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19/10/16(水)02:52:34 No.630969854
のらちゃんとボクっ子メイドますきゃっとレイちゃんのお話
1 19/10/16(水)02:52:55 No.630969887
夏が長い事で誰が得をするのだろうか。 長く続く夏の暑さに、庭の草花もどこか元気がない様に見えてそう思いました。 「暑い日が続きますね」 庭に水を撒いていると、塀の向こうからのらちゃんが姿を現した。 僕に一言声を掛けてからピョンと飛び上がると、塀と花壇を飛び越えて庭の中まで飛び込んでくる。 「おはようございます、レイさん」 「おはよう、のらちゃん。なんか機嫌がいいみたいだね、どうかしたの？」 僕がそう聞くと、のらちゃんはふふんと鼻を鳴らし、腰に手を当て、 「まあ、立ち話もなんですから、お茶でも飲みながら話しましょう。 レイさん！ミルクティーでお願いします！」と言いました。 「別にいいんだけど、それ僕の台詞だよね？」 突然の来訪でありながら、お茶まで要求されて釈然としない気持ちになりながらのらちゃんを家に迎入れた。
2 19/10/16(水)02:53:28 No.630969925
客人をしっかり持て成すのもメイドの務めと、自分に言い聞かせながら紅茶を淹れる。 客人と言ってもご主人さまのではなく、僕の客人だからメイドの務めに含まれるのかは怪しい物ですが。 のらちゃんは僕の淹れた紅茶を一口飲むと本題に入った。 「私、今度は喫茶店をやることにしたんです」 「凄い急だね！えぇ……でものらちゃん、この前オープン直後のレストラン吹き飛ばしたよね？」 「あれはまあ……幸いにも保険がおりたのでもう過ぎた事ですよ。えぇ、何も問題は有りません。 喫茶店を開ける場所が郊外の山奥に限定されましたが、もう終わった話ですよ」 「それはどこに？」と聞いて見ると、のらちゃんは地図を開いてスッと街から大分離れた山を指差した。 「町からちょっと離れてるってレベルじゃないね…」 そこは車でも数時間かかる距離でした。 しかしのらちゃんが言うにはただ事故を警戒されたからでなく、需要も見込まれての事らしいです。
3 19/10/16(水)02:54:03 No.630969972
「短い期間でしたけど私の料理のファンも結構いたんですよ。それに加えて飲食店が一切ない場所ですから結構要望があるとか」 「へぇ、それでわざわざそんな山奥まで行くんですか……あれ？それだとしばらくお別れ？」 「数ヶ月はやってみるつもりですから、そうなりますね」 「そっか、ちょっとさみしいかも」 ただ友達が遠くに行ってしまうのが寂しいだけではなく、 自分の立場から自由にやる事を選べない僕は、のらちゃんの事がとても羨ましく思えて、そこもまた寂しさを感じました。 「ずっといなくなる訳じゃありませんし、そう寂しがらないで下さい。それにレイさんがお店まで遊びに来てくれれば良いんですよ」 「そう言われればそうなんだけど、友達と雑談しに行くには遠すぎない？」 「そこはレイさんのご主人に頼めばいいじゃないですか。2人でどこか旅行に行くついででも構いませんよ」
4 19/10/16(水)02:54:31 No.630970011
「2人で旅行かぁ。ちょっと頼んでみようかな？」 あの人と2人で旅行なんていった事がないが、行くとしたらどういう場所がいいのかと考えていると、 のらちゃんのカップが空になっている事に気がついたのでポッドからお茶を注ぐ。 のらちゃんはお礼を言ってから一口飲むと、悩みを話始めた。 「ところで１つ相談なんですが、喫茶店のメニューをどうしようか考えているんですけど、何かちょっと驚く様なパンチの効いた物って有りませんか？」 「パンチの効いた物？喫茶店っていうと精々パスタとかそういう感じですよね？」 「はい。サンドイッチとかパスタを出そうと思っているんですけど、せっかく遠くまで来てもらうんですから何か特別な物を、と思っているんです」 「のらちゃんを目当てに来る人には普通にもてなせばそれで良い思い出なると思うけど……」 「むむむ。レイさんまでプロデューサーと同じ事を言いますか」
5 19/10/16(水)02:55:19 No.630970069
「あんまり変な物を出すのも本末転倒でしょ？とりあえず普通のメニューでやった方が良いと思うよ」 僕が無難な方向に促すと、のらちゃんは納得いかないという感じで不満を漏らすので、 とりあえず話題を変えようと思い何かないかと考えると、昨日作ったクッキーの事を思い出した。 「あっ、そうだ。昨日焼いたクッキーが有るんだけど食べる？」 「クッキーですか。丁度甘い物が欲しいと思っていた所です」 席を離れて棚からクッキーを取り出すと、ふと僕の中に悪戯心が芽生えました。 のらちゃんに変な事を聞かれたせでしょうか？ 別に害になる事でも無いと自分に言い聞かせながらクッキーをお皿に盛り付けて席に座って、 「チョコチップクッキーです」 お皿をのらちゃんの目の前に置くと、のらちゃんは嬉しそうにクッキーを手に取り、一口食べるとサクッと小気味良い音が響きました。
6 19/10/16(水)02:55:51 No.630970109
2度、3度とのらちゃんが咀嚼する度に怪訝な顔になっていって、段々と俯きがちになりながら口の中のクッキーを飲み込んで行く。 その様子に申し訳なさと面白みを感じながら１つのらちゃんに質問をした。 「苦手でしたか？レーズン」 「別に……そういう訳じゃないです……でもこの仕打ちはあんまりですよ！」 その後のらちゃんはオニオンリングとイカリングを例にして僕のやった事が如何に罪深いのかを、僕が吹き出すまで説き続けました。 「まったく！私は本当に怒ってるんですからね！！」 「クフッ…フフフ……ごめん、ごめんね。ちょっと思いついたからやっちゃった」 ムスッとした顔のまま、のらちゃんは紅茶を飲んでから残ったレーズンクッキーを食べました。 「まあまあ、僕も本当に反省してるからさ。はい、今度は本当にチョコチップクッキー」 お皿の下の方に置いておいたチョコチップクッキーをのらちゃんに渡すと、よく見て確認してからそれを口にすると、 僕が嘘をついてないのを確信して、モクモクと美味しそうに食べ尽くしました。
7 19/10/16(水)02:56:15 No.630970136
「まあしかし、これも有りかもしれませんね」 お皿が空っぽになると、のらちゃんがまた妙な事を言い始めた。 「これって……レーズンで騙す事？」 「ちょっとした驚きを提供するって点では有りだと思いません？」 「うーん……飲食店でやっちゃダメだと思う」 「やられっぱなしなのがスッキリしないんですよね、むむむ…… まあいいでしょう。機会を探りつつ、いずれ狙ってみますか」 少し不安な事を呟くと、のらちゃんは「準備が色々とあるので」と帰って行きました。 僕のせいで誰かがドッキリを喰らうかもしれないと思うと、少しだけその人に悪いな、と思いました。
8 19/10/16(水)02:56:42 No.630970176
しばらく後にご主人さまと、のらちゃんの喫茶店に行った時。サービス出されたチョコチップクッキーは少しだけスリルを感じました。 「何も仕込んだりしてませんよ。ただの友達へのサービスです」 そう言われて口にしたクッキーは本当にただのチョコチップクッキーで美味しい物でした。 次にのらちゃんが僕の家に来た時は、僕もちゃんとおもてなしとしてケーキでも出してあげようかな？
9 19/10/16(水)02:59:39 [sage] No.630970414
前回ここに貼ってからずいぶん間が開いてて時の流れが怖い
10 19/10/16(水)04:00:35 No.630974215
いい…
11 19/10/16(水)04:07:11 No.630974540
ますきゃっとのレイちゃんだ！
12 19/10/16(水)04:09:44 No.630974667
のらちゃんがまともな料理を作れてる…
13 19/10/16(水)04:10:31 No.630974706
喫茶店のメニューにはのらきゃっとのミルク校舎は絶対にあると見た
14 19/10/16(水)04:12:09 No.630974785
キャッツならチョコチップクッキーって言って校舎の入ったクッキーを出しそう
15 19/10/16(水)04:13:19 No.630974839
>キャッツならチョコチップクッキーって言って校舎の入ったクッキーを出しそう さすがに人が食べられないものは…出してたわ
16 19/10/16(水)04:13:56 No.630974873
きゃっつでもちゃんと料理作れるし！ ちょっと色が怪しかったりするけど！
17 19/10/16(水)04:14:31 No.630974907
のらちゃんもレイちゃんも暑いって分かってても平気そうに見える
18 19/10/16(水)04:15:08 No.630974937
>きゃっつでもちゃんと料理作れるし！ >ちょっと色が怪しかったりするけど！ それでは実際に食べたプロデューサーさんの色がついていたのは…
19 19/10/16(水)04:16:28 No.630975001
>>キャッツならチョコチップクッキーって言って校舎の入ったクッキーを出しそう >さすがに人が食べられないものは…出してたわ ひどかったよね 缶詰をミキサーにかけただけの料理
20 19/10/16(水)04:17:33 No.630975050
>「私、今度は喫茶店をやることにしたんです」 >「凄い急だね！えぇ……でものらちゃん、この前オープン直後のレストラン吹き飛ばしたよね？」 >「あれはまあ……幸いにも保険がおりたのでもう過ぎた事ですよ。えぇ、何も問題は有りません。 >喫茶店を開ける場所が郊外の山奥に限定されましたが、もう終わった話ですよ」 ねえこれ許されてないんじゃ…
21 19/10/16(水)04:17:55 No.630975059
>のらちゃんもレイちゃんも暑いって分かってても平気そうに見える アンドロイドだから不快感とか薄そうだよね
22 19/10/16(水)04:19:01 No.630975122
>>のらちゃんもレイちゃんも暑いって分かってても平気そうに見える >アンドロイドだから不快感とか薄そうだよね 一応戦闘用だから似た感覚はつけられてると思うけど人間みたいに行動に支障がでない感じなんだろうな
23 19/10/16(水)04:20:22 No.630975187
レーズンクッキーと知らずチョコチップクッキーと思い込んで食べちゃうのらちゃんkawaii!!
24 19/10/16(水)04:23:31 No.630975364
実際のらちゃんが喫茶店開いたらどんなメニューになるんだろ 想像つかない
25 19/10/16(水)04:25:00 No.630975442
>実際のらちゃんが喫茶店開いたらどんなメニューになるんだろ >想像つかない まずコーヒーがホットチョコレートになる そしてホットチョコレートがまんまチョコを溶かしただけのものをお出ししてくる
26 19/10/16(水)04:26:18 No.630975526
のらちゃん基本的に雑だけど一応料理の知識はあるし…使うとは限らないけど
27 19/10/16(水)04:26:29 No.630975532
のらショット(ジョッキ)
28 19/10/16(水)04:27:10 No.630975559
>そしてホットチョコレートがまんまチョコを溶かしただけのものをお出ししてくる (湯煎じゃなく直に鍋にチョコ入れて溶かす) (焦げる)
29 19/10/16(水)04:27:43 No.630975581
>のらショット(ジョッキ) カフェイン中毒になりそう
30 19/10/16(水)04:28:50 No.630975622
>のらちゃん基本的に雑だけど一応料理の知識はあるし…使うとは限らないけど 料理長きゃっとの時は一応真面目に料理作ってたね…
31 19/10/16(水)04:29:44 No.630975663
変な料理が出てくると思ったら普通の料理が出てきて普通の料理が来ると思ったら変な料理が出てきそう のらちゃんにはそういう掴みどころのなさがあるというかなんというか…
32 19/10/16(水)04:31:27 No.630975738
ねずみさんは悪食だからなんでもかんでも食べるから平気でしょ
33 19/10/16(水)04:32:15 No.630975773
マシュマロの代わりにソーデスを乗せたホットチョコレートとか出してくる
34 19/10/16(水)04:32:42 No.630975791
そんな喫茶店に来る客はねずみさんしかいないとか…
35 19/10/16(水)04:34:08 No.630975854
>マシュマロの代わりにソーデスを乗せたホットチョコレートとか出してくる ソーデスの形したマシュマロが乗ったホットチョコレートは普通にコラボメニューとかで使えそうだなあ 作るの大変か
36 19/10/16(水)04:36:30 No.630975957
ソーデス酒まんじゅうとかおいしそう
37 19/10/16(水)04:40:17 No.630976112
ソーデスいちご大福…
38 19/10/16(水)04:43:58 No.630976253
深夜に食べ物の話は食べたくなるから辛い
39 19/10/16(水)05:40:05 No.630977847
一時期のらちゃんのスレに居座ってた荒しおじいなくなって本当によかった