虹裏img歴史資料館

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19/02/10(日)21:21:14 「さく... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1549801274388.jpg 19/02/10(日)21:21:14 No.568519156

「さくらはん、わっちは普通の恋仲の男女がどういうものか、それが知れれば満足でありんす」 「ゆうぎりさん…でも、」 「話したら、幸太郎はんが付き合ってくれるとのこと。これでぞんびぃばれも気になりんせん」 「なにィ、グラサンが!?マジか!?」 「……じゃい。デートとかしてゆうぎりには恋人気分を味わってもらうんじゃーい…」 「幸太郎さんなら安心かもしれんと…。幸太郎さん、ゆうぎりさんを任せるけんね!」 「…うまく行きんしたな」 「……おう」 ああ、どうしてこうなった。 幸太郎は項垂れながら、ゆうぎりとこんなことになった、その経緯について思い返していた。

1 19/02/10(日)21:21:45 No.568519346

生きているうちにやりたかったことをやろう、そう提案したのは愛だった。 サガロック、アルピノと経てアイドルとして成功もし出した。ここで気分を一新するためにも生前の未練をなくそう。 その主張に全員が賛同し、フランシュシュの未練をなくすツアーが始まった。 まず、愛の提案で焼肉食べ放題に皆で行った。 さくらはその途中で、愛にサインを書いて貰った。「いやー、死んでみるもんやね!」とさくらはひどく満足した。 純子が企画し、一同で釣りに出かけた。アイドルの仲間たちとそうやって過ごすのが夢だったという。 サキは「全国制覇が未練やけん。これからアタシらで達成すればよか」と言い、拍手喝采となった。 そして、リリィの提案でパジャマパーティをしていた時のことだった。

2 19/02/10(日)21:22:06 No.568519459

「なあちんちく、これいつもやってることじゃなかと?」 「サキちゃん無粋ー。こうやって改まって女子会やるからいいんじゃん」 「リリィちゃんは女子…?…うん、そうやね!」 お菓子を持ち寄り、楽しくアイドル活動の感想や、恋の話、それぞれの過去の話と盛り上がり…。 そして最後に、次に未練を果たすのはゆうぎりだという話になった。 「ゆうぎりさんは何がしたいですか?」 「そうでありんすなあ。わっちが生きていた頃は、そうしたことを考えもしていなかったでありんす」 「姐さん…」 「強いて言うなら、寝る男を最初から最後まで自分で選んでみたくはありんしたな」 「しんみりさせといてえらく直球が来たわね…。マイルドに言えば、恋愛してみたかったってことでいい?」

3 19/02/10(日)21:22:41 No.568519663

ゆうぎりはそういうことになるのか、と鷹揚に頷いた。 困ったことになった、と愛は思った。恋愛したいという気持ちは身の上から考えればわからなくもない。 しかしアイドルというものも恋愛は御法度なのだ。この未練は解消させるのは難しいだろう。 諦めて別の未練にしてもらおう、そう判断したところで、隣のさくらが急に立ち上がった。 「愛ちゃん!皆!!ゆうぎりさんの未練、私たちで果たしちゃろう!!!」 ぎょっとした。ゆうぎりの身の上に同情したのか、さくらは泣いていた。 どうしてそんなに、と愛を含めた周囲は困惑するばかりである。 「さくらさん!?」 「ねえどうしたのさくらちゃん」 「いや、さくらの言う通りだ。姐さんが死ぬまでの事を考えたら、アイドルは恋愛禁止とかヌルい事は言ってられん」 困ったことになった、と愛は思った。フランシュシュの中で行動力のある2人が結託したのだ。 ここで無理に止めたところで勝手に走り出しかねない。 「………わかった。それじゃとりあえず、アイツに一度話してみましょう?こればっかりは私たちの間だけで解決できることじゃないし」

4 19/02/10(日)21:23:14 No.568519833

そしてその翌日の朝、愛はこっそりと幸太郎の部屋に向かっていった。 「……ゾンビィが恋愛だと?」 「そうなの。たぶん今夜、さくらたちがゆうぎりを連れて押しかけてくるわ」 一通りを説明すると、幸太郎は頭を抱えた。 愛は昨日から頭を抱えっぱなしであった。 とはいえ、この怪しいグラサンが「恋愛?自由にしたらええじゃろがい!」とか言い出さなくて助かった、とは思った。 「あいつらゾンビィバレとかその辺の事を全く考えていないんじゃないか。そもそも鏡を見れば、自分たちが恋愛対象になるかなんてわかりそうなものだがな」 「それさくらたちの前で言ったら殺されるわよ。私も今すごくぶん殴りたくなったし」 とはいえ、それが一般的な意見であることは愛にはわかっている。 チャラいクソみたいなラッパーにもこれは無理と評されるぐらいなのだ。メイクなしでは女子として終わっていると言って過言ではない。既に死んでいるけど。

5 19/02/10(日)21:24:12 No.568520102

「……」 幸太郎はその無理な顔を常日頃から向き合っているわけだが、どうにもそんな嫌悪感を持っている様子はない。 かと言って仕事と割り切っている風でもない。コイツにとってはどう見えているんだろうか、などとふと気になった。 「なんじゃい、俺の顔をじーっと見てからに。佐賀で一番の美男子フェイスに見とれとるんかい」 「なんなの!?…ともかく、しっかり対応してよね!」 「ああ、任せろ。なんたって俺は佐賀を救う天才プロデューサーの巽幸太郎だからな」 「……というわけで幸太郎さん!ゆうぎりさんに恋愛を解禁してやってください!」 「はいダメですー、お前ら鏡で自分のゾンビィフェイスを確認してくださーい!!」 「んなもんグラサンがメイクすればよか!」 「なんじゃい。おうゆうぎり、これからデートか!よーし、今日はとっておきのメイクしてやるからのう!……なんてワシは一体どんなポジションじゃーーーーーい!!!」 ゾンビィバレは許さないと、幸太郎は毅然とした対応で二人に向き合った。

6 19/02/10(日)21:24:55 No.568520318

当人であるはずのゆうぎりはさほど興味がなさそうに、書棚の本を珍しげに眺めていた。 彼女もやる気満々だったら困っていたので、逆にありがたかった。しかし、外野の2人は既に覚悟を固めていた。 「…言っとくがグラサン、アタシらは姐さんのためならゾンビィバレするのだって覚悟しとるけんな」 「 ! ? 」 アタシらというかお前らだけじゃろがい、と思ったが幸太郎は口には出さなかった。 それが総意であろうがなかろうが、さくらとサキがそこまで思いつめているのは事実である。 困ったことになった、と思ったところでちょいちょいと肩を叩かれた。ゆうぎりである。 「さくらはん、サキはん、ちょっと幸太郎はんをお借りしますえ」 二人からちょいばかり距離を取り、耳元にそっと口を近づける。 その声は、ゆうぎりにしては珍しいことに困惑の色があった。 「困ったことになりんした」 「……お前が言い出したことじゃろがい」

7 19/02/10(日)21:25:33 No.568520512

「今のわっちらを犠牲にしてまで叶えたいという気持ちはありんせん」 「ならそう言ってやらんかい。こいつら暴走しとるじゃろがい…」 「今の状況でわっちがそう言ったところで遠慮していると勘違いされるのが関の山、違いんすか?」 その可能性は高い、聞きながら幸太郎も頷いた。 遠慮する必要はないけん、ゆうぎりさん、恋人を作ろう!などとさくらが熱く語っているのが容易に想像できた。 「……で、どうするつもりなんじゃい」 「ここは幸太郎はんと逢引して、恋人というものが知れれば満足だとわっちが提案しんす」 「……」 「で、満足した、未練がなくなった。二人の暴走も終わりというわけでありんすな」 ゾンビィバレの危険がない男といえば、自分かあともう数人しか思いつかない。 確かにゆうぎりの提案の通りにすれば、大過なくこの状況を打破できるような気がした。 しかし、その相手として自分を起用することには抵抗があった。

8 19/02/10(日)21:25:56 No.568520622

「なあ、それ別の男で」 「そのお人のことはどう説明するつもりでありんすか?」 ぐぬぬ。 確かに奴についてはゾンビィたちにもおいそれと話せないし、普通の人間相手でもゾンビィバレしなければOKと思われてはかなわない。 渋々ながら幸太郎はその作戦を認め、そして場面は現在に戻る、というわけである。 さくらとサキは後は若いお二人でとか言いながら部屋を出ていった。余計なお世話にもほどがある。 しかし、一つ確認しておきたいことが幸太郎にもあった。 「……ゆうぎり」 「まだ何か、気になることがありんすか?」 「仕事関係なく、自分の好きな相手と恋仲になるのがお前の未練だったんだろう。消去法のような選び方でお前はいいのかと思ってな」 ゆうぎりは目を丸くし、次ににこりと笑った。 「前も言いんしたが、わっちは幸太郎はんの事、好きでありんす」 「………お前、こういう時にそういう冗談はやめんかい」

9 19/02/10(日)21:26:25 No.568520754

おわり でえとさせるだけでえらく長くなりんした…

10 19/02/10(日)21:27:15 No.568521044

えっ…でぇと中は?

11 19/02/10(日)21:28:32 No.568521497

デートしてチューして抱きなんし!! も見たいでありんす! しかし良き怪文書でありんした…

12 19/02/10(日)21:28:40 No.568521540

つよつよっち!

13 19/02/10(日)21:28:55 No.568521633

わっちこれすき…

14 19/02/10(日)21:30:03 No.568522026

わっちこういうフランシュシュ好き!

15 19/02/10(日)21:30:52 [sage] No.568522336

>えっ…でぇと中は? 一応書くつもりでありんす

16 19/02/10(日)21:33:04 No.568523168

ゆっくり濃厚に書きなんし!!

17 19/02/10(日)21:37:48 No.568524869

ナイスアシストさくらはん!サキはん!

18 19/02/10(日)21:38:05 No.568524960

はーわっちこれすき!!

19 19/02/10(日)21:43:34 No.568526789

「」さお!待っとらすよ!

20 19/02/10(日)21:43:43 No.568526838

わっち!形から入って本気になりなんし!

21 19/02/10(日)21:59:30 No.568531758

su2882127.jpg こんな顔しなんし!!!

22 19/02/10(日)22:16:54 No.568537585

最近幸ゆう怪文書専門作家はんの姿が見えないでありんすなあ…

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