ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/04/19(金)12:18:50 No.584787261
「係員は、電動工具コーナーへ向かって下さい」 午後3時。無機質に響くアナウンスに、私は機械的に足を運ぶ。その心中はパートを始めた半年前の私よりもかなり冷めきり、虚ろであった 接客業にあるまじき覇気と愛想のない表情で客にジグソーの位置を案内した後、陳列作業に戻ろうとする最中、男の呼び止める声がする 「華甘(かあま)ちゃん、ちょっとバックヤード来て」店長だ。中年太りで弛んだ体型に脂っこい髪を撫で付けた、少々嫌悪感を催す格好をしている 「はいはい」また接客態度のお説教かと心の中で悪態をつきつつ、店長の後をついてゆく 人気のないバックヤード。商品ストックが積み重なったラックで人目に付かない袋小路に連れていかれた末、店長はぼそぼそとこう言った 「華甘ちゃん…今夜、いいかな？奮発してあげるからさ」 その分厚い眼鏡を通しても隠し切れない下卑た欲望をたたえた目線と、じっとりと湿り気を含んだ吐息を私に投げかける 私はその男の言葉の意味するところを察し、嫌悪感を隠そうともせずにこう吐き捨てる。「またですかぁ？」 ━━━ああ、全く。気乗りはしないのだが。「いいですよぉ？」
1 19/04/19(金)12:19:19 No.584787357
午後11時。下品なピンク色の照明だけが照らすホテルの一室で、水気の強い肉のぶつかる音がバチュバチュと響く 男は後背位からその弛んだ腹肉を、私の肉の薄い尻に幾度も叩きつける。同時に私自身の肉壺に、男の太く短い男性自身が抽送されている 「あぁイクッ！華甘ちゃん、イクよぉ！」男は今にも限界を迎えそうな怒張を先程よりも早く動かした 「いつでもどうぞぉ？」やる気なく、なおかつ淫靡さを失わない口調でそう答えると、男は短い呻きをあげて、薄い被膜越しに私の中にドクドクと精を放った そして男は大きく幾度も息を吐くと、そのまま私を抱き潰すかのように後ろから覆い被さった。まるでそれを征服の証としているかのようだ …重い。だがこの男の脂ぎった顔を至近距離で拝むよりはマシだ 「満足、しちゃったんですかぁ？」 男が余韻を充分に愉しんだであろう後、私はごろんと体を返し男の拘束から逃れ、萎えた男性自身と白濁の溜まったゴムを私自身から引き抜いた
2 19/04/19(金)12:19:48 No.584787464
念入りに体を流し、口内を洗浄してシャワーから上がると、男は枕元に4万円を置いて、裸のまま窓際でセブンスターを燻らせている最中だった 「あぁ、店長。いつもありがとうございますね」全く感情のこもらない声で私は男にそう言って、ブラジャーとショーツを着ける 「…なぁ華甘ちゃん」 ブラウスを着終わった私に男はこう語りかける 「なんで君はこんな関係から進展させてくれようと思わないんだい？」 ぴくり、と思わず私の眉根が動く 「君の旦那のことは災難だった。だが、君も旦那との交際は2年やそこいらと聞いてる。わざわざ彼に操を立てずとも、僕とこれからまた新たな交際を考えてくれてもいいだろ…」 私は無言で4万円と自分のコートをひっつかみ、荒々しく部屋を退出することで拒絶の意を表すことにした 張り手を飛ばしてパートをクビにならなかっただけ、自分でもよく耐えたと思っている 足早に終電に乗り、その場から一刻も早く離れ、自らの心の安らげるアパートでその沸々と煮えたぎる感情を鎮めたいという気持ちで精一杯だ
3 19/04/19(金)12:20:21 No.584787564
翌日、午前10時。私はある市営病院の病室へと歩を進める 病室のドアをスライドして開けた先、そこには人口呼吸器といくつもの医療機器から伸びる管に繋がれた夫、藤丸立香が眠っていた 3ヶ月前、仕事帰りの彼は交通事故に遭い、その時の脳挫傷による昏睡状態が今でも続いている なんでも、塾帰りの学生がうっかり自転車の操作を誤り車道に転落し、それを車から身を挺して庇った末の事故だそうだ いつもそうだ。汎人類史が知る二年前よりも前から。カルデアの人理の修復者として、行く先々で消えゆく人の運命を知りつつ、それでも繋がりを持つことを恐れず、独力でも救おうとする事を止めない かつて一度彼を陥れようとした私でさえもわざわざ縁を結び、あまつさえ愛に倦み疲れたと嘯く私を連れ出して、知らない愛の形を教えてくれた。幾度も堕落しそうになりながらも真摯なる愛をくれた なのに。こんなのって、ないです━━━
4 19/04/19(金)12:21:53 No.584787877
ではなぜ他人に抱かれ、彼を裏切るような真似をしているのか それは、彼が言い出した「カルデアでの貯金を頭金にして、君の故郷に家と畑を買おう」という夢の為だ 実際彼の治療にもそれなりの費用がかかる。関係者からの慰謝料もあるとはいえ、その治療費や私の生活費の為に彼の貯金を崩したくはない 何より私自身もその夢に加担したいという思いあっての事だ 「ほんと、しょうがないですねぇ…」 物言わぬ彼の顔を眺めた後、私は花瓶にスターチスの切花を挿した。駅前の花屋の店員が見繕ってくれたものだ そして私は、彼の両手に口づけをする。左手は、薬指につけた指輪の温度を感じるため。右手は、手甲に刻まれた盾の形の痣を愛おしむため この三画揃った令呪は、カルデアを去った後、彼が私に対して一度も、何事も強要せずに、対等な配偶者としての自意識を尊重してくれた証というわけだ つまり、賤しい売春婦の真似事も他ならぬ私の意思だ 私は、男に抱かれた感触を上書きするように彼の体を抱擁し、病室を出る はぁ、これからまた午後のパートの時間だ。次は誰が私の恋なき愛を以て涸れるのやら━━━ (ルート3-4節「愛以て涸れるは恋なきなり」終)
5 19/04/19(金)12:24:50 No.584788441
朝に書くよー書くよーってアピった上に宣伝呼び込みまでするとは恐れ入るわ
6 19/04/19(金)12:27:23 No.584788945
あいつ
7 19/04/19(金)12:56:55 No.584794615
"See the hell of having a false woman!(寝とられる程美しい妻を持つことは地獄だ)"とはいいますが、いやはやこの言葉をその妻自身にも使う日が来ましょうとは我輩も想定外でした まさに主人公のいなくなった『オセロー』のごとき愛憎劇、といえましょうや！ さぁ二人の愛の道を阻むは不慮の事故と失われた彼の意識、そして男女の関係を引っ掻き回す闖入者の登場！ 和やかなるラブストーリーにアクセントを加えるスパイスが揃って参りましたぞ！ "O Fortune, Fortune, all men call thee fickle.(おぉ運命よ、運命よ、皆が汝を浮気者だという)" これから先の展開がどう転ぶか、このまま何も知らぬままに彼は甦るか、それとも彼女の不貞がまた新たなバッドエンドへの引き金となるか。う～ん我輩の筆も乗って参りましたなぁ！
8 19/04/19(金)13:00:17 No.584795222
文豪はさぁ…
9 19/04/19(金)13:09:13 No.584796580
平日昼間からなんてもの書いてるの…
10 19/04/19(金)13:10:35 No.584796776
と言うかこの体躯のカーマに興奮してんのか…
11 19/04/19(金)13:11:21 No.584796888
平日の昼間やぞ
12 19/04/19(金)13:12:13 No.584797020
（心底いやそうな顔してるアンデルセン）
13 19/04/19(金)13:15:06 No.584797443
いつものイチャラブだと思って来てみたら… 絶対に許さんぞ文豪
14 19/04/19(金)13:17:20 No.584797791
3年後に目覚めるのか
15 19/04/19(金)13:18:08 No.584797911
型月で仮死状態といえば直死の魔眼
16 19/04/19(金)13:20:45 No.584798310
「」は種付けおじさんが自分の娘くらいの子を組敷くシチュってお嫌い？ 俺は好き
17 19/04/19(金)13:21:09 No.584798370
頑張って自演でもしたのか
18 19/04/19(金)13:22:34 No.584798581
イチャラブを途中まで期待してたんだぞ 許さんぞ 許さないからな
19 19/04/19(金)13:24:16 No.584798812
自分の気に入らない内容だからって自演とかいいだすのは引くわ