ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/04/08(月)17:51:46 No.582223251
何ともなく目を覚ますと、時計の短針はすでに2の数字を指していた。 私は元来眠りの深い性質ではない。なかなか寝付けない上に、なにもなくてもすぐに起きてしまうのだ。神であった頃やサーヴァントであったときには、そもそも眠る必要などなかった。しかし、肉の身体を得て睡眠を必要とするようになってからも、安心して熟睡するということはほとんどなかったのだった。 もしかするとこの少女の身体が、私に無意識のうちに緊張を強いているのかもと思った。何せ彼女は、私とあの女、2人の神の依代となってしまうほどに、運命に翻弄されてきたのだから。
1 19/04/08(月)17:52:16 No.582223327
けれど、眠りの浅さはともかく、寝付きの悪さは最近になって収まってきたかもしれない。それもこれもこいつのせいかと、私とは反対に安心しきった顔で、いつも朝起こしに行くまで呑気に夢を見ている、私の隣で寝息をたてている男を見やった。 無造作に外側に跳ねた黒い髪。他人よりは少し端正でなくもないけれど、私に悪態をつかれる度に、ばつの悪そうな微笑みを浮かべる顔。長い旅で少し節が目立つようになってきたけれど、人混みの中を歩く時は、私の一回り小さい手をしっかり、優しく握っていてくれる掌。同年代の若者より、少しだけ筋肉のついた背中。今は瞼に隠れて見えないけれど、不安な時はいつも私を見つめて、「大丈夫だよ」と安心させてくれる、海のように青い瞳---
2 19/04/08(月)17:52:46 No.582223414
溜め息が思わず漏れてしまう。私もとんだ馬鹿者だ。絶世の美男子でも希代の豪傑でもない普通の少年を、こんなにも深く愛してしまったのだから。 ん、と小さく唸って、彼が布団をはだけた。出会った頃から少しだけ背が高くなっても、こういう子供っぽいところはずっと変わらないのだ。 「もう、しょうがないですね。風邪引いちゃいますよ」 そう言いながら頬が緩んでいるのが自分でもわかる。帰ってくる度に浮かべる笑顔も、少しだけ子供っぽい仕草も、私を強く抱きしめるときの、普段は見せない熱を帯びた瞳も、全てがどうしようもなく愛おしい。 「おやすみなさい。また、明日」 彼の背に身体を預けながら、私は独りごちた。きっと数刻もしないうちに眠りについて、休日だからと彼と一緒になって寝坊するのだろう。 こういうのって、幸せだなぁ--- 彼の温もりを感じながら、私は再び微睡みに帰っていった。
3 19/04/08(月)17:54:31 No.582223698
予告してたホームセンター怪文書の導入部分が予想外に長くなったから独立した怪文書として上げた 前に言ったのはそれはそれで別に書くんで許してくだち
4 19/04/08(月)17:57:59 No.582224304
一応続きものなので過去作ログ https://tsumanne.net/si/data/2019/04/07/5758985/ https://tsumanne.net/si/data/2019/04/08/5759279/
5 19/04/08(月)18:04:42 No.582225545
続き楽しみ…
6 19/04/08(月)18:07:00 No.582225952
堕落ックスまで書いてくれるん?
7 19/04/08(月)18:08:26 No.582226233
やると思ってたけど「」ッチー直貼りやめなよ…
8 19/04/08(月)18:10:41 No.582226627
良い…
9 19/04/08(月)18:17:54 No.582227981
スレ主よ 怪文書は一期一会なので皆それぞれ漁るから直張りしなくても良いのだぞ…
10 19/04/08(月)18:27:04 No.582229885
貼る人はtxtで塩に上げてるのが多いかな
11 19/04/08(月)18:38:08 No.582232275
わっふるわっふる
12 19/04/08(月)18:41:20 No.582233005
この後ダダ甘泥沼退廃ックスが…!
13 19/04/08(月)18:44:35 No.582233792
ソワカソワカ