ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/09/15(土)00:27:04 No.533445774
今朝夢にアタランテが出て来て悲しい思いさせたって混乱しながらスレ立てた「」だけど宣言通り怪文書書いたよ 初めてだから変なところは見逃して欲しい…というか夢のストーリーってこうして書いてみるとめちゃくちゃだなってよく分かったよ su2603320.txt
1 18/09/15(土)00:28:01 No.533445977
来たのか!
2 18/09/15(土)00:28:35 No.533446112
よくやった 俺もこれ読んだら寝てアタランテに会いに行くか
3 18/09/15(土)00:29:12 No.533446261
朝のリョナに目覚めた「」?
4 18/09/15(土)00:32:37 No.533447143
なんかスマホからだと読めない…ちょっと長いけど分割して書き込もうかな
5 18/09/15(土)00:33:42 No.533447461
いいものを見せてもらいました
6 18/09/15(土)00:33:48 No.533447495
何度も何かを叩きつけるような鈍い音が部屋に響く。耳を澄ますと液体がどこかを流れ伝い落ちる音、穴の開いたタイヤから空気が漏れるような音、そして 「っ!あ”ぐぅっ…う”ぇ”…」 押し殺したような悲鳴が聞こえる。 留められない獣性を無理やり押さえつけたような、苦悶を外に漏らさないように必死に耐えている、そんな凛とした美しい声だった。 悲鳴の主―ギリシャにおける伝説の女狩人アタランテの有様はひどいものだった。拘束用の術式で編まれた鎖に歪な方向に曲がる両腕の自由を奪われ、半ば吊るされるような形でつま先立ちになっている彼女はその異様なシルエットもさながら、非常に痛々しい姿をしていた。 赤黒く陥没したおそらくは子宮がある辺りを中心に何度も何度も執拗に殴打され、紫色に変色した腹部の下ではいくつもの内臓が破裂しているのだろうか。 時折口から赤黒い血を吐瀉しては拭うことも許されず咽せているその姿に、髪を束ねた少女が目に涙を浮かべながら駆け寄った。
7 18/09/15(土)00:34:24 No.533447701
「アタランテ!ああアタランテ!大丈夫、喋れるの!?」 声をかけながら既に血塗れのハンカチで優しく女狩人の口元を拭う赤毛の少女。 「あ”…う”っげほゴブッ…だい…じようぶ…だ…」 臓腑の奥底から逆流した血と灼けるような爆発するような痛みを喉から滲ませ、獣耳のアーチャーは虚ろな目で答える。 「そうか!よかった…よかった…!」 涙を流し安堵する少女は申し訳なさそうに目を伏せると、 「じゃあもう少しだけ付き合ってね?」 グローブを付けた拳に強化の魔術をかけると躊躇うことなくアタランテの鳩尾を打ち抜いた。 何かが砕ける音、弾け潰れる音、そして声にならない悲鳴が部屋に木霊した―。
8 18/09/15(土)00:34:43 No.533447817
それ以上読むのが嫌になって僕はその本を閉じた。 吐き気がする。いくらなんでも趣味が悪すぎる。 創作の中とはいえ暴力だなんて、それも女性に、まして自分の大切な女性に向けられたものであるなんて…。 数刻前、軽い気持ちから神話に登場する人物をモチーフにした創作小説の一冊を資料室から持ちだした自分を後悔する。 神話を題材にしている以上、過激な内容のものもあるだろう。創作という性質上、センシティブなストーリーもあるだろう。作者やその思想についてとやかく言うつもりはない。創作は自由でなくてはならない。文筆家や劇作家でなくともそれくらいは弁えているつもりだ。 それはそれとして気が滅入ることは否めない。世の中の一般的な恋人関係と違い、愛する人が過去の歴史に名を残した人物であるのだからこのようなケースは少なからずあると理解していたつもりだが、だからといって簡単に割り切れるほど僕は大人ではなかった。成人はとっくに迎えたし争いに無縁というわけでもないのにこうも心がざわつくのはいつまでも変わらない。ままならないなぁ。 ベッドに体を投げ出すと、アタランテ、と愛しい彼女の名前を小さく呟く。
9 18/09/15(土)00:35:30 No.533448055
「何だマスター」 思わずうわっと声が出る。寝転んだまま顔を横に向けると、こちらを覗き込む凛々しい瞳と目が合った。荒々しく美しい、獣を思わせるようなその双眸を見つめ返し、彼女の頬に手を伸ばす。精悍な顔に優しく触れ、髪を手櫛で梳かす。なされるがままのアタランテの耳に手を伸ばした辺りでぱしっと払いのけられる。 「汝は獣を愛でるために私を呼んだのか。私はフォウの代わりか」 どうやら機嫌を損ねてしまったらしい。別に呼んだわけじゃない、などと本当のことを言えばいよいよ彼女は臍を曲げてしまうだろう。覚悟を決めた僕はベッドから起き上がると彼女の肩を掴み顔を近付けた。 「んっ…」 唇を離すと少し赤い顔のアタランテ。先程は触れなかった耳がぴこぴこと動く様子が可愛らしい。 「…この色情魔め」 嫌だった?と聞くとそういう問題ではないと頭をはたかれた。そのまま二、三度口づけを交わしたのちに彼女は僕の隣に腰かけた。何の用で呼び出したかについてはひとまず保留にしてくれたらしい。
10 18/09/15(土)00:36:23 No.533448357
冗談交じりに愛の言葉や世間話を、睦言やそれ以外を紡ぎながら何とはなしに時間を過ごしていると、ふと彼女は僕が先程まで読んでいた本に気が付いた。 読書か、何を読んでいるんだと手を伸ばすアタランテから咄嗟に本を奪う。こんなもの彼女に見せられるか。 「おい、なぜ隠す。見せられない理由でもあるのか」 そうじゃない、借りた本だから大切にしなきゃいけないんだ。 「どういう意味だそれは!私が書籍一つまともに扱えない脳筋女だと言いたいのか汝は!」 しまったますます怒ってしまった。火に油を注いでしまったようだ。次なる言い訳を考えているとアタランテが零した。 「そうか。浮気だなマスター。ナーサリー・ライムだろう其は」 えっ。 「ジャック然り堕ちた聖女のリリィ然り汝が幼い少女を好きなこと、そして向こうからも好ましく思われていることは周知の事実だ。ましてやそれが恋愛感情に結びついているとまでは考えなかったが…そう考えると辻褄が合うことも沢山ある。ましてナーサリーが汝に向ける情は先程の二人とは違い思慕というより恋慕だろう、私でもそれくらいわかる。優しい汝は少女の想いに応えようとしたのだろう…」
11 18/09/15(土)00:37:05 No.533448550
斜め上の迷推理に頭を抱えているとアタランテは勝手に合点がいったというような面持ちでこちらの本を全力で奪いにかかった。 「さあこちらへ渡すんだマスター!汝の伴侶は私がいるのでもう無理だが娘という形でなら幸せな家族になることも吝かではないだろう…!」 何を言っているのかわからない彼女についに小説をもぎ取られた。 「私とマスターとの間の子と血が繋がっていなくとも立派に姉として振舞ってくれるか…ん?これはナーサリーどころかスペルブックですらないただの本じゃないか」 初めからそう言っているのだから返してほしい。そう言って手を伸ばす僕をすいっと躱して、ますます怪しいと呟き彼女はぺらぺらとページを捲る。 「これは私が登場する冒険譚か。それならそうと早く言えばよかろう…っ!?」
12 18/09/15(土)00:37:57 No.533448812
待って待って待って 怖い
13 18/09/15(土)00:38:15 No.533448887
なんとなく上機嫌になったかに見えた彼女は、先ほどまで僕が読んでいたページに辿り着くとびくりと身を強張らせ、一度手を止める。そして息を小さく吸い込むとページを次々と捲っていった。僕は途中で読むのをやめてしまったからはっきりとは分からないけれど、目を覆いたくなるような描写がずっと続いているんだろう。しばらく読み進めたアタランテはぱたん、と本を閉じるとふぅっと息を吐いた。 「私は」 アタランテ、ぼくは…と言葉を発しようとした矢先だった。 「私は、大丈夫だ」 「私はサーヴァントだ。人ならざる英雄だ。この身は多少なりとも頑丈にできている」 「私は汝の伴侶だ。生前と違いそうなることを私からも望んだ。汝に寄り添うものとして、妻として汝の想いにできる限り応えたい」 「だから、わたしは、汝に壊されても」 だいじょうぶだ、と泣きそうな彼女がそう言う前に、言ってしまう前に僕は思い切り彼女を抱き締めた。だってそんなの大丈夫なわけないじゃないか。 胸の中で震える彼女の背中にしっかりと手を回す。僕の胸に顔をうずめる彼女の姿は何だかいつもより小さく思えた。
14 18/09/15(土)00:39:47 No.533449354
今度は僕が言葉を発する。泣きそうな恋人を前に全然うまくしゃべれない自分がもどかしい。 君が傷付くのは、君を傷付けるのは全然大丈夫なことじゃない。 君は僕の伴侶だ。こういう経験は生まれて初めてだけれど君に寄り添ってできうる限り君の想いに応えたい。 だから僕は君をずっとずっと、いつまでもたいせつにしたい。 抱き合っているとトクン、トクンとお互いの心臓の鼓動が一つになったような感覚がした。 どれだけの時間が経っただろうか、名残惜しそうに体を離す彼女の手を握りながら今度はベッドに並んで腰かける。しばらくそうしていると、彼女がポツリと零した。 「不安だったんだ」 聞いているよ、と絡めた指を握る。繋いだ手を見つめながらアタランテは続ける。 「私は生前愛に恵まれなかった。こうしてサーヴァントとして現界して、汝と出会って、あっという間の沢山の時間を過ごして」 今度は彼女から指をぎゅっと握ってくる。離さないように、離れないように指を絡めながら。
15 18/09/15(土)00:40:20 No.533449506
「今度こそ確かに愛し愛されている。その実感を持つことができたんだ。それを壊すぐらいならば、それならば私が我慢して、そうして伴侶が多少歪んでいても釣りがくるだろう?それはそれで新しい不安だけれど、愛されないよりずっとましだ…ふぎゃっ」 思わず彼女の額にデコピンを食らわせたあと間髪入れずにおでこにキスする。 「何なんだ…愛でたりつついたりやっぱり私をいじめたいのか汝は…えっ?よく聞けって何をだ」 ごめんなさい。彼女に向かって土下座する。たまたまあんな本を手に取ってしまって配慮が足りなかった。今までもこれからも君を傷付ける気は全くない。不安にさせて本当にごめんなさい。君を娶ったあの日から、アタランテをずっと大切にすると決めた。どれだけ時間がかかっても必ず君を幸せにする。頭の中がぐちゃぐちゃになりながらも、そんな言葉を何とか絞り出す。支離滅裂だし彼女はしても軽蔑、良くて呆れているだろう。
16 18/09/15(土)00:40:43 No.533449609
「顔を上げろ」 床に擦り付けていた頭を上げると、額に彼女の唇を感じた。 「大丈夫だマスター、汝の想いはもう十分伝わった。もう私が不安になることはないよ」 まるで野に咲く花のように、気高く美しく微笑む彼女に目を奪われる。 「胸を満たすこの高揚感を幸せというのなら、今の私はとても幸せだ…。なあマスター、顔を寄せろ」 優しい声色に誘われて僕は愛しい伴侶に顔を近付け…デコピンを食らった。 「まあ一発は一発だマスター。我が愛しき伴侶よ」 いたずらっぽく笑うアタランテに僕はつられて笑った。
17 18/09/15(土)00:41:33 No.533449842
なんか思いの外長くなっちゃった…読み辛くてごめんね 今晩も夢に出て欲しい
18 18/09/15(土)00:42:04 No.533450008
つられて笑ったまで読んだ
19 18/09/15(土)00:42:20 No.533450100
長えよ!?
20 18/09/15(土)00:43:14 No.533450371
おかしい…朝立ってたスレの夢の中のアタランテちゃんにDVする「」ならリョナに目覚める兆しがあったはず…
21 18/09/15(土)00:43:52 No.533450574
ヒッ
22 18/09/15(土)00:44:22 No.533450702
純愛じゃねーか!
23 18/09/15(土)00:44:28 No.533450732
Qすぎる…
24 18/09/15(土)00:45:10 No.533450950
なんで純愛になってんだよ!?リョナ怪文書書くんじゃなかったのかよ!
25 18/09/15(土)00:45:33 No.533451051
性癖開拓は苦難の道のりなのだよ仕方あるメェ
26 18/09/15(土)00:46:26 No.533451297
>マジで訳の分からない夢を見て混乱しています >夢の中でアタランテっていうスレ画のキャラと付き合って同棲してたみたいなんだけど「その子がお腹殴られたり手足を折られたりするような内容の小説」を何故か俺は読んでてそれを見つかってすごく悲しそうな顔をされたんだ >私は人より頑丈に出来ているから汝がそういったことを望むなら耐えよう…とか涙目になりながら震えるアタランテに違うんだ聞いてって口を開いたところで目が覚めた >自分にはリョナ趣味もないしアタランテも好きだけど夢に出てきたのは初めてだしでどういう心理状態だったのか分からず本当に混乱しています >泣きそうなアタランテは綺麗でした
27 18/09/15(土)00:47:05 No.533451535
なんかこういうのいいよね… アタランテがめっちゃ好きなことだけは伝わって来た
28 18/09/15(土)00:48:05 No.533451837
朝のスレで愉悦に目覚めたと思った「」が純愛堕ちしてた…
29 18/09/15(土)00:48:06 No.533451844
この夢は男根ですね
30 18/09/15(土)00:48:58 No.533452113
ステキだな
31 18/09/15(土)00:49:12 No.533452201
アタランテいいよね…
32 18/09/15(土)00:49:43 No.533452354
リョナは好き嫌い以前に暴力とその反応を書き慣れてないと擬音のオンパレードになって見ているだけで冷静になる
33 18/09/15(土)00:50:12 No.533452462
>泣きそうなアタランテは綺麗でした ここがすごく不穏だったけど善性を保てて良かった
34 18/09/15(土)00:51:25 No.533452847
でも序盤のボコられてるアタランテからはスレ「」の中の仄暗いものを感じたからそちらの方向も伸ばして欲しい
35 18/09/15(土)00:52:45 No.533453237
ずいぶん力作だな!?
36 18/09/15(土)00:52:47 No.533453244
そんな…私はまどろみの淵で優しい夢を見る幻と知りながら…する落ちじゃないのか…
37 18/09/15(土)00:53:35 No.533453503
ハッピーエンドは大好きよ!
38 18/09/15(土)00:54:32 No.533453801
何となくだけどラノベ書いてそうだな 物書くのに慣れてる感じがする
39 18/09/15(土)00:54:44 No.533453861
寝る前にいいものが見れたよ…
40 18/09/15(土)00:56:05 No.533454186
純潔の誓いなんか放り捨ててそうなアタランテだ ギリシャなんてそれでいいんだよ姐さん!
41 18/09/15(土)00:56:38 No.533454307
姐さんの真っ当かつ純愛の怪文書は貴重だからよ…
42 18/09/15(土)00:59:35 No.533455014
読み終わってなんか書き込もうかと思ったけど今日はこのまま寝た方が気持ち良く寝られる気がする 終わり方が爽やかで好きよ
43 18/09/15(土)01:00:41 No.533455232
そうそうこういうのがいいんだよこういうのが 一日の終わりにいいもの読むと得した気分になるね
44 18/09/15(土)01:01:33 No.533455405
なんだおめえ!よくやった!
45 18/09/15(土)01:01:38 No.533455427
いい…
46 18/09/15(土)01:03:50 No.533455838
珍しく姐さんで話せるのかと思ったらリサイタルスレだった…
47 18/09/15(土)01:03:54 No.533455852
ちくしょう読ませやがるぜ
48 18/09/15(土)01:05:24 No.533456162
>珍しく姐さんで話せるのかと思ったらリサイタルスレだった… 気にせずに姐さんいいよねしてもいいからよ…
49 18/09/15(土)01:08:10 [神父] No.533456718
違 ク
50 18/09/15(土)01:09:16 No.533456915
本編後に受肉してゴールインしそうなぐだおと姐さんだ…
51 18/09/15(土)01:10:32 No.533457182
姐さんが幸せそうで俺も鼻が高いからよ…
52 18/09/15(土)01:11:28 No.533457365
弓の私が幸せそうで私も鼻が高いぞ…
53 18/09/15(土)01:11:41 No.533457407
怖いの予想しててまだ読んでないが純愛なの…ほんとに?
54 18/09/15(土)01:12:09 No.533457504
よくドン引きされなかったな
55 18/09/15(土)01:14:43 No.533458001
美しい物が読めた よかった
56 18/09/15(土)01:14:46 No.533458012
>怖いの予想しててまだ読んでないが純愛なの…ほんとに? まあ読んでみぃって
57 18/09/15(土)01:15:09 No.533458075
>>泣きそうなアタランテは綺麗でした 純愛フラグだった 尊い…
58 18/09/15(土)01:17:25 No.533458482
スレ画の同人のひともいいよね…
59 18/09/15(土)01:18:23 No.533458654
純愛だぁ…
60 18/09/15(土)01:19:21 No.533458816
むっ!流した涙は悲しみでなく想い人と通じ合った心の雫なのね!
61 18/09/15(土)01:24:20 No.533459735
>スレ画の同人のひともいいよね… アビーの好き
62 18/09/15(土)01:24:39 No.533459789
>まあ読んでみぃって 1レス目で逃げそうになったが良かった…ありがとう
63 18/09/15(土)01:25:10 No.533459897
>スレ画の同人のひともいいよね… 同人誌買えなかったなぁ