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19/02/12(火)00:34:12 前回の... のスレッド詳細

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19/02/12(火)00:34:12 No.568836119

前回のゾンビランドサガは! 皆で未練を解消してスッキリゾンビィになろう!というわけで愛ちゃんがお肉を食べたり純子ちゃんが釣りをしたり! そういえばゆうぎりさんって何か未練があるのかな? 聞いてみたら恋愛がしてみたかったってまるで普通の女の子のような未練でビックリ! でもね、私思ったんだ。ゆうぎりさんのその想いを叶えてあげたいって! 幸太郎さんに相談したらゾンビ顔が調子に乗るなって言ってきてさくらプンプンのプン!サキちゃんもぶっ殺すぞ! そしたらゆうぎりさんと幸太郎さんが何やら相談を始めて、なんと二人がデートに行くことに! やったねゆうぎりさん!幸太郎さん、ゆうぎりさんをしっかりエスコートせんとさくら激おこぷんぷん丸!

1 19/02/12(火)00:34:43 No.568836268

「……で、だ。ゆうぎり、お前はどこか行きたいところはないのか」 「わっちの生きていた時代とはかけ離れてすぎていんす。なかなか思いつきんせん」 「それはわかっている。具体的なものでなくていい、大まかな分類でいいんだ」 ―遊ぶことのできる場所 ―買い物の出来る場所 ―二人きりで過ごせる場所 などなど、こうした場所に行きたいという希望があれば、それに近いところに連れていくことはできる。 幸太郎がそう言うと、ゆうぎりは少し考えて、こう答えた。 「幸太郎はんが逢引で行きたいところ、なんてどうでありんすか?」 「それは丸投げっていうんじゃい」 しかしまた、ハードルを上げてきたものだ。デートで行きたいところか、と幸太郎は唸った。 頭に浮かんできた虹の松原の光景は、すぐに振り払った。

2 19/02/12(火)00:35:22 No.568836414

「海、でありんすか。幸太郎はんは街中よりも、自然の中を共に歩きたいという方でありんしたか」 「フランシュシュも人気が出てきたからな。5号が男と歩いている、というゴシップも考えねばならん」 広がる海に、ゆうぎりは眩しそうに目を細めた。 見慣れぬものは増えたが、海そのものは生きていた頃と変わりないように見えた。 それが無性に嬉しくなると共に、また別の気持ちも湧き上がってきた。 ここは本当は、他の誰かと来たかった場所ではなかったか。 「そうでありんしたか。……幸太郎はん、ここはいいところでありんすな」 「だから連れてきて、この佐賀のがばい素晴らしい風景を見せてやったんじゃい」 ゆうぎりは幸太郎から目を逸らし、悲しげに顔を俯けた。 この未練の解消で一番辛い思いをしているのはこの巽幸太郎なのだ、そうゆうぎりは感じた。 彼が誰に特別気持ちを向けているなんてことは、自分は知っていたはずだ。 あろうことかその特別な相手に後押しされ、この場所へ来てしまった。望まぬ相手と二人で。

3 19/02/12(火)00:36:05 No.568836597

「お前は何か勘違いしているようだがな」 気付けば、景色を遮るように目の前にサングラスの大男が立っていた。 彼の視線はまっすぐ、目の前のゆうぎりに注がれている。 「俺は『お前と』行くならここだと思って連れてきたんだ。……どうだ。お前の生きてきた時代と比べて」 自分の感傷を見透かされたような気がして。 人を見透かしたことは多々あれど、こんな経験はついぞなかったと笑って。 「随分と変わりんした」 「そうか」 「けれど、変わっていないものもある。…そう、思いんした」 「そうか。…まあ、男女の仲というのもお前が生きていた頃から、たぶんそうは変わっていないだろう」 ほら、と目の前の男が手を差し出した。きょとんと目を丸めたゆうぎりに、彼は言葉を続けた。 「今日は俺とお前は恋人同士なんだろう。手の一つでも繋がんと格好がつかん。……まあ?ゾンビィのちべたーい手なんて握りたいなんて思っとらんけどな?」

4 19/02/12(火)00:36:38 No.568836741

全くこの男は、と呆れながらも笑って、差し出された手をするりと避けて腕に身を絡ませた。 その瞬間、体に緊張が走って固まったのがゆうぎりにもわかった。 「ははあ、幸太郎はんも逢引は初めてでありんしたか」 「あっえっえっ……ち、違うわーい!いきなり来たから心の準備が出来とらんかっただけじゃい!!」 「わっちら、恋人でありんしょう?」 ぎゅぎゅっと力を籠めれば、あからさまに頬が染まった。 普段なら引きはがしていただろうが、今日は恋人とと言ってしまったのは彼自身である。 恋人の腕を振り払う真似は出来ず、そのまま無言でドシドシと歩いていく。 「おやおや、どこに行きんすか?」 「…しばらく行ったところから七ツ釜の遊覧船が出ている。そこでの景色がデートのメインのつもりなんじゃい」 照れながら喋る横顔はいつも以上に不器用で、それでも恋人たらんとする姿が、なんだかおかしかった。 恋人がいるというのはこういう気持ちなのだろうか。

5 19/02/12(火)00:37:12 No.568836877

――― 「……まったく。ゆうぎり、お前船頭の兄ちゃんにあれが見たいこれが見たいと言いすぎじゃい」 「幸太郎はんも目を輝かせて、まるで子供のようでありんした」 帰りの車内。助手席に座ったゆうぎりが、いつもよりも上機嫌にころころと笑っていた。 遊覧船に乗って景色を楽しんで、イカ料理の店を回って。 どうやら伝説の花魁が満足できるようなデートが出来たようだと、幸太郎は胸を撫で下ろした。 「幸太郎はん。恋人というものは結局よくわからないものでありんしたな」 「……えっ?…いやお前、めっちゃ楽しんどったじゃろがい。なあ?」 「確かにこうして出かけるのは楽しかったでありんすが、恋仲の男女がどういうものかはさっぱりわかりんせん」 「そんな楽しげな顔して何を言っとるんじゃい…。いや、でも今日のはデートっぽかったのか…?」 「これはまた、幸太郎はんに付き合ってもらわないといけないでありんすな」 未練というものは難しい。解消したかと思えば、新たな未練が生まれることもある。 ゆうぎりはそんなことを考えながら、隣の『恋人』を優しく見遣るのだった。

6 19/02/12(火)00:38:21 No.568837187

この姐さんやり手だ…

7 19/02/12(火)00:39:34 [sage] No.568837550

おわり su2884817.txt デートまでの経緯含めたまとめでありんす 書き込みで見かけたけど幸ゆう専門のわっちを最近見ないので自給自足してるところもありんす

8 19/02/12(火)00:39:44 No.568837603

わっち!!もっとデートしなんし!!

9 19/02/12(火)00:42:23 No.568838316

姐さんつえー…

10 19/02/12(火)00:49:40 No.568840184

強いけど弱い姐さんいいね…

11 19/02/12(火)00:52:16 No.568840860

すっごい好き…

12 19/02/12(火)00:53:34 No.568841193

わっち!何度でもデートしなんし!

13 19/02/12(火)00:53:48 No.568841246

いい雰囲気ばい…

14 19/02/12(火)00:54:07 No.568841330

ああよか…

15 19/02/12(火)00:56:31 No.568841942

姐さんの笑顔が見れればそれでよか…よかたい…

16 19/02/12(火)01:01:17 No.568842965

可愛いわっちは本当に素晴らしいもんでありんすな

17 19/02/12(火)01:03:10 No.568843348

待ってたでありんす!!

18 19/02/12(火)01:03:31 No.568843417

やらかい未来に邁進しなんし!!

19 19/02/12(火)01:07:23 No.568844195

>「わっちら、恋人でありんしょう?」 >ぎゅぎゅっと力を籠めれば、あからさまに頬が染まった。 ここのわっちと幸太郎はんに興奮するでありんす

20 19/02/12(火)01:15:07 No.568845928

姐さんが楽しそうだと俺は嬉しいよ…

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