虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    19/02/17(日)09:24:27 No.570083245

    ──ここで、私は死ぬのでしょうか。 突如として猛火に包まれた別荘から逃げ惑い、ついには追い詰められた袋小路の先で私は倒れ伏した。 元々身体の強い方ではない私を延焼による煤焼けた空気が蝕み、意識が朦朧とし始める。 (……ごめんなさい、スルーズ。貴女の目を盗んでこんな所に来ていなければ……) 遅すぎる悔恨と共に気を失う直前、急に体が温かいものに包まれるような気がした。そして聴こえたのだ、確かに。 ──一目惚れだ、と。

    1 19/02/17(日)09:24:49 No.570083328

    気がつけば、私の視界には見慣れた天井が広がっていた。ほぼ無意識に首を横へ捩ると、見知ったメイド達が泣き腫らした顔で鎮座していた。 「スルーズ……?」 「お、お嬢様!!お嬢様ぁっ!!」 「心配しましたよぉ!」 「ご無事で……!」 「ヒルドに、オルトリンデも……」 「もうこのようなご無茶はなさらぬようにしてください。大神様もそう御告げでした」

    2 19/02/17(日)09:25:30 No.570083561

    ドラマチックなやつ…

    3 19/02/17(日)09:25:33 No.570083577

    「お父様が……。しかし、私はどうしてここに……」 「大神様に怨恨のある筋の仕業と思われますが、詳しいことはまだ何とも。勿論、然るべき報いは差し上げますが」 「スルーズ」 「次第は、後程お伝えいたします」 私は過程を問うたつもりだったが、スルーズの口からは原因が出てきた。そして、その語気から彼女はそれを意図的にやっているらしきこと、ヒルドやオルトリンデも積極的でこそないにしろ異を唱える気はないことは察せられた。何故そこを伏せるのか、までは読み取りようがなかったが。

    4 19/02/17(日)09:26:15 No.570083742

    そのまま、あの日から特に何かがわかることもなく1年が経った。 事情を知る者誰に尋こうとも「その事件は解決した」の一点張りで、その経緯について詳らかに語ってくれる者は誰もいなかった。 そのままにしておけば、このままの平穏が続いていくのだろう。そのような薄皮一枚貼ったような人生を受け入れる道もあったのだろうが、それでも私は真実を知りたかった。なればこそまた一人で此処に来たのだ。 この場所──今は更地となった実家の私有地を穴が穿くほど見つめ続ける私の姿に奇異の視線を向ける人は少なくなかったが……そこにただ一人、例外が存在した。存在してくれた。 「──一目惚れだ」 "まるで初めて逢ったかのように"、彼は私の望む声、望む言葉で呟いた。

    5 19/02/17(日)09:36:28 No.570086329

    最近現パロの良さがなんとなく理解できてきた

    6 19/02/17(日)09:46:05 No.570088989

    なるほど…

    7 19/02/17(日)09:47:09 No.570089283

    ブリュンヒルデに狂気の介在する余地がないからハッピーエンドもワンチャン

    8 19/02/17(日)10:05:06 No.570093382

    ほうほう いいねいいね

    9 19/02/17(日)10:18:28 No.570096087

    放火されるとかおでん恨み買いすぎでは