18/06/18(月)00:10:33 みほま... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1529248233201.jpg 18/06/18(月)00:10:33 No.512528859
みほまほ連作 閑話休題 おねえちゃんの毎日 R-18……にちょっと満たないフェチのSSです
1 18/06/18(月)00:10:56 No.512528974
人生の中で恐れるものなど一つもありません。すべては理解されるものです。そして私たちの恐れがより小さくなるように、いまさらに理解を深めるときなのです。 ─キュリー夫人─
2 18/06/18(月)00:12:41 No.512529562
あの子は外に咲く花の色を覚えているだろうか。 学園艦では海の上に咲く花は塩害に耐えられるように、海辺にだけ育つ花を栽培されている。 多くの人々が多くの人の日々の色彩を彩るために、科学と研究の末に様々な花々が植えられて、作られてきた。 この学園艦で育てられている花々の種類の多さに、一輪一輪毎に記録することを放棄しているが、それでも多くの花々がここに植えられている。 それでもここでは多くの花々が植えられ、育てられている。 多くの人が見るわけでもなく、ただこの小さな方舟の世界を維持するために。 私は足元に咲いていた一輪の花を摘み上げ、顔の前まで持ち上げた後に空を見上げた。 空の上では太陽が水平線の向こうにぽつんと浮かび沈みゆく空を照らし、相対するように月が海から浮かび上がり始めている。
3 18/06/18(月)00:13:07 No.512529761
私がこの学園艦に来てから長くの時間が過ぎた、一日? 二日? そんな短い期間ではなく、一ヶ月や二ヶ月なんて一瞬。一年、二年は巡るようにやってきて行く。 『持続可能な大型居住船計画』始まりは高い理想と、目標に見出された船もいつの間にか大きく変更を加えられていった。 初年度の成果はどうだっただろうか、今となってははっきりとは思い出すことはできない。 『オリンピア計画』『持続可能な全てのためのサービス』『TimeTraveler社』幾つもの計画と、思案は幾星霜にも渡る月日と資材を浪費し、ありとあらゆる全てで船を覆い尽くした。 「思えば、本当に長かった」 私は手元に持っていたプランニングシートを机の上に放り投げた、私がこの体になってからまだ月日は短い。 それでも私はあの子のためにやり遂げる覚悟と意思を有していた。
4 18/06/18(月)00:13:31 No.512529893
多少の疲労や悩みならば、『TimeTraveler社』の技術が役に立つだろう、蓄積した疲労を拭い去る時間を私に与えてくれる。 私は学園艦の底部にある研究所で、幾つもの書物を読んではデータに落とし計画を作り直す。 人の形なら幾らでも作れる、脳に埋め込む生体脳髄も、好みの数だけ。 それでも人の魂までは作れていないのが今の研究の限界なのかもしれない。 組み立て、評価し、作り直す。 Do、Check、Plan。 最初はPlanから始めていたはずなのに、今ではすっかりDoからの順序になってしまった。 「だが結局、人が歩くにはPlanよりもDoの方が合っているのかもしれない」 赤ん坊が立ち上がるのはPlanに基づいた行動なのだろうか? 私はそうは思わない。 立ち上がり、歩き出すのは人の勇気と意思そのものだ。 「それなら、私は何度だってここでやり直せる」
5 18/06/18(月)00:13:50 No.512530015
私は研究室から覗く、何体もの自分の体が収まったポットを見た。 シアン、ビジリアン、マゼンタ、幾つもの色を経て私の肉体は今の形で生み出される。 一度作られた寿命は幾らだって伸ばすことが出来る、自分の魂の在り処さえ認識できるのならば……いや、だからこそ人々は私を化物というのかもしれない。 『オリンピア計画』の被験者であり、唯一の成功体。 かつては世界を大きく賑わせていたのに、今では誰も口には出しはしない。 「この船も……外に出て大きく変わってしまった」 私はレーダーで周囲を確認するが、観測範囲には今も何処にも人の影は見られない。 「……陸地に踏み出せる日は来るのだろうか?」 私はふと疑問を口に出す、私に返す声は何処からも帰っては来ない。 「……研究を続けよう」 私はそう言うと、目をつぶり再び研究所を出て生活に戻る準備を進め始めた。
6 18/06/18(月)00:15:04 No.512530493
「おはよう、みほ」 私はみほにいつものように微笑みながら、コーヒーマグを抽出機の下に備えた。 みほはまだ寝たりないのか目をこすりながら、私の布団からゴソゴソと上体を起こしながら目をこすっている。 「うぅん……おはよう、お姉ちゃん」 そういうみほは私の方を向いてにっこりと微笑んでいる、心拍数は平常、意識も段々と覚醒状態に向かっているみたいだ。 「今日はどうしようか」 まるで何かを促すようにみほに言うと、それに答えるようにみほの方から腹の虫が声を上げる。 「ぁぅう……」 無意識に出てしまった音に恥ずかしさを覚えたのか、みほが顔を布団で隠す。
7 18/06/18(月)00:15:50 No.512530770
「ふふふ……先になにか食べようか」 私はそう言うと珈琲を抽出している間、キッチンに向かって何を作ろうか考える。 IHコンロにフライパンをのせ、バターを一切れバターナイフで切り取りフライパンに滑らせる。 「パンで良い?」 「……うん、ありがとうお姉ちゃん」 そういうみほは布団からゆっくりと立ち上がると、昨日床に放り投げた衣服を着始めた。 みほと『そういう』ことをするようになってから、いくらか月日が経った。 元々性欲が強めだったせいもあるのか、みほがそういうことを求めるのは多い。 週に二、三回だと少ない位で、多いときはほとんど毎日抱かれたり、求められたりすることが多い。 そんなことを考えていると、バターが溶け始めていた。 私は溶けたバターが焦げる前に6枚切りのパッケージされた袋に入った食パンを、フライパンに載せて温める。 軽く焦げ目が付く程度に火を通す、ただIHヒーターの特性上パンの中にまで火が通りづらいので弱火でじっくり。
8 18/06/18(月)00:17:04 No.512531201
「甘いのと、お肉どっちが良い?」 「……うーん……甘いの……」 まだまだ眠気が強いのか、みほの受け答えはゆったりとしている。 それならば、今日は軽く砂糖を一つまみ掴んで食パンにまぶし、パンが音を立てて焼き目がつくのを見守る。 「……いい匂い」 背後からみほの声が聞こえる、私は背後に見えないのも構いなく笑顔を漏らす。 「ほらみほ、今のうちに顔を洗ってきなさい」 「うん……」 私は洗面台のあるお風呂場に向かったみほを尻目に、焼けたトーストを一枚ずつお皿に乗せる。 背後からは蛇口から水が流れる音が聞こえ、ぱしゃぱしゃと顔を洗う音が響く。 私はその音を聞きながらトーストにはちみつをかけ、アイスクリームを大きめのスプーンでくり抜き皿の脇に乗せた。 少し糖分が多い気がするので、誤魔化し代わりにミントと冷凍されていたブルーベリーを皿に飾り付ける。
9 18/06/18(月)00:18:30 No.512531775
冷凍だったブルーベリーは、夏の暑さとトーストの温度で段々と溶けていくだろうという目論見だが、アイスクリームも溶けてしまうような気がしなくもない。 「みほ、できたよ」 私がそう言うと、背後から顔をタオルで拭っていたみほがこちらに顔を出しながら、微笑んだ。 「ありがとう、お姉ちゃん」 顔を洗っていたタオルを片付けたみほが、リビングに歩いてやってくる。 「わぁ、はちみつトーストだ」 「それじゃあ、食べようか」 私はそう言うと、居間のちゃぶ台の前に座り両手を合わせいただきますと言う。 みほもそれに合わせて両手を合わせて小さな声でいただきますといって、トーストを口に運ぶ、みほはトーストのはちみつが落ちないように器用に掴み、口元へと運び一口づつ咀嚼する。 「美味しい?」 「うん、けどお姉ちゃんが料理出来るなんて知らなかったな」
10 18/06/18(月)00:20:25 No.512532352
私はそれに対して、笑顔で答える。 「意外と暇な時間が多かったからね、練習、したんだ」 「そうなんだ」 嘘は言っていない、時間は膨大にあったのだから。 「ああ」 私はふと過去に思いを馳せながら、トーストをナイフで切り取り摘み上げて食べる。 時間はあった、だがまだ終わらない。 何度繰り返しても、人間の魂の定着だけは成功率が著しく低い。 なぜなのだろう、わからない。 「あ、お姉ちゃん」 「ん? ……あ」 気がつけば私の指には蜂蜜が垂れて、腕まで侵食している。 「ありがとう」 「何か考え事?」
11 18/06/18(月)00:21:16 No.512532674
「ん……そんなところかな」 少し考え事に浸りすぎたかな、私はそう思いながら垂れたはちみつを舌で掬う。 蜂蜜の甘ったるさが舌に乗ると心地よい甘さが舌から脳髄へと伝わり脳を軽く痺れさせる。 「あ……」 「ん……?」 「な、何でもない」 そういうみほの頬は軽く発赤し、視線は宙を泳いでいる。 「ふぅん……」 私は少しだけにやにやしながら、トーストをわざとらしく指に零しながら一切れ食べては指を舐める。 「んっ……ふぅ……どうしたの? アイス溶けちゃうよ?」 「えっ、あわわわ」 私は溶けているアイスをトーストで掬いながらまた一切れ食べては指を舐る。 みほは大慌てでトーストとアイスクリームを食べ、ブルーベリーを指で摘みながら食べ始めた。
12 18/06/18(月)00:21:53 No.512532890
私はトーストを食べ終えると、ブルーベリーを口に放り込みながらみほの目を見る。 みほはドキドキしながら私を伏し目がちになりながら、私がご飯を食べるのを見ている。 擦れてしまった私とは違って、初々しくわざとらしさを感じさせないその感情の愛らしさに私は目を細める。 「ねえ、みほ」 「えっ……?」 私は指についた蜂蜜とアイスクリームをみほに見せつけるように差し出す。 「指についちゃったから、取ってもらっていい?」 「あ……」 私がそう言うとみほは私の顔を見た後、私の腕を掴んで舌を伸ばす。 おずおずとゆっくりと舌を差し伸ばした後、指先の蜜をちろちろとなめ始める。 心臓がドキドキと高鳴る、何度『彼女』と同衾しても、何度夜を重ねてもこの気持だけは冷める事はない。 アイスクリームで冷えた指先に残った甘い液体を小さな舌で救って喉に飲み込む度に、その柔らかな感触が指を伝って暖かく温めてくれる。
13 18/06/18(月)00:23:14 No.512533525
みほはまるで何か甘いものが出ているかのように指先の液体を最初はちろちろと、だけど段々と熱がこもり、我を忘れて甘い蜜を貪り始めた。 ちろ、ちろという音はあっという間に、みほの口から溢れるぴちゃぴちゃという音に変わり私の指を熱心に舐め取っていく。 指からみほの舌の感触が伝わる度に、むずむずと胎内の芯が熱く熱せられていくような感覚を覚える。 部屋の中にこもった熱気が私の体に汗を浮かせ、みほの額から汗を滴らせる。 「ありがとう」 「あっ……」 私がそう言って指を離すと、みほは名残惜しそうに私の指を見つめている。 頬は赤く染まり、その表情はもの惜しげだ。 みほの顔を見たままみほの唾液で塗れた指を舐る。 「っぅぅ……」 「続きはベッドで……ね?」 私はそう言ってみほに軽くキスをする。
14 18/06/18(月)00:25:06 No.512534373
みほは少しだけ羞恥混じりの嬉しそうに顔をほころばせた。 「うん……」 外を見るとまだ陽光は天を登っている最中だったが、窓のカーテンを閉じる。 「今日はどうシたい?」 みほの手を引いて布団に引き寄せ、着ていたシャツのボタンを外しながらみほに囁いた。 今日はまだ始まったばかり、でも時間はまだまだあるのだから、こういう日も良いでしょう?
15 18/06/18(月)00:26:05 No.512534718
今日はここまで、前回で勿体ぶらせて申し訳ない 体調不良で、続きを書く気力が無くなってしまったので、また来週頑張らせてください それではおやすみなさい
16 18/06/18(月)00:29:15 No.512535704
来たのか!
17 18/06/18(月)00:30:50 No.512536168
おりんぴあけいかくがいよいよしどうするのだ…
18 18/06/18(月)00:31:52 No.512536463
お姉ちゃん何してるの...
19 18/06/18(月)00:35:33 No.512537554
時節柄お身体は大切にいたしませう それはそれとして何と耽美な世界ではございませんか
20 18/06/18(月)00:50:05 No.512541422
>おりんぴあけいかくがいよいよしどうするのだ… 本文の単語は何処にも当たらない何かを引っ掛けてきました >No.512537554 ありがとうございます 少し不思議(SF)チックな話にできたらと思います
21 18/06/18(月)01:01:56 No.512544082
お姉ちゃんがちょっとづつ深淵にハマって行ってるような気が…
22 18/06/18(月)01:03:06 No.512544310
>少し不思議(SF)チックな話にできたらと思います いい…楽しみだ
23 18/06/18(月)01:08:49 No.512545536
来週も待ってるよ