18/11/17(土)00:21:04 (これ... のスレッド詳細
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18/11/17(土)00:21:04 No.548133459
(これまでのあらすじ:リエン地下宝物殿より、秘密物質カブキアゲが盗まれた。下手人はニンジャ、それもぴるす!犯行ニンジャぴるすの1人、ピラーにインタビューを行ったカブキニストは、首謀者を含む3人のニンジャぴるすの情報を得る……) 「アーイイ……とてもイイんですけお……」 ネオサイタマ郊外の高層マンション。カチグミのみ入居を許される成功者の証。その最上階のオザシキで、ニンジャぴるす、パージは高級オイランマッサージを愉しんでいた。 奉仕するのはオイランドロイドではなく、訓練を受けた生身のオイランである。それも2人。普段ならばおいそれと手の出せるサービスではないが、今は臨時収入があった。 (殺して、盗んで、逃げるだけ!ボロい仕事だったんですけお)フリーのニンジャである身には滅多に舞い込んでこないようなうまいビズだった。今回のクライアントとはできれば今後ともいい関係でいたいものだ。 含み笑いを漏らすパージに、ショウジ戸の外から艶めかしい声が掛けられる。 「追加のオイランサービスドスエ」ショウジ越しにオイランの影。追加サービス?注文した覚えはないが、実際気が利いている。 「入ってくだち」 「失礼いたします」
1 18/11/17(土)00:22:51 No.548133897
控えめなオジギの後、ショウジ戸を音もなく開いてオイランがするりと入室する。優雅なオイランであった。今ではほとんど失われた伝統的オイラン装束を見事に着こなし、その上でなお隠し切れぬ豊満なボディラインが否応なしにパージの気分を盛り上げた。 パージは好色を隠そうともせず興奮ぎみに手招きをする。 「苦しゅうない、近くに寄ってくだち」「ハイ、それでは……イヨーッ!」「ケオグワーッ!?」 オイランがカブキシャウトと共に強烈なトビゲリを見舞う!下腹に直撃を食らったパージはタタミ10枚分吹き飛び、ショウジ戸を突き破って隣の部屋に転がった。 「アイエエエエ!」マッサージオイランが悲鳴を上げ逃げ去る。 「何なんですけおーッ!?」 パージは混乱しながらも即座に態勢を立て直し、カラテ警戒しつつ襲撃者を視界に収めた。トビゲリを見舞ってきたのはホットなボディのオイラン。その筈だ。だがタタミ10枚先に立っていたのはオイラン衣装を着こなす男である。先程までの豊満さは影も形もない。 「理解できないんですけお!」 「ならば理解できないまま死ぬがいい」
2 18/11/17(土)00:24:24 No.548134299
襲撃者が踏み出す。一歩ごとに華美なオイラン衣装が溶け、ねじれ、黒を基調としたニンジャ・ヤマブシ装束へと変形する。 「ドーモ、パージ=サン」 オシロイの塗られた顔を、虚空から生成された頭襟型フルフェイスメンポが覆う! 「カブキニストです。盗みの報酬で購ったオイラン遊びは楽しかったかね?そろそろ精算の時間だ」 「ドーモ、カブキニスト=サン。パージです。何故ここが……」 「知れたこと。ぴるす君の不快な臭いはどこからでも鼻に付く。隠すだけ無駄というものだ」 「戯言を!イヤーッ!」スリケン投擲! 「イヨーッ!」トビロッポー!高速移動とそれによる攻撃、受け流しまでも兼ねたカブキアーツである!スリケンを苦もなく弾き、パージのワン・インチ距離に迫る! 「イヨーッ!」「イヤーッ!」 カブキチョップとカラテチョップの激突!均衡は一瞬。パージが大きく弾かれた! 「ヌゥーッ!?」空中で身体を捻り、タタミ5枚分の距離に着地する。 「惰弱なカラテだ」カブキニストは吐き捨てた。 「所詮はコソ泥に過ぎぬか」 その目はパージの右手を見ていた。先程の衝突で傷付き、僅かに流血している。だがパージに不敵な笑み!
3 18/11/17(土)00:26:05 No.548134724
「勘違いも甚だしいんですけお!イディオットめ!我が血で浄化されてくだち!イヤーッ!」傷付いた右手が振り抜かれ、血が飛ぶ!血はスリケンに変わり、カブキニストを襲った! 「ヌウッ!」カブキニストはいつの間にか手にしていた漆黒のボーで血液スリケンを破壊!だが液体に戻った血は空中で素早くスリケンに再構成され、再びカブキニストを狙う!キネシス・ジツの一種か! 「チノアメ・ジツ!イヤーッ!」さらに血液スリケン投擲! カブキニストの肌が切り裂かれ、血が流れた。このままではジリー・プアー(徐々に不利)だ。だがその時、カブキニストの脳裏に電撃的閃きが浮かぶ! 「イヨーッ!」ボーを自らの血で濡らし、血液スリケンを破壊!液体に戻った一瞬の隙を突き、自らの血液を混入させる。スリケン崩壊!血は液体のまま、地面に滴った。 「やはりか」カブキニストは確信を持って呟く。 「血が混ざってはジツは使えぬようだな」 「……然り」パージがカブキニストを憎々しげに睨みつけながらも頷いた。 「我が清浄なるぴるすの血は繊細なんですけお。穢れの入り込む余地は無し……デアエ!デアエーッ!」
4 18/11/17(土)00:27:16 No.548135060
「「「「「「ザッケオコラー!」」」」」」 ショウジ戸を破り現れたのは20人を超えるヤクザぴるす!全く同じ顔、全く同じ黒スーツ、全く同じチャカ・ガン!即座に一斉射撃態勢に入る! 「イヨォーッ!」カブキニストがミエを切る! カブキ知識をお持ちの方であれば、一流のカブキアクターのミエが時に衝撃波を伴うことをご存知であろう!それがニンジャともなれば、衝撃波は圧倒的なカブキの爆発となって荒れ狂う! 「「「「「「ケオアバーッ!」」」」」」 ミエに呑まれたヤクザぴるすは1人残らず五体を引き裂かれ即死! 「ニンジャぴるすならまだしもただのぴるすとは、侮られたものだ。手品はタネ切れかね。イヨーッ!」パージをカブキ殺すべくカブキニストが駆ける!だがその時! 「チノ・アメ・ジツ!イヨケオーッ!」パージのジツによって血が渦巻く。パージの血だけではない。ヤクザぴるすの血までもが! 「何!?」 今度はスリケンだけではない。ヤリ、カタナ、ボー、ドス・ダガー、ダイ・ノコ、クナイダート……様々な血液武器がカブキニストに殺到する!
5 18/11/17(土)00:28:54 No.548135436
「ぴるすの血はすなわち我が血!これこそ我がフーリンカザン!死んでくだちーッ!」血液混入崩壊を狙うには数が多すぎる!絶体絶命!しかし! 「イヨォーッ!」再びのミエ!血液武器は一瞬弾かれるも勢いを失わない!だが一瞬の猶予はカブキニストには十分に過ぎた! 「イヨーッ!」トビロッポー!再びパージのワン・インチ距離に迫る!離れていては血液武器に削り殺される。近距離カブキで一息に仕留めるべし! 「イヨーッ!」「グワケオーッ!」パージの右腕を捻り折る!皮膚は破れず、血は流れない! 「イヨーッ!」「グワケオーッ!」パージの左腕を捻り折る!皮膚は破れず、血は流れない! 「流血が無ければジツも使えまい!そのまま死ぬがいいパージ君!」 「イヨーッ!」「グワケオーッ!」「イヨーッ!」「グワケオーッ!」「イヨーッ!」「グワケオーッ!」「イヨーッ!」「グワケオーッ!」全身を破壊しながら、一滴の血も流れない!カブキのワザマエである! 「ナ……ナメないでくだち!イヤーッ!」ヤクザぴるす血液武器がカブキニストの背後から強襲! 「イヨーッ!」ブリッジ回避!勢い余った血液武器はパージに突き刺さった!
6 18/11/17(土)00:30:06 No.548135675
「ケオアバーッ!?」パージが血を吐く! パージがたたらを踏む。だが崩れない!自らの武器に身体を貫かれながら未だにカラテの構えを解かず、カブキニストを睨みつける!しかし、カブキニストはパージの視線を意に介さず背を向け、歩き出した。 「グ……どこを見ているんですけお……!回避は誤算だがこれで……血、我が……血を」パージが全身から夥しい血を流しながら、ジツを行使しようとする。血はカラテに反応するようにざわめき……それで終わりだった。 「サヨナラ!」パージは爆発四散した。 血液武器が崩壊し、ただの血に戻る。 カブキニストは血溜まりから離れ、アグラした。 実際難敵であった。1つボタンを掛け違えていれば、苦戦は免れ得なかったやもしれぬ。夜はまだ長い。敵はまだ残っている。 眼下に広がるネオサイタマの夜景を眺める。 パージの記憶から他の標的の情報は入手した。追い詰めるべし。然るのち、殺すべし。 次なるイクサに向けセイシンテキを研ぎ澄ましながら、カブキニストは目を閉じ、深く呼吸をした。
7 18/11/17(土)00:32:15 No.548136212
マッポーカブキすぎる…
8 18/11/17(土)00:32:43 No.548136318
ぴるすがわりと強くて駄目だった
9 18/11/17(土)00:36:25 No.548137225
ジツ鍛えてフーリンカザン整えるガチの難敵であった
10 18/11/17(土)00:37:50 No.548137624
なんたる歌舞伎スクリプトのワザマエか!
11 18/11/17(土)00:42:50 No.548138884
カブキアゲということは3代目か! ニュービーとは思えぬ練度と投稿速度!スゴイ!
12 18/11/17(土)00:44:03 No.548139202
なるほど…ゲン=ジツの域にまで達したHAKUOUさんのオヤマ要素をスクに取り入れるあたりが実にワザマエだ
13 18/11/17(土)00:50:03 No.548140742
年末にむけてカブキスレイヤー成分が補給できてこれは…アーイイ…
14 18/11/17(土)00:54:00 No.548141705
歌舞伎揚とはいったい…
15 18/11/17(土)00:56:02 No.548142177
>歌舞伎揚とはいったい… オイシイ
16 18/11/17(土)00:58:57 No.548142752
書き込みをした人によって削除されました
17 18/11/17(土)01:01:00 No.548143161
>カブキアゲということは3代目か! ちょっと待ってほしいもう一人いるのか!?
18 18/11/17(土)01:02:33 No.548143501
チノアメ・ジツも攻略法もヤクザぴるすの使い方も捻りがあって本編さながらのウデマエ
19 18/11/17(土)01:06:03 [s] No.548144245
>ちょっと待ってほしいもう一人いるのか!? 昨日初めて書かせてもらいました ヨロシクオネガイシマス
20 18/11/17(土)01:11:48 No.548145447
三人寄れば百人力 初代マツモトコウシロもそう言っている
21 18/11/17(土)01:14:08 No.548146001
>>ちょっと待ってほしいもう一人いるのか!? >昨日初めて書かせてもらいました >ヨロシクオネガイシマス ドーモ、三代目=サン、二代目です 実際素晴らしい文章力と再現度ですよ!短編アトモスフィアがスーッときいて…これは…ありがたい… この調子で忍殺スクの書き手が増えていけばカブキパワは何倍にも890倍にもなる!備えよう
22 18/11/17(土)01:16:22 No.548146490
カブキのミーミーが広まった暁には「」の自我が研修済みになってそう
23 18/11/17(土)01:17:15 No.548146703
目の前で意思が受け継がれていく… これもカブキか
24 18/11/17(土)01:17:51 No.548146856
本家デッドリー・ヴィジョンズを思わせるコンパクトかつ力強い内容で駄目だった
25 18/11/17(土)01:18:08 No.548146922
チノアメ・ジツが普通に強くてダメだった