18/07/03(火)00:20:44 SS「Gir... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1530544844048.jpg 18/07/03(火)00:20:44 No.516035998
SS「Girls und Steins;Gate~世界像のインデターミニズム~」 前回までsu2471876.txtのあらすじ 秋葉原観光に来た逸見エリカ。そこで、彼女は未来ガジェット研究所と名乗る少しおかしなラボを見つけ、そこに集まる岡部倫太郎や牧瀬紅莉栖、椎名まゆりなどと言った者たちと出会う。そして、エリカは彼女らに秋葉原を案内してもらう約束をするのであった。
1 18/07/03(火)00:21:35 No.516036148
翌日、エリカは再び未来ガジェット研究所に来ていた。そこでまゆり達と待ち合わせをする予定だったからである。 「さて、来たわよー」 エリカは二階に上がり部屋の扉を開ける。すると、そこにはすでに未来ガジェット研究所のメンバーが揃っていた。 「トゥットゥルー。おはようなのですエリカちゃん」 「ふっ、おはようシルバーファングよ。冥界へと旅立つ準備はできたか?」 「おはようまゆり。おはよう岡部。はいはい、準備はできてるわよ。今日はよろしくね」 まゆりには普通の笑顔を、岡部に呆れた笑顔をするエリカ。 そして、部屋を見回しそこにいた紅莉栖と至にも挨拶をする。 「おはよう紅莉栖、おはよう至」 「おはよう、エリカ」 「おはようでござるよ逸見氏ー。相変わらずフリフリとした服がかわいいでござるなぁ」 「うっ……朝から気持ち悪いこと言わないでよ……」 至の挨拶に顔を歪めるエリカ。本来なら傷ついてもおかしくない眼差しだったのだが、至はむしろそのエリカの視線に鼻息を荒くし始めた。
2 18/07/03(火)00:22:13 No.516036284
「ハァハァ、現役JKの冷たい眼差したまらんですなぁ。ハァハァ」 「うげぇ……」 「むっ! 今のうげぇという顔もう一度!」 「それ以上にしなさいこの変態!」 と、そこで紅莉栖が助け舟を出す。エリカはその紅莉栖のフォローにより一息つけ、こっそりと紅莉栖に手でありがとうという意思を伝える。 すると、紅莉栖もどういたしましてとジェスチャーでエリカに返す。 「うんうん、エリカちゃんがさっそくラボに溶け込んでくれてまゆりは嬉しいなぁって。それじゃ、さっそくアキバ探検に出発ー!」 「あ、おい待てまゆり!」 「ちょ、ちょっと!?」 まゆりは倫太郎とエリカの手を掴み、とても楽しそうに外に出ていった。 その後姿を見て、紅莉栖は微笑む。 「……まゆり、楽しそうね」 「そだねー。あとオカリンも楽しそうにしてるお」 「そうなの?」 「うん。なんとなくだけどねー」
3 18/07/03(火)00:22:33 No.516036344
「さて、最初にやって来たのはここ! メイド喫茶のメイクイーンニャンニャンなのです!」 秋葉原でも一際人が集まっているメイド喫茶。メイクイーンニャンニャンの店内。 それを前にして、エリカは感動に震えていた。 「ここが、メイド喫茶……!」 「なんだシルバーファングよ。そんなにメイド喫茶に来たかったのか?」 「えっ!? べ、別にそういうわけじゃ……ただほら、秋葉原に来たらメイド喫茶に一度は寄ってみたいって思ってたし……」 エリカは正面に座る倫太郎から顔を逸らしつつ、赤面しながら言った。 確かにエリカの言う通り、彼女はメイド喫茶に一度来たいと思っていた。それはその言葉通りでもあるし、彼女の服の趣味からしても来てみたいという気持ちがあったのだ。 「やっほー凶真! 来てくれて嬉しいにゃ!」 と、そこに明るい声が飛んでくる。 エリカがその声のほうを向くと、そこには明るい髪色の猫耳をつけたメイドが立っていた。 「えっと、この人は……」 「ふっ、説明しよう。彼女はラボメンナンバー〇〇七! フェイリス・ニャンニャンだ!」
4 18/07/03(火)00:22:57 No.516036440
「よろしくにゃー。凶真、また新しい女の子を引っ掛けているにゃ? 隅に置けない男にゃー」 「ち、違う! そういうのではない!」 「フェイリスちゃんはねー凄いんだよ。この秋葉原でもナンバーワンの人気を持つメイドさんなんだから!」 まゆりが説明する。その言葉に、エリカは素直に感心する。 「へぇー……そんな凄いメイドさんとも知り合いなのね、倫太郎は」 「まあな。このフェイリスとは前世からの闇の戦いと共に戦った仲なのだよ」 「そうにゃ。フェイリスは凶真と一緒に地獄のヘルフレイム大戦を戦い抜いたのにゃ。あれは、辛く厳しい戦いだったのにゃ……」 「……もしかしてこの子、倫太郎と同類?」 「ま、そんな感じかなー。フェイリスちゃんは、オカリンとすっごく話が合うんだよー。まゆしぃは二人の会話は難しくてついていけないけど」 「ふぅん……」 エリカは改めてフェイリスを見る。その姿はまさに理想の萌えメイドの具現化とも言うべき姿であり、エリカは少し見惚れてしまった。 その視線に、フェイリスが気づく。 「どうも初めましてにゃ! えっと……」
5 18/07/03(火)00:23:12 No.516036497
「彼女はシルバーファング。孤高の一匹狼だ。噛みつかれないように気をつけろよフェイリス」 「にゃ!? それは怖いにゃ!」 「噛み付いたりしないわよ! それに、私は逸見エリカってちゃんとした名前があるんだから!」 「にゃ! なるほど、エリにゃんもまた影を背負っているのかにゃ! これは侮れないにゃ……!」 「エリにゃんて……」 その独特の呼び方と雰囲気に、すっかり飲まれるエリカ。しかし悪い人ではないのだなとも思い、軽く困ったような笑いをする。 「ははは……」 「さ、さっそく注文してにゃ! 注文してくれたら、フェイリスが愛を注いであげるにゃ!」 「ええわかったわ。それじゃあ……」 そうしてエリカは、その日の昼食をメイクイーンニャンニャンでたっぷりフェイリスから愛を注いでもらったのであった。
6 18/07/03(火)00:23:29 No.516036575
「そしてお次ははい! アキバでも有名な神社、柳林神社なのです!」 メイクイーンニャンニャンを出た一行は、今度はまゆりの案内で秋葉原にあるという神社にやって来ていた。 「へぇ、電気街って言われる秋葉原にもこうしたノスタルジックな神社があるのね」 エリカは珍しいものを見るような目で神社を見る。 と、そこでエリカは神社の境内でとある人物を見かけた。それは、巫女装束を身にまとった少女のようだった。 その少女は、境内で何故か模造刀の素振りをしているようだった。 「おおルカ子よ、今日も精が出るな」 「あっ、岡部さん!」 倫太郎がその子の名前を呼ぶと、そのルカ子と呼ばれた少女が嬉しそうに駆け寄ってきた。 その姿にエリカは驚いた。その姿は、超のつくほどの美少女だったからだ。 「すごい、こんな綺麗な子がいるのね……」 「そうだよねー、るかくん綺麗だよねー。まゆしぃも嫉妬しちゃうのです」 「ええ、私も妬いちゃうわ……ん?」 と、そこでエリカはまゆりの言葉に疑問を持った。
7 18/07/03(火)00:23:48 No.516036639
「……くん?」 「ん? どうしたのエリカちゃん?」 「ねぇまゆり、今、この子のこと“くん”って……」 「甘いぞぉルカ子よぉ! もっと腕に力を込めてぇ!」 「はっ! はいっ!」 と、そこで倫太郎の張った声が聞こえてきたのでエリカはそちらのほうを向く。 「腕に迸る地脈の力を感じるのだぁ! 一振り一振りにその力を流すようにぃ!」 「はっ、はいっ!」 「ちょ、あんた何させてんのよ!」 その様子を見たエリカは二人の間に割って立った。 「ん? どうしたのだシルバーファングよ?」 「どうしたも何もないわよ! あなたねぇ! こんな可愛い女の子に何させてんのよ!」 「え? ……ああ、そういうことか」 倫太郎は何か一人納得したように頭を抱える。 その態度が、エリカは気に食わなかった。
8 18/07/03(火)00:24:05 No.516036709
「何よその態度! 私も武道をやってるから女の子が鍛えるのをどうこうは言わないけど、この子には向いてないでしょ! あなたもあなたよ! どうしてこんな理不尽な命令に従うの! さ、行きましょ!」 そう言ってエリカは感情に身を任せたままルカ子の手を引き歩きだそうとする。 「ま、待ってください! これは僕が好きで指導してもらってるんです! 岡部さんのような立派な男になりたくて!」 「だから……はい?」 そこで、エリカは止まった。ルカ子のその発言が、エリカを凍らせた。 「いや、ちょっと待って。今なんて? ……男?」 「え? はい……」 「いやいやいやいや、ないないないない、私より可愛い子が男だなんて……」 エリカは頭を振って必死に否定しようとする。だが、そんなエリカの肩に倫太郎が手を置く。 「気持ちは分かるぞシルバーファングよぉ。ルカ子は可愛いからなぁ、だが男だ」 「そんな……そんな……」 「改めて紹介しよう。彼はラボメンナンバー〇〇六! 漆原るか! 女より可愛らしい姿をしている巫女だ! だが男だ」
9 18/07/03(火)00:24:23 No.516036773
エリカはるかが男だったというショックからしばらく立ち直れず、その場に膝と手をつくのであった。 「はぁ……」 やっと気を取り直したエリカが神社から離れる頃には、すっかり夕方になっていた。 「まあまあエリカちゃん元気出して」 まゆりががっくりとうなだれながら歩くエリカを笑顔で励ます。 「そうだぞシルバーファングよぉ。ルカ子を初見で男だと見破れるものはまずいない。お前の勘違いも当然というものだ」 「だからその恥ずかしい呼び方止めてって……ん?」 と、帰路につく一行の前に、一人の人影が現れた。 その人影は女性であり、どこか陰気な雰囲気を漂わせている。しかも、三人の前に立ちふさがったと思いきや携帯電話に向かって素早く指を動かしている。
10 18/07/03(火)00:24:41 No.516036838
「えっと……」 「おお、閃光の指圧師(シャイニングフィンガー)ではないか。どうしたのだ?」 「シャ、シャイ……? ああ、またそういう……」 さすがに連続して倫太郎のラボメン達と出会ってきたエリカである。この状況からそれを察することができた。 「……もしかして、この人もラボメン?」 「その通りだシルバーファングよ。こやつはラボメンナンバー――」 プルルル。プルルル。 「……っ」 と、説明しようとしていたところで、倫太郎の携帯電話がなる。それに対し、メールを返す倫太郎。 「こやつはラボメンナンバー〇〇五。桐生――」 プルルル。プルルル。
11 18/07/03(火)00:24:56 No.516036884
「……っ!」 再び携帯電話が鳴る。それにしかめっ面をしながらメールをまた返す倫太郎。 エリカは女性のほうを見る。すると、またもものすごい速度で指を動かしているのが見えた。 「……もしかしてあの人、わざわざメールで会話してるの?」 エリカは二人を見てこっそりまゆりに聞いた。 「うん、そうなの。萌郁さん、恥ずかしがり屋なんだー」 「こやつは! ラボメンナンバー〇〇五! 閃光の指圧師ぁっ! 桐生萌郁だっ!」 まゆりが回答した直後に、倫太郎が携帯を鳴らしながら自棄気味に言った。 「……えっと、どうも」 エリカは紹介された後に萌郁に対し、エリカは頭を下げる。 すると、萌郁はまたもポチポチと携帯電話のボタンを押し始めたかと思うと、画面を見せた。 『( `・∀・´)ノヨロシク! シルバーファングさん!』 「……逸見エリカです!」 エリカは画面を見せる萌郁に、半ば叫ぶように言った。
12 18/07/03(火)00:25:14 No.516036951
「ふぅ……なんだかどっと疲れたわ」 夕方、エリカはそう言いながら未来ガジェット研究所のソファーにどっと背中を預けた。 「お疲れーエリカちゃん」 「お疲れ様」 「お疲れでござる」 一緒に帰ってきたまゆりとラボで待っていた紅莉栖、至がエリカをねぎらう。紅莉栖はコーヒーをエリカのために用意し、自分でも飲んでいる。 一方、倫太郎はいない。 「しかし、帰ってきたばかりなのに買い出しにいかせて良かったのかしら倫太郎」 「いいのよ。じゃんけんで負けた結果だから」 「はぁ……」 そっけなく言う紅莉栖に、一体紅莉栖は倫太郎のことをどう思っているのか少し気になるエリカ。 「それにしても、秋葉原って変な人がいっぱいいるのね……」 「アキバというか、岡部の周りに変なのが集まってるって感じね」 「あなたも人のこと言えないと思うわよ?」
13 18/07/03(火)00:25:30 No.516037005
「ぶふっ!?」 紅莉栖の言葉に半目で返すエリカ。その言葉に、紅莉栖は飲んでいたコーヒーを吹き出した。 「ど、どういう意味ぞ!?」 「そのままの意味よ。研究オタクっぷりは負けてないんじゃない? あとねらー言葉出てるわよ」 「んっ!?」 慌てて口を押さえる紅莉栖。 その二人の様子を見て、まゆりはエリカの隣で微笑んだ。 「もうすっかり仲良しだねー二人とも」 「そうかしら?」 「うん、そうだよー。紅莉栖ちゃん、わりと知らない人にはつんけんするのに、なんだかエリカちゃんとはすぐ仲良くなれたよねー」 「えっ、私って知らない人にはそんな冷たい!?」 「うーんそういう訳じゃないんだけど、なんというかね? ちょっと距離を測る部分があるかなーって。でもそんな紅莉栖ちゃんも、エリカちゃんとはすぐ距離を縮められたから意外だなーって」
14 18/07/03(火)00:25:46 No.516037058
まゆりの言葉に考え込む様子になる紅莉栖。それに対し、エリカはニヤリと笑い、言った。 「それは、多分私達が今まで散々ネットで口論してきたからよ。ね、“栗ご飯とカメハメ波”さん」 「ぶふぅっ!?」 今度は何も飲んでいないのに吹き出した紅莉栖。 それに対し、不思議な顔をするまゆりと何かを察した顔をする至。 そして、不敵に笑うエリカ。 「な、なななななななんのことかしら!?」 「なんのこともないわよ。あなたの言動とか、倫太郎に対する当たり方とか見ててピンと来たからカマかけてみたけど、どうやら図星らしいわね。クソコテで有名な栗ご飯とカメハメ波さん」 「な、何よ! そっちこそクソコテ代表みたいなコテハンじゃない! 疾風戦車123!」 「はぁ!? あなたや倫太郎はそうでしょうけど私のどこがクソコテよ!?」 「クソコテもクソコテじゃない! いちいち他人に噛み付く様はすっごくクソコテよ!」 そこから口論を始めるエリカと紅莉栖。その様子を、至は呆れながら、まゆりは楽しそうに見ていた。 「ただいまー……と、うんんん!?」
15 18/07/03(火)00:26:02 No.516037102
そのタイミングで帰ってきた倫太郎は、喧嘩をしている最中のエリカと紅莉栖に出くわした。 「この単細胞戦車バカ!」 「何よ! この理系オタク!」 「……ダルよ。この状況はどういうことだ?」 「オカリンも含めて、ただのクソコテオフ会だと思われ」 「ふふっ、本当に仲がいいなぁ二人共」 不思議そうな顔をする倫太郎に、なんとも言えない顔をする至。そして、言い争う二人を楽しそうに見つめるまゆり。 そうしているうちに、その日の夕日はだんだんと沈んでいき、エリカの一日は終わったのであった。
16 18/07/03(火)00:26:20 No.516037164
翌日、昼。 エリカはまたも未来ガジェット研究所に来ていた。 秋葉原観光はだいたい終えた。しかし、まだ時間に余裕があると言ってなんとなく未来ガジェット研究所に来ていたのだ。 「……んー、これ!」 「残念でした。じゃああなたのウィルスカードはそれでしょ? だからこれ」 「あああああああああああっ!」 エリカは紅莉栖と共に流行りのカードゲーム、雷ネットを遊んでいた。 昨日の喧嘩から抜き差しならない関係になった二人は、時折口喧嘩をしつつも一緒に遊んでいたのだ。 「ふっ、哀れだなシルバーファングよ。助手にそこまで負けてさぞ悔しいであろう。もしよければ俺が手ほどきをしてやってもいいぞ?」 「やめときなさい。岡部は癖がわかり易すぎてすぐ駄目になっちゃうから」 「なっ、駄目になるとはなんだ!」 今度は倫太郎と口論を始める紅莉栖。その様子を見て、なんとなく楽しげな表情を浮かべるエリカ。
17 18/07/03(火)00:26:36 No.516037260
そのエリカの表情を、まゆりがさらに見つめていた。 「……何よまゆり」 「ううん。たった数日なのに、私はエリカちゃんがラボに馴染んでくれて嬉しいなぁって思うのです」 「馴染んでるかしら?」 「馴染んでるよー」 まゆりに言われ、そうかなとなんとなく思うエリカ。 一方紅莉栖と倫太郎はすっかりエリカを差し置いて喧嘩をヒートアップさせており、エリカのことは見えなくなっているようだった。 そんな二人を見て、エリカはぽつりとこぼす。 「……私もあの子とこんな風に喧嘩していれば、未来は違ったのかしらね」 「ん? どうしたのエリカちゃん?」 まゆりがふと変わったエリカの雰囲気に質問する。そのまゆりの表情に気づき、エリカはふるふると首を振る。 「ううん、なんでもないのよ。なんでも」
18 18/07/03(火)00:26:54 No.516037364
プルルルルル。プルルルルル。 と、そこで突如エリカの携帯電話が鳴り響いた。 「あら……隊長?」 それは、戦車隊の隊長、まほからの電話だった。 エリカはなんの疑問も持たずにその電話を取る。 「はいもしもし、なんですか隊長……はぁ!? う、嘘っ!?」 と、そこでエリカが突如大声を上げたため、まゆりが驚き、倫太郎と紅莉栖は口論を止め、更にパソコンに向かって何かしていた至もまた振り返った。 「はい……はい……分かり、ました……」 そして、エリカは意気消沈して電話を切る。 「どうしたの、エリカちゃん?」 まゆりが聞く。そして、エリカは言った。 「学園艦の出港する日、間違ってた……昨日だった……」 その言葉に、まゆり、紅莉栖、至は驚いた表情をする。 「ええ!? あなた、それ大変じゃないの!?」
19 18/07/03(火)00:27:09 No.516037454
「あららららー、大変なのです」 「うーん、それって帰れないってことだよね。どすんの?」 「うう、本当にどうしよう……」 涙目になるエリカ。同情するまゆり、紅莉栖、至。 だが、一人だけ不思議そうな顔をしている男がいた。倫太郎である。 「……なあ、ちょっと待ってくれ」 「……何よ」 そして、倫太郎は聞いた。
20 18/07/03(火)00:27:39 No.516037571
「学園艦って、何だ?」
21 18/07/03(火)00:27:54 No.516037629
その言葉に、場の空気が固まる。 「……は? 何言ってるのよ倫太郎。学園艦は学園艦じゃない。学校と街が乗っかった船よ」 「……え?」 「そうよ岡部、岡部だって昔は学園艦の学校に通ってただろうに何言ってるの?」 「そうだよオカリンー。私やルカくんだって夏休みだから学園艦を降りてこうしてアキバにいるんじゃない」 「そうそう、それに逸見氏の乗ってる学園艦は戦車道の強い黒森峰ぞ。有名ではありませぬか」 「いやいやちょっと待て!? お前達こそ何を言っているんだ!? 学校の乗った船!? 戦車道!? な、何を言って……」 「だから、学校を乗せた全長数千キロメートルの空母が学園艦、そして、特殊なカーボンで守られた戦車同士で戦う競技が戦車道。こんなの常識じゃない」
22 18/07/03(火)00:28:09 No.516037701
「……ま、まさか……!?」 当然のように言うエリカに対し、青ざめた顔をする倫太郎。その倫太郎の様子に、紅莉栖が何か気づいた。 「はっ!? 岡部、まさか……!?」 「え? どしたの……って、まさか……」 そこで、至も何かに気づいたように真剣な声を出す。何がどうしたか分かっていないのは、エリカとまゆりだけだった。 「え? ちょ? みんなどうしたの……?」 「岡部……そういうことなの……?」 「ああ……そうだ。戦車道、学園艦それらすべて……!」 そして、倫太郎は言った。 「過去改変の、Dメールを送った結果生じた、別の世界線だ……!」 つづく
23 18/07/03(火)00:36:40 No.516039646
おっと逸「」氏今日はここでお預けでござるか 続きが気になりますなあデュクシデュクシ
24 18/07/03(火)00:39:44 No.516040285
>おっと逸「」氏今日はここでお預けでござるか >続きが気になりますなあデュクシデュクシ スーパーハカー来たな…
25 18/07/03(火)00:43:36 No.516041169
>過去改変の、Dメールを送った結果生じた、別の世界線だ……! 面白くなってきた
26 18/07/03(火)00:45:16 No.516041571
別の世界線があるってことはいろんな逸見が出て来たりしてね ウザ見とかファサ見とか
27 18/07/03(火)00:48:57 No.516042390
私この展開好き! SF的要素も大好き!
28 18/07/03(火)00:59:57 No.516044663
2つの世界線が交わるとき新しい可能性が生まれるのだ
29 18/07/03(火)01:05:21 No.516045529
続きが読みてぇっス
30 18/07/03(火)01:11:19 No.516046557
最初はガルパンのSSでクロスオーバー物はどうだろう…と思ったけどしっくり来るもんだね