19/02/02(土)23:25:01 su28671... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1549117501426.jpg 19/02/02(土)23:25:01 No.566606704
su2867191.txt 朝の続きでありんす 「ねぇ、今日会うっていう、この前のアイアンフリルの…あれってなんなの?」 あの時のことを思い出す。サガロックの控え室で帰る準備をしていたときだった。あれがきたのは…自らをアイアンフリルのプロデューサーと名乗っていたそいつの背の高さはおおよそ1.9mくらいで服らしきものは纏っておらず、骸骨のような印象を受ける身体に三つの機械眼。私はキモカワマスコットが好きでゲテモノにも耐性があると思っていたがあれは恐ろしかった。純子は一目見て気絶した。 「鋼鉄装衣計画の…いや、お前は気にする必要はないんですけどぉ、交渉はプロデューサーの仕事ですぅ。お前は俺の隣できゃぴきゃぴしてりゃいいんじゃーい、ぼけぇぶっギョォ」
1 19/02/02(土)23:25:14 No.566606755
どこからか取り出してきたのか岩のように硬い本場フランスパンでガツンと殴られる 「言われなくても分かってるわよ。そんなこと…あんたが何を抱えてるかは知らないし、どうでもいい。けど、私達を日本一のアイドルに導いてくれるんでしょ!だったら、いつもみたいに自信をもって踏ん反り返ってなさいよ」 信頼することにした私が馬鹿みたいじゃない…最後に消え入るように呟かれた言葉に頭を殴られたような衝撃を受ける。いや、実際に殴られたし滅茶苦茶、痛い。が、そうだ弱気になっていてどうする巽幸太郎よ。 「今の一撃なかなかのものだった。100サガジェンヌといったところか、目が覚めたぞ」 「それならよかったわ。じゃあ、前見て運転して逆走してるわよ」
2 19/02/02(土)23:25:31 No.566606861
移動中の車内でこれからあの水野愛と会うのかぁなんて思ってると、プロデューサーが自身の手を見つめぼーっとしてることに気づいた。 「どうしたんですか?ボーっとしちゃって」 「…ドロイドは呆けたりなどしない」 「じゃあ、何を考えていたんですか?」 「過去のメモリーを参照していた。わたしがアイドルだったころのことだ」 それを聞いた私は顔を硬直させ驚いた。とにかく滅茶苦茶驚いた。 「えぇーーー、アイドルだったってどういうことですか!?」
3 19/02/02(土)23:25:47 No.566606943
「君には関係のない知っても意味のないことだ。気にしなくていい」 「なんでですか!関係ないなんて、私はあなたのアイドルですよ。教える義務があると思います!」 私がそう直訴すると、プロデューサーは私から顔を前に向け無感情に言った。 「ただの利益を生まない欠陥品の話にすぎない。今のわたしは君たちを日本一のアイドルにするプロデューサーだ。過去に何があったかなどどうでもいい」 こうなったプロデューサーはもう取り合ってくれない…でも、いつか話してくれるよね? 「はい、わかりました…」 「結構。では、今回の会談について説明する、内容はフランシュシュとの――」
4 19/02/02(土)23:26:01 No.566607014
「私はアイドルとして作られました。IFP-00プロトタイプです。踊りますか、それとも歌いましょうか」 最後のチャンスと言われたときが終わってしまった。これで彼女は…俺の手から離れてしまう 「4年かけて作ったものがこれか!歌、踊りが完璧だと?確かにそうだな!だが、こんな能面に客は金を出さん!」 違う…確かに今の彼女には何の魅力もない。でも、心さえ持てたら…なんとかもう少しだけ時間を稼がねば 「彼女には今は心がありません。でも、きっと芽生えるはずです。もう少し待っていただけませんか!」 「申し訳ないがこれ以上は待てない…乾君。私も成果を出すように言われてるのだ」 「所長。私に妙案がありますぞ。これの人工頭脳を流用しプロデューサーとして運用してはいかがかと、プロデューサーであれば人工皮膚も小さくする必要も無くなり機能を上乗せできるようになります。なにより感情が必要ありません」
5 19/02/02(土)23:26:14 No.566607080
「…何を言っているんだ!!彼女はきっかけさえあれば目覚めるはずなんだ!」 「アイアンフリルの人気も落ちてきていたな…アイドルとしては欠陥品だがプロデューサーならまだやれないこともないか…君の案を採用する」 「お願いします、所長。あと少しだけ…!あと少しだけ時間さえあれば……!?」 「乾君…君の才能は買っている。だが、もう時間切れだ」 「人工頭脳の再プログラムをしておけ。…メモリーは触らなくてもいい。プロデューサーとして役に立つかもしれないしな」 それからしばらくして僕はそこを去った。彼女のことはどうにもならなかった。僕は彼女に施された処置がみていられず…逃げ出したのだ。 ―――――変わり果てた彼女と再会は数年後まで待たねばならなかった。
6 19/02/02(土)23:26:29 No.566607146
とある事務所に招集された5人の少女達の前で一体のドロイドが演説していた。 「わたしはIFP-00。君たちのプロデューサーになるものだ。わたしのプラン通りに動けば85.4%の確率で日本一のアイドルになれる」 そう言い切ると5人の少女を三つの機械眼が眺めおもむろに一人の肩に手を置く 「わたしが手にしたデータを基に計算すると君にはリーダーの才能がある。詩織、今日から君がリーダーだ」 「…はい?」 「ふむ、これは興味深い。人間は人より上の地位に立つと喜ぶはずなのだが、君は喜ばないのだな」 突然集められ、わけのわからないことを言われ、リーダーにされた…周りの子たちはだんだんと状況を飲み込み始め呆れと同情の視線を送ってくる。 これが私たちの出会いであり、私たちのアイアンフリルの始まりにして、私が被害担当になった瞬間であった
7 19/02/02(土)23:27:05 [sage] No.566607325
おしまい
8 19/02/02(土)23:36:53 No.566610468
朝の読んでなかったありがたい
9 19/02/02(土)23:37:34 No.566610669
鋼鉄装衣でありんす!
10 19/02/02(土)23:38:05 No.566610829
アンドロイドアイドルの流れがキテル…
11 19/02/02(土)23:38:21 No.566610926
ロボ巽…
12 19/02/02(土)23:43:50 No.566612725
乾くんなにやってんの…