19/08/01(木)02:37:17 今日も... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1564594637022.jpg 19/08/01(木)02:37:17 No.611099641
今日も今日とて五十近い老人にとってオーバーワークすぎるバーの営業が終わった。 どんな仕事内容かって?まず常に酒飲み虎が梅干しと塩を肴にしないように見張りながら、すぐに灰皿を一杯にしてくる復讐者の灰皿を交換しながら灰が零れているテーブルを軽く拭き、どんちゃん騒ぎする農園作業者の当たれば必死のジャブの応酬を体を張って止め、へべれけになって忠義談義などと猛るくノ一とピッチリタイツの中華武人を蹴りだし、ウォッカをぐいぐい行く17歳の皇女と外見14歳の我らが騎士王からほとんど原液のアルコールと変わらないソレを取り上げようとしたら凍らされ聖剣でプレハブ小屋に大きな剣の一閃の後が出来、それの後始末をする。 無論これをこなしながら酒の提供、虎専用のツマミなどを作らなければならない。どれだけ辛いか分かるかネ?分かるならあと五人ほど従業員をくれないかなー。
1 19/08/01(木)02:37:56 No.611099707
余った食材でまだ使えるものを冷蔵庫に放り込み、使えないものをゴミ袋に入れて捨てる。グラスを一個一個丁寧に洗って拭き、また明日に備えて乾かす。さて……では楽しみの一人だけの静かな酒宴と洒落こもうかね…。 うーん、疲れた体にアルコールが元気をあげようとくまなく全身を巡るこの心地良さ…堪ら無い。 ……さて、と。グラスにそこそこの量のワインを注ぎ、自分が寝泊まりしている事務室へ入る。 そこには、かつて我が宿敵が私を見つける為にそうしたように。部屋中のあちこちに結ばれるこの特異点の謎を繋げた蜘蛛の糸がある。中心にあるのはこのモリアーティ……ではなく我らがマスター、藤丸立香の写真だ。と、誰も居ないはずのドアから気配。振り返るとそこには
2 19/08/01(木)02:38:30 No.611099752
「何者……ほう、キミもこの特異点の謎には勘づいたのかネ?良いだろう、少しばかり授業といこう。何、答え合わせでも構わないヨ。酔いどれの戯れに付き合うと思って聞いてくれればいい。」 まず辿る糸は……これだ。 「まず特異点の発生した時の状況。これは知っているだろう?」 特異点が出来た状況。 それは藤丸立香が、聖杯の欠片を持っていた時に起こった。普通、持っているだけでは普通は聖杯など起動しないし、まして魔力リソースの塊でしかない欠片が独りでにこんな特異点など作ることは不可能なはずなのに、だ。だからこそ、まずそこに特異点の謎の鍵がある。
3 19/08/01(木)02:38:54 No.611099783
「そう、聖杯や魔力が願いを叶えたり形作るには得てして『 願い』が必要だ。 そしてあの時持っていたのは藤丸立香だ、ならば藤丸立香がこの特異点を作った…と言えるのだろう。だが」 だが、ノウムカルデアにいた全員が一般人でしかない魔術回路も礼装なしではろくに扱えない素人の藤丸立香が、特異点を作るなどとは始めから考えなかった。だから外からの、クリプターか異星の神あるいは別の第三者からの攻撃だと考えた。そこで、マシュやジャンヌ、アルトリアといった藤丸立香と馴染みのある英霊を特異点に送り込もうとした。 「結果、弾かれた。あぁ、全員弾かれた訳ではなく幾名かは入ることが出来たがね。けれどそれこそが当初の私の計算を大いに狂わせた。特異点の構成が未知のものであったが故に解析が遅々とし、敵の術による何かなのかだとした我々は入れるサーヴァント全員をこの特異点に侵入させた…が、そうだ。私もキミも今まで目にしてきた通りこの特異点には害意が全くない。」
4 19/08/01(木)02:39:09 No.611099804
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5 19/08/01(木)02:39:37 No.611099833
夏休み、サーヴァントに与えられた現代知識に照らし合せる限りそうとしか言えない、戦いとは無縁な日常の特異点。 不審ながらも多くのサーヴァントは害意が無いことにほっとして、与えられた役割をこなしている。が、ここにマスターや私を含め少数しか知らない事実を足す。 この特異点は『 マスターが持つ謎のノートの空白を全て埋めれば終わる』とありながら集めた分だけ空白は増え、一向に終わる余地がない。たった数十ページしか無かったそれは今や数百ページ、もしかしたら数千ページになっているのかもしれない。…そう、このままではいつまで経っても特異点が終わらないのだ。でもこの特異点を維持する魔力は一体どこから得ているのか?たかだか欠片では半日も持たなかったはずなのに。 その答えは、今ここにある。
6 19/08/01(木)02:44:21 No.611100171
答え…答えは!?
7 19/08/01(木)02:49:05 No.611100528
「そう、終わるはずのない特異点の役割に当てはめられている我々サーヴァントなんだヨ。しかも宝具やスキルの大半が使用不可と来た。初めこそ役割をこなす為と考えたが違うのだヨ。あー、まず多くのサーヴァントはやる必要がないから試してすらいないだろうが、実は今霊体化が出来ない。……そうだ、要は器に入れられあのセイレムの時と同じように食事をさせるなどをして最小の魔力量で我々の存在を保たせているのだ。…では、消えた魔力はどこに行く?」 そう、消えた魔力はこの特異点の維持のために使われている。本来サーヴァント1人でも相当な魔力負荷だ、加えて神霊などがいることも考慮に入れるとその分の消費魔力が特異点の維持に回されるのなら、たかが欠片ごときが作ったこの世界を維持して発展させていてもおかしくない。 「そして、どうしてマシュ君やジャンヌダルク、我らが騎士王陛下……うん?あぁ、青色の剣の方ダヨ。兎も角、この特異点に入れなかった者の共通点、この特異点に入れた者の共通点を考えてみた。……そしてなぜ弾かれるのかを理解したと同時に、この特異点が作られた理由もわかった。」
8 19/08/01(木)02:50:18 No.611100621
赤い糸をなぞる。なぞって次へ次へ。徐々に中心へと近づく。 「マシュ君達は藤丸立香をどうあっても前へ進ませようとする…分かるね?本人の意思に関係なくただ前へ進ませようとするのだヨ。マシュ君はそうじゃない?いやいや、マシュ君という存在の前で彼は弱さを見せないはずだ、ならば彼女が前に進もうとする意思は結局藤丸立香を進ませようとする意思に他ならない。 そして特異点に入れた我らモリアーティ派は藤丸立香の望む通りに動く存在だ。……そうだとも、前は進もうが後ろへ引こうが藤丸立香という存在の強制的なアクセルにはなり得ない存在がここにいる我々だ。まあ、つまり藤丸立香がここにいたいと言うならそれも良いだろう、と言う者がここにいる我々なのだよ。」 まあ、最悪手を取って前へ引っ張れる存在ではあるのだがネ?
9 19/08/01(木)02:52:06 No.611100761
だが、そうであるならば。ここまで思考すればこの特異点が敵が作り出したものではないと決め付けれる。何しろ宝具もスキルもないとはいえ強大な存在に変わりはないマハーバーラタの大英雄達や神話に名高い神霊、敵だった異聞帯の王たちがいるのだ、その気になれば特異点ごとぶち壊せる者を普通は入れないだろう。 ならば、この特異点を作ったのは他ならない藤丸立香にほかならず、誰かの罠に嵌って作った訳でもなく彼自身の意志によって作られたと考えれるネ。けれど、と前置きをしてこの糸の主ににたどり着く前の最後のヒントを手にとる。 「けれどだ。本来ならば、日常になら在らなければならない存在がこの特異点には欠けている。…そう、家族だヨ。日常と言うのなら他の何でもない家族、の役割を得ているサーヴァントがいるのが当然だ、何しろそれが無くては人にとっては非日常と言えるからネ。」
10 19/08/01(木)02:53:00 No.611100824
誰でも良かったはずだ。だと言うのに誰もその役割だけは割り振られていない。 「そうだとも。この特異点を作り出したのは藤丸立香だ。……けれど実のところ藤丸立香では無い。……家族なんて最大の日常のピースを決して取り入れなかったのが、私の推理のピースになった。家族というものはいつだって子の背中を押してあげる存在だからネ、この特異点にそれはいらないんだよ。なぜならこの特異点の目的は藤丸立香を救う、ということなのだからね。」 ゴクリと、少なくっていたワインを飲み干す。 「君はこんな特異点を作ってまで藤丸立香を救おうと、もうこれ以上傷つかないようにしたいのだろう……けれど、それは残念ながら我らが藤丸立香の救いとはならないのだ。」
11 19/08/01(木)02:54:12 No.611100913
最後の糸を辿り、藤丸立香の写真へと手をかざす。一瞬、哀れみのような感情が湧くものの、けれど敬意を持ってこの特異点を作り上げた者の正体を声に出す。 「藤丸立香であって藤丸立香でない君よ。 ……あんなにボロボロになってまで戦うことにはなりたくなかった藤丸立香の心の闇。聖杯の欠片が持つ魔力を持ってその身を確立させた影身とも言うべき存在、それがこの特異点を作り上げた者だ。」 振り返り、困ったように振り返った先にいる者に言う。
12 19/08/01(木)02:55:01 No.611100984
「謎は解けた……が。解けたところで今の私ではどうしようも出来ないのが歯がゆいところだネ。……あぁ、もしかしたら君ならば解決出来るのかもしれないネ?」 困ったような仕草の来客に、似合わない真剣な表情が浮かんでいるだろう私はいつも通りに背中を押す言葉を告げる。 「…何、そこまで深く悩む必要は無いとも。 君は藤丸立香が信じる英雄だろう、なら君が信じる君なりのやり方で藤丸立香を助けてやるといい。」 …行ったか。やー柄にも探偵ごっこはちょっとゾワゾワするねぇー…ま、兎も角これで特異点は解決の道へ行くだろう。それが喜劇となるか悲劇となるかは、私にはどうでもいい。ただいつも通りにまた悪巧みしたな!といつも通りのマスターにいつも通り怒られる…その未来さえ来るのであれば、どうでもいい。 ジェームズ・モリアーティとしては計算式の途中に何が起ころうと興味は無いのだから。
13 19/08/01(木)03:02:52 No.611101570
なげぇ!
14 19/08/01(木)03:04:17 No.611101661
解答編始まったな
15 19/08/01(木)03:06:00 No.611101776
イベント外でも美味しいところを持っていく男
16 19/08/01(木)03:10:17 No.611102080
槍上プレゼンツの答え合わせをしに行きなさい要員の一人目か…
17 19/08/01(木)03:45:57 No.611103917
回答
18 19/08/01(木)03:59:44 No.611104557
意志が折れれば首を斬るアルタリアオルタでもメイド状態であれば例外的に入れるのか