虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 19/08/01(木)21:29:14 No.611253672

『黒い海と砂浜に立つ人影』 その人影を見ると今まで越えた特異点や異聞帯、そして…カルデアに来る前の家族や友人からの怨嗟を受ける 『黒い海と砂浜に立つ人影』…なにか違和感を覚えるが、これが原因の大本だろう それを排除しなければならない。マスターに、私の愛する人にそんな仕打ちをしたものを許してはおけない 煮え滾る感情だけでなく、霊基の全てが本能的とも言えるほどの強い衝動として排除を訴えかけている だけど情けなくも私だけでは心許ない。それは危険だと、一人で挑むべきではないと何かが囁く お姉様たちに相談してみよう。私達は一人ではない。誰かに頼ることも大切なことだとここで学んだ

2 19/08/01(木)21:29:24 No.611253719

神社に赴きお姉様たちに事情を話すが、お姉様たちはお手上げ状態だ 「答えが出ない」というよりは「答えが出せない」といったほうが正しい このことに関して思考すると靄がかかったように答えまでたどり着けないらしい 沈黙を貫くシグルドの答えを待つ。叡智の結晶を持つ彼ならば何らかの答えを出してくれと願う 「マスター、此度は核心に迫る助言が為せる。サーヴァントとして当方から提示できる解を示そう まずは結論を。その『黒い海』はマスターの中にある絶対的な滅びのイメージ そして『砂浜に立つ人影』は夢にある『黒い海』の核であり楔でもある その『人影』を倒すことでこの夢は終りを迎える ……マスターがこの夢を見たということはこの特異点は終着に近づいてることを示す そしてこの夢を終わらせる事ができるのは貴殿ら二人だけだ 故に心せよマスター、オルトリンデ。　貴殿らにとってこの特異点に於ける最後にして最大の試練となるだろう」

3 19/08/01(木)21:29:39 No.611253803

マスターの悪夢の解決がこの特異点の終着……この特異点が解決されればマスターはまたあの残酷な世界へ戻る 私の躊躇いを感じたのかマスターが手を重ねてくれる。その眼差しは強く、あの罅だらけの心を感じさせない マスターが強くあろうとするのなら。私は全力で旅路を助けよう。サーヴァントとして、恋人として、マスターの力になろう 決意を新たにする私を確認しシグルドは解答の続きを示す 「次はこの特異点での役職についてだ。これは与えられた役職以上のことは行えなくする、という強制力を持つ マスターには以前話したな。これにより役職に縛られたサーヴァントは特異点への積極的な解決に動けなくなる そしてこの特異点では概念がやや曖昧になっている。これらを利用することでオルトリンデへの助けとなろう」 私への助け…？それは一体どういう意味だろう

4 19/08/01(木)21:29:49 No.611253849

「役職への強制力と概念の曖昧さを用いることで、同じ神を祀り縁深い我らの力を使うことが出来る 更に巫女とワルキューレの性質を持つオルトリンデは、夢の中であれば神降ろしを行い一度ならば大神の力すら借り受ける事ができるだろう この二つは二人で『黒き海』に挑まねばならない貴殿らにとって大きな力となる 夢の中では精神力も重要だ。挑むのは貴殿ら二人。しかし味方は多くいることを忘れないでほしい この特異点で過ごした日常を肯定せよ。そこには確かな思い出が、歩んだ日々があったのだと強く確信せよ 曖昧な世界においても明けぬ夜はなく、昇らぬ太陽はないのだと明日へ続く路を切り拓いてほしい」

5 19/08/01(木)21:29:59 No.611253905

マスターの夢に入る準備をする 精神への干渉は万が一の備えと少しでも縁を辿りやすくするために神社内で行う事になった お姉様たちはマスターと私だけを送ることに心苦しさを感じているのだろう。準備の間もしきりに心配してくれた 夢の中で戦えるのはマスターと私の二人。だけど私達は多くの人たちに支えられている だから私達の心が折れることはないだろう。マスターの心だって砕かせはしない あとは愛する人に土足で踏み込む敵を排除するだけだ

6 19/08/01(木)21:30:09 No.611253969

―――そこは暗い空に真っ黒な海が広がる砂浜だった 空間に満ちるおぞましい悪意と気配。その発生源を視認する 真っ黒な海よりも昏い人の形をした影に怒りが湧く。よくもマスターを穢したな…よくもマスターを苦しめたな！ 影がゆるりとこちらを向く。瞬間、突撃してきた影を盾で弾く 体勢を崩したところを追撃しようとするが影は形を変えこちらへの攻撃を続ける 自在に形を変える影の攻撃を捌きながら反撃を行い分析を進める。技術はないに等しいがスペックが非常に高い スルーズとヒルドの力が上乗せされていなければとっくにやられていただろう。でも今の私なら！ 自身にルーンを刻み瞬間的に能力を向上させる。影の攻撃をかわし体の中心を槍で貫き攻撃型ルーンで吹き飛ばす 即座に複数の魔力の槍を作り出し炎を纏わせ追撃する。風穴の空いた影に炎の槍が襲いかかり爆発する 警戒しつつマスターを守る位置取りし様子を見る。まだ倒せてないと霊基が警告を発している 「オルトリンデ、早めにケリをつけよう。黒い海が徐々に迫ってきているし、海の逆側は通行止めだ」

7 19/08/01(木)21:30:22 No.611254019

マスターの言葉に従い再び追撃を行おうとすると、炎と煙を振り払い変わり果てた影が姿を表す 翼を持ち甲殻類のような手足を軟体動物のように自在に動かす、縦に開いた口だけの頭を持つグロテスクな化け物 「ラフム…！」 影が模した姿にマスターが忌々しげに睨む。ここまで憎しみを顕にするマスターは初めて見る マスターにそんな顔をさせる化け物は早く排除したいが、対峙するだけで先程よりもスペックが上がっていることを感じる 不気味な笑い声をあげながら襲い来る影を迎撃する。槍で少しずつ削っていくが耳障りな笑い声で集中が乱される 攻撃を意に介さず攻め続ける影にこちらも削られていく。マスターと私のスキルでの回復も限界がある 「オルトリンデ！」 私の名を呼ぶマスターと呼吸を合わせていく。もう少し…もう少し…今！ お姉様の炎とシグルドの戦士のルーンを併せマスターの瞬間強化を乗せた渾身の一撃を叩き込む 影は弾丸のように吹き飛び地面にめり込む。更に一撃を撃ち込む 「宝具開放。ルーンによる強化を開始…『偽・大神宣言』！」

8 19/08/01(木)21:30:33 No.611254070

全身全霊の一撃と宝具の連撃。しかしまだ気配が残っている ボロボロになった影が這い出る。その姿は擬態も剥がれ始めている瀕死の体でもう反撃する力もないだろう とどめを刺そうと構えた瞬間、影はこれまで以上の速度で跳び黒い海に潜る 影が潜ったことで黒い海の迫る速度が速まり、急ぎマスターを連れ限界まで離れる 黒い海を見ると離れた場所で影が笑っている。ご丁寧に不愉快極まりないラフムの笑い声だ その姿に苛立つがそんな暇はない。今はこの状況をどうにかしなければいけない なにか手はないかと考える中、マスターから作戦を伝えられる その作戦は作戦とも呼べない博打だが、それしか方法はないだろう 覚悟を決めマスターの周囲に結界を張る。余波を防ぎきれないかもしれないがないよりはマシだろう しぶといあの影を確実に倒す方法は一つ。再生の間もなく宝具で一息に消し飛ばすこと ならばやるべきことは決まっている。準備も覚悟も出来ている さぁ、滅びに私達の愛を証明しに行こう

9 19/08/01(木)21:30:51 No.611254174

「いと高き大神オーディンよ。その御力を一度だけお貸しください…！」 頭上にかざした槍を中心に膨大な魔力が吹き荒れる。顕現する嵐の神であるお父様の宝具 「荒れ狂い敵を穿て！『大神宣言』！！」 輝く槍が嵐と化し海を割り影へと向かう。主神の持つ必中の槍。天を裂く狂飆。その暴威から逃れられるものはいない しかし特異点とはいえ世界の滅びを突き進むには多大な力がいる。神降ろしでの使用という事もあったのだろう 影は狂飆の槍を耐えきる。切り札は致命傷には僅かに届かない――― 「令呪二画を持って我が愛に願う。滅びを超えろ！」 勝利を確信する影の懐に転移する。私の手で輝くのは太陽の魔剣 「魔剣開放―――闇を裂け！『破滅の黎明』！！」

10 19/08/01(木)21:31:01 No.611254215

マスターを苦しめていた影が消える。『黒い海』も消えていく。そして私は――― 「令呪を持って我が愛に願う。俺の腕の中へ」 転移しマスターに抱きしめられる。悪夢は終わり、この特異点も消えていくだろう 「さぁ帰ろうか。今はゆっくり休みたいな」 はい、帰りましょうマスター。もう少しだけゆっくりお休みください 私達の意識は浮かび上がり現実へと戻る。目が覚めて成功報告をする お姉様たちは泣いて喜んでくれた。本当に心配をかけてしまって申し訳ない気持ちと、心配してくれた嬉しさが込み上がる マスターはシグルドと称え合っている。複雑な気持ちではあるけど、シグルドには後でお礼を言わなくてはならない 喜びもそこそこにマスターは眠そうにしている。あの空間はいるだけでも精神が削られるのに、令呪の同時使用をしたんだから無理もない 私もとても眠い。今後二度と使うことはない膨大な出力を使用したせいで、疲労困憊で頭がぼんやりとする マスターに寄り添って手を重ねキスをして、二人一緒に目を閉じる おやすみなさい、マスター。今度は良い夢が見れますように

11 19/08/01(木)21:31:14 No.611254281

オルトリンデルートTRUE ENDを完了しました 以後はオルトリンデとの思い出を『夏休み帳』でご確認ください 実績を解除しました ｢剣の切っ先は邪悪を払う｣ ？？？？ 『黒い海』の楔が一つ破壊されました

12 19/08/01(木)21:32:40 No.611254723

昨日ネタの提供があったので勢いだけで書いた 色々雑だけどゆるして

13 19/08/01(木)21:33:27 No.611254939

早えなあ！？

14 19/08/01(木)21:44:09 No.611258219

仲間の力も全部使っての決戦いいよね…

15 19/08/01(木)21:59:30 No.611263004

同期切れてるからリーヴスラシルは使えなくなってるのか

16 19/08/01(木)22:10:06 No.611266412

令呪の口上好き

17 19/08/01(木)22:19:29 No.611269925

宝具3発という大盤振る舞い

18 19/08/01(木)22:23:30 No.611271282

二重の意味で｢剣の切っ先は邪悪を払う｣になってるのいいね