19/10/31(木)22:19:39 木製お... のスレッド詳細
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19/10/31(木)22:19:39 No.635107259
木製お盆に陶器のお皿。代わり映えない食卓で、ひときわ目を引く銀の舟。 それはさながら魔法のランプ。三度擦ればそれだけで、ぐつぐつカレーのときめく香りが、誰かの心をくすぐるのです。 「美味しそうだね」「さぁ、出来ましたよ先輩。」 「センパイ、まだですよ。ちゃんとスプーンで食べましょうね」「早く食べさせて〜！」 ごろごろお肉とどっさり野菜、エミヤさんの指導の賜物。私が作ったはじめてのカレー。 先輩もセンパイも私を挟んでどたばた、じたばた。どうにもカレーが待ちきれないご様子です。そんなに喜んでもらえるなんて、少し鼻が膨らんでしまいます。 ところで先輩というのは男性で、センパイは女性です。お二人は同姓同名なので、私はイントネーションで呼び分けています。
1 19/10/31(木)22:23:31 No.635108348
しかし困ってしまいます。 両側からこうも先輩とセンパイに言い寄られて、私の両手が塞がってしまいました。個人的には幸せですが、このままではお二人にカレーを食べさせてあげることが叶いません。 なんとか先輩とセンパイに順番を決めてもらわないと。じゃんけんなんてどうでしょう？ 「あいこで、しょ！」「先輩、センパイも、頑張ってください！」「あいこで、しょ！」 流石は仲良しの先輩とセンパイ、じゃんけんだって五分と五分。私はハラハラ見守ります。 一体どちらが勝つのでしょうか……！？ 「あらマシュ、元気になったのね！両手のそれは新しいお友だち？」 通りがかりのナーサリーさんが笑いかけてくれました。 その無邪気な言の葉は、さながら熱狂の渦に投げ込まれる液体窒素でした。
2 19/10/31(木)22:24:37 No.635108682
ﾋｯ
3 19/10/31(木)22:27:45 No.635109588
「ちがうのよ」 「ナーサリーさん。お替りをどうぞ」 「ちがうの。そんなつもりじゃなかったの」 両手が自由になった私はナーサリーさんにひたすらカレーを注ぎ続けます。だってたくさん作ったのですから。 先輩がセンパイに食べさせていたカレーよりも、センパイが先輩に毒味させていたカレーよりも美味しくなるように、たくさんたくさんたくさんたくさん作ったのですから。 足元に転がっていたマペットは食事の邪魔なので蹴り飛ばしてダストシュートです。 「おいしいですか？」 「美味しいわ。でももうお腹が」 「おいしいですね、ではお替りをどうぞ」 ナーサリーさんはアルトリア族もかくやのペースでカレーを食べ続けます。フリフリの衣装に一滴もカレーが染付かないように細心の注意を払うナーサリーさんはどこまでも真剣でした。 その誠意に応えるべく、私はひたすらカレーを継ぎ足し続けるのです。 目指せガネーシャ、掴め腹肉。どうか、遠慮なさらずに。 誰かのために大鍋をかき混ぜる私は、いつの間にか鼻歌を諳んじるのでした。
4 19/10/31(木)22:29:16 No.635110026
マシュを置いて喧嘩ックス始める先輩とセンパイ…
5 19/10/31(木)22:33:21 No.635111309
マシュは狂っていた
6 19/10/31(木)22:36:03 No.635112132
両手のそれ…？マペット…？
7 19/10/31(木)22:37:40 No.635112645
>両手のそれ…？マペット…？ カレー食べます？
8 19/10/31(木)22:38:41 No.635112975
>両手のそれ…？マペット…？ お替りをどうぞ
9 19/10/31(木)22:40:37 No.635113565
ああ先輩今サーヴァントユニヴァースにいるもんね…
10 19/10/31(木)22:44:33 No.635114796
あのナーサリーが気圧されてる…
11 19/10/31(木)22:50:00 No.635116524
深刻な先輩不足でマシュの心は壊れてしまった