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「知って... のスレッド詳細

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18/08/16(木)22:44:39 [1/8] No.526527718

「知ってるか、マツコデラックスのマとデを入れ替えると、ケツコマラックスになるんやで?」  その時私は大いなる時代の流れの、何か偉大なる栄光に満ちた渦の中にいるのを全身で感じ取っていた。  旅の仏師、唐紅は己の腕を試すため誰かに請われるでもなく野仏を彫って万の仏を成そうと誓願し、東へと歩みを進めていた。  出雲を発って何年が経ったろうか、下野国に着いたときには既に九千九百九十九体の仏に瞳を刻んでいた。  一万体目の仏に手をつける事になった時には既に運慶や円空、遠い飛鳥時代の達人にも引けを取らない天来の妙手として名を知られていた。  下野国に着いたとき、この地に根を下ろし漂泊の生活に終わりを告げて、庵を結び阿弥陀堂を建て、この地に住まう民を守護する仏を成そうと考えていた。  奥深い森の中から一本の神木と思われる欅を切り出し、想を練っていた。

1 18/08/16(木)22:44:55 [2/8] No.526527808

 運慶は木の中に仏を見いだし、余分なところを削り出すだけという境地に至っていると師のそのまた師の遙かなる昔からの伝来に及び聞き及んでいた。  事、ここにあって、想を練らねばならぬ己は、世間で妙手だの達人だのといわれようとせいぜいそこ止まりで、仏を現世に顕現せしめるだけの腕ではないと自覚し、己を嘲笑っていた。  その頃、唐紅の噂を聞きつけた近隣の里の者より使いが来た。 「これは高名なることで知られる唐紅様、我が里では酸鼻猖獗を極めるといった体で、悪鬼悪神の息を吹きかけられたとしか思えない流行病が蔓延り、水は腐り、田も畑も萎えてしまい里の者は死に瀕しております。どうか我らのために魔の者を退散せしめる仏を成して下さいまし」  唐紅は一も二もなくその招きに応じると、早速村の長者の庭に神木を運ばせ庵を結び、一年間耐えてくれと言い残し庵に引きこもり、日に一度運ばれる食事を入り口に置かせ一切姿を見せなかったが鑿を振るう音だけは昼夜問わず響いていた。

2 18/08/16(木)22:45:10 [3/8] No.526527894

 一月も経つ頃になり、長者は果たしてこの姿を見せない仏師が本当に天下に名を知られた唐紅なのかと訝しみ、食事を運ばせている下女にこっそり姿を見てこいと命じた。  下女はコーンコーンと高い音の鳴る庵の前に食事を置き、いつものように「唐紅様、お食事です」と大きな声をあげて退散した。  暫く木立の中に身を潜め庵に視線をやっていると、鑿の音がふと途絶えゴトリと重い戸が開きやせ細った腕が見えた。  扉からボウボウに髪の伸びた頭がにゅっと出てきた。  その目は落ちくぼみ痩せこけてはいたが、人肉でも喰っているのではないかという凄絶な光が目に宿っていた。  下女は恐怖のあまり思わず、くぐもった呻き声をあげる。  目が合った。  下女は殺されると思い、その場から遁走した。

3 18/08/16(木)22:45:27 [4/8] No.526528000

 村の古老はこの話を聞き、長者と話し合った。 「まさかあの野良仏師、餓鬼畜生の類いではないのか」 「太麻呂殿、それは恐らくあの唐紅の中に愛染明王が宿っているのでございます。愛染明王を彫った仏師は必ず死に至ります。あの仏師は悪鬼退散のため愛染明王を彫っているに違いありません」  長者は里の古老の言葉に得心至り、あの仏師は一万体目の像に目を入れたとき死に至るのであろうと、その身に仏を宿し、死ぬことによって里の者を守るのであろうと考え、唐紅から何か求められない限り一切の干渉はせぬことにした。  あれから一年が経とうとしていた。  鑿の音は日増しに弱くなり、およそ三日の間音が聞こえなくなった。  長者は流石に、心身ともに神経衰弱に至り、唐紅は仏を成すことなく死んでしまったのではないかと考え、下男をやった。  この頃相談に乗っていた里の古老は流行病の魔の手から逃れられずに腐った井戸水を求めて這いずり回っていたが、這ったところで手が届かず、腐った水すら口にすること無く、キリキリと舞い落命していた。

4 18/08/16(木)22:45:45 [5/8] No.526528117

 食事を運んでいた下女は日増しに増える死人の群れに恐れをなし、里の向こうの森の川を渡ったところの、山の奥にある里の、更に川と山を渡った先にある小さな集落へと逃げようとし、長者の蔵から食料と金品を奪い逃げ去るところを、この下男に見つかり首の骨を折られた。  下女の身を役人共が見聞したところ、既に腹に青鬼と呼ばれる痣が出来ており、よしんば逃げおおせたとしても、最初の山を越えられもしなかっただろうという話に落ち着いた。  結果的に死から逃れようとして、死期を早めただけであった。  病で生き腐れる苦しみよりはマシだったのかも知れないが、あの日唐紅の姿を見てからか病のためか少なからず発狂していたのだろう。首を挫かれた事は救いだったのかも知れない。 そして、下女の仕事は下男の灰釜の仕事となった。  鑿を振るう音が聞こえなくなったのはそれから暫くしてからのことであった。

5 18/08/16(木)22:46:02 [6/8] No.526528214

 灰釜は生来無口を通り越して唖と思われる質であったが、長者のいうことを良く聞き守り遂行していたため、よくよく重宝されていた。  そもそもの話として里中を見渡しても満足に力仕事が出来るものはこの男しかいないと思われた。  灰釜は庵に着くと、昨日の飯の膳をどかし、僅かばかりの粥と蛇の干した物、屑野菜をただ塩味をつけて煮付けた物とを置き、戸を叩いた。  昨日の膳には手がつけられていなかった。  暫く戸を叩き続けていたがいっこうに開く気配がない。  灰釜は携えてきた斧で、硬い樫で出来た引き戸に一撃をくれようとした。  その時引き戸が一気に開き、灰釜はこの世の物とは思えない幽かな色をした骨と皮ばかりの腕に絡め取られ引きずり込まれた。  生来感情というものを表したことのない灰釜であったが、護摩の炎がむらむらと立ち上がる向こうに巨大な影を落とした、異形の像を見て心胆寒からしめた。  その側にはガランスに燃え立つ炎と暗黒より沁みだしてきた影の強烈コントラストの狭間の中で異様に目立つ爛々と光る目が見えた。

6 18/08/16(木)22:46:20 [7/8] No.526528324

「瞳がな、瞳がはいらんのじゃ」  もごもごとした呻き声としか思えないかすれ声が地の底から響いてきた。 「血が足りないのじゃ、さあさお前の体液を護法魔王尊像にかけてくれ」  暗闇の中で目の前まできてようやくほとんど裸と分かる仏師が迫り、灰釜のマラにしゃぶりついた。 「ぐあああ、ぐあああ!」  唖だと思われていた灰釜の喉の奥から野太い声が響き渡る。  唐紅の精妙な鑿を思わせる節くれ立った細い骨と皮ばかりの指が灰釜のお釜にズブリと差し込まれる。 「イジェクト!」  ちんちんぴんぴんピンコ勃ち、乳首を同時に舐られ、灰釜お釜を掘られる。  相手は仏師だけに掘るのは得意なんてな!(笑)  なんかもうテクニシャン過ぎ、野郎のセッションが庵の中に響き渡り、何か熱いものが灰釜の精管を光の速さ、いや音速の三倍の速さで発射される。 「スプラッシュ!」  灰釜から発射された粥の如きものが異形の像にブッかかる。 「これで目が入れられる」

7 18/08/16(木)22:46:35 [8/8] No.526528406

 灰釜の意識にある記憶はそれが最期だった。  灰釜が気付いたときには長者の屋敷の客間に寝かされていた。  仲間の下男が大声で「太麻呂様!」と長者を呼ぶ声が聞こえた。  長者の話によると、庵の前で全裸の灰釜が倒れているのが見つかったのは今から一週間も前のことだという。  庵は護摩の炎で焼け灰になってしまい、唐紅の姿も骨もなかったという。  ただ仏師の彫刻道具だけが焼け出されて出てきていた。  そして異様なことに全焼した庵から異形の像が全く一つも焦げもせず残っていた。  ぬらぬらと不気味に滑っている像を里の鬼門になる四つ辻に置いたところ、不思議と病になるものがいなくなり、井戸の水は清らかさを取り戻した。 「あれは、あの仏師は己の作り出した魔性に喰われてしまったのだ」  やがて異形の像の評判は高まり、近隣のものが詣でに来た。  それから幾つの時が過ぎたか、いま唐紅という名前を知るものは一人もいない。

8 18/08/16(木)22:54:19 No.526531091

相変わらず導入といい読ませるものをカキやがる

9 18/08/16(木)22:55:37 No.526531570

よかったらおひねりはそうだねしていただけると励みになります

10 18/08/16(木)22:55:40 No.526531582

なげーよ!

11 18/08/16(木)23:01:19 No.526533329

コミケで弊サークルまで足をお運びいただいた皆様ありがとうございました 冬コミも申し込んだので受かっていたときはよしなに それがいいたかっただけです

12 18/08/16(木)23:05:46 No.526534750

数年ぶりに見た 行為シーンの配分減ったな!?

13 18/08/16(木)23:06:00 No.526534821

相変わらず怒涛の展開がひどい >相手は仏師だけに掘るのは得意なんてな!(笑) ここが特にひどい

14 18/08/16(木)23:12:36 No.526536719

学園祭の日振りに見た

15 18/08/16(木)23:19:19 No.526538525

そういや一から読んでみて一行目二行目が全く何の意味も無いことに気づいた

16 18/08/16(木)23:22:16 No.526539333

相変わらず最後の2,3レスが急展開すぎる…

17 18/08/16(木)23:27:03 No.526540597

>学園祭の日振りに見た 学園祭の報告の後一度しか投下してないですね これはコミケ来てくれてありがとうって報告したかったから書きました このまえ夜長姫と耳男読んだので特にテーマ無いけれど仏師ということで

18 18/08/16(木)23:32:37 No.526541940

>ケツコマラックス ならねーじゃねーか!!

19 18/08/16(木)23:32:53 No.526542000

イジェクト!じゃねぇよ!

20 18/08/16(木)23:35:11 No.526542490

スプラッシュ!じゃねえよ!

21 18/08/16(木)23:35:25 No.526542542

>>ケツコマラックス >ならねーじゃねーか!! ダメだった

22 18/08/16(木)23:35:33 No.526542562

なにこの…なに…?

23 18/08/16(木)23:35:54 No.526542659

火の鳥といい仏師はファイヤーされなきゃいけないの…

24 18/08/16(木)23:39:03 No.526543371

ツコラックスって何だよ!

25 18/08/16(木)23:39:31 No.526543484

なにこの…なに…?

26 18/08/16(木)23:40:41 No.526543782

ケツコの下りいらねえな?

27 18/08/16(木)23:41:24 No.526543954

マラックスはアイスブレーキングってやつだよきっと

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