虹裏img歴史資料館

1 18/08/12(日)00:53:07 No.525344127

「すいません何の話ですか？」 生娘ぶってんじゃねえですよ○○(※放送禁止用語)ブロッコリー！クソッ！邪悪め！ 「副官……まさかストレスで……？」 ストレス？ええそうですとも！私だって頑張ってるんですよ、本当に、本当に頑張っているんです。私はサリア様みたいにカリスマ性がある訳でもないしグレーテのようにトラフト様に選ばれてる訳でもないんですよ。何でもないただのクソモブなんですよ！だけど私だってサリア様と結ばれたいんですよ！分かりますか？ねえ！オイ！！ 「わ、分かりましたから落ち着いて……」 貴方に何が分かるんですか！？貴方はいつから私の理解者になったんですか！？どうせ貴方も私を笑っているんでしょう！名無しのモブの癖に……うぅっ…… 「しっかりして下さい副官、これじゃ放送事故ですよ」 そうですよどうせ私なんて自分のラジオ一つこなせないゴミですよ……サリア様にもきっとすぐに見放されるに決まっています……

2 18/08/12(日)00:53:36 No.525344264

私がエルゴート訓練場を出て初めて前哨地に就いた時、その人も新人だった。 「えっと、今日から入りました。サビーンと言います。出身はガヴォニー、ヴィテンズ教区の……」 そう言えば、あの時初めて会ったんだ。そしてあの時から名前を覚えてくれない人だった。私は今でも覚えているのに。 「ええ、宜しくお願いします、サヴィアさん」 「サビーンです」 思い返すと少し微笑ましいのと腹立たしいのが両方浮かんで、後者が勝った。本当に、私のことなど眼中にないのだろう。別にそれがどうというわけでもないのだが、仮にも部下なのだから覚えていて欲しい気持ちはある。 「ええ、失礼、宜しく」 彼女はその前哨地の指揮官で、とは言え大した権限がある訳ではないのだが、私たちの誰よりも腕の立つ人物だった。 やがてそれぞれに配置が変わり、私はステンシア州の槍騎兵、彼女はスレイベンの防衛部隊に回されることになった。それからどれくらいか経ち、スレイベンの守護者が新しく変わった、アヴァシン様が再び人々の前に現れた、そして彼女がスレイベンの守護者の副官になった。全て遠い話だった。ステンシアのしがない槍騎兵に過ぎない自分には。

3 18/08/12(日)00:54:13 No.525344449

思えばあれから色々な事があったものだ。月が歪み、天使が歪み、人々が歪み、信仰が歪んだ夜。私達の結束は天使の存在では無くその心の所作に在った。サリア様が私達を導き、トラフト様の、そして死んで行った我らの先輩方の加護が私達を守り、スレイベンを守った夜。 生きた心地のしない夜は幾らでもあれど、あの日は格別だった。 「副官、しっかりして下さい。それでもサリア様の副官ですか」 そっと彼女に語りかけると、彼女は真っ赤に腫れた瞳を揺らめかせていた。幾年ぶりか、その瞳に見つめられるのは。 「私にその言葉を掛けて良いのはサリア様だけです」 「知っています。だから、ほら、私なんかに言われないようにシャキッとして下さいよ」 彼女の掌に私のそれを乗せた。傷付き、厚い皮膚。それは童顔の彼女には不似合いなもので、奇妙だった。 「分かってます、分かってますよ、サビーン」 何だ、覚えているんじゃないですか。そんな事が意外に、嬉しかった。 「サリア様の副官たる私がそんなことに屈してはいけません」

4 18/08/12(日)00:54:35 No.525344539

さて、部下に叱責されてしまった私ですがもう安心！ええ、聖戦士は不屈ですからね！ 「えっと……それは良かったです」 さ、槍騎兵のブロッコリーには悪いですが残り時間は10分です。何か喋り残したことあります？ 「うわ突然雑！」 うるさい！言い残したことはあるかって聞いてるんですよ、その短い人生の中でね。 「は？副官？」 言っておきますが私は貴方がサリア様の名を冠していることを許したわけではありませんからね。分かってますね？ 「えぇ……この流れで何なの……」 私は確かにモブでもモブなりに頑張ろうと思っています。ですが貴方がムカつくのはそれとは別の話じゃないですか？というか、何で貴方がサリア様の槍騎兵を名乗っているのかについてはまだ解答を頂けてないのですが。ゾンビに食われて死ぬのと狼男に食われて死ぬの、どっちがいいかと合わせて教えて下さい。 「いや、私の名前の由来は……ええい、言うつもりはなかったですが──」

5 18/08/12(日)00:54:56 No.525344622

「副官さん！大丈夫ですか！？」 サリア様！？ 「ラジオ聴いてましたよ、副官さん！ごめんなさい、私がしっかりしてないから副官さんに沢山仕事を任せてしまって……」 あっあっどうしようやばい好き好き好き好き好きサリア様好き…… じゃなくて、違いますサリア様、私は貴方の役にもっと立ちたくて……。 「副官さん、貴方が無理をして倒れるのが一番困るんですよ。私は貴方を頼りにしていますが、頼り過ぎてもいけません。私たちは互いに手を伸ばし支え合う事が出来る。ならそうすべきだと思いませんか？」 でしたら、サリア様。貴方も私に手を伸ばしてはくれませんか？もっと、もっと必要にされたいのですから。 私は貴方のお役に立てているのか不安なのです。もっともっと必要とされないと、誰かにこの場所を取られてしまうような気がするのです。 「貴方が斃れたら、或いはそうなるかもしれません。ですが、貴方が健在である限り、きっと私の副官は貴方です」 はぁーサリア様好き……

6 18/08/12(日)00:55:20 No.525344785

そう、私の力は伝説のカードをサーチすること。つまり、サリア様を呼ぶこと。 サリア様の胸に顔を埋める副官を見て、私はこの力を正しく使えたことを誇りに思った。 「ちょっと副官さん、あの、手付きがいやらしいような……」 正しく……正しく？ 「サリア様……ハァハァ……好き……」 いやこれ正しくないでしょ。ホイ4/4先制パンチ。 「ぐえー！」 「あ、副官さん！？」 「サリア様、大丈夫でしたか？」 「ええ。……副官さんも疲れているようですし、今日はこの辺にしておきましょう。次回は副官さんに代わって私がやります！」 それもそれで不安だが、言わないことにした。サリア様は少し抜けているところがあるのだ。 「副官さん、私がラジオ番組の司会を任せてから本当に激務でしたからね。きっと、疲れていたんですよ」 副官を背負い微笑むサリア様を見て、私は愛想笑いをすることしか出来なかった。

7 18/08/12(日)00:57:57 No.525345598

なんなのこれ…

8 18/08/12(日)00:59:22 No.525345900

あいつ

9 18/08/12(日)00:59:31 No.525345954

グッとガッツポーズするとなぜかカウンターが乗る

10 18/08/12(日)00:59:35 No.525345982

やっぱり人間頭おかしいな

11 18/08/12(日)01:00:25 No.525346187

サリアの槍騎兵の黒い方って酷い言い方だな…

12 18/08/12(日)01:00:33 No.525346214

なぜ急にこんなことを…？

13 18/08/12(日)01:03:44 No.525347102

寝る前に変なもの見ちゃった

14 18/08/12(日)01:03:58 No.525347162

これ続いてたんだ…

15 18/08/12(日)01:07:34 No.525348072

小走り破滅エンジンの話はもう書かないの？

16 18/08/12(日)01:10:30 No.525348921

どんなイラストか忘れてたがなるほどブロッコリーだった

17 18/08/12(日)01:11:33 No.525349228

槍騎兵は最初見た時イニストにこくじんいるんだ…となった

18 18/08/12(日)01:15:25 No.525350307

もしかしてイニスト唯一のこくじん？

19 18/08/12(日)01:17:01 No.525350724

未踏世界

20 18/08/12(日)01:25:52 No.525353084

副官は頭沸いてるのか