虹裏img歴史資料館

1 19/01/23(水)12:05:40 No.564080836

「忘れ物なかと？」 大家のバァさんがアタシに確認を促す忘れたいものの方が多いといったら笑われた 思えばこのババァともケンカばかりしていたそれも今日で最後だ そしてここから持っていく思い出は無い 「毎日怒号が上がるわ救急車や警察が来るわ旦那と別れたと思ったら若い男連れ込んで盛った猫みたいな声上げるわ最悪の住居人だったばいあんた」 このバァさんはアタシの経歴を大体把握しているある意味では付き合いの長い間柄だった 「アタシも年だし息子共もここを売って金にしたいらしか、ジィさんとやってきたけど先に逝かれちまった」 これも時代かねぇとため息から彼女から名残惜しさをアタシは感じた 「じゃ部屋に残ってるものは全部処分しちまうよ」 「頼む…いやお願いします」

2 19/01/23(水)12:05:55 No.564080866

ぺこりと頭を下げババァぎょっと驚いた後愉快に笑った 「随分と礼儀正しくなっとーと？今の男の影響とかい？」 図星を指されアタシは顔が真っ赤になるいそれを見てさらに笑うババァに腹が立ってきた 「よか男ばいアンタにはもったいなか位やけんどがんばんな」 「お世話になりました」 むず痒かねと背中を見せ帰っていった去り際にバァさんはこっちを見ずに手を振っていた

3 19/01/23(水)12:06:09 No.564080888

「サキさん荷物これだけですか？」 居候先で荷物を確認している彼は作業服に着替て引っ越しの手伝いに気合いを入れていたようだが 「これだけばい他はあそこに置いてきたと」 余りにも荷物の少なさに驚いた家具や食器電化製品も全然なかったのだ いくら狭いアパートとはいえどいざ引っ越しをすると荷物の多さに気付く 今回のサキのあまりの身軽さに戸惑う 男は何回もアパートに遊びに来ているから家財道具や家電も把握している 知ったうえで荷物の少なさに驚きを隠せなかった

4 19/01/23(水)12:06:42 No.564080966

「今日からお世話になります」 アタシは正座して深々と頭を下げた彼は慌てふためいとる相変わらずやーらしか男ばい 「よかですよそこまで気を使わなくても殊勝なサキさんは違和感しかないですよ」 「なんてか？ぶっころすぞ」 おお怖い怖いとお茶入れようと彼は席を立とうとして遮った 「よかよアタシん方が居候やけん、アタシに言えばよかと家事とか出来ることは何でもするけん」 彼は納得いかないようだったがこれ以上彼の好意にばかり甘えられない 「何でんしてやるけんね、アンタの趣味に全部…合わせちゃるけん」 とアタシは言い切って何口走ってるんだと言葉の意味を考えないしたら顔が真っ赤になった 彼の方をちらりと見ると彼も一緒だったやることはヤルのに初心さは何故かお互い抜けない 「お願いします…」 と彼は消えいるような声で呟いたがアタシには充分聞こえていたこんスケベ 捨てると言っておきながら彼が気に入ってくれた下着はちゃっかり持ってきているアタシもだが

5 19/01/23(水)12:06:57 No.564081006

こうして彼との居候という名目の同棲生活がはじまった 今までと違って四六時中顔を合わせるとなると勝手が違ってくる 普段見せない顔や態度をお互いに見るようになる だがアタシと彼は不思議とお互い自然に受け入れられた 朝はアタシが作った朝食を食べる二人で洗濯物を干し彼と一緒に仕事に出る 昼はお互い仕事で夕方にアタシが先に帰ってきて夕食の準備をする 一応無駄にならないよう事前に電話で確認をしておく そして休みの日は二人で外出する、映画ショッピング食事 どれもこれも所謂普通の過ごし方と言う奴 だけどアタシには全てが新鮮な体験だった

6 19/01/23(水)12:08:32 No.564081253

後編の1でありんす、思ってた以上に文章量が多くなったので 分割で投げるでありんす、もう少しだけ長文に付き合って下さんし

7 19/01/23(水)12:08:57 No.564081319

どんどん出しなんし！！！

8 19/01/23(水)12:11:15 No.564081686

DVサキはん…

9 19/01/23(水)12:13:49 No.564082133

幸せになってほしいでありんす…

10 19/01/23(水)12:16:26 No.564082604

この大家さんが救急車呼んでくれたのかな…

11 19/01/23(水)12:19:00 No.564083083

スレ画が毎回変わるから気付きにくいでありんす！！ それはそれとして楽しみにしているでありんすよ

12 19/01/23(水)12:21:56 No.564083672

せっかくの怪文書なんだし句読点使ってもよかとぞ

13 19/01/23(水)12:22:44 No.564083824

わっち正直合うスレ画が思いつかない花魁

14 19/01/23(水)12:23:07 No.564083902

まあスレ画の問題はほっとくでありんす

15 19/01/23(水)12:24:10 No.564084112

>「何でんしてやるけんね、アンタの趣味に全部…合わせちゃるけん」 これ前の旦那にも言ったんだろうなって

16 19/01/23(水)12:25:57 No.564084476

大家さんからしたら完全に騙されてないかそれとしか思えない状況だな…知ったことではないが

17 19/01/23(水)12:26:11 No.564084523

この設定本当に好き

18 19/01/23(水)12:50:36 No.564089270

DVサキちゃんはもっと幸せになっていい

19 19/01/23(水)12:54:09 No.564089879

熟女サキちゃんは昔と身長やスリーサイズどれくらい変わってるんだろう

20 19/01/23(水)12:56:00 No.564090186

寂しいバツイチをターゲットにして体で落として身一つで引っ張っていって退路を塞ぐ恐るべき邪悪なるワカモノ…

21 19/01/23(水)12:57:42 No.564090454

思えばアタシのこれまでの人生は捨ててばかりの人生だった気がする。 平凡な学生生活。レディースのチーム。普通の家庭。 ガキの頃あれほど夢中になっていたバイクだってもう10年以上触ってもいない。 そして今、幸せな家庭を夢見た住まいすらなくなってしまった。 アタシには本当にもう何もない。ただの四十路を控えた中年女だ。 アタシはポケットからタバコを取り出すと、それに火をつけて深々と吸い込んだ。 「マズかねー…」 毒の煙を水平線に向かって吐き出す。 旦那の影響で始めたコレをうまいと思ったことは一度もない。それでも手放せないアタシはバカな女なんだろう。 こんなアタシを、あの男は必要としてくれているのだ。たぶん、今は。 本気で愛されているとは思ってない。さすがにそこまで頭沸いとらん。 いつか彼にとって本当に良い人が出来るまでの代理でしかない。それは、よくわかってる。 「へっ上等ばい」 ならせめて、その代理を精一杯務めるのが四十路女の意地と根性だ。 アタシはタバコを箱ごと握りつぶすと、手近のゴミ箱に放り投げた。

22 19/01/23(水)12:59:50 No.564090834

巽とは干支一回り分年の差があるんだっけ

23 19/01/23(水)13:00:42 No.564091002

あっ100点です

24 19/01/23(水)13:04:29 No.564091541

切ない…

25 19/01/23(水)13:07:59 No.564092045

あーだめだめ 持っとる男を舐め過ぎです まあ実際に体中舐めまくっとるけん今更か

26 19/01/23(水)13:09:31 No.564092258

もう一人降りてきたぞ！