ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
18/07/31(火)01:28:04 No.522631462
ウサギさんチームが謎を解くだけのお話
1 18/07/31(火)01:28:26 No.522631525
【こちら、ウサギ探偵団! ~暗号を解き明かせ~】
2 18/07/31(火)01:28:57 No.522631637
―――カーテンの隙間から刺す光が、古びたタンスやちゃぶ台をほのかに照らしています。表面にうっすらと被った埃が、家具たちの年季の入り具合を静かに語っています。 「ふふーふふんふん♪ふーふっふんふんふふふん♪ふーふふふふふん♪ふんふふふふふんふーんふーん♪」 そんな家具の表面の埃を、鼻歌を歌いながらお掃除をしている一人の少女がいました。ピンクのエプロンとほっかむりを着けて、はたきを片手にパタパタと張り切っています。 「綺麗なように見えて、結構埃や汚れって溜まっちゃうんだなぁ……」 そんなことを呟きながら、タンスの天板の埃を取ろうとしたその時でした。 「うーん、上の方がよく見えない……」 少しでも手が届くようにつま先立ちをしていたのがいけなかったのでしょうか。うっかり手元が狂い、はたきがタンスの上に置いていた箱を小突き、そのままバランスを崩して……
3 18/07/31(火)01:29:52 No.522631788
「あっ」 と言う間に、ゴッ!という鈍い音を立てながら、箱を足元に落としてしまいました。 「あ~やっちゃった……。中の物、壊れてないといいけど……」 彼女が落としたのは、いかにも高そうな、壺か日本人形が入っていそうな桐の箱です。慌てて箱を拾い上げ、中身が無事か確認しようとして開けると、そこには思いもよらない不思議な物がありました。 「……ん?」 その箱には壺も人形も入っていませんでした。代わりに入っていた物、それは…… 「……これは一体……?」 古新聞に包まれた謎の物体が、大事そうに仕舞われていたのです―――
4 18/07/31(火)01:30:39 No.522631926
こちらは、みんなお馴染みウサギさんチーム。 面倒見の良い梓、ボーイッシュなあゆみ、いつも明るいあや、とっても元気な桂利奈、おっとりしている優季、そして物静かで聞き上手な紗希の六人からなるウサギさんチームは、今日はみんな揃ってウサギ小屋でウサギのお世話をしています。 「わぁー、いっぱい食べてるね!」 「うん……可愛い……」 あゆみと紗希は、ウサギたちに餌をやり、ご飯を食べる様子を観察しています。【ウサギのお皿】と書かれた缶にはラビットフードが山盛りです。そこに群がるウサギたちを、二人はのんびり眺めていました。 「ちょっと、二人とも!餌やり終わったんなら手伝ってよ!」 「うおっ、あぶな!ウンチ踏むとこだった!」 箒を振り上げて叱る梓と、足を振り上げてセーフ!のポーズをとるあや。二人は小屋の掃除をしているようです。 「わーい!モフモフだー!」 「どうでちゅかぁ~?ウサちゃんたち、気持ちいいでちゅかぁ~?」 ウサギたちを優しくブラッシングしてるのは桂利奈と優季。その甘い手付きに、ウサギたちはメロメロにとろけています。
5 18/07/31(火)01:31:10 No.522632009
そんないつもより騒がしいウサギ小屋に、誰かの足音が近付いてきました。 「おや?ウサギさんチームの皆さん!おはようございます!」 声の方に目を向ければ、そこにはあんこうチームの装填手、秋山優花里が立っていました。 「あれ、秋山殿?」「秋山殿だー!」「おはようございます、秋山殿!」 先輩である自分を親しみ深く「秋山殿」と呼び、無邪気に慕う後輩たちを見て、優花里の顔がほっこりした笑顔になります。 「今日はウサギのお世話ですか?お疲れ様ですぅ」 「ありがとうございます!でも、先輩はどうしてここに?ウサギに用とか?それとも……私たちに?」 「秋山殿で大丈夫ですよ澤さん。用といえば用ですかね?まあ大した用ではないんですが……」 と、ここまで言って優花里はふと考えこむ顔になり、 「……そういえば、以前冷泉殿が言ってたような……。たしか、ウサギ探偵団でしたっけ?ウサギさんチームに困り事を解決してもらった、とか……」 「あい!私たちがウサギ探偵団です!」 その瞬間、桂利奈が元気よく飛び出してきました。
6 18/07/31(火)01:31:36 No.522632081
「もしかして秋山殿も何かお困りですか!?」 「だったらウサギ探偵団に任せてください!どんな謎でも一瞬で解決してみせます!」 「スパっと解いちゃいますよぉ~」 桂利奈に続いてあゆみ、あや、優季も飛び出し、口々に言いました。後輩たちの勢いに優花里はタジタジです。 「えぇっ?いや、わざわざみんなの手を煩わせるようなことじゃ……」 「いいえ!先輩が何か困ってるなら、私たちにも手伝わせてください!普段お世話になってるお礼です!」 リーダーである梓も胸を張って言いました。そしてみんなも、 「「「「「私たちウサギ探偵団にお任せを!」」」」……を」 と、かっこよくポーズを決めました。それを見て、優花里はまた少し考えこみ、 「……うーん、確かに探偵向きの問題かも……。いえ、実はですね」 そして、懐から紙を一枚取り出し、 「我が家を掃除してたら、暗号が書かれた紙を見付けたんですよ」 「「「「「暗号ぉ?」」」」」 こうして、秋山家で見付かった謎の暗号を解き明かすために、ウサギ探偵団は馳せ参じたのでした。
7 18/07/31(火)01:31:59 No.522632139
優花里に連れられ、秋山家に集まった探偵団。そこで暗号文を見付けたいきさつを説明されました。タンスの上を掃除していたこと。その時うっかり箱を落としたこと。その箱の中にこれが入っていたこと。 「―――というわけなんです」 そしてみんなが囲むちゃぶ台の上には一枚の紙が。代表して梓が尋ねることにしました。 「じゃあこれが、その桐の箱に入ってた暗号なんですか?」 「正確に言うなら、桐の箱に入ってた新聞紙に包まれてたお菓子の缶に入ってた暗号、だよ」 と、傍らに乱雑に放置された箱と缶と新聞紙をチラッと見ながらあゆみが訂正します。それを聞いた梓は首を傾げました。 「え?あゆみ、それそんなに気にすること?」 「気にするっていうか、気になるっていうか……。なーんか見覚えあるんだよねぇこの缶……どこで見たんだっけ……」 頭を抱えうんうんと悩むあゆみ。それを見たあやが呆れたように言います。 「そりゃあどっかで見たことはあるんじゃない?こんなのどこにでもありそうな古ぼけたお菓子の缶だもん。そんなものより気にすべきはこっちっしょ!」 と、渦中の紙をビシッと指差しました。
8 18/07/31(火)01:32:59 No.522632300
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9 18/07/31(火)01:33:20 No.522632358
「お宝だよお宝!絶対見付けたいじゃん!」 「お宝ってなんだろー!?戦車が買えるくらいの金銀財宝かなー!?」 暗号文を見て無邪気にはしゃぐあやと桂利奈。そんな二人を見て優季は 「でもぉ~、お菓子の缶に入ってた暗号でしょ~?お宝って言ってもビー玉とかじゃないのぉ~?」 と、現実的な事を言いました。それを聞いた二人は憤慨し、 「はぁー!?そんなわけないし!!優季ちゃんの意地悪!!」 「そうだよ!!絶対ちゃんとしたお宝だもん!!秋山殿もそう思いますよねぇ!?」 と、発見者である優花里に訴えます。しかし、当の優花里も 「いやぁ、さすがにそんな良い物は入ってないんじゃないですかねぇ?」 と困り顔。二人はショックを受けて落ち込んでしまいました。 「とにかく!お宝が良いいものにしろ何にしろ、見付けないことには話になんないからね!みんなで頑張って暗号解こう!」 梓がリーダーらしく、ダラけた空気を引き締めました。みんなもコクリと頷きます。
10 18/07/31(火)01:33:41 No.522632417
「まずはシンプルに考えてみよう?暗号が示す物は……新しいことを知りたい時に使って、聞けないし嗅げないし食べれなくて、紙が何枚も重なってる物。これに当てはまる物といえば?」 梓の質問に、あゆみがハイ!と元気良く手を挙げて 「辞書!」 続いて紗希が静かに手を挙げて 「……辞典?」 と答えます。それを聞いた梓は 「うん、そうだね。それじゃ、それがどう宝のヒントに繋がると思う?」 しかし、この質問には誰も答えることが出来ませんでした。 「辞書や辞典の中に答えがあるってことぉ~?」 と、優季が呟き、 「えー、でも辞書のどこを見ればいいわけ?っていうかどの辞書を見ればいいわけ?」 と、あやが悩み、 「じぇんじぇんわかんないよー!」 と、桂利奈が吠えました。
11 18/07/31(火)01:34:03 No.522632483
そんなみんなを見て慌てて梓は優花里に 「ど、どうですか?何か思い当たる物とかありませんか?」 と水を向けるも、 「いやぁそれがさっぱり……。一応私も家の辞書や辞典は調べてみましたが、それらしいものは見付かりませんでした。それにホラ、この紙も缶も、結構古い物ですよね?こんな古い時代の辞典や辞書は我が家にはありませんから」 言われてみると、確かに暗号が書かれている紙は、十年や二十年、あるいはもっと前の物に見えます。 「それからもう一つ。暗号の二番目、「きけないし、かげないし、たべられないもの。」ってありますけど、紙を何枚も重ねた物ってことは、それは紙で出来てるってことで。だったら聞けないし嗅げないし食べられないのは当たり前じゃないですか。わざわざ二つ目にこんな文章を入れる意味がありませんよねぇ。どういうことなんでしょう?」 「そ、それは……えーと……」 何ということでしょう、謎を解くどころか更に謎が増えてしまいました。
12 18/07/31(火)01:35:45 No.522632786
「そんな時はさ、とりあえず置いといて違うとこから考えてみようよ!」「テストの鉄則!わかるとこから解こう作戦!」「じゃあ、このヒントから考えてみる?」「いいね!そうしよっか!」 というわけで、次は『縦読み』というヒントを参考に考えることにしました。上から読んで下から読んで、意味のある単語になる部分を探します。ところが……。 「『あきか』、『たけみ』、『らなが』……『の。の。の。』」「のののって何ぃ~?」「わかんなーい」「ていうか全然言葉にならないんですけどー!」「あっ、ここ!『いたな』と『とべっ』ってあるよ!」「それで、それをどうしたら宝のありかになるの?」「……さあ?」「全然ダメじゃーん!」「『あきか』や『たけみ』は人の名前っぽくない?」「ぽいぽい~」「だから、人の名前だからなんなのよー!」 ご覧の通り二進も三進も行きません。と、そこに
13 18/07/31(火)01:36:12 No.522632886
「頑張ってますねぇ皆さん。でも、そろそろ休憩しませんか?」 優花里がジュースとお菓子を持ってやってきました。どうやら探偵団たちが考えこんでる間おやつの準備をしてくれていたようです。 「やったー!お菓子だー!」「ジュースもあるよ!」「わーい!」「さっすが秋山殿ぉ~」「すいません、ありがとうございます!」 というわけで、暗号のことはしばし忘れて息抜きタイムをすることになりました。
14 18/07/31(火)01:36:31 No.522632964
「それで、どうですか?解読は進みましたか?」 ジュースを飲みながら、優花里が探偵団に尋ねます。しかし、 「すいません……。さっぱり進んでないんです……。全然役に立てなくてごめんなさい……」 と、みんなとってもしょんぼり。それを見た優花里は慌てて 「いえいえ、お気になさらず!私も全然わかってないんですから!」 と慰めてくれました。 「難しいですよねぇこの暗号。ヒントを使ってもさっぱりですし」 「何か見落としてる他のヒントでもあるんでしょうか?」 「どうですかねぇ。『よく目をこらして』って書いてますし、もっとよく見たら何かあるのかもしれないですね」 「目を……こらす……」 優花里の言葉を受け、梓は暗号をよーく見てみることにしました。 ジーッと見て……グーッと見て……ボーっと見て……。 「……あれ?」 そして、ある違和感に気付きました。
15 18/07/31(火)01:36:53 No.522633014
「ん?どうかしましたか?」 「いえ、大したことじゃないんですけど……。なんで『縦読み』だけ漢字なのかなって……」 「え?」 梓の言葉を聞き、優花里はキョトンとしています。 「何々?」「梓、どういうことー?」 休憩モードに入っていたメンバーも戻ってきました。みんなを見ながら、梓はゆっくり、自分の中の違和感を確認するかのように喋ります。 「この暗号文って、ひらがなで書かれてるじゃないですか。別に難しい漢字が使われてるわけじゃないのに。なのにその下の『縦読み』は漢字。なんだかちょっと違和感があるなって思って……。どうしてここもひらがなで書かなかったんでしょう?」 「そう言われると……確かに……」 梓の話を聞いた優花里も、違和感を訝しむ顔になり、そして……。 「……あーーーっ!!」 何かを閃いたのか、興奮しながら立ち上がりました。
16 18/07/31(火)01:37:16 No.522633094
「いやぁ凄い!よく気付きましたね澤さん!」 「え?え?何がですか?」 困惑する梓に、優花里は説明しました。 「漢字!そうです漢字です!この暗号文を漢字にすればよかったんですよ!つまりですね……」 優花里は適当な紙の裏側に、さらさらとペンを動かして、 「こういうことです!」 と、探偵団に見せました。
17 18/07/31(火)01:38:02 No.522633256
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18 18/07/31(火)01:38:30 No.522633332
「あとはこれを縦読みすれば……ほら!」 「「「「「……あーーーーーっ!!!!!」」」」」 探偵団は、声を揃えて叫びました。 「「「「「新聞紙!!!!!」」」」」 そうです!暗号文のひらがなを漢字に変換して縦に読むと「新聞紙」という言葉が浮かんできたのです! 「梓、すごーい!!」「大手柄だね!」「さっすがリーダー!」「暗号キラー!」「……えらい」「えぇ、本当に凄いです!!」 梓の大発見に、みんなが拍手喝采です。 「……でも、新聞紙だけじゃ今までと一緒ですよね?辞書や辞典と同じで、何のどこを見ればいいかわかんないです。これじゃ結局変わんないんじゃ……」 梓は不安げに俯きましたが、優花里は大丈夫だと安心させるように頷きました。 「いえ、新聞紙でいいんです!だって、新聞紙ならまさにここにあるじゃないですか!ほら、ここに!」 「ここにって……あぁっ!!まさか、これを包んでた古新聞!?」 「そう、宝の地図はまさに目の前にあったんです!『よく目をこらして』っていうのはこのことだったんですよ!」
19 18/07/31(火)01:38:57 No.522633413
となるとあとは、古新聞に隠されている宝へのヒントを見付けるだけです。優花里と探偵団は、目を皿にして必死に探し回ります。 「『成績優秀者を表彰』うーん、これは違うか……」「『学園艦内に新たに美容院が開店』これも違うなぁ……」「『大洗戦車道チーム快勝続く』!?えっ、すごーい!!」「ちょっとあゆみ、真面目に探してよ!」「ごめんごめん、えーと他には……『学校の校庭にウサギ小屋が完成』?」 その言葉を聞いた瞬間、紗希があゆみの袖を引っ張りました。 「ん?どうしたの紗希?」 「……ウサギの、お皿……」 「ウサギ……あぁーーーっ!!!」 急に、何かに気付いたあゆみが大声を上げました。 「えっ、何!?どうしたのあゆみ!」
20 18/07/31(火)01:39:19 No.522633476
あゆみは放り投げられていた缶を慌てて拾い上げ、 「これ!この缶!どこかで見たことあるなぁと思ってたんだけど、思い出した!これ、ウサギ小屋で餌やり用の皿として置いてあったお菓子の缶と同じなの!」 「「「「「そ、それだー!!!!!」」」」」 ついに、全てが繋がりました。 「えっ、でもどういうこと!?ウサギのお皿にお宝が隠されてたの!?あんなとこに!?」 「よくわかんな~い……」 「でも多分偶然じゃない……よね?」 「えぇ、きっと偶然じゃありません!行きましょう皆さん!」
21 18/07/31(火)01:39:52 No.522633569
―――そして、日が沈みかける夕暮れのウサギ小屋に、七人は揃っていました。 皿を取られて不機嫌なウサギを優季と桂利奈の撫でテクでなだめながら、優花里は手に持ったお菓子の缶を観察していました。 「……どうですか、秋山殿?」 「うーん……これは……っん?」 持った缶の色んな部分をコツコツと叩いていましたが、底を叩いた瞬間に顔色が変わりました。 「これ、二重底ですね……ということは……?」 そう呟くと、グッと手に力を入れ、ゆっくり回します。すると……? 「あ!開いた!」 「桂利奈ちゃんシー!ウサギが驚いちゃうよ!」 いえ、驚いたのはウサギだけではありません。探偵団のメンバーも、優花里自身も驚いていました。
22 18/07/31(火)01:40:12 No.522633626
「まさか、本当に缶に隠されてるとは……」 「中身!!中身は何ですか!?」 「えっと……封筒ですね……」 そこには、葉書サイズの封筒が張り付けられていました。 「そ、それじゃ……開けますね?」 震える指を抑えながら、そーっと封筒を開ける優花里。探偵団も固唾を飲んで見守っています。 するとそこにあったのは…… 「……写真?」 そこには一枚の写真がありました。セピア色で、戦車を前に5人の少女がピース姿で写っている古ぼけた写真です。しかもただの写真ではありません。その写真に写っていた一人が、なんと……! 「えっ、これ秋山殿じゃない!?」「違うよー!どう考えても年代がおかしいじゃん!」「でもそっくりだよ?」「どうなってるのぉ~?」 そう、優花里にそっくりだったのです。まさかの事態に困惑し騒ぎ始める探偵団たち。そんな中、当の優花里は写真を見ながらびっくりした顔で言いました。
23 18/07/31(火)01:40:32 No.522633690
「……これ、母です……」
24 18/07/31(火)01:40:55 No.522633768
「「「「「えーーーーーっ!?」」」」」 まさか暗号を解き明かしたらこんな物が見付かるだなんて。呆然としつつ、それでもどこか納得したような顔で、優花里は語り続けます。 「そういえば昔、母に聞いたことがあります……。『昔、学校に大切な仲間と撮った大切な宝物を隠したのよ……。大人になったらみんなで開けようって約束して……。どこに隠したのかは、忘れちゃったんだけどね』って……」 「……じゃあ、宝って……?」 「秋山殿のお母さんの、タイムカプセル……」 「……えへへ、そうですかぁ……。こんなところにあったんですね……。見付かってよかった……」 そして優花里は、ニッコリと微笑みながら振り向いて、 「皆さんにとってはお宝じゃなかったですけど……。これ、我が家で大事に飾ろうと思います!皆さん、本当に……本当にありがとうございました!」 写真を胸に抱きしめたその姿は、写真の中のお母さんとそっくりでした。
25 18/07/31(火)01:41:31 No.522633871
……ところで。 秋山家に向かう家路で、とんでもない事実が発覚したのでした。 「「「「「えーっ!ウサギ小屋に何かあるって知ってたんですか!?」」」」」 「はい、実は……。隠していてすいません……」 「ど、どういうことですか!?」 「いや、あの暗号文を見てしばらく考えたんですけどわからなくて、それで母に直接聞いたんですよ。暗号は母の字だったので。そしたら『ウサギ小屋に行ってみなさい』とだけ言われて……。それで行ってみたら皆さんがおられたんです」 「それであの時ウサギ小屋に来たんですか……」 「はい。ただわかってたのは「ウサギ小屋に何かある」ってことだけだったので、皆さんの力を借りなければこんなに早くに見付からなかったと思います!噂に違わぬ名探偵ぶりでしたね!」 「え、本当ですか?」「やったね!褒められたよ!」「今回梓とあゆみちゃん、本当に役に立ってたもんね!」「二人ともやるぅ~」「……すごかった……」「あいあいあーい!」 「はい!さすがウサギ探偵団です!」 こうして、ウサギ探偵団は今回も見事に事件を解決に導いたのでした。やったね!
26 18/07/31(火)01:42:30 No.522634074
以上になります ありがとうございました
27 18/07/31(火)01:42:38 No.522634106
ウサギ探偵団久しぶりに見た
28 18/07/31(火)01:46:19 No.522634843
今までの作品のまとめになります ・今回のシリーズ物まとめ su2519347.txt ・別のシリーズ物まとめ su2519351.txt ・短編まとめ su2519353.txt
29 18/07/31(火)01:48:01 No.522635174
>ウサギ探偵団久しぶりに見た お久しぶりです たまには書かないと…と思って頑張りました
30 18/07/31(火)01:54:30 No.522636405
このワチャワチャを読みたかった ありがたい
31 18/07/31(火)01:56:18 No.522636654
ワチャワチャいいよね…
32 18/07/31(火)01:57:01 No.522636755
落ちてきたのがコトリバコや生き人形じゃなくてよかった
33 18/07/31(火)01:58:58 No.522637055
ラビッツが実にラビッツしてていい…
34 18/07/31(火)02:00:20 [sage] No.522637231
>落ちてきたのがコトリバコや生き人形じゃなくてよかった ホラーやダークサイドはダークサイド「」にお任せします 私は基本的に山なしオチなし意味なしのほのぼの日常系ですから…
35 18/07/31(火)02:00:54 No.522637309
>su2519334.png こういう仕掛け好き 昔読んだポプラ社のルパンシリーズを思い出す
36 18/07/31(火)02:05:03 [sage] No.522637835
>こういう仕掛け好き >昔読んだポプラ社のルパンシリーズを思い出す ありがとうございます 暗号を考えるのに2ヶ月3ヶ月かかったのは内緒です 本当は5月のこどもの日に書き上げたかった…
37 18/07/31(火)02:07:26 No.522638107
ワチャワチャしてるシーンでも誰が喋った台詞かがちゃんと判るし、そのキャラのCVで再生されましたです いきいきしてるウサギさんチームいいよね
38 18/07/31(火)02:08:03 No.522638185
こういう雰囲気好き…
39 18/07/31(火)02:11:46 No.522638544
>昔、学校に大切な仲間と撮った大切な宝物を隠したのよ M3があったウサギ小屋に隠されていたって事は好子さんはかつて仲間達と戦車に乗っていて大洗戦車道が廃止された時ここにM3を隠したのは好子さんという設定があって…
40 18/07/31(火)02:15:17 No.522638899
>「……これ、母です……」 ズシリ…
41 18/07/31(火)02:17:15 No.522639118
>私は基本的に山なしオチなし意味なしのほのぼの日常系ですから… またそれがラビッツらしくていいんだ
42 18/07/31(火)02:21:10 [sage] No.522639480
久しぶりだけどみんなが優しくて嬉しい…みんなありがとう…