ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
19/03/04(月)00:04:38 No.573626376
ちょっと遅刻しましたが万里小路さんお誕生日おめでとうございます! 今回は本当にネタが無かったので短いです!
1 19/03/04(月)00:05:44 No.573626665
いつもの光景 3月3日。桃の節句、雛祭りの日。女子の健やかな成長を祈るこの日も、高校生にもなればアルバイトに勤しんだりするもので。 横須賀中央のメインストリート沿いにあるとある老舗和菓子店にも、勤労に励む伊良子 美甘、杵崎 ほまれ・あかねの3名の姿があった。 「やっと一段落したね…」 「大変だったねぇ」 「だねー」
2 19/03/04(月)00:06:15 No.573626809
祝い事の日ということもあって午前中から大勢のお客さんが訪れており、3人とも疲労の色は隠せない様子だ。 お店の人から差し入れされたお菓子とお茶をいただきながら、ようやく少し落ち着いたようで、美甘が2人に声をかける。 「そういえば、今日は万里小路さんの誕生日だったっけ」 「あーそうだったねー」 「今頃みんなでパーティーの準備中かなー」 いつもであれば3人が料理やケーキを振舞うところだが、急きょシフトに入ってほしいと依頼が舞い込んできてしまったのだった。 「折角色々調べて名古屋飯祭りの準備してたのに、万里小路さんには申し訳ないなぁ」 「レシピは残してきたから、誰か作ってくれてるかもしれないけど…」 「帰ったら何か一品くらいは出したいねぇ」
3 19/03/04(月)00:06:55 No.573627000
そんな話をしていると、入り口から声が響く。 「まあ、それでしたら久しぶりにきしめんをいただきたいですわ」 「へ?」 そこにいたのは、今まさに万里小路 楓その人だった。 「お邪魔いたします」 「いらっしゃい。ちょうど万里小路さんの話してたからびっくりしちゃった」 「いらっしゃーい。珍しいね」 「何かご入り用?」
4 19/03/04(月)00:07:33 No.573627183
尋ねられた楓は笑顔で答える。 「はい。実は、柳原さんと和住さんが晴風に雛人形を飾りたいと準備を張り切っておられまして。 折角ですから、雛あられや菱餅もあった方が華やかでよろしいかと思いましたので。 以前、八木さんと宇田さんから皆様がこちらでお仕事をされていると仰っていたのを思い出して参りました。」 3人はのこぎりやらノミを手にひな壇を組み立てる麻侖・媛萌と、その様子を苦笑いで見る明乃の姿を想起した。 「なんか、すごくその状況が目に浮かぶというか…」 「マロンちゃんもヒメちゃんも、お祭りとか好きだからねー」 「雛人形かぁ。小さい頃は飾ってたねぇ」
5 19/03/04(月)00:08:26 No.573627426
話しながら、頼まれた雛あられと菱餅を手早く袋に詰めていく。楓は料金を支払うと、袋を受け取った。 ちなみに、小切手やカードではなくちゃんと現金でのお支払いだ。 「ありがとうございます。ご迷惑でなければ、もう少しお邪魔していてもよろしいでしょうか」 「いいよー。今は他にお客さんもいないし」 口には出さなかったが、晴風ではひな祭りの準備と同時に自分の誕生日の準備もしていたのもあって、少しばかり居心地が悪かったのだ。
6 19/03/04(月)00:08:39 No.573627506
「随分と、沢山の種類のお菓子があるのですね」 楓は素直に感嘆していた。色鮮やかで可愛らしい和菓子は見ていて飽きがこない。 「店長さんから聞いたんだけど、100年以上続いてるお店だからね」 「あっちゃんは新商品作りたいーってよく言ってるけどねー」 「だって昔からあるお菓子も嫌いじゃないけど、それはそれとして新鮮味がほしいし…」 好きな言葉が『革命戦士』のあかねは口をとがらせる。
7 19/03/04(月)00:09:30 No.573627766
「あ、昔作っていたお菓子を復刻させたりもしてるんだよ。つい最近も昔海軍に卸してた羊羹を再現したりしてたし」 「結構評判もいいんだよー」 ほまれ・あかねはそう言いながら、新商品のシールが貼られた羊羹を示す。 元々実家で看板娘をやっていただけに、しれっとおすすめ品を勧めてくる商売上手なのだ。 「まあ、それは素晴らしいですわ。この羊羹、お一ついただけますか?」 「毎度ありー」 「ありがとねー」
8 19/03/04(月)00:09:42 No.573627827
ずしりと重い羊羹を追加で受け取り、楓はご満悦だ。 「万里小路さん、羊羹好きなの?」 「やっぱり名古屋出身だから?」 「そうですね、つぶあんはなじみ深いですわ」 つぶあん派とこしあん派で論争が起きるやつなので深くは言及しないでおこう。空気を読む4人だった。
9 19/03/04(月)00:10:14 No.573627960
「そろそろお暇いたしますわ」 なんだかんだですっかり話し込んでしまい、気付けば日が傾き始めていた。 「今日はパーティーのお料理用意できなくてごめんね、万里小路さん」 「いえ、お仕事をなされていたのですから、お気になさらないでくださいまし」 謝る美甘に対しても、楓は笑顔で返す。 「さっき言ってたきしめんだけはなんとか準備するからね」 「材料買って帰るからねー」 「はい、楽しみにさせていただきますわ」
10 19/03/04(月)00:10:47 No.573628114
杵崎姉妹から重ねて約束をしたところで、美甘が宣言する。 「任せて!私、麺類得意だから!」 「「あっ…」」 双子の声がハモる。完全にフラグである。 よく見ると、美甘の首筋には脂汗が浮かんでいる。 「よろしくお願いいたします。それではまた後程…」 そう言うと、楓は深くお辞儀をして去っていった。
11 19/03/04(月)00:11:02 No.573628184
「…美甘ちゃん」 「前も同じこと言って失敗してたよね?」 「こ、今度は大丈夫!ドイツ料理と違ってきしめんなら薄いうどんみたいなものだし!」 なお、職人気質の美甘が手打ちで作ったきしめんは見事にボロボロになってしまったため、結局泣く泣く市販品になったのであった。 おわり
12 19/03/04(月)00:13:51 No.573628990
まとめ su2924970.txt 再放送で初見の方はマロンちゃんとヒメちゃんのコンビについては次回の放送を見ればわかりますよ
13 19/03/04(月)00:21:22 No.573631001
「」長!ゆっくり読むよ
14 19/03/04(月)00:38:47 No.573636102
時期的に3周年イベント控えててネタ不足だったり再放送初見さんへの配慮もしないといけなかったり忙しくてそもそもネタ出しする時間があまり無かったりで申し訳ないです!