ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/08/28(水)23:19:11 No.618467405
「み、みんな!これ!これ見て!」 1日を終え寝るだけになったフランシュシュのメンバーにさくらが見せたものは、所謂コースターだった。緑の陶器をバックにあたりめを持ってポーズを決めている巽とJRの帽子を被ったロメロが映るデザインとなっている。 「よくできていますねこれ…市販品といっても差し支えないレベルです」 「でもNOT FOR SALEとかゾンビランドサガ製作委員会とか書いてあるけど…本当になんなの?」 「ロメロがいるのも不思議だね」 「さくらこれどこで見つけたと?」「屋敷の前で拾ったとよ」「なんだそりゃ…」 「それで、さくらはんはこれをどうするつもりでありんす?」 「それを聞くためにみんなに集まってもらったんですけど…どやんすどやんす?」 仮にも自分の知人がデザインされたグッズ(?)である。流石に捨てるには忍びないがかと言って使うのもなんだか…ということでさくらはフランシュシュに相談することを決めたのだった 「いや普通に使えばよかやろ」 「えっ軽…警察に届けるとかそういうのは」 「私たちはゾンビィですし、手続きとかできないと思いますよ」「例の警官の顔は見たくないしね…」
1 19/08/28(水)23:19:57 No.618467750
「じゃあ幸太郎さんに届けてもらえば…」 「こんなの見せられたらタツミも困ると思うよ?誰が何のために作ったのかさっぱりわからないし」 「でもそれ言ったら私たちがこれ使ってるところを見られたら気まずいなんてレベルじゃなかよ…?」 「アイツ私たちと食事しようとしないし大丈夫じゃない?使わないときは隠しておけば」 フランシュシュの知名度はアルピノライブ以降は鰻登り、それに応じて仕事も更に増えるようになった。結果、火の車だった家計も改善され1日3食の生活をすることが可能になったのだ。しかし巽は食費を与えるだけで調理等には一切関わらず、また食卓を共にすることもなかった 「というかみんな割とあっさりしとよらん?」 「別に大げさになることでもねぇだろ」「普通に使える道具が増えただけだし」「誰が作ったのかは多少興味ありますけど…」「でも考えてわかるものでもありんせんしね」「そう言うならさくらちゃんが隠しておいてよ!」 「ええ…まあいいけど…」 自分とフランシュシュの温度差に釈然としないさくら。結局コースターは食器棚の奥にしまうことにした。
2 19/08/28(水)23:21:12 No.618468280
3時間後、さくらは音を立てないよう忍び足で寝室を出た。目当ては無論、コースターのある食器棚である 「せ、せっかく拾ったものなんだしやっぱり使わないといけんよね…」 誰かが聞いている訳でもないのに言い訳をしつつ、コップ・水・そしてコースターを手早く用意し準備を整えた。 「じゃ、じゃあイキますよ幸太郎さん…」 「頑張れさくら…私も見てるから」 「ありがとう愛ちゃん…愛ちゃん?」 何食わぬ顔でさくらの横に立っていたのはゾンビィ4号水野愛だった。当然のごとく手には水入りのコップを持っている。 「一応聞くけど何しよると…?」 「?別に喉が渇いたから水を飲みにきただけだけど?」 「コースターガン見しながら言うことじゃなかよ…もしかして皆も起きてる?」 「まだ寝てるから大丈夫。動体視力がいい私が確認したんだから間違いない」 「それ何も安心できなか…」 「じゃあ早く済ませましょう?早く早く」 「何でそんなにノリノリとよ…」 とはいえ皆が起きてくるかもしれないと考えるとモタモタしてはいられない。さくらは深く息を吸って深呼吸し…コップをコースターの上に置いた。
3 19/08/28(水)23:21:33 No.618468397
「どやんすっ♡どやんすっ♡♡どやんすっどやんすぅーー♡♡♡」 さくらの全身に体験したことのないような快感が襲いかかる。視界は白く染まり、全身がドロドロに溶かされるような快楽に包まれた。止まっていた心臓が動き出したのではないか─そんな錯覚にまで陥った。 源さくらにとって巽幸太郎は恩人とも呼べる人間だった。確かにくだらない絡みを何度もされた。ペチャっ鼻呼ばわりされて鼻を潰されたことも、顔面に防水スプレーをかけられたこともあった。傍若無人な振る舞いに辟易しない日はなかった。 それでも、鏡山の展望台で彼に告げられた言葉と、アルピノのライブでの手拍子は彼女にとっての救いだった。ゾンビィになっても、持っていなくてもきっと幸太郎さんは私を見捨てることはないんだ──そんな確信がさくらにはあった。 そんな巽幸太郎を今、コースターとしてコップの下敷きとして扱っている──本当に大切な恩人をまるでモノのように使う背徳感でさくらの脳内から麻薬のごとき快感が分泌され、全身を駆け巡っていったのである。さくらは立つことすらままならへたり込んでしまった。
4 19/08/28(水)23:21:52 No.618468496
「コースター使っただけでどういうリアクションしてるのよ!?」 水野愛は驚愕した。必ず、かの邪智暴虐のコースターを使わねばならぬと決意した。 愛には人体がわからぬ。愛は、ゾンビィである。歌を歌い、踊りを踊る人生を過ごした。けれども体調の変化には、人一倍に敏感であった。 「ダメとよ愛ちゃん!それに手を出したらもう戻ってこれなくなる!!」 アレは人類、いやゾンビィ類には早過ぎる代物、開けてはならないパンドラの匣だったのに…!自分の軽率な判断を悔やむさくら。せめてこれ以上の被害者を生むことだけは避けようとしたが、快感の余韻で足が全く動かない。 一方愛も止まるそぶりを全く見せなかった。ダメと言われれば手を出したくなるのが人の常。愛はコップを手に取り…そしてコースターの上に置いた 「なん…♡♡なんなのぉ♡♡♡」 愛の全身に体験したことのないような快感が(省略)
5 19/08/28(水)23:22:23 No.618468692
水野愛は巽幸太郎が嫌いだった。勝手に蘇らせておきながら俺の為に働けと宣える図太さ、しょうもない絡み、謎のテンションの高さ、当日にいきなり仕事を投げる等々…平成の伝説のアイドルである愛は巽がプロデューサーとして優秀であり、また血の滲むような努力を過去から今まで続けていることは誰よりも早く理解出来た。それ故に、彼の振る舞いが我慢ならなかったのだ。 しかし、純子と自分の対立を含むサガロックフェスやリリィの身バレ騒動に対する巽の対処を見てその認識も変わっていった。フランシュシュがやりたいことは全力でサポートするし、本当にやりたくないのであればその自主性を尊重する。それが巽幸太朗のスタンスなのではないかと考えるようになった。露悪的な振る舞いはすれども、自分達のことを大切に思っているのではないか、ということも。フランシュシュ最大の困難であったアルピノライブを経た今は人としての巽幸太朗も認めているし、彼もまたフランシュシュの仲間だと、そう思えるようになった。本人に言うつもりは絶対にないが。 そんな大切な仲間の一員である巽幸太郎を今、コースターとして(省略)
6 19/08/28(水)23:23:03 No.618468990
「オイ!何が起きとると!?」「騒がしいですね…」「コースターは…あっありんした」 「み、みんな!どうしてここに!?」 「コースターがどこにあるか知りたくて…コホン。さくらちゃんと愛ちゃんがコソコソしてるからついてきちゃった☆」 「ほらやっぱり皆起きとったやん!」「私の動体視力もまだまだね…」 ジト目を向けるさくらとどこ吹く風の愛。そんな2人を置き去りにして、サキたち4人のゾンビィはヒートアップしていく。 「あのコースターがさくらと愛を…!クソッ許せねえ!」「ええ、フランシュシュは時代を超えて互いを支え合うグループです!」「二人の仇はわっちらが討ちんす!」「やっちゃえやっちゃえー!」 「みんなダメだって!」「フリじゃないから!本当にダメだから!」 さくらと愛は止めようとするが、やはり足が動かない。4人のゾンビィはコップを掲げ、コースターへと向かっていった そして… 「やべやべやべ♡♡♡」 「このまま私はきのこになります♡♡♡」 「ありんすっ♡♡ありんすぅ♡♡♡」 「お星様になっちゃうぅ♡♡♡」
7 19/08/28(水)23:23:31 No.618469208
「私たちは一体何をしているんでしょうね…」 「最低だよ…リリィも…みんなも…」 30分後、台所で文字通り死屍累々となっているゾンビィたち。絶賛賢者タイム中である。 そして、この状況を一際許せないゾンビィがいた。 「お前ら…本当にこんなんでいいのかよ!」 「サキちゃん…」「サキさん…」 「たしかにグラサンはウゼえ!アタシは今日レッスン後に呼び出されて『はーいサキちゃん君だけぜーんぜんステップできてましぇーん!』なんて煽られた!稽古つけてもらった後は出来るようになったしそのご褒美に佐賀牛のカレーもちょっと食わせて貰ったけど!」 「リーダー?ちょっとそこ詳しく聞きたいんだけど…」 「それでも今のアタシらはグラサンのことを信じてるからアイツの元でアイドルやっとるとやろーが!」
8 19/08/28(水)23:23:57 No.618469369
その言葉にゾンビィ達はハッとした。そうだ、確かに第一印象こそ最悪だったかもしれない。今だってウザい絡みを押し付けてくることもある。しかしこの1年で彼の良いところも沢山見てきた。彼のおかげで過去を清算できたゾンビィだっている。寝食は別だしステージで共に立ったこともない。生者とゾンビィという壁もある。それでも、それでも巽幸太郎もまたフランシュシュの仲間だったではないか… 「そんなグラサンをモノみてえに扱っては気持ちよくなるなんて…アイツに合わせる顔がねえよ…」 「サキちゃん…。そうよね…皆!もうこのコースターを使うのはこれっきりにしよう!やっぱりよくなかよこういうことは!」 「ええ。サキはんとさくらはんの言う通りでありんす」 「リリィも2人のおかげで目が覚めたよ!」 「そうね。あれでも私達のプロデューサーだもんね」 「道を踏み外してきのこになるところでした…皆さんのおかげです」
9 19/08/28(水)23:24:23 No.618469503
「よし…それじゃあコースターはリーダーとしてアタシが預かる」 「待ってサキちゃん!拾ってきたのは私だし責任も私にあるとよ!だから私に任せて!」 「いえ、ここはやはりメンバー最年長の私に預けるべきではないでしょうか」 「それならわっちに譲るべきでありんせん?花魁として酸いも甘いも噛み締めてきたわっちに」 「いやいやここは動体視力がいい私の出番でしょ」 「こんな風にもめてる時点でリーダーも年齢も動体視力も関係ないよ!リリィがやる!」 結局全員の立会いのもとで、コースターは再び元あった食器棚の奥へと戻されることとなった。フランシュシュは協定を結び、二度とコースターを取り出さないことを取り決めた。多くのゾンビィの心に爪痕を残し、騒動は解決したのである。
10 19/08/28(水)23:24:55 No.618469705
翌日の夜 「あっ♡♡ごめんなさい幸太郎さん♡♡」 「グラサン♡♡悪りィ♡♡悪りィ♡♡♡」 「アンタが頑張ってるのは知ってるのにぃ♡♡許してぇ♡♡♡」 「すみません巽さん♡♡♡でも止められないんです♡♡♡」 「身勝手な花魁だと笑いなんし♡♡あっ♡♡」 「ごめんねタツミ♡♡でもリリィのこと嫌いにならないでぇ♡♡♡」 おしまい
11 19/08/28(水)23:30:40 No.618471739
su3275270.jpg 巽コースター実物の写メ貼りたかったけどどうもうまく撮れなかったので公式の画像です 数少ない公式かつ巽の実用品なのでまた配布の機会があれば欲しいものですね
12 19/08/28(水)23:31:21 No.618472000
ゾンビィにとっての麻薬でありんす!
13 19/08/28(水)23:33:50 No.618472944
怖いよ!
14 19/08/28(水)23:34:03 No.618473013
エロかー!
15 19/08/28(水)23:35:19 No.618473575
道をはずさなくてもお前はきのこだよ
16 19/08/28(水)23:36:40 No.618474130
実用品ってそういう…
17 19/08/28(水)23:37:15 No.618474399
結局この巽コースターはなんなんだよ!
18 19/08/28(水)23:37:16 No.618474404
ゾンビィ達隠れドS過ぎない?
19 19/08/28(水)23:42:52 No.618476608
正体不明なのが一番怖いよこのコースター!
20 19/08/28(水)23:45:33 No.618477641
だんだんコースターでは満足できなくなったゾンビィ達の姿が…
21 19/08/28(水)23:48:24 No.618478685
完全にヤクですわこれ
22 19/08/28(水)23:49:44 No.618479158
ヤクはまずいけんコースターは私が責任を持って預かるとね!
23 19/08/28(水)23:49:48 No.618479182
>結局この巽コースターはなんなんだよ! ①巽がグッズを作る際に遊びで作った ②実はゾンビィの誰かが作った ③巽の隠れファンが作った 真相は闇の中でありんす…
24 19/08/28(水)23:52:25 No.618480189
最近あいつらの俺を見る目が怖いんじゃい…
25 19/08/28(水)23:53:11 No.618480454
中毒性あり過ぎる…
26 19/08/28(水)23:54:11 No.618480817
愛ちゃんは…4号!
27 19/08/28(水)23:55:56 No.618481473
傍から見たら異様過ぎるよ!
28 19/08/28(水)23:59:05 No.618482746
>su3275270.jpg どんなに詰っても微笑んどるけん…♡
29 19/08/29(木)00:01:20 No.618483530
段々エスカレートして幸太郎本人を踏んだり尻にしくだって!?
30 19/08/29(木)00:02:02 No.618483765
これがゾンビィ集団中毒事件でありんす
31 19/08/29(木)00:05:41 [蛇足] No.618484815
最近、ゾンビィどもの様子がおかしい 「おーっはようございまーす!」 「「「「「「おはようございます…」」」」」」 まずはこれだ。挨拶自体は返ってくるものの歯切れが悪いしこっちを直視していない。まるで何か後ろめたさでもあるかのような…。俺何かされたの? 「はい昨日のライブについて言いたいことがありまーす!…お前ら本当に…良くやったなぁ!俺は猛烈に感動している!」 「「「「「「っ!」」」」」」 「日に日にキレを増していくお前達のライブパフォーマンスはもう…言葉にならない!ンマーベラァス!」 「「「「「「…」」」」」」 これもおかしい。俺が褒めれば褒めるほどゾンビィ達はやり切れなさ、悔しさ、悲しさを表情に滲ませる。…なんで? 最近はほぼ毎日あいつらを褒めているが決しておべっかではなく俺の本心だ。これは佐賀に誓ってもいい。あいつらのパフォーマンスは本当に素晴らしいものだから。…じゃあなんで褒めてもネガティブな反応しか返ってこない? とはいえゾンビィとネクロマンサーである俺たちには今の関係性こそが正しいものなのかもしれない。プロデュースをする上で今のところは問題ないわけだし、しばらくは現状維持でいいだろう
32 19/08/29(木)00:05:54 No.618484886
コースターにコップを乗せるだけでエクスタシーに達するとは…
33 19/08/29(木)00:06:25 [蛇足] No.618485025
気になることがあと一つ。たえとロメロのことだ。 「…!アンアンアンアン…アオーーーン!」 「…!ヴァ!ヴァヴァヴァヴァヴァ!」 「なんじゃいまーた構って欲しいんかい!お前らは本当にやーらしかじゃのう!しょうがないから地下室で遊んでやるわい!」 この1人と1匹も別のベクトルでおかしい。最近になって夜になると急に吠え出すようになったのだ。しかも何故か俺の側で。近所迷惑になるほどではないがさくら達に迷惑をかけるのも忍びない、ということでたえとロメロが吠え出したら音が漏れない地下室で遊んでやるのがいつのまにかお決まりになっていた。 長くても1時間構ってやれば満足するのでこちらもプロデュースに支障はない。強いて言うならば…たえとロメロが吠える直前に恐ろしい何かを察知しているようなそぶりを見せているのが気になる。迫り来る恐怖を俺に伝える、ないしは遠ざけるために吠えているのではないかと。 しかし今の彼女たちなら何が来ても恐れることはないだろう。団結したフランシュシュは無敵なのだから…!
34 19/08/29(木)00:06:38 No.618485082
もうたえちゃんに食べさせてしまえ
35 19/08/29(木)00:07:09 [蛇足] No.618485238
「あっ♡♡私達を褒めてくれた幸太郎さんがコップの下敷きになっとる♡♡♡♡」 「オラッ♡♡アツアツのマグカップの下敷きになれやグラサン♡♡♡」 「ダメよサキ♡♡♡氷で冷やしたコップで冷たくしましょう♡♡♡」 「巽さん♡♡♡そのポーズも素敵ですよ♡♡♡」 「わっちともあろうものがこんなものに夢中になるなんてぇ♡♡♡」 「リリィよりもちっちゃいタツミ♡♡♡可愛いよ♡♡♡」
36 19/08/29(木)00:09:02 No.618485774
たえちゃんとロメロはまともだった…
37 19/08/29(木)00:12:03 No.618486599
普段の幸太郎さんに怒鳴られたり暴言吐かれるほど快感が増すとよ…♡
38 19/08/29(木)00:12:23 No.618486711
もう手遅れだった…
39 19/08/29(木)00:12:54 No.618486863
踏ませなんし♡
40 19/08/29(木)00:14:33 No.618487311
罪悪感がスパイスになってないか?
41 19/08/29(木)00:15:11 No.618487503
屋敷内の飲み物の消費量がハンパないことになってそうだな…