虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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19/01/05(土)01:50:27 いけな... のスレッド詳細

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19/01/05(土)01:50:27 No.559723341

いけないことは、止めなければならない。 教えてくれるものは、そうして教えてくれた。 だから、もう止めよう。 いつものように訳の解らない行動を終え水を浴び、皆が寝床についている。 「あおん?」 隣に座るよく吼えるものがこちらを見つめ首をかしげた。 こちらも見つめ返す。しばらくそうしていると、この行為に飽きたのか離れて行った。 それきり、よく吼えるものは丸くなり小さな呼吸をさせ寝始める。 「あ゛ぁ゛……」 これでいい。寝床にいなければ小さいものは何もしないだろう。

1 19/01/05(土)01:51:37 No.559723511

黒い空に浮かぶ丸い明りが辺りを照らす。 「ふぁ゛…」 そろそろ寝よう。ここでよく吼えるものと同じように丸くなっていれば、また青い空になる。 「たえちゃん…」 突然の小さい声。その声に胸が痛む。 なぜ。なぜ小さいものがここにいる。どうすればいい。なぜ… 「たえちゃん、隣に座るね…」 無言のまま応えずにいると小さいものが隣にやってきた。 「………」 「………」 何も言えない。小さいものも何も言わない。ただ丸い明りに照らされている。 何かを言わなければ。その想いが胸の痛みを強くする。

2 19/01/05(土)01:52:38 No.559723665

「ごめんね…」 小さいものがそう言った。 『ごめんね…』 それはどういう意味だ。それはいったいなんだ。それは… 「ごめんね、たえちゃん…」 頭が考えについていけずにいると、小さいものがさらに続ける。 「たえちゃんはマミィじゃない。そんなこと解ってるのに、リリィは甘えちゃった。それに…あんな…こと……」 膝を抱えたまま、小さく、小さい声で、小さいものが、また、 「だから…たえちゃん……ごめ……」 『ごめんね…』を言う前に抱きしめた。 「んぅ……たえちゃん……うぅ……」 胸の中で静かに泣いている。それを優しく抱きしめる。 「う゛う゛ん゛……」 精一杯の声でその涙に応える。

3 19/01/05(土)01:53:47 No.559723815

どのくらいそうしていただろう。小さいものが胸から離れた。 「たえちゃん、リリィはもう大丈夫だよ。だから、これからはいつも通りの星川リリィだよ!」 そう言っていつもの笑顔をしてくれる。だから、私も、 「あ゛う゛」 そう言ってから、小さいものをもう一度抱きしめ、頭に噛み付いた。 「たえちゃん、痛いってば!」 「あ゛あ゛」 黒い空に浮かぶ丸い明りが私達をを照らし、いつの間にか胸の痛みが消えていた。 『もう大丈夫』小さいものはそう言った。私もそうだろう。 だから、もう解らないことはないはずだ。

4 19/01/05(土)01:54:44 No.559723962

月明りに照らされた二つの人影が楽しげに揺れている。 「一時はどうなるかと思いんしたが……」 館の片隅で、小さな安堵の吐息が夜の静寂に消えていった。

5 19/01/05(土)01:57:13 No.559724370

あの…さらっと闇の深い話が出た気がしたんですが…

6 19/01/05(土)01:58:40 No.559724609

破滅は回避されたか…その流れも見てみたかったけど

7 19/01/05(土)02:03:04 No.559725234

いざとなったら動くつもりだったのか姐さん…

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