虹裏img歴史資料館

1 18/09/14(金)00:52:25 No.533219335

『ケオオオオオオ！？霞！黒い霞が！ケオ』 …最終処理場担当ニンジャぴるすであるパージャー、プレスクライブが遺した最後の通信。 我々が駆け付けた時、最終処理場はもぬけの殻であった。2人も、処理前の死体も全てが消え去っていた。 監視カメラに残された映像、黒い靄が施設内を一瞬の内に蹂躙し、霧消する様。 そして今、我々が抱えるもう一つのインシデント、ぴるす失踪問題。 我が社のぴるす管理施設から全てのぴるすが消え失せた事件を皮切りに、多数のぴるす失踪が発生。 多い時は百人近く、少ない時はたった一人のぴるすが痕跡も残さず消え去る。 コウライヤのニンジャぴるすも数名が行方不明…おそらくは爆発四散済み…になっている。 ぴるす管理施設の監視カメラが残した映像、それは。「…黒い靄」同じだ。最終処分場と。 そう、この二つの案件は分かつべきではない。間違いなく同一のインシデントだ。

2 18/09/14(金)00:52:42 No.533219382

カブキニストはアグラを続ける。セイシンテキを研ぎ澄ます。ここはニンジャぴるす教育施設。 生み出された、捕獲された、或いは自主的にカブキの門を叩いたニンジャぴるすが集められる場所だ。 ここでカブキコード、ハンカバ・カブキで言う＜カブキの門＞が刻まれ、カブキトレーニングを経てコウライヤ所属となる。 ここが恐らくは次の事件現場。コウライ社は既に発生地点の法則に気付いている。 事件は西の郊外から始まった。そして少しずつネオサイタマ中央へと直線的に、時に屈曲しながら進んでいる。 この線と重なる物があった。それは地下水路、巨大なものが事件現場の真下に伸びているのだ。 水路上に存在する次なるぴるす施設はここだ。 現在この建物にはカブキニストと十人のニンジャぴるすしか居ない。カブキアクターや用務員、他のニンジャぴるす達は既に別所へと退去済みだ。 残されたニンジャぴるす、彼らは餌だ。無作為に選ばれ、犯人を釣るために残された。彼らは今回の件について何も知らぬ。 …そしてその時が訪れた。「ケオーッ！？」つんざく悲鳴！ニンジャぴるすだ！ 「…来たか！イヨーッ！」カブキニストはロッポー跳躍で駆けだす！

3 18/09/14(金)00:52:58 No.533219427

「サヨナラ！」ピルスプリオルが爆発四散！「…サヨナラ！」頭部を失い床で痙攣していたプリンキペスが続けて爆発四散した。 このトレーニングカブキステージ上に居たニンジャぴるすは十人。蠅群に飲まれた五人は生きてはおるまい。 そして今爆発四散した2人。蠅群に対し彼らの古代ローマカラテは不向きであった。ペンドラゴンは辺りを見渡す。 「ケオーッ！」紫色の装束と鋼鉄メンポのニンジャぴるすが腕を振るうと、一帯の蠅が息絶え落ちる。ドク・ジツか。 灰色のローブを纏ったニンジャぴるすは膝立ちで祈る。彼の周りに生じた超常の光と熱が蠅を寄せ付けない。 (状況はそう悪くないんですけお…?)ペンドラゴンは炎を吐きながら考える。 空中では竜の形に燃え盛る炎が舞い、蠅を焼き殺す。特殊なカトン。ペンドラゴンのジツだ。 (奇怪とはいえ、所詮は蠅なんですけお)そう考えたその時。蠅群がニンジャぴるす達への突撃を止めた。 諦めて逃げ出そうというのか？いや、そうではない。蠅達は一か所へと向かっているのだ。 ハナミチと呼ばれるカブキ・ランウェイ、その上に忽然と現れた男の元へ。

4 18/09/14(金)00:53:14 No.533219478

「あァ？抵抗してるんですけお？…アー、ドーモ皆さん、ポリューションです」 アイサツには応じねばならぬ。勧進帳にも記されている神聖不可侵の掟だ。 「ドーモ、ポリューション=サン、ペンドラゴンです」「ポイズンレインです」「ペニテンスです」 アイサツ終了後、コンマ1秒で各自はイクサの姿勢をとる！「ケオーッ！」ペンドラゴンが炎の竜を吐き出す！ 竜はポリューション目がけ飛び掛かる！「ケオーッ！」ポリューションが右腕を差し出すと超常の蠅が無数に湧き出す！ 炎の竜と蠅群はぶつかり、蠅は燃え、炎の竜は次第に縮んでゆく！ 蠅が明らかに強い！「ケオアバーッ！」ポイズンレインの姿が蠅群に消えた！ 「おお…カブキの神よ…！私をお守りくだち…！」ペニテンスは祈る！だがその光球直径は目に見えて減少！ 「ケオケオーッ！」ペンドラゴンは2体の炎の竜を吐く！1体は彼の周辺を旋回、もう1体はポリューションへ！ 「ハハァーッ！効かねぇ！」ヤリめいた蠅群が炎の竜を貫く！そして蠅槍はペンドラゴンへ！ …その時！「イヨーッ！」射出装置めいた勢いで奈落からセリが上がり、1人のカブキアクターが飛び出した！ 「ドーモ、カブキニストです」

5 18/09/14(金)00:53:33 No.533219525

「アア？…カブキアクターに用は無いんですけお！引っ込んでてくだち！」蠅槍がカブキニストへ飛来！ 「イヨーッ！」カブキニストの拳が蠅槍を弾く！カブキだ！「そうはゆかぬ。コウライ社の所有ぴるすに手を出されては困る故」 「ケオーッ！」無数の蠅密集球体が銃弾めいて高速飛来！「イヨッイヨッイヨーッ！」弾く！弾く！弾く！ そして！「イヨォーッ！」カブキニストは強く地面を踏み締め跳躍する！暗黒カブキ奥義、トビ・ロッポー！ 「AAAAAAAARGH！」ポリューションは叫び、全身から滝のように超常の蠅群を放出！トビ・ロッポーとせめぎ合う！ 無数の蠅の死骸がハナミチへと積もってゆく！次第にトビ・ロッポーの勢いが弱まる！「死んでくだちィィーッ！」 トビ・ロッポーの勢いが…完全に止まった！アブナイ！だがその時。 カブキニストはカブキを燃やしながら強く一歩踏み込んだ。「イィィィ…ヨォォォォーッ！」 カブキニストは再び跳躍する！「クソックソックソッ！なんなんですけおォーッ！？」蠅の波が…割れる！ 「イヨォォォ―ッ！」「ケオアバーッ！」ポリューションは激しく吹き飛び、蠅のカーテンを何枚も突き破り、ハナミチを転がる！

6 18/09/14(金)00:53:55 No.533219573

「アバッ…クソッ…クソが…」「イヨーッ！」「ケオアバーッ！」カブキニストが首を掴み上げる。 「話せ、何が目的かね」「アバッ…目的ィ…？憎いから殺すだけなんですけお…！」「憎い…？何故ぴるすである君が同族を憎む」 「せっかく逃走計画をリークして陰で逃げ出したってのにアイツらに巻き込まれて死にかけて… 　オレがそうやって苦しんでる時も他のぴるす共はのうのうと生きてた！ムカつくし許せねぇ！」 「イヨーッ！」「ケオアバーッ！…やめてくだち！オレはあんたと同じぴるすを殺す者なんですけお！」 「…私はぴるすを殺す者ではない、管理する者だ。故にお前も管理する。…殺処分だ」 「クソックソーッ！死にたくないんですけおォーッ！」「イヨーッ！」カブキニストの拳がポリューションの頭を砕いた。 「サヨナラ！」ポリューションは爆発四散し、蠅は散り散りに飛び去った。 「ポリューション、私が見たぴるすの中でも最低のぴるすであった」 カブキニストはステージへ振り返った。蠅の死骸が積もるステージには2人のニンジャぴるす。 生き残りが出るとは、思わぬ収穫だ。カブキニストは医療班へIRC通信を入れ、彼らの元へ歩き出した。

7 18/09/14(金)00:54:18 No.533219618

―――――――― 地下水路の中を一人の野良ぴるすが歩く。行く当てもなくここに住み着いた。 ここは安全ではない。汚染水やバイオ動物の危険や、ニンジャ集団に襲われたという話も聞く。 だが、何も縛るものはない。彼にとってここは天国だった。 「けお？」水路の格子に引っかかる白い物体を見つけた。白いワニの死体だ。 ワニなんて早々食べられない。少し蠅は湧いているようだが、加熱すれば問題あるまい。 手を伸ばした、その時。BUZZZZZZZZZZ!ワニの腹を突き破り無数の蠅が飛び出した。「ケオーッ！？」 腰を抜かした彼に蠅群が飛びかかる。「ケオーッ！？」眼から、耳から、鼻から、口から、蠅が体内へと侵入する。 「ケオオオオオーッ！？ケオーッ！？ケオッ…ケオーッ…！ケ…ア…ア、アア…アーアー…ンン」 蠅が全て彼の中に入り終えた時、そこに存在するのは下顎骨メンポを付け、襤褸切れの装束を纏うニンジャぴるすであった。 「アー…カブキアクター、カブキニスト…メンドクセェんですけお」首を鳴らしながらひとりごちる。 「関わらない方が正解かァ…アー…もっと適当に殺して生きたいんですけお…」 そう呟くと、彼は水路の奥へと消えた。

8 18/09/14(金)00:56:50 No.533220066

ノーフューチャーって感じのぴるすだ…

9 18/09/14(金)00:58:39 No.533220357

アーチ級ニンジャぴるすきたな…

10 18/09/14(金)01:00:56 No.533220664

デスドだコレ！

11 18/09/14(金)01:01:09 No.533220690

今更ながらぴるすニンジャが全員パ行だと気がついてだめだった

12 18/09/14(金)01:02:10 No.533220847

クンリケンは厳しい

13 18/09/14(金)01:02:37 No.533220909

ジツが凶悪かつ強力すぎる… デスドレインより厄介だぞ…

14 18/09/14(金)01:03:35 No.533221051

何気にオフィスハック要素も入れてきやがって…

15 18/09/14(金)01:03:41 No.533221071

ゼブブ・ニンジャ…糞山ニンジャか…ぴるすに合ってるかも知れない

16 18/09/14(金)01:04:20 No.533221179

カブキスレイヤー久々に見た

17 18/09/14(金)01:05:40 No.533221379

古代ローマカラテ使いはスクでも古代ローマカラテ使いだな…

18 18/09/14(金)01:07:39 No.533221692

アンコクトンとドローン・ジツを組み合わせたようなジツだ

19 18/09/14(金)01:09:05 No.533221921

自主的にカブキの門を叩くとは随分真面目なぴるすだ…

20 18/09/14(金)01:09:06 No.533221924

考えてみるとぴるすが二人居たら仲良くなるよりも見下し合いそう

21 18/09/14(金)01:12:58 No.533222511

ペ二テンス=サンは自らカブキの門を叩いたタイプだと思う

22 18/09/14(金)01:14:30 No.533222748

ちょっとデスド染みた蠅だけでもヤバいのに乗り移り付与はヤバすぎる…

23 18/09/14(金)01:14:41 No.533222776

スターウォーズのクローン兵士みたいだなこの世界のぴるす

24 18/09/14(金)01:15:47 No.533222942

湯川がｽﾞﾎﾞれなさそうなぴるす初めて見た

25 18/09/14(金)01:16:18 No.533223014

>スターウォーズのクローン兵士みたいだなこの世界のぴるす 実際クローンヤクザめいてる あれよりクソコテだから人間性が強いと考えると皮肉だが

26 18/09/14(金)01:16:54 No.533223110

>勧進帳にも記されている神聖不可侵の掟だ 古事記だけでなく勧進帳にも書かれてるんだ…

27 18/09/14(金)01:17:17 No.533223176

カブキイリュージョンはいつみても神々しきカブキ

28 18/09/14(金)01:17:53 No.533223271

というか勧進帳なんも書いてないやつじゃねーか！

29 18/09/14(金)01:19:29 No.533223511

ポリューションのジツ強いなあ

30 18/09/14(金)01:21:18 No.533223776

この世界の湯川ならニンジャだろうと問答無用でｽﾞﾎﾞｯできるんじゃないの

31 18/09/14(金)01:22:15 No.533223904

この世界の湯川はおかまいなしにｽﾞﾎﾞｯできるのかもしれない

32 18/09/14(金)01:22:20 No.533223918

>カブキニストの拳が蠅槍を弾く！カブキだ！ この有無を言わせぬ説得力よ

33 18/09/14(金)01:23:13 No.533224026

デスドだってアンコクトンに意識乗せてフドウノリウツリみたいな真似は出来ないだろう いややったら出来そうだけどあいつ

34 18/09/14(金)01:24:31 No.533224171

最近ニンジャタイプばっかで忘れかけてたけどそういえばぴるすはクローンヤクザ的運用されてたんだったな…

35 18/09/14(金)01:24:36 No.533224179

何気にトビ・ロッポー止めてるなポリューション…

36 18/09/14(金)01:30:13 No.533224950

ペンドラゴン＝サンが結構かっこよさげなビジュアルで…でもぴるすなんだよな…

37 18/09/14(金)01:32:58 No.533225325

何気に強いよねペンドラゴン…名前的に竜の頭してるんだろうか

38 18/09/14(金)01:33:12 No.533225366

蝿が本体なのか…

39 18/09/14(金)01:35:20 No.533225716

ポリューションって汚染って意味なのか すごくそれっぽい

40 18/09/14(金)01:36:05 No.533225836

ぴるすの指し示す範囲が広すぎる

41 18/09/14(金)01:38:31 No.533226209

>ポリューションって汚染って意味なのか (精神的)堕落という意味もあるみたいデスネー

42 18/09/14(金)01:41:28 No.533226707

ゼブブって割にはあっけないなと思ったらボディ乗っ取りで復活するのか…

43 18/09/14(金)01:41:29 No.533226712

>・ぴるすとは？ >ぴるすはコウライ社バイオ部門により研究、生産される生命体である。 >各個体はほぼクローンであり群体行動も可能である一方で、クローンヤクザと異なりそれぞれに自我があり、 >多少の個性も見受けられる。一般人に劣る能力、些細な事で死ぬ繊細さを持ち、マイン・カナリーや薬剤研究、 >ストレステストなどの他、単純労働力や変態闇カネモチの嗜好品となる。 >管理運用下では大半が外的要因により早死にするが、本来の寿命は極めて長く、また意外に生命力もある。 >近頃では逃亡したぴるすが野生化、作物を荒らすなどの問題も発生している。 シャードより引用

44 18/09/14(金)01:43:38 No.533227050

>変態闇カネモチの嗜好品となる。 湯川のことか…

45 18/09/14(金)01:49:26 No.533227916

見る度ぱ行ネームって大変そうだなって思わされる…