19/01/25(金)19:27:27 「リペ... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1548412047919.jpg 19/01/25(金)19:27:27 No.564595635
「リペンタンス・フォークロア」
1 19/01/25(金)19:27:41 No.564595706
ネオサイタマ某所のカブキドージョー…そこには向かい合ってザゼンする男が二人。初老の男と、まだ若い男。 「そろそろ…お前にすべてを伝えねばならん」初老の男が言う。その目がまっすぐに目の前の男を見つめる。 「覚悟は出来ております」深く頷く。「どのような犠牲を払っても…私松本ソメゴロはコウライ・カブキを伝承してみせます」 そう。ここにいる男たちは二人ともカブキアクターであり…親子であり…師弟であった。老いた師の名は松本コーシロ、若い弟子の名は松本ソメゴロといった。 「…そうか…」コーシロは俯き、黙った。鉛のように重い時間が流れる。 「父上!」ソメゴロが強い語勢で言う。「この前からずっとそうやって何かを隠しているようですが…言ったはずです。私はどのような犠牲を払っても、コウライ・カブキを伝承すると!」 「そうだ。だからこそ話さねばならぬ!…ならぬのだ…」コーシロはソメゴロの目を見…また目を逸らした。 「ソメゴロよ…少し飲まんか」
2 19/01/25(金)19:28:01 No.564595790
ーーーーーーーー 二人は黙ってサケを酌み交わした。…酔えなかった。ソメゴロは父のことが気になるのか、コーシロも秘密が胸につかえ、飲み下したサケをせき止めていた。 突如としてコーシロが口を開いた。 「何も父親らしいことをしてやれなかった…すまないな、ソメゴロよ」コーシロはオチョコのサケを一気にあおった。 ソメゴロはコーシロにサケをついだ…「お前にカブキの道を強制させてしまったかもしれない…私はお前が立派なカブキアクターになってくれて嬉しいが…お前はそうではなかったかもしれぬ」 「いいえ…父上、私にとって父上はカブキの師であり、偉大な父です。…天涯孤独のこの私を拾い上げ…息子として育てて下さった。その事に感謝はあれど…恨むことなど」 二人は親子だ。だが実の親子ではないのだ。そこにわだかまりが無いと言えば嘘になる。二人はそれをごまかしていたのかもしれない…師弟関係を強く持つことで。渇いた空しさが無い訳ではないが…互いにそれにはとうに慣れきっていた。 しばし静寂が流れた。そして…コーシロが重い口を開いた。
3 19/01/25(金)19:28:22 No.564595879
「『蛭巣』という存在について知っているか」コーシロはソメゴロを見つめた。手に力がこもり瞳孔が開いた。その手には汗が滲んでいる。 ソメゴロは呆気にとられて答える。 「…え、ええ…カブキ伝書に記述がありますね…その昔カブキは武術であり、カブキを修めるニンジャやモータルはその力を用いて人々の生き血を啜る悪鬼達『蛭巣』と闘った、という説話の中に…この説話には様々な解釈がありますが、私の意見としましてはー」 「解釈などない」コーシロは言葉を遮った。「『蛭巣』は実在する…今もなお」コーシロの形相はますます迫力を増していく。 「え…」ソメゴロはなおぽかんと口を開けている。 「…頼む…ついてきてくれ」コーシロはつがれたサケをそのままに、ドージョーの倉へと歩いていく…
4 19/01/25(金)19:29:11 No.564596070
ーーーーーーーー 倉が…カブキの秘伝があるとして、ソメゴロが入室を固く禁じられていたその扉が開く。彼はこれまで、その中にあるカブキ秘伝書について思いを馳せてきたが…その中にあるものは伝書とは違った。それは… 「これは…カタナ…クナイ…フックロープ…」 壁一面に武器が並ぶ。カブキ訓練で使う模造品とも…ましてや美術品として作られたものとも違う。紛れもなくそれは血肉を貫き、傷つけてきたアトモスフィアを放っていた。 「コウライ・カブキを伝承するものは『蛭巣』を狩らねばならぬ…」コーシロは呟くように言った。 「それを私に黙っていたのですか」ソメゴロは呟く。「確かに多少血腥い副業に思えます。ですが…」 「『蛭巣』は獣などではない。ましてや悪鬼でもない…それならどれだけ良かったか。ある一定に分類出来るソウルを持つ…紛れもない人間でありニンジャだ」
5 19/01/25(金)19:29:35 No.564596150
ソメゴロは絶句した。頭の中に様々な考えが流れてきた。ソウル?人間…ニンジャ?カブキ伝書の中の存在としか思えない。何をそんなに真剣になっている?いや…これらの武器は間違いなく血肉を斬ってきたものだ。まさか自分の父はカブキ鍛錬に打ち込むうちに正気を失い、無辜の人々を傷つける殺人者と化してしまったのか? 「あの…父上」 「すまぬ!」コーシロは両手を指が突き抜けるほど強く握り締めた。「すまぬ…すまぬ。お前が継ぐのが、コウライ・カブキでなかったならば」目から涙が溢れる。 「私は…お前を殺人者にするために息子にしたのではない…なかったはずなのだ」 「父上…?父上!大丈夫ですか!今日はもうお休みに」 「私は殺し続けた…悪鬼を…いや…人間を…」 「父上…」
6 19/01/25(金)19:29:48 No.564596196
理解が追いつかなかった。…だが一つだけ分かることがあった。父は何らかの理由で殺人者の咎を背負い…それをずっと自分に隠してきたのだと。 「父上…大丈夫ですよ」 ソメゴロは感情に導かれるままにコーシロの手を握り締めた。 「例えどんな罪があったとしても…私の父上は偉大で尊敬すべき師であり…父であることに一点の迷いもありません」 なぜそうしたのか分からなかった。そしてなぜか喜びと安堵がこみ上げてきた。もしかすると自分を拾い上げ育ててくれた父の罪を知り赦すことで父を救えれば、自分たちは本当の親子になれるかもしれない。…そう思ったのかもしれなかった。 「…息子よ…」 コーシロが顔を上げ…安堵の表情を見せ…微笑み… …KABKOOOOOOOM!
7 19/01/25(金)19:30:48 No.564596418
ーーーーーーーー 「ハァーッ!ハァーッ!」 ソメゴロは…いやコーシロは飛び起きた。 「ハァーッ!…ハァーッ!」 昔の夢を見ていた。その先を知りたいと強く願いながらも、二度と反芻したくないと拒絶した夢を。 コウライ・ニンジャが彼に…九代目松本コーシロに憑依した、あの日のことを。 「ハァーッ!…フゥーッ…」 彼はニンジャピルを飲み下す。動悸がいくらか落ち着く。 彼はふと息子のことが…ソメゴロのことが気になった。ソメゴロは息子であり大切な仲間だ。…だが二人をつなぎ止めているのは親子の情か、師弟の義か、それとも…かの悪鬼への憎悪か。 幾度と無く繰り返した問いがまたニューロンの底から汚泥めいてせり上がってきた。コーシロはそれを治めんと、長い長いカブキ呼吸を繰り返した。 (※カブキスレイヤーはフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がありません)
8 19/01/25(金)19:34:59 No.564597331
前日譚きたな…
9 19/01/25(金)19:35:50 No.564597516
一言のケオりもない…
10 19/01/25(金)19:39:36 No.564598365
>彼はニンジャピルを飲み下す。 一瞬何事かと思った
11 19/01/25(金)19:42:14 No.564598913
◆先日四人目のカブキスレイヤースク執筆者が出現した。これは非常に喜ばしいことであり、これをみているあなたも是非PCやスマッホンで執筆しよう◆
12 19/01/25(金)19:44:15 No.564599373
◆あと初代=サンによるカブキスレイヤーTRPGは是非やってみたいが、メンバーがいないのである!◆
13 19/01/25(金)19:45:14 No.564599616
4人で囲んでリプレイを書けばいいのでは?
14 19/01/25(金)19:49:07 No.564600494
四人目の執筆者=サンオメデトゴザイマス!幸せです!
15 19/01/25(金)19:53:09 No.564601416
コウライヤ!
16 19/01/25(金)19:54:55 No.564601812
ワザマエ!
17 19/01/25(金)20:03:44 No.564603945
何故こんなネットの辺境にカブキと忍殺を組み合わせた2次創作の執筆者が4人も存在してしまうのか?これは暗黒メガコーポによる何かの陰謀ではないのか?「」ブは訝しんだ
18 19/01/25(金)20:04:41 No.564604195
1年でカブキスレイヤーの執筆者が4倍になったのか…
19 19/01/25(金)20:08:35 No.564605245
すみません私はフランスから来たカブキスレイヤー初心者なのですがこちらの作品群をまとめた保管庫とかないのでしょうか助けて欲しいのですが
20 19/01/25(金)20:10:57 [s] No.564605887
>すみません私はフランスから来たカブキスレイヤー初心者なのですがこちらの作品群をまとめた保管庫とかないのでしょうか助けて欲しいのですが やかましい 自分の書いたぶんに関してはこれを見ろsu2850343.txt ドーゾ
21 19/01/25(金)20:11:54 No.564606170
これはもう執筆チームが結成されるのでは?
22 19/01/25(金)20:12:18 No.564606283
一応人間だとは思ってたのか…
23 19/01/25(金)20:12:45 No.564606416
シヨン制作が待たれる
24 19/01/25(金)20:13:21 No.564606577
先代に何があったの…
25 19/01/25(金)20:15:17 No.564607090
決断的そうだねだ!
26 19/01/25(金)20:16:25 No.564607392
カブキスレイヤーが父親の顔をしている…
27 19/01/25(金)20:17:14 No.564607637
>先代に何があったの… 恐らく夢が終わる瞬間で死んでるよね
28 19/01/25(金)20:18:24 No.564607915
六方まであと2人…
29 19/01/25(金)20:20:13 No.564608484
年末年始はニンジャの犠牲者が増える傾向にありますね
30 19/01/25(金)20:24:21 No.564609752
六方が揃うとどうなる?