18/11/01(木)03:54:20 のらち... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1541012060902.jpg 18/11/01(木)03:54:20 No.544417975
のらちゃんと量産型の子の話書いたー! これの続きの話 su2688617.txt それの前回 su2688618.txt
1 18/11/01(木)03:54:42 No.544417986
秋の深まる10月末、足を伸ばして山に行けば紅葉の紅が綺麗なんでしょうね。 残念ながら僕の家にある木はただ枯葉を散らして、辺りに寒々とした気配を与えているだけですけど。 「毎日、毎日、嫌になるなあ」 昨日掃いたばかりなのに、庭をすっかりと占領してしまった落ち葉に恨みを送りながら庭を掃いていると、 「トリックオアトリート!」と簡単な仮装をした近所の子供達が笑顔で押しかけて来ました。 「あっ…今日ハロウィンだっけ?」少し嫌な顔になりながらそう言うと、 子供達は目を輝かせながら私が掃いて集めた落ち葉を見つめ「悪戯?悪戯がいいの?」と聞いて来ます。 せっかく集めた落ち葉を散らかされてはたまったものではないので、 「少し待っててね」と慌てて家の中にあるお菓子を見繕いました。 酢こんぶ、小分けのチョコ、缶に入ったクッキー、これから何グループ家に来るのか分からないけど、 近所の子供の分と考えれば十分な量はあるようでホッとしました。
2 18/11/01(木)03:55:02 No.544418007
チョコとクッキーと酢こんぶを小袋に入れて子供達に渡すと、なぜか怪訝な顔をされました。 「この黒っぽい板はなに?」 「酢こんぶだけど?駄菓子屋にあるんだからお菓子みたいなものでしょ」 「えーー?!ハロウィンにこんなのはないよ!これなら無い方が良くない?」 「ちゃんとチョコとクッキーもあるでしょ!文句があるなら他の家から貰いなさい!」 子供達はかなり不服そうだったけど渋々、次の家に向かっていきました。 そして慌ててお菓子の小包を作る作業に向かいました、彼等の言うとおり酢こんぶは抜きにして。 その後に来た子供達にもお菓子を上げました。 そこそこの人数が来た為に今の家にあるだけで足りるのかと不安に思っていたけど、 それも杞憂に終わりました、用意していた小包は残り一つだけでしたけど。
3 18/11/01(木)03:55:25 No.544418025
余ったお菓子でのんびりとお茶を飲んでいると、また玄関のチャイムが鳴って、 一瞬ヒヤリとしたけど、流石に日の落ちたこの時間まで子供達が集まっているとも考えにくいですね。 どうせ宅配か何かだろうと思って玄関を開けると、 「トリックオアトリート、お菓子をくれなきゃ悪戯しますよ」とのらちゃんが現れました。 両手で鍋をもち、ニコニコとしながら家に入って来ました。 「まあそういう行事的なことは置いておいて、これこの前お借りした鍋がそのままだったので返しに来たんです。 ちゃんとお返しも作ってきましたよ」 「おーーわざわざありがとう、何が入ってるのかな?」 「それは後でのお楽しみです、安心してください、ちゃんとレシピを守って作りましたから」 「何か言う前からそういう事を言われる方が不安になるんだけど…… まあここで話すのも何だし上がっていってよ、お茶でも飲んでく?」 「はい、せっかくなのでお邪魔します。お菓子もまだ貰ってませんからね」
4 18/11/01(木)03:55:47 No.544418046
台所でのらちゃんのために紅茶をいれてから席につく。 のらちゃんはリビングでウキウキしながら待っているが、もうお菓子はないと少し言い難い雰囲気だった。 「あー…のらちゃん、お菓子を楽しみにしてたなら申し訳ないんだけど…… そこにあるチョコとクッキーが最後なんだよね」 「えっ、ないんですか?何か作ってるものだとばかり思っていました」 「普段はちょっとしたのを作ってるだけどね、今年は忘れてたんだ。 だから家にある買い置きのお菓子で誤魔化したんだけど、のらちゃんは?」 「むむ、それは残念ですね。 私は悪戯と称して好き放題する子供達を相手に一日中駆け回ってましたよ」 「それはまあ、のらちゃんらしいね」
5 18/11/01(木)03:56:23 No.544418068
そんな事を話ながらも、僕はどうしても鍋の中身が気になってしまう。 チラチラと鍋を見る僕の視線にのらちゃんが気づいたのかクスリと微笑んでから口を開く。 「中身が気になりますか?」 「まあ……この前聞いたのらちゃんの料理の話からあんま安心できないからね」 「人にご馳走する時にふざけたりしませんよ、まあせっかくですしクイズにしましょう。 このお鍋の中には何が入っているでしょう!ヒントは今日に関係する野菜です」 「今日に関係する野菜っていうとカボチャかな? カボチャを使った料理かあ、カボチャとか野菜のスープ?あっカボチャのポタージュ!」 「残念、カボチャはあってますけどカボチャのポタージュでもスープでもないです」 「そっかあ、じゃあ何だろう……シチュー!カボチャのシチューでしょ!」 「残念ですけどそれもハズレです、そう引っ張る物でもありませんし開けて見ます?」
6 18/11/01(木)03:56:38 No.544418079
その申し出に少し待ったをかけて頭を働かせる、だけど鍋に入った料理でコレといった物は思いつかない。 これはないと思いながらも最後に浮かんだ物を答える。 「まさかとは思うけど……ほうとう鍋?」 「残念ですけどそれもハズレです。そろそろ諦めてお鍋を開けてみましょうよ」 何が仕込まれているのか、のらちゃんは私がお鍋の中を見るのをとても楽しみにしているようだった。 クイズに答えられないのは悔しいが開ける事にした。
7 18/11/01(木)03:57:01 No.544418099
正直かなり嫌な予感がするんです、この間会った時に彼女がもっていたデスソース。 アレを使ったチリコンカーンが入っているのではないかと、頭に一瞬よぎってから腕の震えが止まりませんでした。 腕の震えを抑えながら蓋を開ける、開かれたそこにはコロッケが4つ入っていた。 少し、頭が混乱しました。 カボチャ料理、鍋のお返し、この二つからどうしてコロッケが出てきたのか。 僕の頭の中は疑問で溢れかえってしまいました。 「コロッケ?」 「はい、カボチャのコロッケです。 ふふふ、その顔です。お鍋の中にコロッケが入っているという衝撃に驚くその顔が見たかったんです」
8 18/11/01(木)03:57:24 No.544418115
お茶を飲み終え、僕の驚いた顔に満足したのらちゃんを送り出す為に玄関へ向かいました。 「今度会ったらコロッケの感想教えてくださいね。美味しい物が出来た自信は有りますから」 「うん、のらちゃんの自信作楽しみにしておくよ、悪いね手の込んだ物もらっちゃって」 変な料理を食べさせられるのではないかと不安に思っていたことに罪悪感を覚えました。 それにお菓子を楽しみにしているようだったのに何も上げられなかった事も。 「これさ、お菓子っていうのかは微妙だけど…よかったら貰ってよ」 のらちゃんは一瞬だけ明るい顔になってから、僕の手の中を見てしょんぼりしながらそれを受け取ってから言葉をこぼしました。 「心遣いは嬉しいですけど……酢こんぶはお菓子じゃないと思います」 のらちゃんの作ってくれたコロッケは甘くてとても美味しかったです。 ご主人様も美味しいと言っていたので今度レシピを教えて貰おうかと思います。
9 18/11/01(木)03:58:41 [sage] No.544418177
ハロウィンに間に合わせるつもりだったのに 突然犬が特大の弾を投げつけてきたから少し遅れてしまった…
10 18/11/01(木)04:21:57 No.544419111
いい…
11 18/11/01(木)04:27:10 No.544419282
いい…
12 18/11/01(木)04:31:24 No.544419420
のらちゃんは子供相手でも容赦しなさそう いい意味で
13 18/11/01(木)04:51:26 No.544420059
korokkedem…
14 18/11/01(木)04:55:01 No.544420158
きゃっつに振り回されるとレイちゃんの経験値ががっつり貯まるな…
15 18/11/01(木)05:03:38 No.544420430
のらちゃんは酢昆布もらってしょんぼりはするけど同時に美味しそうに酢昆布食べてそうなイメージある
16 18/11/01(木)05:10:31 No.544420637
帰り道で凄くムシャムシャしてそう
17 18/11/01(木)07:03:08 No.544424161
今気付いた なんでもっと早い時間に投げないんだ!
18 18/11/01(木)07:11:00 No.544424540
いい…
19 18/11/01(木)07:23:50 No.544425270
おはようございます私は良いと思う