ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/04/08(月)21:42:00 No.582283879
「キッチンを使わせて欲しい」 マスターからそう頼まれたのは、夕飯が終わってからのことだった 「今でなくては駄目なのかね」 「なるべく早い方が良いです…急いでるんで」 仕方あるまい、つまみ食いするような人間ではないし扉を開けてやることにした 「材料は大丈夫、こっちで揃えてるから…」 エプロンを身に纏い、何やらごそごそと材料を取り出している…わちゃわちゃしていて非常に危なっかしい 「…ケーキか?」「うん、ケーキ…ショートケーキを作る」 「やったことはあるのか」「…だいぶ昔に…母さんと」 マスターは見ている前でホイップクリームを混ぜ合わせている…だが全く以て未熟だ…白身はそんなにかき混ぜるものではない もっと手早く、冗長にやらず、それでいて力を込め…… 「…マスター」 「……エミヤ、ゴメン…いろいろ言いたいことはあるだろうけど…… コレだけは、俺の力だけでやりたいんだ」 仕方あるまい…見守るとしよう
1 19/04/08(月)21:42:50 No.582284122
…かれこれ2時間凡人なりに奮闘し、ようやくそのショートケーキのようなものは完成した 「…上手く…出来たかな」 「……………マスター」 どうして、ケーキを下手なりに作ろうと考えたんだ? 「……………」 本当に美味しいケーキを作りたいんなら、私やブーディカ、玉藻みたいなものに頼めば良かっただろうに 道具にしても、ダ・ヴィンチの万能発明品を利用すれば良かっただろうに …どうして、お前はわざわざケーキを作るのに難しい方法を取って、大変な苦労を背負い込んだんだ? 「……別に美味しいケーキを求めた訳じゃないんだ」 ……? 「『美味しいケーキ』じゃなくて、『心を込めたケーキ』を作りたかった…それを食べて欲しい…恋人のために、このショートケーキを作ってる…」 ………その心意気でやったのなら一応次第点だ これからも料理をするのなら、その気持ちを忘れるなよ… 「……………」
2 19/04/08(月)21:44:01 No.582284504
「さて、冷蔵庫の場所を確保しなくてはな」 中にうっかり入っていたパラケルススを追い出してこの不細工なショートケーキを丁寧に置く 「…それじゃ今日はお休み、エミヤ…後片付けはちゃんとしておくよ」 「……ああ、お休み」 眠そうに目をこすりながら、我らがマスターは何処か満足そうによろよろと去って行った 「…む、やれやれ…椅子が拭かれてないではないか、全く…… それにしても何故あいつは今日だけ一生懸命に…?」 ちらりと見やったカレンダーを見て…ようやく彼の真意を理解した 「ああ…成る程…………フッ」 恋とは不思議なものだ 人を傷つけることでしか愛を表現出来ない孤独な彼女が、なかなかどうして平凡だが素敵な恋人を得るのだから… 明日は4月9日…メルトリリスの誕生日だ。
3 19/04/08(月)21:49:53 No.582286451
パラPまだ冷蔵庫在住だったん…?
4 19/04/08(月)21:54:13 No.582287921
ダ・ヴィンチさん私の誕生日教えてください!!!1!!!11 私も先輩のケーキ食べたいでシュ!!!!!!11111
5 19/04/08(月)21:57:41 No.582289088
明日のマイルームはショートケーキより甘くなりそうだ…
6 19/04/08(月)22:03:21 No.582291024
あら立香 そのショートケーキを作っただけであなたは満足なのかしら? 私は手が不自由なんだからあなたの手で食べさせてくれないとダメよ ほら、さっさと寄越しなさい? あーん…
7 19/04/08(月)22:04:31 No.582291411
AIのくせに誕生日なんてあるんだな 現代人の弓兵には無いのに
8 19/04/08(月)22:04:48 No.582291537
ダーリンあの二人幸せそうだね~!
9 19/04/08(月)22:07:19 No.582292365
次の日、そこには口移しでケーキを食べさせあうぐだメルの姿が…!
10 19/04/08(月)22:14:10 No.582294711
>次の日、そこには口移しでケーキを食べさせあうぐだメルの姿が…! (脳出血を起こす後輩)
11 19/04/08(月)22:24:50 No.582298973
後輩の誕生日はプレイヤーのゲーム開始日らしいから…
12 19/04/08(月)22:35:46 No.582302764
なんで自然にPが冷蔵保存されてるんだ