18/12/21(金)21:30:55 いつも... のスレッド詳細
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18/12/21(金)21:30:55 No.556115927
いつものように一人寂しくお弁当を食べようと校舎の裏に行くと軽快な音楽が聴こえてきた。先客が居たのかとちらっと覗くと同じクラスの源さんが踊っていた。お世辞にも上手いとは言えないダンス、でも楽しそうに踊る彼女に僕は見とれてしまっていた。
1 18/12/21(金)21:31:46 No.556116164
音楽が終わり、我に返った僕は慌てて立ち去ろうとすると呼び止められた。 「乾くん！こっち来てん！」 おずおずと姿を現すと彼女は嬉しそうに聞いてくる。 「どがんやった？」 「…え？」 「だーかーら、あたしの初ライブの感想！」 「…ライブ？」 「乾くんが記念すべき初めてのお客さん！！」 そこから彼女は色々なことを話してくれた。今までの自分の持ってない人生、水野愛の言葉に胸を打たれたこと、そして自分もアイドルを目指そうと決めたこと。夢も無くただ毎日を消費するだけの自分にとって隣で話す彼女の姿はただただ眩しかった。
2 18/12/21(金)21:32:28 No.556116373
それから毎日、お昼休みになると彼女のファン1号兼コーチとして練習を見るのが日課になった。ダンスも歌も分からないので色々調べて素人なりにアドバイスをすると彼女はとても喜んでくれた。彼女の要望の「さくら」呼びにも慣れたころオーディションを受けるんだと嬉しそうに報告してきた。きっと彼女なら受かるに違いないし夢を掴んで欲しいと心から思った。
3 18/12/21(金)21:33:46 No.556116732
なのに、それなのに無慈悲にも夢は、希望は一瞬で奪われた。 なぜ、なんで、どうして。 夢も希望も無い自分ではなく彼女なのだ。彼女が何をしたというのか。遺影の彼女は明るく笑っているのが余計に悲しく、僕は心底神を憎んだ。 墓前で佇む僕に男が声をかけてきた。 「彼女にもう一度会えると言ったらどうする？」 「あなた…誰ですか？」 「…悪魔かな」 僕は迷うことなく彼の手を取った。もう一度、彼女の笑顔が見たい、夢を叶えてやりたい。その為なら自分の命など安いものだ。
4 18/12/21(金)21:35:11 No.556117109
長い長い年月の末、目の前に眠る彼女がいた。直に目覚めるだろうとあの男は言っていた。最後の仕上げだ、自分も生まれ変わる時が来たのだ。 顔も。性格も。思い出も。 全てを捨て、彼女の願いを叶える為だけの存在に徹する。スポットライトを浴びるのは彼女、自分は闇の中の黒子になるのだ。 目覚めた彼女は記憶を失っていた。偶然なのか神の罰なのか。 「あなたは…？」 もう二度とあの名前で呼ばれることはない。 「俺は…巽幸太郎だ」
5 18/12/21(金)21:38:00 No.556117868
おつらい…
6 18/12/21(金)21:43:46 No.556119555
悪魔芳忠？
7 18/12/21(金)21:45:01 No.556119879
でもそれでもこれからの人生は幸せです
8 18/12/21(金)21:46:17 No.556120250
ゾンビランド/Zero
9 18/12/21(金)21:50:45 No.556121554
幸太郎とかいう名前が重すぎる
10 18/12/21(金)21:57:53 No.556123842
僕が俺になるのいいよね…
11 18/12/21(金)22:00:59 No.556124721
こういうのいいよね… でもちょっとは報われてもいいんじゃよ？
12 18/12/21(金)22:06:47 No.556126615
古参ファンよか…
13 18/12/21(金)22:07:47 No.556126939
いい… 公式で乾くんの補完ほしいようなほのめかしだけでいいような
14 18/12/21(金)22:10:44 No.556127951
乾くんの描写が少ない今が怪文書書くチャンスだよ
15 18/12/21(金)22:16:31 No.556129610
無力な熱血ヒーローいいよね 僕も好きだ
16 18/12/21(金)22:23:21 No.556132147
ドラ鳥で公開されていたという資料見たい…
17 18/12/21(金)22:26:40 No.556133252
終わったんだからネタバレしてくれても構わないんだぜ