19/02/12(火)03:30:45 のらち... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1549909845874.jpg 19/02/12(火)03:30:45 No.568862878
のらちゃんとボクっ娘メイドのらきゃっとの日常的なやつ 2月13日の正午過ぎ、のんびりとしている所に僕の元に友人から連絡が来ました。 「こんにちは、のらきゃっとです。突然ですけどレイさん、バレンタインのチョコ一緒に作りませんか?」 「バレンタインのチョコ?へー手作りチョコ、いいね。 僕は作った事ないからそんなに手伝えるような事ないと思うけどそれでも平気かな?」 「ええ、大丈夫ですよ。基本的には私が作業しますし特別難しい物を作るつもりはないので。 問題は別のことなんですけど……」 「問題?何かあったの?」 「はい、朝方から調理してるんですけどとてもとても不思議な事が起きるんです。 そう、私はガトーショコラを焼き終えて紅茶を優雅に飲んでいたんです…… そして紅茶を飲み終え、台所を片付けようと思ったらなんと!ガトーショコラがなくなっていたんです!」
1 19/02/12(火)03:31:14 No.568862903
「それのらちゃんが食べただけだよね?」 「なくなってしまったものはしょうがないので今度はチョコチップクッキーを作ったのですが…… なんとこれも紅茶を飲んでいる間になくなってしまったんです!」 なぜか食べた事を認めないのらちゃんに少し笑いが溢れそうになったけど、それを抑えて返事を告げました。 「まあ、要するに僕にお願いしたいのはお菓子の見張りってことかな?」 「はい、不思議となくなってしまうのでこれ以上一人で作るのは危険と判断しました。 お願いできますか?」 「いいよー、僕も明日どうしようか迷ってたし一緒に作ろうか。 でもそうだなあ、何作ろうか?ガトーショコラは僕も食べたいからそれがいいなって思ったんだけど」 「すいません、それは食べ飽きたので他のにしてください」
2 19/02/12(火)03:32:23 No.568862972
「まあ私の方で考えておくので、とりあえず一緒に買い物にでも行きましょう」とのことで、 スーパーで待ち合わせすることになりました。 買い物用のバッグを持って外に出ると、曇天の冬空が目に入って少しだけ憂鬱な気分になります。 冬の特に寒い日は気圧のせいなのか、気温のせいなのか、頭が軋む感じがするので嫌いなんですよね。 検査してもらった結果だと、一度頭がグシャグシャにされた時に内部に歪みが生まれたせいだとかなんとか言われました、 それ以上の不備は起こらないだろうから問題ないと言われましたが、正直それだけで相当なストレスなんですけどね。 そんなこんなで少し不愉快な気分でスーパーの前につくとのらちゃんが僕に向かって手を振りながらやってきました。 「レイさん、待ってましたよ。いやー危なく誘惑に負ける所でした」 「誘惑?ああ、あれのことかな?」
3 19/02/12(火)03:32:36 No.568862988
野外に置かれた焼き芋の販売機が目に入る、焼き芋の美味しそうな匂いが漂ってきて確かに誘惑されそうになる。 「うーん、でものらちゃん今日は甘いもの結構食べたんじゃないの?それでも足りない?」 「食べてませんよ、突然消えただけです!世の中にはレイさんの予想には収まらない不思議なことだって起きるんですよ」 「はあ?まあそれはいいけど……僕もちょっと食べたくなってきたかも。帰りに買っちゃう?」 「いいですね、一つ買って半分にしましょうか。楽しみもできたことですし早く買い物をすませちゃいましょう!」
4 19/02/12(火)03:33:10 No.568863018
チョコのコーナーにいくと、僕たちと同じ目的の女性たちで賑わっていました。 人間に紛れて何人かののらきゃっともいてどんなチョコを作ろうかと、楽しそうに話しています。 「それで結局どんなチョコにするの?」 「まあ色々考えてみましたけど、生チョコを作る事に決めました。難しくなくて美味しいですよ」 「生チョコ?どんな風に作るの?」 「家で作るのならチョコを湯煎して生クリームを混ぜて、味をちょっと足す感じですかね? 分量さえ間違えなければ失敗するものでもないので初めてのレイさんでも美味しくできると思います」 「なるほど、それじゃあチョコと生クリームだけでいいのかな?」 「そうですね、せっかくなのでホワイトチョコでも作りたいのでミルクとホワイトチョコを買っていきましょう」 2種類の調理用のチョコをカゴに入れて、次は乳製品のコーナーに行こうとするとのらちゃんは何故かレジに向かって歩いて行きました。 「あれ?チョコだけ買えば平気なの?」
5 19/02/12(火)03:33:32 No.568863048
「ああ、すいません。チョコレート以外の素材はまだ家に残っているので大丈夫ですよ。 生クリームもガトーショコラにつけようと思ったのを食べ忘れてたので家にあります」 「ああ、そのまま食べちゃったんだ」 「はい、ショコラの美味しそうな匂いを嗅いでいるうちつい手が伸びてしまいましてね…… 少し食べ進めた辺りで生クリームの事は思い出したんですけど、今から泡立てるのは面倒だと考えている内に全て食べ終わって…… っと、泡立てようと思ってたらショコラがどこかにいってしまったんです!」 「ふふふ、そうなんだ。それで美味しかった?」 「いえ、正直人様にあげられる物じゃありませんでしたね。 苦味が強くてとてもバレンタインにプレゼントして良い物じゃなかったですよ。あっしまった」 「やっぱり食べてたんじゃん、なんでそんな隠そうとしたの?」 クスクスと笑いながら聞いてみると、のらちゃんはムクれ顔で渋々と喋り始めました。
6 19/02/12(火)03:34:27 No.568863098
「別にそんな特別な理由はありませんよ。 ちょっとした思いつきを試して失敗した、なんて言うのは恥ずかしいじゃないですか」 「じゃあクッキーの方はどうしたの?」 「そっちはオーブンの設定を間違えてスミにしただけなので私はそこまで悪くないですよ、ちょっと温度の桁を間違えただけなので」 「それだけでそんなことになるかな?というか桁?」 「私もビックリしましたよ。家にあるオーブンが2000度まで加熱することができるとは思ってませんでした……」 「2000度……製鉄でもするつもり?というかよくそんな物が家にあったね」 「そういえばオーブンを買った時、プロデューサーさんが一番強いやつにしたって興奮してましたね…… 特に気にしてませんでしたけど、まさか強いってそういう意味だったとは」
7 19/02/12(火)03:34:39 No.568863108
「なるほどねえ、そんな恐ろしい物が存在するとは思わないよね。 それでのらちゃんは失敗続きで不安になったから僕を呼んだって感じ?」 「はい、流石に人前ならふざけた事をやったりしませんからね」 「そうかな?」一緒にカレーを作った時に、僕の目を盗んでカレーをさらに辛くしようとしていた事を思い出しました。 少し不安そうにしている僕をみるとのらちゃんは「大丈夫です!ふざけなければちゃんとした物ができますから!」と笑顔で応えました。
8 19/02/12(火)03:35:03 No.568863132
そして僕たちは買い物を終えて、のらちゃんの家に向かいながら焼き芋を食べました、 身の震える様な寒空の下で友達と食べる焼き芋は特別美味しく感じて幸せな気分にになりました。
9 19/02/12(火)03:35:24 No.568863152
のらちゃんの家にお邪魔をして、キッチンに入り、 二人でチョコを刻んで、水に火をかけると、そこで手を止めてのらちゃんが提案をしました。 「湯栓をする前に形を決めちゃいましょう。 シンプルにハートでもいいですけど、そこはちょっと捻ってもいいと思うんです」 「いや、気持ちを伝えるのに捻るも何も……うーん、まあハートは遠慮したいかも?」 「それなら星型とか動物のとか無難な型もありますけど、どれがいいですか?あっ一周回って板チョコにするとか。 箱を開けたらそこには一見するとただの板チョコが!凄いサプライズじゃないですか」 「そういうサプライズはあんまりなあ……そうだ、のらちゃんはどういうチョコにするの?参考として教えてよ」 「私のですか?私はこれ!」 そういってのらちゃんが取り出した型は猫の顔のデスマスクのようなものでした。 なんなのかよくわからないので素直に疑問を投げかけることにしました。
10 19/02/12(火)03:35:39 No.568863164
「なにそれ?」 「私のプロデューサーさんはとても猫っぽいので、お菓子にしても見栄えが悪くなさそうだなって思って出かける前に3Dプリンターで用意しておいたんですよ。 バレンタイにありがちな、私を食べて。ではなく自分を喰らえ!って感じです。それで……参考になりました?」 「うん、全く参考にならないよね」 色々と考えた結果、無難にハートの形にすることに決めました。
11 19/02/12(火)03:36:18 No.568863206
チョコと生クリーム湯煎してそれぞれの形に流しいれると、後は待つだけということで二人でお茶を飲みながらのんびり待つことになりました。 「前からちょっと気になってるんですけど、レイさんって自分のご主人様のこと嫌いなんですか?」 「ん?別にそんなことはないけど、どうして?」 「なんとなく距離を開けてるような感じがするんですよね、さっきもハートは遠慮したいとか言ってましたし」 「あーー、別にそんなつもりはないんだけどね。結構複雑なんだ、ご主人様との距離感。 だからあんまり愛を伝えるとかしたくなくてさ、だからハートは嫌だなってだけだよ」 「なるほど。つまりあなたなんか好きじゃないんだから!って奴ですか」
12 19/02/12(火)03:36:31 No.568863222
「そういうのでもないってば!ちゃんと感謝してるってけどそれ以上じゃないってだけ!」 「冗談ですよ、そんな向きに否定しないでもいいじゃないですか。 そしてそんな乙女の悩みを解決するマジックアイテムをプレゼントしましょう」 のらちゃんはスッっと、カラフルな小さなペンのような物が入った袋を取り出すと僕に手渡す。 「これは…チョコペン?」 「はい、これでメッセージを添えればしっかり気持ちが伝わりますよ」
13 19/02/12(火)03:36:57 No.568863245
2月15日、バレンタインでお世話になったのらちゃんにお礼としてガトーショコラを焼いてのらちゃんの家へ行きました。 「うん!このガトーショコラとても美味しいです!やはり生クリームと合わせてこそ真価を発揮しますね!」 美味しそうに食べるのらちゃんを見て、私も一口食べる。 自画自賛になるけどたしかにかなり美味しく出来上がっていた。 「こんな美味しいものご馳走してもらってなんだか悪いですね」 「まあバレンタインのお礼だから気にしないでいいよ、台所も借りてたし」 「お礼?私なにかしましたっけ?」 「うん、チョコペンくれたでしょ。あれのおかげでご主人様、結構喜んでくれたからのらちゃんのおかげかなってね」 「それは良かったですね。それで何て書いて送ったんですか?」 「特別な事はないよ。ただ『いつもありがとうございます』ってそれだけ」 喜ぶご主人様の笑顔を思い出し、つい笑みがこぼれる。
14 19/02/12(火)03:37:30 No.568863286
「よかったですね、気持ちが伝わって」 「うん、やっぱりしっかり伝えるのって大事なんだなってよくわかったよ。 それでのらちゃんの所の…プロデューサーさんは喜んでくれた?」 のらちゃんは目をつぶり天を仰いでから口を開く。 「やっぱり記念日にふざけるのはいけないなって、よく勉強になりました」
15 19/02/12(火)03:40:57 [sage] No.568863484
生チョコはサクッと作れて美味いからオススメ
16 19/02/12(火)04:02:33 No.568864789
いい…
17 19/02/12(火)05:55:11 [sage] No.568870271
ホモモテスクはよそでやってくれよマジで気色悪いから
18 19/02/12(火)06:04:29 No.568870620
たしかにPも勢いで一番強いオーブン買うくらいのことはやりそうだわ…
19 19/02/12(火)06:10:35 No.568870832
スーパーホット…
20 19/02/12(火)06:41:53 No.568872044
怪文書久しぶりに見た…