虹裏img歴史資料館

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19/02/11(月)22:01:07 「ねぇ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1549890067765.jpg 19/02/11(月)22:01:07 No.568791871

「ねぇねぇ、たえちゃんは自分が誰だか気にならなかと?」 「ヴァー?」 とある日の午後、レッスンの休憩中。ふと、さくらはたえに聞いた。 「いや、たえちゃんは自分自身のこと知りたくなかかな、って思って。」 「ヴァウー?」 「とか言って、オメーが知りたかだけやろ……。」 「うっ……。否定できません……。」 サキの指摘にさくらがたじろぐ。 「でもでも!気にならなかと!たえちゃんまだハッキリ覚醒せんし、幸太郎さんも教えてくれんし……!」 「アァ?んなもん別にどうでもよかやろ。たえはたえやけん気にすることでもなか。」 「それは……そうなんやけど……。」 「私も、たえの正体は気になるけどあまり根掘り葉掘り調べるのもどうかと思うわよ?知らない方がいいこともあるかも。」 近くで聞いていた愛も、サキの意見に賛同したようだ。

1 19/02/11(月)22:01:27 No.568791990

「うぅ……そやね……。あまり良いことではなかよね……。ごめんねたえちゃん……。」 シュンとするさくら。それを見てたえは 「ヴァッ!ヴァウアウアッ!」 フルフルと首を横に激しく振る。そして、さくらを守るように抱き締めた。 「たっ、たえちゃん……!?」 「あちゃー、たえにさくらをいじめるなって怒られちまったばい。」 「えっ!?違うよたえちゃん!別にそういうわけじゃ……!」 しかし、たえはもう一度首を横に振った。その眼には、何か覚悟のようなものが窺える。 「もしかして……たえは本当に過去の自分を知りたいんじゃないの?」 「そうなの……?たえちゃん?」 「ヴァウッ!」 今度は、力強く首を縦に振るたえ。 「そっか……。じゃあ、明日調べてみよっか!」 こうして、さくらとたえの山田たえ調査が始まった。

2 19/02/11(月)22:01:41 No.568792087

「とは言ったものの、全然なかねー……。」 次の日の午後。休暇を利用してさくらとたえは図書館に来ていた。もちろん巽にはナイショ。メイクはゆうぎりに協力してもらった。 「ヴァウー……。」 「ああっ、落ち込まんでたえちゃん!時間はまだあるけんしっかり探していこう!きっとあるとよ!」 と、言いつつ収穫の無かった資料をパタンと閉じる。これで5冊目だ。 「もし、そこのお二人、山田たえについてお探しですか?」 不意に声をかけられた。振り向くと見知らぬ男性。さくらの顔に警戒の色が浮かぶ。 「いや、失敬。お二人が閲覧している資料が彼女に関連しそうなものばかりだったので。」 机の上には佐賀の偉人や、佐賀の伝説等に加え、有名な女性芸能人に関する資料などが広がっていた。 「……山田たえについて何か知っとるとですか?」 「えぇ、彼女について研究している者ですから。」

3 19/02/11(月)22:01:57 No.568792180

図書館近くの公園に、さくらとたえはいた。 「山田たえは不思議な女性でね、様々な説が唱えられます。女王だったり、女優だったり、はたまたしがないOLだったり、まさに正体不明なんですよ。」 「そっ……そやんですかぁ~。」 山田たえについて楽しそうに語る男性と裏腹に、さくらは焦りに焦っていた。 ――――まさかたえちゃんを研究しとる人と遭遇してしまうなんて!しかもお話しちゃってるし!というか研究されるってたえちゃん何者?ただでさえ生きとる人との接触はゾンビィバレの可能性があって危険やのに!あぁ、どやんす~どやんす~! といった感じだった。 「聞いてます?」 男性が此方を伺っている。内心どやんすどやんすしていたのを怪しまれたのだろうか? 「えっ、えぇ聞いてますよ。」 とにかく、たえの正体に勘づかれる前にここを去らなくては……

4 19/02/11(月)22:02:14 No.568792271

「でね、山田たえには理解者がいなかった。だから彼女の資料はハッキリしないんだと考えるんですよ。」 「ハァ、そうなんですか……。」 話半分で聞き流す。そんなことよりも、取り敢えずたえちゃんを連れて帰らねば。 「誰にも理解してもらえないんですよ? きっと彼女は孤独だったんじゃないかなぁ? 」 「ハァ、そうなんですか……。」 何と切り出そうか。トイレとでも言ってそのまま帰ってしまおうか。 「だから、僕が。誰よりも彼女を研究した僕が彼女の理解者になってあげるんです。」 「ハァ、そうなんですか……。」 そうだ、それがいい。そう切り出して帰ってしまおう。この人には悪いけど、これも秘密を守るためだ。 「ねぇ、お嬢さん。その隣の山田たえ、僕に譲ってくれませんか?」 「ハァ、そうなん……今何と言いましたか?」 ヤバい、バレてる。

5 19/02/11(月)22:02:30 No.568792367

「だから、彼女を譲ってくださいよ。」 男性はニコニコと笑っている。その屈託ない笑顔にゾッとして、さくらは立ち上がった。 「譲る、って何ですかと?0号ちゃんは山田たえって人やなかやし、私の大切な友達やけん、譲るなんて馬鹿らしかですよ。」 「あー、わざわざ誤魔化さなくていいですよ。彼女が山田たえってことは分かってるし。」 いつの間にかさくらの後ろに回り込んでいた男が、たえの頬を気色の悪い手付きで撫でていた。 「やめてください!他の人を呼びますよ!」 その手を叩き落とし、威嚇するさくら。だが、この公園、周囲に人がいない。さくら達三人がポツンといるだけだ。 「邪魔しないで、くれるかな?」 ヌッと男の腕がさくらへ伸びた。

6 19/02/11(月)22:02:46 No.568792471

「うぅ……。」 男に組伏せられ、呻くさくら。 「さぁ、山田たえ。君だって自分を知りたいだろう?僕と共に来て、研究を手伝ってくれないかな?」 「ヴァー?」 「逃げて……たえちゃん……。」 「僕の研究が君の助けになるんだ。僕が君の理解者に……」 「ヴァッ!」 たえは、これが答えだとばかりに男の頭に噛み付いた。 「君の理解者に、何の真似だい?」 怒りに声を震わせて、たえを振り落とし、男は勢い良く立ち上がった。 「これは、教育が必要かな、っと!」 足を振り上げ、たえ目掛けて蹴り落とした。

7 19/02/11(月)22:03:00 No.568792560

だが、その蹴りはたえに当たることはなく、突然割って入った青年に弾かれた。男が前のめりによろめく。 「誰だ!」 男の問いに、青年は待ってましたとばかりに仰々しく名乗りを上げた。 「てェんさい物理学者の桐生戦兎。以後、お見知りおきを。」 「何故ここにいる……!?」 「何だよ、てェんさい物理学者が公園でのんびりしてちゃ駄目なわけ?」 戦兎と名乗った青年は、男の質問を飄々と流しつつ、さくらとたえを助け起こした。 「ま、のんびりしようと思ったら、面倒事に首突っ込んじまったみたいだ。」 最ッ悪だと、彼は笑った。

8 19/02/11(月)22:03:13 No.568792638

「僕の研究を邪魔する気か貴様……!」 「同じ研究者として何かを解き明かしたい気持ちは分かるさ。でも、この件はお前には向いてないよ。だって、」 戦兎はたえをじっと見つめてから続けた。 「おじさんこの子とベストマッチじゃないからさ。」 「ベストマッチだと……?」 「そ、言うなれば常識を越える奇跡の組合せ。揃えば無限の力を発揮できる。おじさんもさっき見たでしょ。この二人が助け合う姿、正にベストマッチな仲間って感じだった。」 「くだらないなぁ……。山田たえを解明するのは僕だ!僕が理解者なんだ!」 憤る司書に、やれやれといった感じで戦兎は続ける。

9 19/02/11(月)22:03:26 No.568792712

「それに、さ。存在の証明ってそういうことじゃねえよ。お前みたいなのに解明されたって何の意味もない。例え、資料なんかに残らなくても、誰かが思っていてくれる。それが自分が何者かって証明になるんだ。」 「ハァ!?随分と不確かな証明だな!」 司書がせせら笑う。 「だろ?どっかの馬鹿が教えてくれた穴だらけの理論だ。でも、お前の研究なんかよりはずっと説得力がある。」 戦兎はたえとさくらの肩を掴み、グッと引き寄せた。 「この子が山田たえなのか0号なのかはどうでもいい。だけど、この子にはこの子を思う仲間がいる。彼女を証明するのは彼女のベストマッチな仲間達の仕事だ。だから、この研究からは手を退け。」 「黙れ!黙れ!!黙れェェ!!!」 業を煮やした司書が雄叫びを上げ、不思議な形のボトルを取り出す。それを自分に振り掛けて、異形の怪物へと変貌した。さくらが息を呑む。が、戦兎は一言、 「それを何処で手に入れたかは知らないが……。面倒だな……。」

10 19/02/11(月)22:03:40 No.568792799

「仕方無い。君達の研究の障害は、このてェんさい物理学者が取り除いてやるよ。」 「あの……」 状況が飲み込めないながらも、おずおずとさくらは聞いた。 「ベストマッチって……?それに、私は本当にたえ……0号ちゃんの良い仲間なんですか?」 私の好奇心で、危ない目に遭わせたのに、とさくらが言うより先に戦兎は言った。 「それは君達自身が証明してる。身を呈して守ろうとするなんて、大切じゃなきゃできねえよ。ベストマッチについては今から実演するぞ。」 戦兎は何処からかベルトを取り出し、腰に巻いた。 「あ、それと胡散臭いおじさんには着いていかない方がいいと思う。ロクな目に遭わないからな。」 怪物に向き直り、二本のボトルを取り出す。シャカシャカと振ると、周囲に数式が浮かび上がった。ボトルをベルトに装填する! 「さぁ、実験を始めようか。」 『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

11 19/02/11(月)22:03:56 No.568792888

戦兎の周りをチューブが走り、人の形を形成していく。チューブに赤と青のエネルギーが流れ、戦兎を中心に一つとなる! 「変身!」 『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェイ!』 兎の跳躍力と戦車のパワー、二つの力を併せ持つベストマッチな戦士が姿を現した。戦兎は勢いよく飛び上がり、怪物に体当たりを食らわせる。 「グオッ……貴様ァ!!!」 「これが、ベストマッチの力さ。」 戦兎がベルトのレバーを勢い良く回すと巨大なグラフが出現。怪物を挟み込んだ! 「勝利の法則は、決まった!」 『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』 戦兎はグラフに飛び乗ると、滑り降りるように勢いをつけ、身動きの取れない怪物に蹴りを撃ち込む! 「ギャアアアアアアア!!!!」 怪物は爆発し、ガックリと膝をついた。怪物の姿は取り払われ、男は元の姿に戻っていた。

12 19/02/11(月)22:04:10 No.568792967

「何やったんやろね……。」 帰り道。フラフラと、さくらとたえが歩いている。疲れた。理解が追い付かないことがたくさんあったし、結局たえの正体については分からず終いだ。 「あの男の人も、物理学者さんも、何者やったと……?」 男性が怪物になるために使ったボトルの出所が気になると言って、物理学者さんは男性を引っ立てて去っていった。 「物理学者さんは気にするなって言っとったけど……。うん、たえちゃん無事やったしそれでよかよね……。ね、たえちゃん!……たえちゃん?」 ふと横を見ると、たえがいない。慌てて周囲を見渡すと、少し後ろで旅行代理店を食い入るように見つめていた。

13 19/02/11(月)22:04:23 No.568793037

「旅行、行きたいの?」 「ヴァッ!」 「そっかぁ。今は無理だけど、アイドルの仕事が一段落したら行こっか!フランシュシュの皆と幸太郎さんとロメロで!」 ニッコリ笑うさくらを見て、たえも嬉しそうに頷いた。 「さっ!帰ろう!皆待っとるよ!」 たえに向かって手招きをする。たえは応じるように頷いて、 (ありがとうさくら。) ふと、そんな声を聞いた気がした。が、気のせいだろう。疲れているから。でも、たえの気持ちが知れたようで嬉しくて。さくらはたえの手をギュッと握った。二人は仲間達の待つ屋敷を目指して歩き始めた。

14 19/02/11(月)22:05:01 No.568793236

終わりました ありがとうございました ボトルの出所は想像に任せます

15 19/02/11(月)22:05:27 No.568793387

>「てェんさい物理学者の桐生戦兎。以後、お見知りおきを。」 この安心感

16 19/02/11(月)22:05:58 No.568793569

くそッてぇんさい物理学者出てきて吹き出しちまった!!

17 19/02/11(月)22:05:59 No.568793574

おいおい戦兎ォ? 寝床確保してやったのにそりゃねえだろぉ?

18 19/02/11(月)22:06:13 No.568793666

佐賀の平和はまたしても守られた ありがとう仮面ライダー!

19 19/02/11(月)22:06:56 No.568793912

ビルドも来たな…

20 19/02/11(月)22:08:17 No.568794377

佐賀に財団Xが手を掛けているとしか思えない怪人発生率とライダー登場率

21 19/02/11(月)22:08:24 No.568794417

胡散臭いって… こんなイカしたナイスガイ捕まえて酷いなぁ戦兎ォ?

22 19/02/11(月)22:09:14 No.568794697

来るなって思ったら来て駄目だった

23 19/02/11(月)22:09:50 No.568794894

>来るなって思ったら来て駄目だった 気配みたいなものがあるからね…

24 19/02/11(月)22:10:46 No.568795221

たえさくと見せかけての戦万… 俺じゃなくちゃ見逃しちゃうね

25 19/02/11(月)22:11:46 No.568795581

気付けば2期で来てないのオーズとドライブくらいか

26 19/02/11(月)22:12:15 No.568795759

戦兎ォ? 俺との経験を活かしてくれてるようで嬉しいよォ

27 19/02/11(月)22:18:15 No.568797762

今まで1番シームレスにライダー入ってきたな…

28 19/02/11(月)22:20:04 No.568798407

スッと入ってきたね

29 19/02/11(月)22:22:05 No.568799119

佐賀は楽しそうだなァ戦兎ォ? 俺もお邪魔してもいいかァ?

30 19/02/11(月)22:22:39 No.568799287

>気付けば2期で来てないのオーズとドライブくらいか なそ にん

31 19/02/11(月)22:27:55 No.568801068

ベストマッチいいよね

32 19/02/11(月)22:28:28 No.568801248

この物理学者またのろけてる…

33 19/02/11(月)22:29:29 No.568801594

なんでいきなりてぇんさい物理学者出てくるんだ…

34 19/02/11(月)22:30:23 No.568801880

>この物理学者またのろけてる… 無敵の理論だからなラビットドラゴン…

35 19/02/11(月)22:32:00 No.568802461

>なんでいきなりてぇんさい物理学者出てくるんだ… ゲイツが甘かったから

36 19/02/11(月)22:37:24 No.568804242

前にたえちゃんはアマゾンオメガにも助けられよね たえちゃんの正体アマゾンだったけど

37 19/02/11(月)22:39:21 No.568804930

ベストマッチ理論は最ッ高だからな…

38 19/02/11(月)22:41:01 No.568805429

555轟鬼キバダブルフォーゼウィザードバロンゴーストマコト兄ちゃんエグゼイドアマゾンオメガビルド…今のところ佐賀にきてるライダーはこれか 後はウォズあらすじとエボル構文

39 19/02/11(月)22:41:50 No.568805685

電王も来てたよ

40 19/02/11(月)22:42:04 No.568805755

電王も来てたハズ

41 19/02/11(月)22:44:01 No.568806377

佐賀危険地帯過ぎるな…

42 19/02/11(月)22:46:03 No.568807071

さくらちゃん愛ちゃん純子ちゃんたえちゃんは2回違うライダーに助けられてるよね

43 19/02/11(月)22:49:10 No.568808153

さくら バロン 電王 愛 轟鬼 キバ 純子 W ウィザードか

44 19/02/11(月)22:49:24 No.568808235

ラブ&ピースだぞさくらちゃん

45 19/02/11(月)22:49:45 No.568808361

えっラブ&ハッピー?

46 19/02/11(月)22:50:17 No.568808549

幸太郎さーん!幸太郎さんはどうしてプロデューサーになったと…!?

47 19/02/11(月)22:50:25 No.568808596

カット・イン!

48 19/02/11(月)22:50:31 No.568808638

たえちゃんの話だけまだだと思ってけど難しいだろうなあと思ったらきやがった!

49 19/02/11(月)22:51:18 No.568808890

上でも出てたけどたえちゃんの話アマゾンオメガであったよ

50 19/02/11(月)22:52:01 No.568809156

たえさくからの戦万だった

51 19/02/11(月)22:55:34 No.568810339

万丈どこにいたんだろう

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