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19/05/19(日)14:15:14 「花魁... のスレッド詳細

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19/05/19(日)14:15:14 No.592426471

「花魁、舞いんす」 ゆうぎりは扇を構えると徐々に回転の速度を速めやがてふわり、と足が地面から離れた 島原では良く見られた花魁コプターである 「姐さん!」 お出かけスタイルの花魁がサキへと手を振り、そして何事か思いつくとゆったりと着地する 「あ?どがんしたと姐さん」 「わっち、わっち忘れ物」 「これか?」「あい!」 玄関に置いてあった買い物鞄を巽に差し出されゆうぎりが破顔する そしてそのまま幸太郎はんが持っていておくんなし、と巽に念を押すと再び扇を構えた 「花魁、舞いんす」 ゆうぎりが徐々に回転の速度を速めやがてふわり、と足が地面から離れた。島原では良く見られた花魁コプターである 「姐さん!」「お前までそれ言う必要別にないじゃろがいサキぃ」 よかっちゃろ?と照れる元ヤンの側で上昇する花魁に結わえられた紐により巽もまた佐賀の空へと昇っていく ~空から佐賀を見てみよう「唐津市編⑪」~

1 19/05/19(日)14:15:25 No.592426514

籠の中の小鳥 箱庭の金糸雀 少し手狭でそっと出た輪廻の外 千載の時越え 広がる格子の無い世界 見上げた空に手を伸ばせば きっと届く気がして また舞い踊る 他に出来る事も知らぬが故に 廻れ廻れ廻れ  百花魁(ひゃっかさきがけ) いずれ散るが定めなら 後の事など知らぬが花  上を向きただ昇りつめるだけ 花魁in the sky 花魁in the sky  ありんすありんす アリアリ Aria 高らかに声上げ 届けたいものがあるから (歌:ゆうぎり&巽幸太郎)

2 19/05/19(日)14:15:38 No.592426572

「それで?今日は何処まで行くんだ」 初夏の匂いを感じさせる風に髪を靡かせながら巽がゆうぎりへと声をかける 「すーぱーでありんす」 「は?」 「だから、すーぱー」 「スーパー…」 どうやら花魁の言葉は真実だったらしく飛び立ってすぐに二人は近所へと降下を始めていた 花魁コプターといえば既に唐津の空の風物詩で それなりに駐車場に人はいたが特に騒ぎにはならず、5号さんだ、顎クイのお兄さんだと囁かれる程度 「というかまいづるCARROTなら飛ばんでもこれたじゃろがい」 「そうは言いんすが幸太郎はん、すーぱーに来ると知ったらついてきてくれんしたか?」 「いや、まず紐で」 「で。ありんしょう…だから、飛んだのでありんす」 花魁らしい強引さで話の流れを無視して返事をすると目配せ一つ こうなれば放置もできぬ巽もまた溜息をつきながらも後に続く

3 19/05/19(日)14:16:02 No.592426664

まいづるCARROT西唐津店は洋館から数分のありふれたスーパーマーケットである 近隣にはドラッグストアやダイソーもあり、大まかな生活用品はこの辺りに来れば揃える事ができた 「しかしなゆうぎり。スーパーに来てお前一体何の用じゃい」 「そりゃあ買い物に決まっておりんす。このめもにある物を買いに来たのでありんすが…」 「どれ」 ゆうぎりの持っていたメモを覗き込むとどうやらさくらの字のようだった 玉葱にピーマン、そして生卵、ハム 「…炒飯でも作る気なのか、お前…」 「まぁ。幸太郎はんは神通力をお持ちでありんしたか…」 「いや…」 そういえば昼前、久しぶりに炒飯が食べたいと漏らしたのを巽は思い出す 「まあいい。とにかく、買う物を買ったらさっさと戻るぞ」 「あいあい。それじゃ幸太郎はん、かご持って」 「あーそっちじゃない。そっちは惣菜売りばじゃい。こういうのは野菜から買うもんだ」 まるで面白そうな物に惹かれる子供を誘導するかのように巽は花魁を制御し、店内を歩いていく

4 19/05/19(日)14:16:14 No.592426722

「おっ、そこの奥さん」 そこへ気の良さそうな店員がゆうぎりへと声をかける 「そこの美人さん!どやんね、これ食べていかんと?」 「え?ああ、ひょっとしてわっちの事でありんすか」 「そうそう。ウィンナー美味しかよ。ほれ、旦那さんも!」 試食品なのであろう。香ばしく焼かれ爪楊枝の先につけられたウィンナーと そいて、自分の主人扱いされた巽の顔を交互に見ながら 花魁が小さく「ひぇ」と声を上げる 「ほれゆうぎり。折角言ってくれてるんだ、食べんと悪いじゃろがい」 「けど、幸太郎はん!」 「すみません。いただきます…おお、確かにこれは美味しいですね。ほらお前も食え食え」 「んむ…美味しい、でありんす」 「良かったら買っていって下さい。待っとらすよ!」 にこやかな店員に軽く会釈し、そして二人はその場を離れる 「そんな風に、見えたのでありんしょうか…」

5 19/05/19(日)14:16:26 No.592426775

挙動不審、というより巽に視線を合わせれないまま花魁が声を漏らし それでもなんとか振り向くと巽は何やら考え事をしているらしく唸っていた 「もう。幸太郎はんも、否定してくれれば良いのに」 「だがゆうぎりも否定せんかったじゃろ」 「それは…」 「それよりもだ。こんな近所でも夫婦と間違う人が居るというのは、まだまだ知名度が足りんのう」 ばちん 「ばか!」 平手が巽に飛び、周囲の買い物客の視線を集める 巽の危惧をよそにやはり知名度はそこそこあるらしく 平手だ。五号さんの生平手が顎クイおにいさんに飛んだという声や撮影音が鳴っていた やがて花魁が自動清算機に驚き会話を試みるという珍事はあったものの 買い物自体は程無くして終わり、二人は徒歩で洋館まで帰宅していた

6 19/05/19(日)14:16:36 No.592426817

「では。さっそくわっち特製ちゃあはんを作りでありんすよ」 「おうおう頑張れよ」 「まずはこのぴいまんをざっくり刻むでありんす」 「またんかい!その手、手をどうにかしろ。抑える手は猫の手じゃい!」 「猫…でありんすか?ええと…ゆぎにゃんこですにゃん!」 「やめろ。違う。可愛いが違う。お前マジで可愛いな…」 「えへへでありんす」 「だが致命的に違う。包丁を持ってポーズを取るんじゃない。下ろせ。な?いいか?」 「あい」 「まず抑える手はこうだ。で、ピーマンは先端を取って中身の種を取り出す」 「あい」 「そして玉葱はこうしてみじん切りにする。多少目に染みるかもしれんが気にするな」 「幸太郎はんはだってサングラスしていんすし…」 「つべこべ言うんじゃないわい。そしてハムもこれ位の大きさで刻めばいい」 「卵はどうすればいんでありんす?」

7 19/05/19(日)14:16:49 No.592426861

「それはこうだ。割って、そしてすぐ掻き混ぜる」 「!?幸太郎はん?今のやつ、今の片手でカパッって割るやつわっちもやってみたい!」 「いやこれは少しコツがいるんじゃい…」 「こおたろぉはぁん…わっちの手べっとべと…」 「だから言ったじゃろがい!?あーあーあーもー!フキン!フキンで拭かんかいそりゃワシの服じゃろがい!」 「てへぺろでありんす」 「まあとにかく溶いた卵をさっと油を敷いたフライパンで炒って取り分けておく」 「あい」 「そして後は冷や飯と材料を一緒に炒めてだな…」 やがて、ムスッとしている花魁と湯気を立てている半分程に減った炒飯を台所でサキが見つけた 「お!姐さん炒飯作ったと?へへ…アタシもちょっと食わして。あ、美味いばい」 「美味いでありんす」「ならなんで姐さんむくれとると?」 「こーたろーはん、殆ど自分で作りんした!」「ああ…あのぼんくら…」 ~空から佐賀を見てみよう「唐津市編⑪」~ 

8 19/05/19(日)14:22:00 No.592427993

近隣住民慣れっこになってる…

9 19/05/19(日)14:40:30 No.592432142

花魁かわいい

10 19/05/19(日)14:49:03 No.592434036

グラサンはなんで全部自分でやっちゃうの…

11 19/05/19(日)14:53:13 No.592434895

手癖で…

12 19/05/19(日)14:53:49 No.592435013

チャーハンをお玉で盛っとる男に…

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