虹裏img歴史資料館

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19/02/02(土)23:49:53 「雷お... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1549118993647.png 19/02/02(土)23:49:53 No.566614784

「雷お姉ちゃん?見に来てくれたんだ!」 大会もとうとう大詰めの決勝。私は、ケイに引きずり出されて観戦に来ていた。 ついでに、みほちゃんに発破をかけていこうということになり、大洗の待機所を訪れたのだ。 「ま、折角だし顔でも見ておこうかなって」 「ライってばミホに会いたいって言ってたのよ」 「…っとにケイあんたねえ……」 みほちゃんが、真っ直ぐにこちらを見つめる。 …照れくさいじゃないか。

1 19/02/02(土)23:50:46 No.566615046

「あー…みほちゃん、ここまで本当によく戦った。正直さ、決勝まで来るって思わなかったよ、私」 みほちゃんは、黙って私の言葉を聞いている。 「……、仲間に恵まれたんだね。みほちゃん」 みほちゃんは、大きく頷いた。 「うん。沙織さんに華さん、優花里さんに麻子さん…大洗の皆とだから、ここまで来れたって思ってる」 「そっか…うん、そう言うと思った」 それと、つくづく良い仲間を得たな、とも。 「みほちゃん、相手は強いよ。でも───今の大洗なら、きっと戦える」 これだけ言って、みほちゃんの頭を撫でる。 下であわあわしてるのがわかるが、気にするか。

2 19/02/02(土)23:51:36 No.566615356

「雷お姉ちゃん」 ひとしきり撫で回し、引き揚げるところを呼び止められた。 「私ね、もう迷わないよ」 力強い言葉だった。 辞めたい、と言ったあの消えそうなロウソクのようだったみほちゃんは、もう影すらも見えなかった。 ああ──これなら大丈夫だ。 安心した私は、返事の代わりに親指を立てて返した。

3 19/02/02(土)23:52:29 No.566615593

私は次に、黒森峰の待機所へ来ていた。 ケイ達は場所取りがあるというので一人だけだ。 近くの黒森峰の生徒へ隊長への取次を頼むと、試合前だからかやたらに渋い顔をされたが、自己紹介と隊長の親類だと告げると、慌てたように走って行った。 なるほど、西住の金看板は効果テキメンらしい。 少し待つと、まほちゃんが姿を見せた。 「雷ちゃん、わざわざ来てくれたのか」 「ケイ達のおまけでね。忙しいとこ悪いけど、ちょっとまほちゃんの顔見たくなって来たのよ」 本当に忙しいなら引き揚げるけど。と言うと、まほちゃんは首を横に振った。 「…時間があるなら、こちらこそ少しいいかな」 私は頷くと、まほちゃんと二人で人ごみを離れた。

4 19/02/02(土)23:53:01 No.566615748

「みほの…大洗の事なんだが」 「負けたら廃校ってやつ?」 まほちゃんは頷いた。こころなしか、表情もいつもより固かった。 「まぁ…それは複雑よねぇ」 まほちゃんとは、大洗の試合がある度にメールをしていたのだが、言葉の端々に妹の成長を喜ぶ様子が伝わってきたものだった。それだけに 「負けたらお仕舞い。全部取り上げ。それは心が痛まないわけ無いわよね」 だから、どう腹を括るか。私なら───

5 19/02/02(土)23:53:29 No.566615938

「ねえ、まほちゃん。もし迷うことがあるなら──仲間の為に戦いなさいな。私はいつもそうしてるから」 仲間の為に戦う。これは指揮官にも、一隊員にも一番大切な──当たり前のことだ。 「日がな厳しい練習にもついて来て、ずっと一緒に戦ってきた仲間──その子達の為に戦うと思えばさ、ほら、踏み出す一歩も軽くなるでしょ」 自分の身体は自分だけのモノじゃないんだしね、と言うと、まほちゃんはクスッと笑った。 「ちょっとーどうして笑うのよ」 「いや、失礼。雷ちゃんは隊員の為に戦うイメージが無かったから」 まったく失礼な話である。そんなのは勝ちに拘ってた昔で卒業しましたとも。

6 19/02/02(土)23:54:02 No.566616125

「──ま、アンタだって言われなくてもわかってるでしょ?言って欲しかっただけでさ」 「ああ。ごめん雷ちゃん。それと…ありがとう」 まほちゃんだって、振り切り方がわからない訳ではない。何と言っても隊長だ。 ただ…今回はコトがコトだ。揺れる部分が出るのも仕方ない。 「…そっか、この為に来てくれたんだ」 「おうともよ。少しは気分軽くしてやろうってね」 私はまほちゃんに手を差し出す。 まほちゃんがその手を握り返す。 「まほちゃん、一つだけ言っとく。本気でぶつかってやりな。半端な加減なんてやるもんじゃない」 負けても、言い訳一つ出来ない方が本来すっきりして良いものだ。半端に燻った情念はロクなことにならないから… 「…うん。そうだな」 互いに手を離して、顔を見合わせる。 いつも通りのまほちゃんだった。 こっちも、これなら大丈夫だろう。

7 19/02/02(土)23:54:46 No.566616280

「雷ちゃん。一ついいかな」 「どしたよ?」 「…今日の試合、最後まで見ていて欲しいんだ」 「当然じゃない。終わるまで帰らないから安心して戦ってきな」 そう返すと、まほちゃんは少し微笑んで待機所へと向かった。

8 19/02/02(土)23:55:18 No.566616460

…… 帰り際にやたら沈んでいる二人組を見つけた。 陰と陽だった。 「なーにしてるのよ。陰、陽」 「ぁ…雷姉さん…」 「雷姉…」 二人は何か神妙な顔でこちらを見てくる…あ、これは… 「ねえ、大洗が負けたら廃校って本当なの?」 「雷姉さん…私、ちょっと心の整理がつきません…」 「あー…うん。アンタ達はそうでしょうとも」 やれやれと頭をかきつつ、もう二人の妹分の悩みを時間いっぱいまで聞いてやることになるのでした… おしまい

9 19/02/02(土)23:57:11 [s] No.566617053

何故か雷姉で久々に何か書いてみたくなったので… su2867290.txt

10 19/02/03(日)00:01:05 No.566618189

サンダー住殿久々に見た

11 19/02/03(日)00:02:14 No.566618517

久々過ぎて設定忘れちゃってるな… そもそもそうカッチリとした設定がある訳では無いのかもしれないけど…

12 19/02/03(日)00:07:09 No.566619898

雷姉さんは怪我で留年しててお姉ちゃんより1歳上でサンダースの2軍隊長で西住の親戚の人

13 19/02/03(日)00:08:22 No.566620244

お姉ちゃんがちょっと甘えられるポジションおいしいな…

14 19/02/03(日)00:10:27 No.566620817

雷ちゃんひさびさだ…

15 19/02/03(日)00:11:49 No.566621219

潤滑剤みたいな立場のお姉ちゃん!

16 19/02/03(日)00:27:55 No.566625837

まほから見てお姉ちゃんっていいよね…

17 19/02/03(日)00:30:21 No.566626535

幼い頃からずっとお姉ちゃんしてたから悩みとかも遠慮なく話せるんだよね…

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