ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/08/30(金)00:27:55 No.618732899
『脳内巽幸太郎定例会議のお時間です』 ここ、会議場に様々な巽幸太郎が集う。 サキ推しの巽幸太郎。愛推しの巽幸太郎。純子、ゆうぎり、リリィ、たえ、それぞれ推しの巽幸太郎も居る。 様々な巽幸太郎が一同に会し、重大な問題について議論を交わす。 「それでは今回幹事を務めさせて頂く、乾幸太郎です。よろしくお願いします」 さくら推し筆頭の男が壇上に立った事で、騒いでいた会議場が一瞬で静かになる。 「今回の議題はこちらです」 乾が手を振ると、スクリーンが何処からともなく降りてくる。 そこにプロジェクターからの光が浴びせられ、表示された文章。 『最近の我々が認識できていない時間について』 「どういう事だ?」 「認識できていない?」 「純子…純子…」 「静粛に!」 乾の一声で、再度騒然とする会議場が静かに。
1 19/08/30(金)00:28:25 No.618733002
「我々の意思が主人格である巽幸太郎の行動に繋がる事は、皆さんご存知ですね?」 問いに答える者は居ない。当然、ここに居る誰もが知っている事だからだ。 「我々がこうしようと会議で決め、主人格に送る事で行動を決定づけています」 「…ですが。ここ最近はどうやら、私達の意志を問う事無く主人格が何かしらの行動を取っています」 「故に、我々が認識できていない時間…つまり、独断で巽幸太郎を動かしている人物が居るのです」 乾の言葉で会議場の空気が重みを含む。 「なんという事だ…」 「それではプロデュースに現を抜かしている可能性があるという事か…」 「純子ぉ…純子ぉ…」 不安が、恐怖が、会議場を包み込む。しかし、ある男は変わらない。 「安心していただきたい!」 乾幸太郎。その男だけは。
2 19/08/30(金)00:28:46 No.618733095
「実は、既にどんな行動を取っていたのかはわかっているのです!」 おぉ!流石だ!純子ぉ!ほんと乾の奴さくら関わらないと優秀だな。 感嘆の声が会議場を飛び交う。だがそれに慢心を見せる事無く、乾は口を開く。 「我々が認識していない間の行動には、ある人物が一貫して関わっていました」 「次の映像を、どうぞ」 スクリーンの絵が切り替わり、人が映し出される。 「こ、これは!?」 「バカな!ありえない!」 「純子!?」 「違います。驚くのも無理は無いでしょうが、事実です」 表示された人物は、巽幸太郎であるならば誰しもが知っている人物。 目立たないように帽子を被り、普段はつけていない眼鏡まで装備して周りを何度も見ている人物。 「…現アイアンフリルのセンター。鋼鉄の巨人、詩織」
3 19/08/30(金)00:29:05 No.618733165
「どうやら、彼女と密会していたようなのです。細かなタイムスケジュールは、お手元の資料をご覧ください」 その声を聞いて、紙を捲る音が会議場を支配する。 「○月○日…偶然出会った詩織と二人きりで話した…その際にデートで許してもらう事を取り付けた!?」 「○月×日!詩織とショッピングに出かけた。似合うアクセサリーを買ってやったら頬にキスして貰った!?」 出るわ出るわ肝が冷える恐ろしき行動の数々。 「…フランシュシュを差し置いて、他のアイドルにかまけるどころかイチャイチャするなど言語道断!」 そーだそーだ!乾の言う通りだ!純子も買ってやったら喜ぶかな…嫉妬入ってないか乾の奴。 最早、始めの静寂をこの会議場に戻す事はできないだろう。 「お静かに!皆さん!聞いてください!」 …この言葉を聞くまでは、誰しもがそう思っていた。 「既に!犯人は掴んでいます!」 一瞬で静まり返る会議場。 その中で、乾は大きく深呼吸をする。
4 19/08/30(金)00:29:33 No.618733271
「今この場には、様々な人物の推し巽幸太郎が揃っています」 「…そして、いらっしゃいますよね。こんな事をして喜ぶ巽幸太郎が、一人だけ」 会議場に居る巽幸太郎の全員が…厳密には一人を除く全員が、除かれた一人を見る。 「…詩織推しの巽幸太郎。貴方です」 「ち、違う!」 汗を滝のように流す巽幸太郎は、慌てて口を開く。 「俺はそんな事しない!遠くから見守れればそれで良い!」 「貴方には前科がある。現アイアンフリルを離れる際に、会議場を占拠した前科が」 「ぐっ…!」 後ずさる詩織推しの巽幸太郎を囲むように、他の巽幸太郎が陣取る。 「…たかったんだ」 「…はい?」 「幸せにしてやりたかったんだよ!詩織を!」
5 19/08/30(金)00:30:02 No.618733400
「俺のエゴじゃないか!なんで詩織が傷つく必要がある!?」 「詩織の笑顔が好きなんだよ俺は!お前等は良いよな!推しをいつでも笑顔にできるんだから!」 「だけど!俺は!俺の推しは…!」 「泣いてたんだよぉ…!」 詩織推しの巽幸太郎の悲痛な叫び。周りの巽幸太郎も俯いて口を噤む。 「…気持ちはわかります」 「ですが、それは許されない。連れて行ってください」 乾の言葉を聞いて、警備員の巽幸太郎が詩織推しの巽幸太郎の両腕を掴み引き摺っていく。 「ま、待ってくれ!最後に一つ!」 「…なんですか?」 「詩織にLINEで、暫く会えないかもしれない。アクセサリーを見てまた会えるのを楽しみにして待っててくれって送っておいてくれぇええええ!!!」 「蹴り出せ」
6 19/08/30(金)00:30:40 No.618733558
一人が居なくなり、静かになった会議場。 もう終わりだろうと、緊張感の無い空気が流れる。 「皆さん、終わりだと思っていませんか」 だがそうは問屋が卸さないと、乾が口を開く。 「まだ最も重要な議題が残っています」 先ほどを越える議題…巽幸太郎の全員が生唾を飲み込む。 「では、議題をどうぞ」 スクリーンの絵が切り替わる。 『源さくらの恒久的なフランシュシュセンター化』 会議場は暴力の嵐に包まれ、崩落した。 「はっ!夢か…なんつー変な夢を俺は…」 「………逃げてばかりじゃ、いけないか」 「詩織…連絡を取ってみ…あれ?なにこのLINEの会話?記憶に無いんだけど…え?」
7 19/08/30(金)00:34:58 No.618734680
犯人もろ分かりじゃねーか!
8 19/08/30(金)00:35:31 No.618734817
純子推しの巽が純子としか言ってねえ…
9 19/08/30(金)00:37:25 No.618735337
推しめっちゃいるな…
10 19/08/30(金)00:37:27 No.618735346
純子推しは何でこんな理性を抜かれたような…
11 19/08/30(金)00:39:28 No.618735820
ガタリンピックの司会のお姉さん推しはいないのか!
12 19/08/30(金)00:39:39 No.618735867
結局詩織と…
13 19/08/30(金)00:40:44 No.618736128
そのうちそれぞれの推しと一線越えちゃわない?大丈夫?
14 19/08/30(金)00:41:00 No.618736183
ジャイアント馬場。
15 19/08/30(金)00:41:09 No.618736212
さくら推しも厄介だな…
16 19/08/30(金)00:41:23 No.618736267
隠れてるのかと思ったら普通に詩織推しの巽がいてダメだった
17 19/08/30(金)00:41:31 No.618736306
>純子推しは何でこんな理性を抜かれたような… きのこの胞子にやられたんだ…
18 19/08/30(金)00:42:25 No.618736531
巨人。
19 19/08/30(金)00:45:49 No.618737348
警備員までいるのか…
20 19/08/30(金)00:49:26 No.618738152
クソデカ感情抱きやすいのは共通してるんだな
21 19/08/30(金)00:52:22 No.618738844
主人格の巽は誰推しなのか誰も推してないのか…
22 19/08/30(金)01:00:00 No.618740473
若干ホラーだよぉ!
23 19/08/30(金)01:03:21 No.618741108
乾だけサングラスかけてないかもしれない
24 19/08/30(金)01:12:24 No.618742728
!?
25 19/08/30(金)01:15:27 No.618743294
どやんす~!