18/04/22(日)20:34:48 「とぅ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1524396888019.png 18/04/22(日)20:34:48 No.499474241
「とぅぃんくぅ、とぅぃんくぅ、りぃとぉ……なんだったっけ……」 漂白された大地が広がる異聞帯の外の世界で予期せぬ通信を受け取ったシャドウボーダーが 方針を決める会議を行うわずかな自由時間に姿を見せぬ先輩を探したマシュが彼女を見つけたのは シャドウボーダーの車体の上だった 気付いていないのか知らないふりをしているのか座り込み遠くを見ながらうろ覚えの歌を口づさむ少女に マシュはしばし声を掛けられず後ろ姿を見守ることしかできなかった 「こんな風になっても、青空も星空も相変らず、とてもきれいだよパツシィさん……」 貴方にも見せてあげたかったな 「……っ！ 先輩！」 吹き抜ける強い風の中で掻き消えそうな小さな呟きにマシュはついに沈黙を破っていた 「あれ、マシュどうしたの？」 どうやら本当に気づいていなかったのかきょとんとした顔で振り向く 日本人としてごく平凡で特別強くもなければ優れているわけでもない 少女のように見えたマスターの姿はそこにはなかった
1 18/04/22(日)20:35:11 No.499474388
「いえ、あの、一応安全だろうとは言え夜風は冷えますし、 僭越ながら暖かくした方がいいとマシュ・キリエライトは思うのです」 「あはは、何その変な言い回し」 ちょっと初めて会った頃のマシュっぽいねーとクスクス笑うマスターの姿に マシュは不思議と安堵した心地で息を吐く 「あの……サリエルさんの弾いていた、きらきら星ですか？」 「うんそーだよ、とはいえ英語版の歌詞なんて全然覚えてないんだけど」 苦笑する先輩に日本語版もあるのでしょうか？と尋ねるとしばし思い出すような様子を見せてから 「きーらーきーらーひーかーるーよーぞーらーのーほーしーよー……」 間違えないように慎重に歌いだすマスター 次の瞬間先ほどよりも強い風が二人の間を吹き付けた 強風の中でマシュは一瞬帽子とコートの豊かな毛並みを備えた誰かの姿を マスターの横に見た気がした マシュに気付いて振り返るその表情はしょうがない奴だと言わんばかりの微笑みだった
2 18/04/22(日)20:35:31 No.499474523
「うへえ、流石に寒くなってきたね、戻ろうかマシュ」 「あっ、はっ、はい！ きっと会議もすぐ終わるでしょうし戻りましょう！」 「そうだねー、またゴルドルフさんがホームズにやり込められるんだろうし」 笑い合いながら車体を降りてシャドウボーダーの入り口に向かう 先に中へと入る先輩の背から視線を外へとマシュは巡らせた 当然そこに誰かがいるわけではなかった 満点の星空がただ美しく輝いているだけだ ふと唐突にごく一般的な社会の中において死んだ誰かを指してお星さまになった と主に子どもに言い聞かせるという話が脳裏に蘇る 「きっと、見えています。見えていると、願っています、先輩」 それは誰に対してなのか言い訳のようにも聞こえる切なる願い 車内から入ってこない後輩の様子を不思議そうに呼びかける声に マシュはシャドウボーダーへ乗り込んだ
3 18/04/22(日)20:38:35 No.499475604
マシュはさぁ…
4 18/04/22(日)20:43:30 No.499477331
先輩は折れましゅぇん！
5 18/04/22(日)20:46:13 7fUgrSWw No.499478261
2
6 18/04/22(日)21:09:33 No.499485895
キラキラ星が辛い…
7 18/04/22(日)21:11:43 No.499486600
さらっと重い後輩
8 18/04/22(日)21:13:03 No.499487016
マシュいいよね…
9 18/04/22(日)21:14:30 No.499487459
マシュ→ぐだ子→パツシィいいよね！