が出来ないだろう。君には最期まで付き合ってもらわねばならない。麻酔は意識を惑わせる。 泣くな。叫ぶな。喚くな。狂うな。真実が知りたいだけだ。 君はどこを切ったとき、「ぴるす君」でなくなるのだろう。 次は左腕だ。