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19/10/29(火)00:33:41 『私、... のスレッド詳細

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19/10/29(火)00:33:41 No.634436313

『私、貴方に恋をしています』 幸太郎は頭を抱えた。 扉の下から部屋に入れられていたこの手紙。 白いシンプルな便箋に綺麗な文字で綴られた手紙。 朝起きて、着替えを済ませて部屋を出ようとした時。 気付いて拾い上げ、文面を見て頭を抱えた。 これが仕事先でなら問題は無かった。仕事で関わる人物なら問題は無かった。 いつも通り飄々と丁寧に受け流して、それで終わり。 しかし、今回は違う。 屋敷の中。住んでいる人物は数人。差し出したと考えられる人物もその数人。 全員幸太郎がプロデュースするアイドル。恋愛などもっての他。相手がプロデューサーとなれば、なおの事。 故に、頭を抱えた。

1 19/10/29(火)00:34:02 No.634436400

次に幸太郎は、どうにかしてこれを送った人物を特定しようと考えた。 しかし、手紙に差出人の名は無い。 だがそこで折れる謎の敏腕アイドルプロデューサーではない。 7人の容疑者達の中から1人。手紙を送った人物を見つけ出す。 頭脳明晰唯我独尊を地で行くと自負している巽幸太郎には、造作も無い事。 …と思ったが、判明したらしたでその後の対処が怖いな… 普段の強気なんて何処へやら。幸太郎はへっぴり腰になりながら、ミーティングに向かった。 「はぁーい!おはようございまーす!」 まずは挨拶。基本だという事は、常日頃から口を酸っぱくして言っているのでゾンビィの面々も理解している。 返事を返すのは、いつもの二人。 「お、おっはようございまーっす!」 容疑者1号。源さくらの返事は、いつもと変わらず。 「お、おは、おはは、おはよぅ…ごじゃ…ごっ!ごごっ!ございま!…ございましゅ…」 「嘘だろお前」 容疑者4号。紺野純子の返事は、思わず素で返してしまう程に、あまりにも露骨だった。

2 19/10/29(火)00:34:28 No.634436533

顔を向けてみると、視線を逸らし逸らし。 近づいてみると、手を振り回しアタフタと。 顔を近づけてみると、真っ赤になって、えっ!?えっ!?などと喚く。 そこから先の尋問は近くに座っていた容疑者3号にパンを以って止められた。 しかし、最早その程度で幸太郎が折れる事はない。 「あ、あの…一体何の御用でしょうか…」 容疑を一人に絞り込み、ミーティングが終わった後にその人物を呼び出し。 現れた人物。純子にジロリと睨みを利かせて口を開く。 「何か言う事があるじゃろがい」 「えっ!?…えっと、な、何の事だか…わかりません…」 先ほどと同じように、まるで茹蛸のように赤くなる顔。 先ほどと同じように、しどろもどろになる言葉。 …先ほどと違い、幸太郎を止める者は居ない。

3 19/10/29(火)00:35:08 No.634436709

「よう言えたもんじゃなぁ!?」 「ひぃっ!?」 ビクビク震える純子に肩をいからせ詰め寄り、大声で捲くし立てる。 「おまっ、こんな事をしといて何の事!?すっとぼけおって!!」 「乙女チックでかわうぃねぇ~!なんて言うと思ったかこんボケェ!」 「大体お前アイドルの矜持はどうした!?ご法度じゃろがい!」 「な、何の事ですかぁ…」 「まだ言うか!」 唾を飛ばしながら怒鳴り散らす幸太郎。 そうして怒鳴り続けた後に。目を閉じて震える純子に気付き、少し熱が冷めた。 しかし、落ち着いたところで問題が解決したわけではない。 限りなくクロに近くとも、認めてはいないため未だに容疑は容疑のまま。 そういえば純子はこう見えて芯は強い少女である。告白ならば自らの口で面と向かって告げるのでは? …もしや、純子が隠したがっている事は違う事で、それを自分は勘違いしているのではないか? 冷めてきた頭で、幸太郎は疑念を抱き始めていた。

4 19/10/29(火)00:35:46 No.634436878

確かに手紙に書かれていたのは綺麗な字だ。純子のイメージにもピッタリ。 …ピッタリではあるが、ただ書いただけという可能性は無いだろうか。 愛しい者への恋を綴った手紙。ロマンチストな面がある純子には、代筆を承りそうなイメージもある。 そして、もし本当にしたのなら。 何をされようが梃子でも口を割らないなんて事も、純子には有り得ると幸太郎はわかっている。 これで推理は振り出しに戻ってしまった。 純子が代筆をしたという仮定をするならば、もう手紙から絞り込みなんて出来はしない。 元ヤンゾンビィだろうが、あーうーゾンビィだろうが。 どんなに想いの主が粗雑だろうとも、白魚のような指が想いを可憐な文字へと形作ってしまう。 幸太郎は頭を抱えた。 こちらに心配を見せる純子を見て、更に頭を抱え込んだ。 「…これ。知らんのか」 手紙を手に取り、純子へ。 「………はい。知りません」 ダメ元で素直に聞いてみても、返って来た答えは期待値どおり。安易に想像が付く物であった。

5 19/10/29(火)00:36:04 No.634436978

「はぁ~~~~~…」 脱力に耐え切れず、近場の椅子に座り込む幸太郎。 首を傾げてこちらを眺める容疑者に、溜め息。 大丈夫ですか?と素直に聞いてくる悩みの原因に、愚痴が沸々と湧いてきた。 「はぁ…想いなんて真正面から伝えりゃいいじゃろがい。ったく」 「今時手紙に想いを込めて…だなんて何時の時代の人間じゃい」 「………まぁ、文字に想いを込める事自体は嫌いじゃないが」 「それでもなぁ!発するのに勇気が要るモノを言葉にする事にこそ意味があるんだろうが!」 「大体俺は言葉にする方が好きだ!俺がそういうのを歌に込める様にな!」 「そもそも!そーんな一世一代の行動に対する返事を耳で聞きたくないんかい!俺は聞きたい!」 「…何を熱くなっとんだ俺は」 愚痴から、感情の発露。盛大に吐き出してから冷静になったが、それでもまだ吐き出したい物は沢山あった。 「巽さん」 再度愚痴を吐こうとした瞬間。かかってきた声に目を向ければ、件の手紙を持って微笑む純子の姿。 頬を朱に染めた、純子の姿。

6 19/10/29(火)00:36:21 No.634437051

「私、貴方に恋をしています」 幸太郎は頭を抱えた。

7 19/10/29(火)00:39:55 No.634437876

墓穴掘っとる…

8 19/10/29(火)00:40:40 No.634438064

つよい…

9 19/10/29(火)00:47:00 No.634439644

よわよわきのこかと思ったらつよつよきのこだった

10 19/10/29(火)00:47:50 No.634439823

ストレートに来たな

11 19/10/29(火)00:50:48 No.634440475

女子にここまで言わせたらもう…ね

12 19/10/29(火)00:52:30 No.634440817

もう逃げ場はないぞ

13 19/10/29(火)00:56:45 No.634441800

覚悟を宿命に突きつけなんし!

14 19/10/29(火)00:59:00 No.634442217

想いを伝える時には凛とした立ち振る舞いになる純子美しい…

15 19/10/29(火)01:02:38 No.634442921

巽に感情を爆発させた時点で強過ぎる…

16 19/10/29(火)01:05:43 No.634443479

巽!想いに応えんね!

17 19/10/29(火)01:07:20 No.634443806

つよつよ…

18 19/10/29(火)01:09:19 No.634444215

バシィ!

19 19/10/29(火)01:12:32 No.634444866

1回くらいデートしなんし!

20 19/10/29(火)01:17:01 No.634445677

ゾンビィへのラブソングと言われてるヨミガエレを書いた男の説得力あり過ぎる

21 19/10/29(火)01:18:51 No.634446083

>そこから先の尋問は近くに座っていた容疑者3号にパンを以って止められた。 フランスパンを常備してる愛ちゃんカッコよかー!

22 19/10/29(火)01:21:55 No.634446711

『一世一代の賭けは続いてく』

23 19/10/29(火)01:23:18 No.634446980

>「私、貴方に恋をしています」 これをテーマに歌が出来そう

24 19/10/29(火)01:26:32 No.634447577

想いのぶつかり稽古みたくなっとる…

25 19/10/29(火)01:30:25 No.634448187

よか…

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