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19/09/04(水)21:31:19 「おっ... のスレッド詳細

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19/09/04(水)21:31:19 No.620253512

「おっ邪魔っしま~すっ、マスターっ!」 「!?」 夏も過ぎ、やがて秋に染まろうかという頃の夜。季節を問わず寝苦しさとは無縁なマイルームのベッドの上でうとうとと微睡んでいれば、突如として入り口の扉が開き、歓喜に満ちた声が鼓膜を揺らす。 「……って、沖田さんか。一体どうし――!?」 転がり込んできた彼女……沖田さんは嬉しそうにぴょんぴょんと跳ね回っていた。 「えへへ~。遊びに来ちゃいましたっ!」 酷く小さい布面積(みずぎ)で。 拘束具(さらし)から解き放たれ、真の姿を露わにしたモノが、彼女が跳ね回るのに合わせて揺れ動く。目の保養――もとい、非常に目の毒な光景に、眠気も吹っ飛んでしまった。

1 19/09/04(水)21:31:47 No.620253658

「…………」 「どうかしましたか、マスター?」 「え!?あ、いや、何でもないよ。えっと……遊びに来たんだっけ?いらっしゃい」 「はいっ、お邪魔しますっ」 「今、お茶淹れるよ。緑茶でいいよね?」 「いえいえ、お構いなく。自分で淹れますから。むしろマスターの分もご用意しますよっ。ほら、マスターは座って座って!」 お茶菓子も持ってきましたから、と携えた紙袋を掲げて笑う。それを受け取ると半ば強制的にベッドへ座らされてしまった。 「~♪」 勝手知ったるとばかりにキッチンへと向かうその背中は随分と上機嫌。心なしか、頭上に一房飛び出た髪の毛もいつもよりご機嫌に揺れているような、そうでもないような。 受け取ったお菓子をテーブルに広げ、ぼうっと彼女の給仕する様を眺めていると、こちらを向いた彼女と目が合う。静かに微笑み返されると妙にどぎまぎしてしまうのは、彼女の格好のせいだろうか。……別に、普段の彼女だったらどうも思わない訳でもないのだけれど。

2 19/09/04(水)21:32:26 No.620253861

「はい、お待たせしました。どうぞ、マスター」 「う、うん。ありがとう……」 そんな事を考えていると、お茶を淹れ終わった彼女がこちらへとやって来た。手渡された湯呑みは丁度いい温度。僅かばかり緊張の糸が緩んだ気がした。 「隣、失礼しますねっ」 余程浮かれているのだろう、鼻歌を歌いながらいつもより近い距離に彼女が腰掛ける。少し触れ合う肩だとか、何やら甘い匂いだとか……正直、気が気でない。 そんな心を知ってか知らずか、彼女は呑気に、そして相変わらず上機嫌にお茶を飲んでいた。お茶菓子のお饅頭を食んでは幸せそうな表情を浮かべている。

3 19/09/04(水)21:32:37 No.620253918

「……とっ、ところでさ!こんな時間に遊びに来るなんて、珍しいよね!」 何やらよろしくない考えが頭をよぎりそうだったので、気持ちを切り替えようと話を切り出す。思ったより声量が大きくなってしまったらしく、彼女は少し驚いたようだった。 「え、ええ。そうですね。……お邪魔でしたか?」 「あ~……まあ、ちょっとね。結構遅い時間だし、そろそろ寝ないとな~って思ってたんだ」 「そうでしたか……確かに、時間としては遅いですよね。では、長居はせずに手短に済ませましょう」 お饅頭をぱくりと一口。ごくんと飲み込んだ後に手を合わせ、飲みかけの湯呑みをテーブルに置いて立ち上がる。 こちらのすぐ目の前に躍り出て、そのままくるりとターン。短めの髪がふわりと踊り、黒のマフラーが靡く。 「マスター。沖田さんに何か言う事、あるんじゃないですか?」 「言う事……?」

4 19/09/04(水)21:32:47 No.620253980

「ん~っと……ああ。そういえば言ってなかったっけ。沖田さん、水着デビューおめでとう」 色々とごたごたしていて、結局言いそびれていたのだった。とは言え、念願の水着デビューも『無事に』とはいかなかったのだが。XXめ……なんということをしてくれたのでしょう。……当人達の仲は深まった訳だから、雨降って何とやらと言うやつかもしれないが。 「そっちですか……。まあ、ありがとうございます。ノッブに遅れをとること早二年、実に長かったですよ……」 しかし、彼女の反応は芳しくない。どうやらお目当ての言葉ではなかったようだ。他に言うことがあるのかと頭を捻ってみても、皆目見当もつかない。 「……ごめん。沖田さんが何を言って欲しいのか、分からないや」 「はあ……。如何な朴念仁マスターと言えど、その辺の乙女心は分かっていると思っていましたが……これは予想外です」 何やら不名誉な言い草。謂れはない、とは言い切れないのが辛いところだ。現に、彼女の期待に添えていない訳だし。

5 19/09/04(水)21:32:57 No.620254030

しかし朴念仁などと言われても、やはり何を言うべきか今ひとつ分からず、ただただ首を傾げる事しか出来ない。 「こほん!……つまりですね。感想ですよ、か・ん・そ・う!」 「感想……?」 そんな様を見兼ねたのか、わざとらしく大きな咳払いをして、彼女は続けた。 「……でもこの前は、恥ずかしいからやっぱりいいです、みたいなこと言ってなかったっけ?」 「それはそうなんですが……もう夏も終わってしまう訳ですし?やっぱり、マスターがどう思っているかは知っておきたいと言いますか、何と言いますか……。まあともかくですね、感想をどうぞっ!」 「はぁ……?ええと、感想、感想ねぇ……」 彼女の色白な肢体を包むのは黒のビキニ。所々に差した金色が良いアクセントになっている。長い手袋やニーソ、それからマフラーがフェチシズムを刺激して――などと、気を抜くと良からぬことを考えてしまう。何せ、非常にインパクトの強い光景が広がっているのだから。普段は露出が控えめな彼女が、しかし今はその肌を惜しげもなく晒している……ガードの固い桜色の着物とのギャップから、酷く心を揺さぶられてしまうのも是非もないだろう。

6 19/09/04(水)21:34:11 No.620254405

「……あれ?そう言えば、Jは?」 「J?……ああ、ジェットパックですか?」 可憐かつエロティックな水着姿に似合わない、例の物騒な装備。ラスベガスの時には彼女の腰回りにはそれがあったはずだが、今は見当たらない。 「そうそう。例のジェット迷彩で隠してるの?」 「いえ、そもそも今は着けていませんよ?」 「…………え?」 アレは確か、生命維持装置的なもので取り外し不可だったはず。それを着けていないと言うことは、つまり―― 「今目の前にいる沖田さんは……幽霊……!?」 「違いますよっ!?幽霊がお茶を飲んだりお饅頭を食べたりしますか!? 今の私は、セイバーの霊基で水着を着てるだけなんですっ。ジェットパックが必要なのはアサシンの霊基の時だけですから、今はノープロブレムというやつですね」 「あ、そういう……。って、態々霊基を変えてまで着替える必要が……?」 ラスベガスでは、ジェットパックが物騒で水着に似合わない~、なんてぼやいていた気がするが……セイバーの霊基に戻って着替え直すのは手間だろう。ただ感想が欲しいだけなら、それこそ迷彩で隠しておけばいいだけの話だし。

7 19/09/04(水)21:34:25 No.620254475

そんな疑問を口にすると、彼女は影のある表情を見せた。暗く乾いた笑みがなんとも痛ましい。 「あるんですよ、これが……。寝る時はうつ伏せ以外不可ですし、そもそも普通の椅子にさえ座れません。狭い扉ではガンガンぶつかったりとか……」 「……なるほど」 ジェットパックというのは戦闘時ならまだしも、日常生活ではおよそ使い道のない……端的に言えば邪魔な装備なのだろう。心中お察しします。

8 19/09/04(水)21:34:57 No.620254644

「そんなことよりも、ほら!早く感想をどうぞっ」 「う、うん……?え~っと……」 すらりと伸びた手足は程よく引き締まり、しかし女性的なフォルムを崩す事はなく。手袋とニーソも相まって、病弱とは思えない程に健康的なエロスを醸し出す。 さらに、胸。おっぱい。魔神さん(オルタ)が素晴らしいモノをお持ちなので、彼女もそれなり以上のモノを持っているというのは妄そ……もとい、予想していたけれど。ラスベガスで初めて見た時から思っていたが、果たしてこれは、ある種の視覚の暴力とでも言うべきか。水着にマフラーというアンバランスさが一層エロスを掻き立てるというか何と言うか……およそ口に出来ない感想ばかりが頭に浮かんでは消えを繰り返す。

9 19/09/04(水)21:35:48 No.620254901

「…………」 何とか口に出来る感想をひねり出そうと、内心うんうんと唸る事数分。あまりに待たせすぎてしまったのか、彼女はご機嫌斜めになってしまったらしい。両腰に手を当て、唇を突き出して眉を顰めている――典型的な『怒っていますよ』アピール。普段の彼女なら、ここまでストレートな行動はしなかっただろうが、これも水着の魔力だろうか。

10 19/09/04(水)21:36:09 No.620255007

「何ですか何ですか。他の水着姿のサーヴァントの方達はすぐに褒めちゃう癖に、沖田さんの時は褒め言葉の一つも出てこないんですかー?」 「い、いや、そういう訳じゃなくて……」 「じゃあどういう訳ですかっ。沖田さん、説明を要求します!」 特段思うところの多い彼女に対し、『良かったねとか可愛いねとか感想はあるんだけど、二言目にはエロいねーって言っちゃいそうでさ、っていうか言っちゃったねあはは』――などと言えるはずもなく。ぐいぐいと詰め寄る彼女から逃げる様に体を捻る。 「ちょっ、近いって……!一旦離れて!?」 「離れません!早く理由を言って下さい!さもなくば見よう見まねで覚えた土方さん流拷問術が飛び出しますよ!?」 「いや、だから……!」 水着の魔力か、あるいは深夜のテンションか。とにかくおかしな事になってしまい、感想を口に出さざるを得ない状況に追い込まれてしまった。

11 19/09/04(水)21:36:17 tX5ax1F2 No.620255049

キモイんだよゴミ 死ね

12 19/09/04(水)21:36:23 No.620255083

「……あー!もう!分かったよ!言えばいいんだろ、言えば!? 非常にお似合いでよろしいと思います!何かこう、上手く言えないけど非常によろしいです!正直初対面の時から目を奪われっぱなしです!」 「そうでしょうそうでしょう!これは沖田さん大しょ――」 「でも黒のビキニはちょっとエロ過ぎます!」 「う……?」 「凄く着痩せするタイプだったんだなーとか、色っぽいくびれとか可愛いおへそとか!普段の格好とのギャップが大変素晴らしいです!」 「ほぇ……?」 「ニーソとか手袋とかもフェチシズムバリバリに刺激して大変エロいです!水着にマフラーもずるいです!うなじも見せて下さい!でもマフラーは外さないで下さい!とにかくっ……可愛くて、エロくて……!頭がどうにかなりそうです! はぁ、はぁ……!……はい、全部言いました!以上、感想終わりっ!」

13 19/09/04(水)21:36:36 No.620255145

「…………」 「……何か?言えって言ったのは、沖田さんの方でしょ?」 「だ、だって……確かに感想が欲しいとは言いましたけど……。その……え、エ……とか、そういうのはですね……」 仮に計算でやっているのだとしたら、彼女はとんだ小悪魔だろう。片手でマフラーを引き上げて口元を隠し、もう片方で体を隠す様に抱く。無論、そんなもので隠せる程度の魅力なら最初から虜になどなっていないのだけれど。 顔を真っ赤にして時折こちらを伺う様は、男心に非常にグッとくるものがある。 「あー……だめだ、コレ」 それが最後のトリガーだったのか。ぷつりと頭の奥で理性の糸が切れる音がした。 どくんどくんと心臓の音がうるさいくらいに響く。体の奥底から沸き上がる衝動に身を任せ、ベッドから静かに立ち上がる。 不穏な空気を感じ取ったのか、ゆっくりと後ずさる彼女を追い詰める様に――

14 19/09/04(水)21:36:48 No.620255212

「マスター……?」 一歩、ゆらりと踏み出して。 「無言だと、何だか怖いんですけど……」 二歩、背水を強い。 「……ちょっと!何とか言ってくださいよ、マスターっ」 三歩、静かに音もなく。 「き、聞いていますか、マスター?……マスターってば!」 四歩、も一つ詰め寄れば。 「……っ」 五歩、これにて王手にて候。

15 19/09/04(水)21:37:21 No.620255388

「あ、あの……っ、マス――ひうっ!?」 彼女の言葉を遮るように顔のすぐ横に手をつけば、バンと乾いた音が響く。同時に、彼女の口からは少し高い声が漏れ、ぴくりと肩が跳ねた。 「ぁ……ええと……こ、これが噂に聞く壁ドンというやつですか……。て、照れちゃいますね、あはは……」 上目遣いの瞳にはいつものような明るく元気な光はなく、代わりに緊張の色が見て取れた。その瞳を覗き込むと怯えたように顔を逸らされる。まるで小動物のような振る舞いが嗜虐心をくすぐった。 柔らかな髪を手の甲で退かし、逃がさないとばかりに頰に手を添える。柔らかく、温かい感触。 「ぁ……」 溢れた吐息は、すぐさま消えそうなほどに小さく、弱く。確かめるように、ゆっくりと顔を近づける。

16 19/09/04(水)21:37:35 No.620255459

「だ、だめ、ですよ……。わたしたち、サーヴァントとマスターなんですから……っ」 恋愛事に疎いと語っていた彼女も流石に察したらしく、胸元に当てられた手が押し返してくる。加えて、言葉で拒絶の意を示して―― 「……嘘つき」 「っ……!」 否、それは拒絶や抵抗にしてはあまりに弱々しく、全くの逆効果だった。 サーヴァントがその気になれば、人間一人跳ね除け、拒絶する事など容易い。例え、生身の人間相手に力を抑えているのだとしても、だ。 しどろもどろになった彼女に、追い打ちをかけるように―― 「ん……っ」 唇を重ねる。優しく、軽く。 寸分にも満たない僅かな時間の後、静かに離す。

17 19/09/04(水)21:37:51 No.620255553

「…………沖田」 「ぁ――」 返す言葉を待たず、再び唇を重ねる。今度は、先ほどよりも長く、熱く。 しかしてそれもただの数秒。ゆっくりと唇を離せば、彼女は茹るように赤くなったまま俯いていた。 「俺は、沖田の事……好きだ」 「っ……!?」 好意を口にした瞬間、びくりと大きく肩が震えた。頰に添えた手に力を込め、無理矢理顔を付き合わせる。あわあわと口元が動くものの、結局言葉は紡がれずに意味のない音が漏れるだけ。少し濡れた瞳は、照れからか忙しなく揺れていた。 「……沖田は俺の事、嫌い?」 「そんなこと、ないです……!ぜったいに……っ!」 「――じゃあ、好き?」 「それ、は……っ」 その答えを聞くまでもない事は互いに分かっている。けれど、例え分かりきった事だとしてもその言葉で聞きたかった。他でも無い、彼女の口から。

18 19/09/04(水)21:37:54 No.620255568

いけー!いけー!

19 19/09/04(水)21:38:12 No.620255655

彼女が押し黙ってしまってからどれくらいの時間がたっただろうか。いい加減に待ちきれず、答えを催促しようとした頃合いで、意を決したように彼女がこちらを見据える。まっすぐで綺麗な瞳――それに僅かばかり圧されてしまった。 「おき――ん……」 その隙を突くようにぐいと引き寄せられ、三度唇が触れ合う。今度は彼女から。強く、深く、しっかりと。 結局、求めていた言葉は得られず。しかし、その代わりの行動は、言葉よりも確かにその心を伝えるよう。 ――ただまあ。 三度目の正直とでも言うべきか。セイバーの霊基なので、いつもの体調に戻っていたらしく。 「――ぅ、ごぶっ!」 「んぶっ!?」 三度目のキスは、血の味がした。

20 19/09/04(水)21:38:16 No.620255685

かわいい

21 19/09/04(水)21:38:37 No.620255780

やっぱ吐血するか…

22 19/09/04(水)21:44:55 No.620257650

水着姿で身体が冷えるとねついね

23 19/09/04(水)21:45:03 No.620257706

長い長いかわいい

24 19/09/04(水)21:59:47 No.620262440

なっげえ! でもいいねえ…

25 19/09/04(水)22:00:27 No.620262678

普段ギャグ的に騒がしい子がしどろもどろになっちゃうのいいよね

26 19/09/04(水)22:01:43 No.620263108

長いな!かわいいじゃねぇか…

27 19/09/04(水)22:02:03 No.620263226

力作過ぎる…最高だ

28 19/09/04(水)22:02:50 No.620263472

沖田さん可愛い 引けて良かった

29 19/09/04(水)22:03:22 No.620263638

無自覚で攻められると弱い沖田さんは想像しやすい

30 19/09/04(水)22:11:55 No.620266449

エロいんだよ 生きて❤

31 19/09/04(水)22:16:29 No.620268025

衛宮士郎リスペクトの告白

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