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18/08/26(日)12:11:47 ペケロ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1535253107961.jpg 18/08/26(日)12:11:47 No.528821710

ペケロッパ・カルト連続失踪事件?」 カブキニストは怪訝な顔をしてタカコに訊ねた。 「そう。ペケロッパ・カルトの構成員が連続的に行方不明になってるの。その数はもう30を超えているそうよ」 「警察は何をしている」 「ペケロッパ・カルトよ?怪しげな儀式をやってるみたいなイメージもあるし、彼らもあまり深入りして捜査しないんじゃないかしら」 「ヌウーッ…」 カブキニストは娘でヤバイ級ハッカーのタカコに協力を仰いでいた。先日依頼された失踪事件のことだ。

1 18/08/26(日)12:12:31 No.528821869

ーーーーーーーー 「息子が…部屋に閉じこもってUNIXばかり見ているような子でしたが、優しい子でした」 涙を浮かべる男の名はメビト・リョクロ。息子のキビト・リョクロが突如として行方不明になった、という旨でこの事務所…兼ドージョーに依頼に来たのだ。 探偵事務所。カブキアクターとしての活動をしているコーシロにとっては、一見何の関係もないことのように思える。しかしカブキニストとしての彼にとっては別だ。ぴるすニンジャを狩る宿命のもとに生まれた彼にとって、この稼業は実際効率よくぴるすを狩る上で都合が良かった。持ち込まれる依頼のうち一割ほどがぴるす案件。最近噂が広まってきたのか、ぴるす案件の割合は段々と増えつつあった。 尤もただぴるすを狩るためにこの稼業をしているのではない。人々を楽しませ人生を豊かにするカブキ…しかしそれはある意味では虚構、夢の世界だけの娯楽。彼は観客たちの真の安寧のために現実世界において無辜の人々を脅かすぴるすを狩る。…少なくとも彼はそう納得していた。

2 18/08/26(日)12:12:49 No.528821947

「息子さんの動向について…何でも良いので教えてください」 「はい、その日息子はいつものように、自室でIRCチャットで仲間と喋っていたようです…」 「なるほど。それで?」 「突然息子の部屋が騒がしくなり…まるで客でも来たようで…驚いて見に行ったところ窓が開いていて…息子が…消えていました…」 メビトは堪えきれなくなったのか涙を流し始めた。 「警察には相談したのですか」 「はい…ですが取り合ってもらえず…現場の状況が余りにも不可解すぎると…まるで狂人を見るような目で…」 確かに不可解、ありえぬ事だ…通常の人間ならば。 しかし不可解を押し通すのがニンジャの力…即ちこれ、ぴるす案件の可能性あり! UNIX案件ならば、娘のタカコが詳しい。協力を仰がなければ! コーシロは依頼を受けることを約束すると、早速タカコの元へと向かっていった。

3 18/08/26(日)12:13:21 No.528822045

ーーーーーーーー コーシロはタカコと話を続けた。 「それで調べていって分かったわ。その…キビト・リョクロさんでしたっけ?彼は失踪の数日前、ペケロッパ・カルトと接触していたようね」 「ペケロッパ・カルト?彼らの関係者にぴるすニンジャが…」 「いいえ、その線は薄いと思うわ。むしろ巻き込まれたと言った方が良いかも知れない。さっき話した、ペケロッパ・カルト連続失踪事件にね」 「ぴるす案件か…」 今思えば、警察が深入りしなかったのも、現場状況の不可解さ以上に、ぴるす案件であることを感じとった事も関係しているのかも知れなかった。 しかし首謀者が分からないことにはどうしようもない。

4 18/08/26(日)12:13:45 No.528822129

「他に何か分かったことは」 「調査を進めていて分かったわ。ペケロッパ・カルトの構成員は、何らかの仕事…あるいは修行という名目で集められていたみたいね」 なるほど、失踪事件との関連が伺われる。 「どこに集められていたか分かるか」 「それが…分からないの。それで今から…やろうと思うの」 「ダイブか」 ヤバイ級ハッカー、タカコにはコトダマ空間を認識する能力が備わっていた。この能力は彼女の活動…ハッキングにおいて多大な助けになってきた。今回もそれをしようというのだ。 「私がダイブしてキビトさんが捕まっている位置を割り出すわ。そうしたらIRC通信を送るからそこへ行ってキビトさんと…恐らくそこに捕らえられているペケロッパ・カルトの構成員たちを解放してあげて…生きていれば…」 ぴるすニンジャの暴威に晒されたのだ、生きているという保証はない。しかしそれでもやらなくてはいけないのだ。 「分かった。…すまない」

5 18/08/26(日)12:14:23 No.528822273

ーーーーーーーー タカコはザゼンドリンクと違法マロ茶の危険なカクテルを飲み干すと、首筋の生体LAN端子をUNIXと接続した。 彼女のローカルコトダマ空間が映し出される。クリスタルめいた氷でできた一室。雪像のフクスケが置かれてはいるが、洋室めいたレイアウトだ。 彼女はグローバルコトダマ空間へと更なるダイブを行う。氷の部屋が溶けるように消え、一面の雪原が辺りに広がる。上空には黄金に輝く物体がある。太陽めいて辺りを照らす。 無論これは彼女が定義した光景にすぎない。彼女が感覚的な情報を定義しているのだ。 「さて…始めましょうか」 タカコはIRCの記録をたどる。消えたペケロッパ・カルティストたち、そしてキビトのものを。その記録の痕跡が光の矢となり、鏑矢めいてBEEP音を立てながら飛んでいく。 …その消失点に向かって、タカコは加速していく。 「これでどうかしら!」 タカコは紡錘形めいた形になり、空間を突き破る!

6 18/08/26(日)12:15:08 No.528822432

辺りの空間が弾け、気づくとタカコは暗い坑道にいた。 この辺りに失踪者達がいるはず。辺りを見ると、巨大な掘削機械が見えた。 「あれね…」 侵入しようとするが、カギがかかっている…即ち、セキュリティ的に秘匿されているのだ。しかし… 「これくらい、訳ないわ」 ヤバイ級ハッカーである彼女は、呆気なくそのセキュリティを解除。 中に入ると乗組員たちがいる。即ち失踪者達だ!カルティスト達、キビトもだ。 タカコはコーシロに発見のIRC通信を送ろうとした、しかし…ログアウトできない! 「まさか…!」

7 18/08/26(日)12:15:46 No.528822599

次の瞬間、掘削機械の艦長めいた男が猛烈な蹴りを喰らわせる!ナムサン、あたかも失踪者たちのように偽装していたこの男こそ、今回の首謀者! その男はタカコに向けてwhoisコマンドを送る。タカコの頭の上に「okakat」の名前が浮かび上がる! 「ドーモ…何と読むのかは分からないんですけお、okakat=サン。…パルスビートですけお!」 「イヤーッ!」 タカコは非ニンジャである、ゆえにニンジャの道理に則りアイサツをする礼儀など無い!彼女はすぐにdelコマンドを打ち出す!だが… 「この場所を潰しに来るだろうとは思っていたんですけお、ネズミが!死んでくだち!」 何たるタイピング速度か!delコマンドは呆気なくかわされ、こちらにもdelコマンドが飛んでくる! 「ンアーッ!」 かわしきれず激突!しかしタカコはすぐさま自らに「そうだね」コマンドを送信!delで失った肉体情報を補填する。

8 18/08/26(日)12:16:31 No.528822760

「ほー、なかなかやるな…しかしこれならどうだ!?」 ナムサン!失踪者達のIDを使ったdel波状攻撃! タカコは回避しようとする、だが間に合わない! 「ンアーッ!」 コトダマ空間上での肉体が赤みを帯びる。このままでは逆にこちらのIDが暴かれる! タカコは咄嗟に一旦ログアウト、すぐさま再ログインを行う!IDは切り替わり回復、しかし敵にとっては十分な余裕! 再ログインの後、タカコは自らのいる位置が先ほどの坑道では無いことに気づく。坑道の外だろうか?だだっ広い空間。荒野が広がる。無論IP的には同じ場所。定義を書き換えられたのだ! 「こ、これは…」 タカコは気づく。ナムサン!先ほどの掘削機械が、巨大ロボめいた人型に変形し、立ちふさがっている!40メートル程はあるだろうか? 失踪者達との並列接続による巨大サーバー攻撃!何たる暴虐か!

9 18/08/26(日)12:17:06 No.528822879

「フフフ、ネズミめ、ここで電子の藻屑となって消えてくだち!」 ロボットが炎の壁…セキュリティ的ファイアウォールをバリアめいて展開する。 ロボットの巨大な拳が飛ぶ! 「イヤーッ!」 タカコはそれを間一髪で避け、巨大な氷柱を炎の壁に叩き込む! 命中した部分の壁が一瞬消失する。しかし炎の壁に溶かされて消える! 「無駄なんですけお!死んでくだち!」 ロボットの蹴り!タカコはまたもそれを回避!氷柱を叩き込む!炎の壁で消える! 拳!「イヤーッ!」氷柱!消滅! 蹴り!「イヤーッ!」氷柱!消滅! 拳!「イヤーッ!」氷柱!消滅! 蹴り!「イヤーッ!」氷柱!消滅!

10 18/08/26(日)12:17:31 No.528822974

「往生際が悪いんですけお、ネズミめ!ケオーッ!」 ロボットの目からビームが放たれる! 「イヤーッ!」 タカコはほぼ同時に氷柱を叩き込むが…ナムサン!氷柱はビームをすり抜け炎の壁に溶かされ、タカコはビームを喰らい消滅…! 「ケオッケオッケオ、口ほどにもない!」 操縦席で勝利を確信したパルスビートがロボットの変形を解こうと振り返ると…そこにはタカコ! 「バ、バカな、どうして!」 「Take That!」 タカコはすかさず多重ログイン!一斉にパルスビートにdelを叩き込む! タカコは最後の氷柱を放つ寸前、自分のデータを氷柱に、氷柱を自分に偽装したのだった。そして侵入!何たる瞬間的タイピング!タツジン! パルスビートはログアウトを試みる…しかしできない!del速度は圧倒的、自らのダメージをそうだねで相殺しなければコトダマ空間での肉体が持たぬ! パルスビートの身体が段々と赤く染まり…IDが…そしてIPが露わになる! 「ケオーッ!」 瞬間、タカコはその情報をコーシロ…カブキニストに向けて送信!その隙をついてパルスビートはログアウトした!

11 18/08/26(日)12:17:55 No.528823046

ーーーーーーーー 「…あとは父に任せれば良いわ」 空間が崩れていく。 父が敵の基地までたどり着いたのだろう。 脱出しようとしてタカコがふと振り返ると、先ほど掘削機械が掘っていた坑道の外観が映目に入った。 淡く光る巨大な山。自分のいる位置から上に273キロメートルほど、下に273キロメートルほど岩壁が広がっている。 そこにはラシュモア山めいて、父に似た面影の顔が彫られている… 「なに、これ…」 タカコは名状しがたい恐怖に駆られたが、今は脱出が先。 ログアウトを行うため、その空間を後にした。

12 18/08/26(日)12:18:39 No.528823201

ーーーーーーーー 「ハァーッ!ハァーッ!」 パルスビートが目覚める。ここはノバラ・ストリートにある廃ビル…だったが、今はパルスビートのマイニング基地に使われていた。 パルスビートは周りを見渡す。並列奴隷タイピストが…いない!?どういうことだ!? 「イヨーッ!」パルスビートに拳が叩き込まれる! 「カルティスト達とキビトさんは私が解放した。ドーモ、パルスビート=サン、カブキニストです」 「あ、お前は…!ドーモ、パルスビートですケオーッ!」 アイサツ終了コンマ0546秒後、拳がパルスビートの顔面に再度叩き込まれた! 「インタビューだ。答えればこの場で殺してやる。答えねば脚を折りドージョーへ連れて帰り拷問する」 「誰が答えるか」 「イヨーッ!」 「ケオーッ!」 再度の拳!

13 18/08/26(日)12:19:18 No.528823326

「一つ目。ペケロッパ・カルティストおよびキビトさんをさらったのはオヌシか」 「そ、そうですけお!電子鉱山へのマイニング要員のためUNIXに精通した奴を集めていたんですけお!」 「二つ目。それはオヌシが主導してやったことか」 「違いますけお!俺はただ…ペリニヨン=サンとかいう人に雇われてやっただけなんですけお!アイツのせいなんですけお!」 ペリニヨン!ここでその名前を聞くとは。 ペリニヨンはかつてカブキニストの友人を脅かしたぴるすニンジャだ。未だ殺害には至っていない。 「三つ目。先ほど言った、電子鉱山へのマイニングとは何か」 「知らないんですけお!済んだことをそこまで深入りしないでくだち」 「イヨーッ!」 「ケオーッ!…ほ、本当に知らないんですけお…謎の打ち捨てられたサーバーからカルティスト達の脳内演算能力を使って何かも分からない情報をダウンロードしていただけで…た、ただ俺が悪い…許してくだち…」

14 18/08/26(日)12:19:37 No.528823378

「ダウンロード?そうしたものはどうなる」 「し…知らない…俺はただ…金儲けのために…」 …本当に何も知らないようだ。 「カイシャクしてやる…」 カブキニストはとどめの拳をパルスビートに叩き込んだ。 「サヨナラ!」

15 18/08/26(日)12:19:54 No.528823439

ーーーーーーーー カブキニストはメビト・リョクロからのお礼の手紙を眺めていた。 タカコは合法ラ・マン茶を飲んでニューロンを癒している。 カブキニストは考える。電子鉱山とは何か?ペリニヨンというぴるすニンジャはいったい? またタカコに協力を仰がねばならないのか。自分とて、娘を戦いには巻き込みたくないのだが… そんなことを考えながら、カブキニストは次なるイクサへ備えるべく、休息を取ることにした。 (※カブキスレイヤーはフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がありません)

16 18/08/26(日)12:21:16 No.528823702

ゴウランガ!

17 18/08/26(日)12:21:42 No.528823779

ワザマエ!

18 18/08/26(日)12:22:35 No.528823956

ヤバイ級な

19 18/08/26(日)12:22:55 No.528824036

ワザマエ!

20 18/08/26(日)12:23:56 No.528824228

ペリニヨンが出てきたということは…セカンドジェネレーション=サン!ワザマエ! しかしここ連日の更新で頭は疲れていないだろうか? マンゴーはもげているだろうか? わたしはしんぱいです

21 18/08/26(日)12:24:39 No.528824384

まろ子すげえな!

22 18/08/26(日)12:28:41 No.528825217

ワザマエ! 「そうだね」は回復コマンドなのか…

23 18/08/26(日)12:29:39 No.528825448

現幸四郎の出番はあるのか

24 18/08/26(日)12:29:52 No.528825491

>ザゼンドリンクと違法マロ茶の危険なカクテル ここでもうニューロンにきた

25 18/08/26(日)12:30:13 No.528825567

モブキャラの名前の命名法則が知りたい

26 18/08/26(日)12:31:54 No.528825945

>ワザマエ! >「そうだね」は回復コマンドなのか… かつてmayの地では有志連合と卑劣な多重ログインdelとの戦いで426そうだねですらID出された事例もある 備えよう

27 18/08/26(日)12:35:38 No.528826688

ワオ…ゼン…

28 18/08/26(日)12:36:23 No.528826851

禁じられしTEGAKIがmayの地にはあるらしいな

29 18/08/26(日)12:41:18 No.528827936

>モブキャラの名前の命名法則が知りたい 「名前でどんな人かがわかりやすいのは覚えてもらいやすくて実際大事」 カプコンのタクミ・シューのコトワザである 例えば今回のモータル親子だとUNIX関連で メビト、キビト→メガバイト、キロバイトのもじり リョクロ→UNIXの画面色とされる緑黒から 前回のモウエ・サイコウだと ペリニヨンなのでモエ社からモウエ、モウエ→最上で最高→サイコウとかけました ニンジャネームに関してはパ行から適当に、最初のミラピルス=サンに関してはオシロイバナの学名Mirabilis jalapaをもじってつけました

30 18/08/26(日)12:43:53 No.528828500

キャバーン!

31 18/08/26(日)12:44:16 No.528828577

カブキイヤッター!

32 18/08/26(日)12:44:49 No.528828710

パ行縛りは実際タイヘン

33 18/08/26(日)12:49:02 No.528829645

ぴるす案件は実際パワをかんじるワード

34 18/08/26(日)12:49:25 No.528829733

>カプコンのタクミ・シューのコトワザである なるほど…勉強になるな…

35 18/08/26(日)12:54:38 No.528830891

ラマン茶はずるい

36 18/08/26(日)12:56:09 No.528831235

久々に歌舞伎役者見たと思ったらぴるすスレイヤーで駄目だった

37 18/08/26(日)13:04:59 No.528833146

ラ・マン茶は劇作家向けのチャだからカブキニストのニューロンとも実際相性が良い

38 18/08/26(日)13:05:21 No.528833222

>わたしはしんぱいです アッハイ憩っています

39 18/08/26(日)13:06:52 No.528833561

セカンドジェネレーション=サンも初代に劣らぬワザマエだな…

40 18/08/26(日)13:09:44 No.528834219

皆さんアリガトゴザイマス! 精進します

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