19/01/24(木)22:03:04 紺野純... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1548334984417.jpg 19/01/24(木)22:03:04 No.564418351
紺野純子は暖かい日差しを浴びながら、小さなメモ張にペンを走らせていた。 書き記しているのは、巽幸太郎からのラブソング作詞の課題である。場所にベランダを選んでいるのは、暖かくてぽかぽかするといい詩が浮かぶような気がするからだ。 「やっとるようだな純子」 「あ...巽さん、お疲れ様です」 声をかけながら歩いてきた幸太郎に、純子はメモ張に落としていた顔を上げた。 「どうじゃい、形にはなりそうか？」 「最初のサビくらいまでは何とか...」 「ん、ちょっくら見せてもらおうか」 「はい。...あ、ここどうぞ」 メモ帳を渡した純子は、自分が座っていた位置から体をずらして、幸太郎が座る場所を空けた。 そこに幸太郎は「おう、すまんな」と言いながら腰を下ろす。 サングラス越しの真剣な眼差しで、幸太郎は純子の詩に目を通している。 その真剣な横顔を、隣にいる純子は熱っぽい眼差しで見つめているのだった。
1 19/01/24(木)22:03:34 No.564418519
詩を読み終えた幸太郎は、メモ張から顔を上げて純子に視線を向ける。 「ふむ・・・やはりというか何というか・・・重いな、歌詞が」 「す...すみません...」 「責めとるわけじゃないわい。純子が生きとった頃は何というか、燃え上がるような恋、みたいな熱の強い歌や純粋で一途な愛、みたいなのを歌ったのが多かったからのう。純子の書く歌もそれに近い。前にも言ったが、それは弱点ではなく個性だ」 もちろん忘れてなどいないし、純子ははっきり覚えている。あの日の幸太郎の言葉を、一言一句。 （...こういうのが重いと言うことなんでしょうかね？） 自問自答し、純子は思わず小さく笑う。 幸太郎はその表情に気づいたが、理由がわからず首を傾げた。
2 19/01/24(木)22:04:01 No.564418663
「ともかく、純子の歌詞自体は『愛する人と一緒に居たい』というものだから、言い回しである程度変えられそうな気もするな」 「それは...どのような感じでしょうか」 「例えばこの『どうか居させてくださいな』という部分だ。このままだと男に縋りつくような印象だが『いつも一緒にいようね』とするとどうだ？ なんか和やかな感じになるじゃろ」 「あ...本当ですね」 純子は、ポケットから取り出した歌詞用とは違う自分用メモに幸太郎の言葉を書き連ねていく。 話しながら幸太郎はそのメモの存在に気付いた。そしてふと、ゆうぎりが持っていた『ドキドキ恋愛マニュアル』なるメモの存在を思い出す。あれは純子からもらった、とゆうぎりは言っていた。 （あれも、もしかしたら純子が手書きしとったんかのう・・・） そんなことを思い出しているうちにふと興味が湧き、メモの内容をちらっと覗いてみた。
3 19/01/24(木)22:04:26 No.564418799
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 巽さんの感想 ●テーマ 問題なし。うれしい！ ●歌詞 重いと言われた。。。でもそれも個性だって！ がんばる！ 言葉で印象を変えてみるのが大切！ ・例：「どうか居させてくださいな」→「いつも一緒にいようね」 ●大事なこと 「和やかさ」「穏やかさ」 聞いた人が気持ちよくなる感じ。。。？ むずかしい。。。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
4 19/01/24(木)22:04:56 No.564418971
自分が手にしている歌詞と同じ丸っこい文字で、純子はメモを続けている。 『真面目な子だ』と思いつつも、純子のその様子がエサ残さず頬張る小動物のようにも思えて、幸太郎はなんだか幸せな気持ちでその姿を見ていた。 しばらく書き記すことに没頭していた純子だったが、幸太郎の会話が途切れたのに気付いて顔を上げる。彼の視線が自分のメモに向いていると気付いた瞬間、かぁっと顔を赤くした。 「た、巽さん！？ こ、こっちは見ちゃダメですよ！」 「ははは、すまんのう」 純子は少し頬を膨らませながら、幸太郎の視界からそのメモを遠ざける。 「さて、話を続けるか。で、こっちの歌詞なんだが・・・」 幸太郎がまた歌詞の内容について話し始め、合間合間に質問を挟みながら純子はメモを取っていく。 ベンチに座る二人の間には、体一つ分ほどの間しか空いていない。 手を伸ばせば届く距離。でも埋めるにはとても勇気のいる長い距離。 ふっと力を抜いて体を倒せば。純子はそんな想像を頭の隅で抱えながら、純子は無意識に体を左右に小さくゆすっていた。
5 19/01/24(木)22:06:28 No.564419550
「...あっ！？」 ふと気を抜いた瞬間、揺れていた純子の体がバランスを崩す。座っていた体勢を保てなくなり、彼女の体は幸太郎にもたれかかる様にして止まった。 「す、すみません巽さん！ ちょっとボーっとしてしまって...」 すぐに体を離して謝罪する純子。その頬が赤いのは羞恥だけではなかった。 幸太郎は慌てる純子に対して、冷静に対応する。 「もしかして体調が優れないのか？ なら休んでおいたほうがいい。アイドルは体が資本だからな」 「いえ、大丈夫...大丈夫です...」 「そうか・・・？ なら続けるが・・・無理はするなよ」 そう純子に告げて、幸太郎は話を続ける。純子は息を整えながら集中しなければ、と気を引き締めた。 引き締めたのだが、彼女の頭に一つの考えが過ぎる。これはきっと悪巧みだ。でも――
6 19/01/24(木)22:06:53 No.564419668
純子は、自分の体を幸太郎の方へ体半分ほど動かし、彼の肩に体を預けた。 再びの感覚に、幸太郎はもう一度純子を見る。 「あの...やっぱり少しだけ疲れていますから...このままで居ていいですか...？」 彼女は消え入りそうな声でそう言う。幸太郎からは見えなかったが、彼女の顔は期待と不安が同席して赤く染まっていた。 ぽん、と幸太郎の手が純子の頭を優しく撫でた。 「ああ、そのままでいい」 それだけを言うと、幸太郎は何事も無かったように話を続ける。純子はほっと息を吐き、ペンを走らせ始めた。
7 19/01/24(木)22:07:26 No.564419874
幸太郎に体を預けたまま、純子は思った。まるで今の私は、自分の詩のようだ。 『どうか隣に居させてくださいな』 そう思いながら、彼女は自分のメモを見て「違う」と考えを改める。 『ずっと一緒に居たいです』 やっぱり、こっちの方がいいですね。 幸太郎のかすかな体温を感じながら、純子はそう思うのだった。
8 19/01/24(木)22:09:45 No.564420657
このキノコ卑ーらしかすぎる…
9 19/01/24(木)22:10:12 No.564420807
やーらしか！
10 19/01/24(木)22:11:36 No.564421289
卑しさと可愛さと強かさを兼ね備えた純子は強い
11 19/01/24(木)22:13:43 No.564421992
はいお前可愛い
12 19/01/24(木)22:13:56 No.564422084
純子は卑しいなぁ
13 19/01/24(木)22:14:00 No.564422115
よか…めっちゃいい…
14 19/01/24(木)22:16:42 No.564423020
昭和は重すぎてストーカーチックな歌詞多いよね
15 19/01/24(木)22:17:38 No.564423328
ラブソングシリーズ好き…
16 19/01/24(木)22:20:41 No.564424317
昭和は重たいと言うより一途なんだ
17 19/01/24(木)22:21:14 No.564424482
ものは言い様すぎる…
18 19/01/24(木)22:23:12 No.564425187
ああ確かに病で調子が悪そうだ
19 19/01/24(木)22:23:18 No.564425220
メモもやーらしかだな…
20 19/01/24(木)22:28:27 No.564427104
わっちこれ好き！！！（ﾊﾞｱｧﾝ
21 19/01/24(木)22:32:18 No.564428515
わっちも！
22 19/01/24(木)22:32:22 No.564428535
昭和の女されど縋りつくよりお願いしたいお年頃
23 19/01/24(木)22:33:22 No.564428881
昭和の女よかよ…
24 19/01/24(木)22:34:39 No.564429361
純子はんは芯が強いでありんすから…
25 19/01/24(木)22:34:44 No.564429391
チューしなんし！
26 19/01/24(木)22:35:34 No.564429691
ちょっとずるいことしちゃう女の子って感じで実に大好きです
27 19/01/24(木)22:39:47 No.564431187
メモかわいい
28 19/01/24(木)22:40:48 No.564431535
このそっと寄り添うような距離感好き
29 19/01/24(木)22:41:59 No.564431942
>重いと言われた。。。でもそれも個性だって！ がんばる！ かわいいすぎる…
30 19/01/24(木)22:43:42 No.564432537
やーらしか！やーらしか！
31 19/01/24(木)22:46:44 No.564433616
メモの内容が19歳のそれとは思えないなこのやーらしかゾンビ
32 19/01/24(木)22:52:10 No.564435363
わっちこういうエモいの好きでありんす！
33 19/01/24(木)22:55:50 No.564436529
いやらしきのこめ