ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/08/13(月)19:29:42 No.525757834
はいどうもこんばんは!スレイベンの守護者にして異端聖戦士、サリアです。今夜もやって参りました、イニストガールズトークショー! 本日は副官さんに代わり私、サリアが60分間ノンストップでイニストガールとのトークを楽しむ番組となっております!今日のゲストは……オリヴィア・ヴォルダーレンさん! 「お呼び頂き感謝しますわ、聖トラフトの後継者さん」 言っておきますが、ヴォルダーレン家の始祖であるオリヴィアさんが怪しい動きをしないかを見張るのも私の務めですからね。 「あら、怖い。でも安心して欲しくてよ。私たちは人間が居なくては生きていけないんですもの。見境なく狩る獣人とは違います」 オリヴィアは胸を張って──その胸は豊満であった──言った。 人々に危害を加えるのであれば、安心はできません。 「危害! 何という言い方をするのでしょう!貴方達は常に危険に晒されており、私たちは寧ろ加護ではなくって?」 どういう意味ですか?
1 18/08/13(月)19:30:02 No.525757901
「言葉通り」 彼女の微笑みは牙の浮かぶものだった。サリアは瞬時に身構えようとしたが、丸腰であることに気付いた。 「私たちは決して人間を狩り尽くすことはありません。可愛らしいお嬢さん、考えてごらんなさい。羊を食い尽くす羊飼いがいますか?礼節も限度も知らぬ愚かな怪物が貴方の──そして私たちの──大切な人間を殺す。そんな事が許されますか?」 彼女の言葉の一つ一つがからかうような調子で、しかしそこに奇妙な優しさと優越を含んでいたものだった。 私たちはただ吸血鬼の食料として生まれてくる訳ではありません。 「ええ、そうですとも。私はめっきりですが、血族となる者もおりますからね。吸血鬼とはその実不完全な存在。そうは思いませんこと?繁殖にも食料にも人間が必要、つまり私たちは貴方たちに依存しているのですよ」 そう言って、オリヴィアは再び微笑んだ。牙は隠れ、しかしそこに纏った恐怖はイニストラードの古き存在の証だった。 依存、ええ、そうでしょう。吸血鬼はそうやって人を管理しようとしている。ですが、私たちは生憎、自分たちで生きる事が出来ます。
2 18/08/13(月)19:30:19 No.525757960
「つれないのね。それも素敵ですわ。いつか、気が変わったら教えて下さいね。さぁ、ところで可愛らしいお嬢さん。これはラジオという娯楽なのでしょう?私たちも娯楽は大好きですの。貴方方は吸血鬼と言うとファルケンラスのような……ええ、盛んな方々を思い浮かべるかもしれませんけどね。ヴォルダーレン一族は最も優雅で社交的な一族だと自負していますのよ。マルコフも引っ込み思案な子が多いけれど、ちゃんとしている子が多いわ。ストロムカークは……そうね、余り会うことはないけれど、頭は切れますね」 オリヴィアは楽しそうに、吸血鬼達の事を話した。彼女の本質は話好きの女性であるようで、それはサリアに奇妙な感覚を植え付けた。吸血鬼は人を噛み、そしてその血を与え血族となると聞く。では、始祖たる彼女はどのようにして吸血鬼となったのであろう。 ──随分と楽しそうに話すのですね。 「ええ、そうかしら?きっと、可愛らしいお嬢さんとお話出来て楽しいですからね」 ふふ、とオリヴィアが微笑むたびに、その牙が顔を覗かせた。
3 18/08/13(月)19:30:33 No.525758004
サリキチさんきたな…
4 18/08/13(月)19:31:19 No.525758153
「さて、次はお嬢さんのお話を聞かせて下さいな。随分とお若く見えますが、聖トラフトに認められたのでしょう?その素晴らしい才能の萌芽を聞かせて頂いても宜しくて?……いけませんわ、年甲斐もなくはしゃいでしまって。ふふ、久し振りに私自ら血族にしたいと思う程美しい方ですもの。非礼をお詫び致しますわ」 そう言ってオリヴィアは小さく頭を下げた。吸血鬼は本質的にそうなのか、そして彼女が特別そうなのか。基本的に享楽主義者で噂好きが多い。私のプライベートの話をしようものなら、次の日には全ての吸血鬼に知れ渡っている事だろう。 生憎、お求めになるような劇的な話はありません。私はただ人々の力になりたくて、その一心で続けていたことの結果が今になっただけです。 「ふふ、素敵な事ですわ。私も感謝していますの。貴方のような聖戦士さんの熱心な活動が行き過ぎた者を罰して下さるのですから。ルノ……ストロムカークですが、彼なんかは血族の者でも行き過ぎたらすぐに粛清するのです。私は中々そうは出来なくて」
5 18/08/13(月)19:31:34 No.525758213
粛清?吸血鬼の事情は詳しくありませんが、どういうことですか? 「ふふ、興味を持って下さるのですね。ええ、ですが吸血鬼は秘密も好きですから。これは二人だけの秘密ということに致しませんこと?ラジオで皆に聞かせてしまうには、少々内輪の話ですので」 古き吸血鬼、オリヴィア。彼女は自らの手の内を明かそうとしないのか? 私一人なら教えて頂けるのですか? 「ええ、少しお恥ずかしいですが」 そう言って、彼女はそっと手を差し出した。蠱惑的な細腕が誘うように揺らぐ。スレイベンの守護者として、人類の代表として、一先ずこの場はそれに応じなくてはいけないのだろうか。 「それでは収録後に。そうそう、美味しいワインもありますけれど、如何ですか?」 お気持ちはありがたいのですが、アルコールの類は飲まないようにしています。酔って戦えなくては元も子もありませんから。 「真面目なのね。きっと、血液も綺麗で特別美味なのでしょう」 再びオリヴィアは牙を覗かせ、慌ててそれを隠した。私としたことが、はしたないですわ。彼女は小さく呟き、それは背筋に冷たい感覚を走らせた。
6 18/08/13(月)19:31:49 No.525758267
「ねえ、可愛らしいサリアさん。吸血鬼になる気は無くて?サリア・ヴォルダーレン、素敵な名前だと思うのですけれど」 段々と彼女の息遣いが荒くなる。サリアはこの時、決してただで死ぬつもりはなかった。必ずやこのヴォルダーレンの真祖を道連れにする。決意と覚悟は決められていた。 丁重にお断りさせて頂きます。私の命は人々に捧げていますから。……そういえば、一つ気になったのですが良いでしょうか? 「ええ、どうぞ」 私が今まで見てきた吸血鬼は目立った噛み跡等無かったのですが、吸血鬼が首筋から人に噛み付き吸血する様は何度も見た事があります。 「よく見ていらっしゃるのですね。照れますわ。そう、私たちは同胞を作る時、首筋は噛まないようにしているの。目立たない場所を代わりに噛むのよ。折角の同族が首筋に傷を付けていたら可哀想でしょう?」 目立たない場所、ですか? 「そう。多いのは太腿や脇腹……ですが、これは時に露呈してしまいます。後は、足の裏なんかもありますね」 成程、人に化けた吸血鬼を調べる時に参考にさせて頂きます。 「そうなる前にその吸血鬼は逃げるか暴れるかすると思いますよ」
7 18/08/13(月)19:32:07 No.525758340
「今サリア様の足の裏ぺろぺろしたいって話してませんでしたか!!!!?!???!2/1!!」 副官さん!?今は自宅療養中では…… 「サリア様が吸血鬼に一対一で挑まれると聞いてこの副官、身体を引きずって参りました!おのれ吸血鬼め、サリア様を散々誘惑して、許せません!サリア様の首筋や太腿やお腹や足の裏は私が舐めます!」 副官より放たれる殺気は視覚化出来そうに濃く、ヴォルダーレンの真祖ですら一瞬怯む程であった。 「あら、あらあら。お二人はそういう関係なのですね。これは失礼しましたわ、私としたことが。私たちはそういったお話しも大好きですので、大変元気になります。お二人さえ宜しければ血液をブレンドして飲みたい程に」 「そっ……そんな関係など!ふしだらです!ま、まだ私たちは隊長と副官っていうか……とにかく!サリア様は渡しません!」 しかし副官の威勢が強くなる程に、オリヴィアもまた余裕を手に入れるようだった。サリアは段々、自分の話題でありながら疎外感を覚えた。
8 18/08/13(月)19:32:26 No.525758393
というか副官さん、ゆっくり休まないとダメですよ。貴方に代わりはいないんですから。 「ありがたきそのお言葉、サリア様にお返しいたします。私の命など、貴方に比べれば軽いものです」 「仲睦まじいこと!どうかしら、いっそ二人仲良く私の血族に……」 「吸血鬼の方々は血族間での恋愛についてどう思いますか?」 「恋と喧嘩は吸血鬼の華ですわ」 副官さん!?何を言っているのですか!? 「サリア様、家族になりましょう」 血の繋がりだけが私たちを結ぶものではありません!良いですか、副官さん。魂を結ぶ絆こそが真の私たちの繋がりです。私たちの誓いは一つ、目指す場所は一つ。違いますか? 「サリア様……」 「ふふ、貴方は落とせませんわね。今宵はもう時間。次は私たちが貴方を誘いましょう。ステンシアの仮面舞踏会は如何かしら?」 吸血鬼の始祖、オリヴィアは最後にそう言って、小さな蝙蝠となり窓より抜けた。サリアの全身を凄まじい倦怠感が襲った。
9 18/08/13(月)19:32:48 [終わり] No.525758484
「はぁ……疲れました。ですが」 吸血鬼とこれ程長く話したのは初めてだった。そして、やはり相容れぬと感じていた。 「副官さん、来てくれてありがとうございます」 「いいえ、サリア様。当然のことをしたまでです。今日はもう休みましょう、サリア様。休憩……ハァハァ……休憩、しましょう……?」 副官さんに身体を預け局をスレイベン局を出ると、聖戦士達が不揃いの格好で集まっていた。 「サリア様、ご無事ですか!?」 グレーテが駆け寄り、それにサリア様頷き、守護者として剣を掲げる。 「皆、聞け!私は無事だ!吸血鬼と無闇に刃を交えてはならぬ!」 サリアはあの吸血鬼の事を強く覚えていた。巨大で歪な剣を軽々と持ち上げ、この世のものならざる威圧を湛えた彼女を。彼女を刺激し、果たして我々が望む結果が得られるとは到底思えない。少なくとも、今は。 「だが、もしも彼らが我々に牙を剥けるのなら……その時は一切躊躇うな!恐れなどを抱く余裕はないぞ!」 サリアの宣言は寧ろ、自身への誓いだった。オリヴィア・ヴォルダーレン。その人ならざる妖艶の誘惑に負けぬ為の。
10 18/08/13(月)19:34:10 No.525758779
副官じゃなかったのか
11 18/08/13(月)19:35:08 No.525758994
>副官じゃなかったのか 副官は前回サリアの槍騎兵に伸されて今回は療養中
12 18/08/13(月)19:39:19 No.525759795
伸ばされたのか…
13 18/08/13(月)19:41:36 No.525760243
なにこれ…なにこれ…
14 18/08/13(月)19:42:53 No.525760495
イニストラードは怖いところだな…
15 18/08/13(月)19:45:38 No.525761074
エメリアちゃんがイニストラードをレズパラダイスに変えたからね
16 18/08/13(月)19:46:08 No.525761178
イニストラードの人間は他の次元と比べても格段に精神構造がおかしいと思う
17 18/08/13(月)19:46:48 No.525761324
はぁーサリア様好き……
18 18/08/13(月)19:47:12 No.525761400
>イニストラードの人間は他の次元と比べても格段に精神構造がおかしいと思う 肉体の構造も輪をかけておかしいと思う…
19 18/08/13(月)19:48:14 No.525761600
一般人が存在しないのがアモンケットで一般人がやたら強いのがイニストラードだと覚えよう
20 18/08/13(月)19:52:54 No.525762495
相手に噛み付き血を吸いさらに相手に血を吸わせる 血族を増やす為の吸血行為は実質セックスでは? 子作りだからセックスだったわ
21 18/08/13(月)19:54:15 No.525762760
突然のサリア・ヴォルダーレンとかウィザーズは本当にやりかねない
22 18/08/13(月)20:02:03 No.525764258
何なの?サリアちゃんは総受けなの?
23 18/08/13(月)20:04:03 No.525764614
長え!!
24 18/08/13(月)20:12:05 No.525766288
こば滅!
25 18/08/13(月)20:12:46 No.525766451
絶対こば滅の人だろ!
26 18/08/13(月)20:20:15 [sage] No.525768085
確かにそうだけどなんで分かるの…怖い…
27 18/08/13(月)20:24:40 No.525768999
こんなことできる奴が複数いる方が怖いわ
28 18/08/13(月)20:25:10 No.525769099
mtg怪文書書くやつなんて二人といないわ!