ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/11/15(金)22:56:05 No.638947624
ヒートタイドはカタナを見つめた。 曇り無き刀身に自分の瞳がくっきりと映し出される。 目線は刀の鐔から切っ先へと移っていき…不意にぱたりと途切れた。カタナは無惨にもへし折られている。 「おお、おいたわしや…そのお姿」 目の前のニンジャが涙を流す。涙の軌跡はたちまち燃え上がり、消える。その胸の中には燃えるような超自然の光が透けて揺らめいている。明らかに通常の人間でもなく、ニンジャでもない。そう、彼はリアルぴるすニンジャであった。 「これで分かったか…私は確かにこのカタナの持ち主。そしてあなた様にこれを修復してもらいたいのです。可能ですか…プロメテウス様」 プロメテウスと呼ばれたニンジャはカタナを受け取り…しばし見つめる。 「うむ、可能だ。かの神髄は失われていない…またそのお姿をカタナの形に整えれば良いだけのこと」 「ではお願いします」
1 19/11/15(金)22:56:29 No.638947791
燃えるニンジャはカタナを手に取り、奥の工房めいた部屋へと進んでいく。 「…だがこれを扱うのならば、お前はその力の強大さを理解する必要がある」 「…何を。私からならともかく、リアルニンジャのあなた様からすれば、このようなカタナなど、ただの道具…」 不意にプロメテウスは振り返り、ヒートタイドを睨みつける。ヒートタイドのニューロンに死の予感がよぎる! 「あのお方のご意志を!そう易々と…」 そこまで言って彼は黙った。 「いや…一時的にでもこのカタナ…このお方を扱えたのなら、お前は既にあのお方の力を理解しているのだろう」 プロメテウスは再び奥へと進み始めた。 「あとは知識として歴史を知ればよい。そうすればこのお方はより強い力をお前に与えるだろう」
2 19/11/15(金)22:57:08 No.638948037
ーーーーーーーー 鉄を叩く音が響く中、プロメテウスは朗々と語った。 かつて世界はニンジャが支配していた。だがそのニンジャをも支配する存在がいた。カンリニン・ジャ である。 カンリニンは全てを管理する。生死さえも。我々に命を与え、営ませ、そして…奪う。我々はその法則に従って生きていた。この世に生まれ、生きてミームを残し、そして死ぬ。この法則からは何人たりとも逃れられなかった。 だがある時その法則に抗おうとしたニンジャがいた。彼は死を恐れた。肉体が滅ぶのを恐れ…また自分の意志が、ミームが滅ぶのを恐れた。 かの者は狂気に堕ちた。そして恐るべき秘術を編み出した。その名を依り代とし、他者に自らの自我を植え付け、寄生し、やがてそれは独立しその者を支配する。そしてそれは伝播する…言わば自らの複製品を無限に作り出す、そういった秘術であった。 カンリニンは彼の狂気に気づいた。だが気づいた時には既に遅かった。伝播したかの者の自我は…他の領域をも、世界の全てを侵そうとしていた。 カンリニンは私に命じなさった。畏くもその力の一端を私に下さった。その力を私は鉄に封じ込め、一本のカタナを作り上げた…
3 19/11/15(金)22:57:44 No.638948256
熱く灼けるカタナが冷やされ、音を立てた。 「それがこのカタナだ。その銘を、神の依る剣…『神依剣』という」 「『神依剣』…」 彼はまた再び剣を作り始めた。 神依剣はまさにカンリニン・ジャの火のごとき厳烈さを宿した剣。斬られた者の力を取り上げ…あるいはその存在をその世界そのものから禁じる力を持つ剣。 ある勇者が神依剣を持ちその恐るべき力を振るった。だがかの者の自我は最早増えすぎていた。 きりがなかった。カンリニンはまさしく砂漠の砂塵全てを取り上げてしまうことも容易かった。だがその力をもってしても、汚染された自我の塊を世界から取り除くことはできなかった。 カンリニンはご決断あそばされた。かの者の自我を、その名前を、その存在そのものを、彼の支配していた世界ごと禁じられた。かの者は封印されたのだ。 「…その時にこのカタナも行方不明になったものと思っていたが。まさかこうして、まだここにあらせられるとは…」 プロメテウスは懐かしそうにカタナを見つめた。
4 19/11/15(金)22:57:57 No.638948316
そしてカンリニンはご禁じあそばされた。かの者の名を忌み名とし、呼ぶことを禁じなさったのだ。そして今後かの者のような人間が出ぬよう、我々ニンジャもまた、おしなべてその名の全てを奪われた…我々が持つ名は仮の名。我の名はプロメテウス…だがもう本当の名は思い出せぬ。カンリニンに奪われた。いや…差し上げてしまった…我々ニンジャは最早永遠に、真の名前を持つことはない。…
5 19/11/15(金)22:58:21 No.638948448
「出来上がった。これぞ神依剣。カンリニンジャの力を宿すもの」 ヒートタイドはカタナを受け取る。その輝きは以前より増している。 「…ありがたき幸せ」 「さて…私の役目は終わった。神依剣を持つ者よ。今後もその剣の導くままに、その力を振るうがよい。全てはカンリニンのご意志…」「イヨーッ!」 ZZZZZBBBBB!!!! 突如ヒートタイドはプロメテウスの背に神依剣を突き立てる。プロメテウスの胸から刃が突き出る! 「な…何を!」 「カンリニンジャのご意志?…そんなものは私には関係ない」ヒートタイドは嗜虐的に笑う。 「全てはぴるす様の為!世に散らばる力の欠片、その全てを集めるのだ…お前も例外ではない」 「グワーッ!…ケオグワーッ!」 プロメテウスの力が吸い上げられる! 「お前は知る由もないだろう!ぴるす存在!捨てられた存在、選ばれなかった存在!」 「ケオグワーッ!ケオ…ケオグワーッ!」 「私は新しい世界を作り上げるのだ!全てのぴるす存在を一つにし…ピルスの作り上げる新たな世界を!」 「ケオグワーッ!ケオグワーッ!」…
6 19/11/15(金)22:58:31 No.638948501
ーーーーーーーー ヒートタイドはカタナを握り締める。 目の前には燃え尽きた炭めいて倒れるプロメテウスの死体があった。 「カブキニスト…お前だけは必ず消す。この世にお前は必要ない」 ヒートタイドは踵を返し、その場を去っていった。 (※カブキスレイヤーはフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がありません)
7 19/11/15(金)23:01:06 [kabuki] No.638949358
◆梨◆ カブキ名鑑#037【プロメテウス】 ◆園◆ 火と文明を司るとも言われる強大なリアルぴるすニンジャ。その力は極めて高いものであったが、何らかの理由により戦闘能力は十分ではなかったようだ。神依剣の出自を知る数少ないニンジャ。
8 19/11/15(金)23:08:06 No.638951694
カブキスレイヤーきたな…
9 19/11/15(金)23:10:47 No.638952608
公式のシャードでニンジャネームの継承について語られて耐えられなかった
10 19/11/15(金)23:13:24 No.638953391
継承された…
11 19/11/15(金)23:17:31 No.638954721
公式の質問コーナーだと「カブキ使うニンジャは全く、あるいは記録に残らない程度にしか存在しなかった」という話もあっカブキスレイヤーに役立つな…ってなった
12 19/11/15(金)23:22:41 No.638956424
ニンジャスレイヤー本編でもカブキってトンチキ超能力なの!?
13 19/11/15(金)23:24:44 No.638957084
ニンジャが立ち枯れの時期だったとはいえエド戦争でハイクと共に多くのニンジャを葬ったモータルの力がカブキだ
14 19/11/15(金)23:25:56 No.638957475
モータルがニンジャに対して優位にたてる数少ないジツだ
15 19/11/15(金)23:27:23 No.638957976
カブキは逆回しするとかなりヤバいもの呼び出したりニンジャソウルディセンション現象に影響与えたりするからな…
16 19/11/15(金)23:29:38 No.638958748
これは…novしんじつでは…? プロメテウスの名前は…
17 19/11/15(金)23:30:51 No.638959146
カブキは強大なダイコク・ニンジャの憑依者すら最初は抵抗できないほど強烈だからな…
18 19/11/15(金)23:35:08 No.638960523
クソコテ四天王もちょこちょこ顔だしてるんだよなカブキスレイヤー
19 19/11/15(金)23:35:24 No.638960605
>ニンジャスレイヤー本編でもカブキってトンチキ超能力なの!? 最新時系列だとキョートで24時間カブキ公演が行われていて観光産業として貢献しつつニンジャ弱体フィールドを常時張り続けているのだ
20 19/11/15(金)23:38:33 No.638961672
神依剣(かんりけん)でダメだった