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18/12/30(日)20:19:20 ある日... のスレッド詳細

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18/12/30(日)20:19:20 No.558255071

ある日のこと。 「幸太郎さん、お茶淹れてきました!一息入れませんか?」 さくらは巽の部屋をノックをするが返事はない。しかし、ドアの上の窓からは光が漏れている。 (この窓なんのために付いとるとやろ…。廊下側やけん明り取りにならんし…) どうでもいい疑問を頭から追い出すためプルプルと頭を振って、ドアノブに手をかける。 「幸太郎さん、寝とるとですか?」 「む!むぐぐ~!…ゴクン。なに勝手に入ってきとんじゃい!」 口に含んでいた何かを飲み込んで、巽が怒鳴る。 「あー!ひとりでなんか食べよるとですか!?ずるい!」 テーブルの上には、日本酒の酒瓶と『がん漬け』が盛られた皿。 『がん漬け』とは有明海沿岸の郷土料理で、干潟に棲む小型のカニを砕き、 唐辛子などの調味料とともに発酵させた塩辛の一種である。 「ずるくないわい、営業先からの頂き物じゃい」 巽が手酌で酒を注ごうとするので、さくらはお茶の置かれた盆をテーブルに置き、代わって酌をした。

1 18/12/30(日)20:20:17 No.558255352

「美味しかですよね、がん漬け」 巽の隣に腰掛けたさくらは、皿の上のがん漬けにキラキラと目を輝かせる。 「なんじゃい、お前食ったことあるんかい」 「親戚のおじさんがたまに家に持ってきてくれたんです。白いご飯にがばい合いますよね」 うっとりと、夢見るようにがん漬を見つめるさくら。 「…やらんぞ」 「…ケチ」 「ケチじゃないですぅ~!お前だけに食べさせたら贔屓やけん俺は、俺は断腸の思いで…」 巽は拳を握り、悲痛な決断を迫られたかのような表情を見せつつ、がん漬けをつまんで自らの口に運ぶ。 「うまい」 さくらはそんな巽を非難がましい目で見つめながら、頬をふくらませる。 「なに?どしたの?ハリセンボン?ハリセンボンのマネ?」 「なんでもなかです」 「そう拗ねるなさくら。ほれ、ひとくちやるけん」 さくらの顔がパァッと輝く。

2 18/12/30(日)20:20:53 No.558255525

目をつぶり、口を開けて待ち構えるさくら。 「いや、誰も食べさせるとは言うとらんぞ。自分でとらんかい」 巽が淡々と言うと、さくらは顔から火が吹き出すほどに赤くなった。 「え!?やだ、は、恥ずかしか…」 「もぉ~さくらちゃんはこどもでちゅね~。はい、あ~んしまちょおね~」 「だ、大丈夫ですよ!自分で食べられます!」 「あ~ん」 「自分で食べますって!」 「口を開けろ、さくら」 突然優しい声で言われたさくらは、おずおずと口を開ける。 「むぐ」 砕かれたカニの殻をプチプチと噛む。ピリッとした辛さと塩辛さ、少しの苦味が口いっぱいに広がる。 「おいし…」 「そうじゃろそうじゃろ」 巽はうんうんと頷く。

3 18/12/30(日)20:21:18 No.558255644

「もう一口どうだ?さくら」 またも優しい声で巽がささやく。さくらは頬を染めながら大人しく口を開ける。 「なんじゃいなんじゃい、真っ赤じゃのぉ。まださっきの勘違いを引きずっとるんか?」 「違います!」 「なら、俺のイケボにドキドキしたんか?」 「はい」 「え?あ…、え?」 うっかり本音を漏らしたさくらも、予想外の答が返ってきた巽も、赤面したまま動きを止めた。 「わ、わたし喉渇いたけんお茶いただきますね!」 「お、おう!飲め飲め!じゃんじゃん飲まんかい!」 さくらはお茶をゴクゴク流し込むと、そそくさと立ち上がる。 「じゃ、じゃあわたし片付けしますけん、幸太郎さんもあまり飲みすぎんでくださいね!」 「お、おう」 「おやすみなさい!」 足早に立ち去るさくらを見送ると、巽は今夜のことを酒で流し込もうともう一杯コップに酒を注いだ。

4 18/12/30(日)20:22:38 No.558256075

別のある日のこと。 さくらはノックもせずに巽の部屋のドアを開けた。 「おわぁ!なんじゃい!ノックくらいせんかい!」 「はいはい、ゴメンナサイ」 『反省する気はありません』という意思を明確にのせて、さくらは形だけの謝罪をする。 「…また、お酒飲んどるんですか?幸太郎さん」 「悪いか」 「いえ。わたしには関係ありませんし」 「…週に2,3回飲んどるだけじゃい」 「どうでもいいです」 ちゃんと答えんと拗ねるくせに、と喉元まで出かかった言葉を巽は飲み込む。 「今日の肴はずいぶん侘しいんですね」 テーブルに置かれたスルメを見てさくらが呟く。 「…やらんぞ」 「…ケチ」

5 18/12/30(日)20:23:13 No.558256221

「ケチじゃないですぅ~!毎度毎度おまえにばっか食べさせとったら」 「要はめんどくさかときのわたしになんてやるもんはなかとってことですよね」 「…んなこと言うとらんじゃろがい」 「いいんです、別に。欲しくありませんし」 スルメをチラチラと見ながらさくらが言う。 渋々巽がスルメの足をちぎると、さくらは目をつぶって口を開ける。 「またそうやって~さくらちゃんはこどもでちゅね~」 「その下り、前もやりましたよね?早くスルメ下さい」 「なんじゃい、結局食いたいんじゃろうが」 巽はさくらのくちにスルメを放り込む。さくらはムグムグと咀嚼した。 「…どうせなんか口に入れとったら黙っとって楽じゃいとか思っとりますよね」 「…おう、そのとおりじゃい。ほれ、もっと食え」 スルメの足をもう一本ちぎり、さくらの口に入れる。

6 18/12/30(日)20:23:25 No.558256281

二段構え!?

7 18/12/30(日)20:23:52 No.558256409

隙がない…

8 18/12/30(日)20:24:00 No.558256457

妙な沈黙のなか、巽は残ったスルメに手を伸ばす。噛み始めてから己の失敗に気付いた。 (しまった、これは最後の一本だ) 案の定、隣でさくらがじっとりとした目で見つめてくる。 「…悪いが、これが最後じゃい」 「そうですか」 言うやいなや、さくらは巽が咥えていたスルメを食いちぎった。 「お前…、さすがにそれは、お前…!」 「言うんやったらハッキリ言って下さい」 「お前今、俺の…」 「最後の一本くらいで別によかやないですか」 「いや、最後とかそうじゃなく…あぁもうええわい!」 さくらは明後日の方向を見ながらスルメを味わっていた。 …巽にはとても見せられない表情をしているのは自覚していた。

9 18/12/30(日)20:24:16 No.558256535

イチャイチャしとるのぉ!

10 18/12/30(日)20:24:29 No.558256598

あっ…しゅき

11 18/12/30(日)20:24:29 No.558256601

「…ふわぁ」 スルメを食べ終えたさくらはわざとらしくあくびをする。 「大口開けてはしたないのぉ」 「誰も見とらんし、よかじゃないですか」 「俺がおるじゃろがい」 「どうでもよかです。そやんかことより、眠いんですけど」 その下り、前もやったよな?と言いたい気持ちをぐっと堪え、巽は咳払いをした。 「奇遇じゃな、俺も眠くて構わん。さて、歯でも磨くか」 巽が立ち上がり、扉へ向かう。さくらが裾をつまんだせいで、巽のジャケットがバサリと落ちる。 「なんじゃい?」 「別に」 「…ほれ、お前も行くぞ。アイドルは歯が命だからな」 さくらの手を強引に掴み、巽は洗面所に向かった。 おしまい

12 18/12/30(日)20:24:34 No.558256621

やーらしか!はいやーらしか!

13 18/12/30(日)20:25:18 No.558256800

闇も光も操るカオスさくらに乾くん勝てるの?

14 18/12/30(日)20:25:25 No.558256842

よか…

15 18/12/30(日)20:25:26 No.558256853

あっあっあっ100点です…

16 18/12/30(日)20:25:41 No.558256950

いちゃいちゃしやがって!!!

17 18/12/30(日)20:25:56 No.558257010

このあと歯磨きも眠るのも手伝わせるんだね…

18 18/12/30(日)20:26:01 No.558257025

なにげに光のさくらはんのイチャイチャは最近貴重で…ありがたい…

19 18/12/30(日)20:26:27 No.558257163

ストレートにやーらしか過ぎる…

20 18/12/30(日)20:27:49 No.558257593

>なにげに光のさくらはんのイチャイチャは最近貴重で…ありがたい… どいつもこいつも幸太郎を曇らせに来やがる!

21 18/12/30(日)20:28:08 No.558257692

もーかわいい…

22 18/12/30(日)20:28:37 No.558257849

がん漬け食べたことないので味は想像です ごめーんちゃい☆ su2796981.txt

23 18/12/30(日)20:28:48 No.558257905

>闇も光も操るカオスさくらに乾くん勝てるの? 10年前のあの瞬間から負けっぱなしだよ

24 18/12/30(日)20:29:24 No.558258080

さくらはんは強いな…

25 18/12/30(日)20:29:33 No.558258132

さくらちゃん二倍いちゃいちゃしてズルくない?

26 18/12/30(日)20:30:03 No.558258275

光が記憶取り戻したことで佐賀ネタで巽と絡めるようになるんだよね

27 18/12/30(日)20:30:16 No.558258335

>10年前のあの瞬間から負けっぱなしだよ 持ってない女の癖に巽にだけは10:0つけてんな…

28 18/12/30(日)20:33:45 No.558259341

だめだ3人とも超かわいい …3人?

29 18/12/30(日)20:36:17 No.558260120

もっと闇さく幸くだち!

30 18/12/30(日)20:37:49 No.558260560

よか… 光闇さくら好き過ぎるのではやく三期まだかな…

31 18/12/30(日)20:38:40 No.558260833

光と闇が合わさり

32 18/12/30(日)20:38:59 No.558260941

不安になった時にかまってほしがる感じが子供っぽくて良いぞ

33 18/12/30(日)20:39:06 No.558260985

持ってない(持ってる)

34 18/12/30(日)20:39:24 No.558261081

廊下側の窓…覗き穴かな?

35 18/12/30(日)20:39:38 No.558261138

光と闇が合わさり…

36 18/12/30(日)20:39:38 No.558261142

絶対歯磨きも幸太郎さん任せじゃん…

37 18/12/30(日)20:41:55 No.558261790

よかったいよかったい まとめもありがたか

38 18/12/30(日)20:41:58 No.558261805

>口を開けろ、さくら そういうとこやぞ

39 18/12/30(日)20:42:47 No.558262052

そうやって甘やかすからー生前に浮いた話何もなかったガールを甘やかすからー

40 18/12/30(日)20:43:03 [sage] No.558262136

>廊下側の窓…覗き穴かな? 本編で巽の部屋確認してたら気になって気になって… よくサキ幸や愛幸でドア半開きで光漏れてる流れあるけどこれ半開きじゃなくても明かり気づかね?って思ったの

41 18/12/30(日)20:43:55 No.558262396

幸太郎はん!!! 闇を抱いて光になりなんし!!!!

42 18/12/30(日)20:44:26 No.558262536

>「なら、俺のイケボにドキドキしたんか?」 >「はい」 >「え?あ…、え?」 >うっかり本音を漏らしたさくらも、予想外の答が返ってきた巽も、赤面したまま動きを止めた。 >「わ、わたし喉渇いたけんお茶いただきますね!」 >「お、おう!飲め飲め!じゃんじゃん飲まんかい!」 >さくらはお茶をゴクゴク流し込むと、そそくさと立ち上がる。 >「じゃ、じゃあわたし片付けしますけん、幸太郎さんもあまり飲みすぎんでくださいね!」 >「お、おう」 >「おやすみなさい!」 はいお前らかわいい

43 18/12/30(日)20:52:18 No.558264835

やーらしかぁー 暗い方もやーらしくてよかねぇ

44 18/12/30(日)20:57:04 No.558266333

>闇も光も操るカオスさくらに乾くん勝てるの? 男が惚れた女に勝てるわけないじゃろがい!

45 18/12/30(日)20:57:23 No.558266415

やや、これは闇の方が甘え上手だな?

46 18/12/30(日)21:01:25 No.558267578

闇に引きずり込まれて同衾したら翌朝光が赤い顔で掛け布団ぎゅっとしてオハヨウゴザイマス…してくるんでしょ?

47 18/12/30(日)21:01:57 No.558267749

>闇に引きずり込まれて同衾したら翌朝光が赤い顔で掛け布団ぎゅっとしてオハヨウゴザイマス…してくるんでしょ? 土下座謝罪しかねぇ…

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