虹裏img歴史資料館

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18/04/20(金)20:46:29 ジョリ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1524224789922.jpg 18/04/20(金)20:46:29 No.498984950

ジョリーとデートに行った。デートと行っても何かをするわけでもなく、強いてそれらしき言葉を使うのであれば、ランブリングなどであろう。 海門とエルドラージの残骸を日夜ゼンディカー人は片付けて居た。余りにも多過ぎるゴミを捨て場に困り、ゴミ山を崩して新しいゴミ山を作ったり、だが、彼の日々は充実しているように感じた。 彼の故郷、バーラ・ゲドはエルドラージに破壊し尽くされた。プレインズウォーカーはゼンディカーは勝利したと言うかもしれない。だが、彼にとって失ったものは大き過ぎた。エルドラージとの戦いが終われば、愛すべき日常に帰ることが出来る。だが、それはどこにある?あの巨人の亡骸の中?彼が歩もうとした道は全て、塵の下に埋もれてしまった。 だから、新しく作るべき。 ジョリー・エン、海門で知り合ったマーフォークはそう言った。月並みだが、それが必要な言葉だった。二人は海門の残骸で、互いに語り合っていた。夕焼けが日没になるまでの僅かな間。それで十分だった。 「ごめんごめん、待った?」 その日、彼女は珊瑚の髪飾りをつけていた。彼女が兜を脱いだのは初めて見た。驚く程にジョリーを知らない事に気付いた彼は微笑んだ。

1 18/04/20(金)20:52:19 No.498986177

また来たなちょっといい感じのジョリーエン怪文書

2 18/04/20(金)20:57:18 No.498987282

「いえ、そんなことありませんよ」 それから彼は目線を下げ、彼女がまるで凪魔道士のようにラフな服装をしていることに気付いた。普段通りの服装で来たことを後悔した。 「ちょっと恥ずかしいかも。もうこんな恰好することないって思ってたし」 「いえ、綺麗ですよ!」 彼女のはにかみに彼はすかさず返し、赤面は二人同時だった。とは言え、ジョリーの肌は生来赤いのだが。 「うん……ふふ」 歯切れ悪くジョリーは笑いを噛み殺し、当然の権利のように手を伸ばした。彼もそれに答えたが、生憎にしてやはり、マーフォークの水掻きは指を絡める障害となる。 それから、繋ぎきれない手で二人は暫し見つめあった。タジームの空に昇る太陽が二人の影を一つに落とす。 「こんな風に会うのは初めてですね」 「そう言えば、ね」 遅々とした歩みではあったが、ゼンディカーの復興と同じように関係が進んでいる。それは奇妙な感覚だった。

3 18/04/20(金)21:13:12 No.498991512

とは言え二人は何をするべきなのか本当に分からなかった。毎日のように言葉を交わしていたが、それ故に話すことは特別に感じなかった。やりたいことは沢山あったがそれらは大抵夢物語か空想の出来事で、すなわち、遥か未来への約束だった。そして、二人はこの何とも言えない高揚感に満たされた時間が素晴らしいものに感じた。 不意に、ぎこちなく青年はジョリーの手を引いた。 「見てくださいよ、ジョリーさん。今日は空岩でバザーをやっているみたいですよ。俺の地元にはああいうのなかったんです」 ジョリーからすれば、タジームのありふれた日常に過ぎないことだった。だが、彼にとってここの日々は新発見に溢れているのだろう。 彼はきっと、いい探検家にはなれないかしら。でも、私の最高の資料や秘密の全部を預けたらいいかも。 ジョリーはそんなことを考えて、彼に引かれた。暖かい人の掌はマーフォークには奇妙なものだが、不思議と悪い心地はしなかった。私たちは周りにどんな風に見えているのだろう? 嘗てのゼンディカーでは溢れていたような冒険者と相棒?それとも……。 「そうね、ちょっと見に行く?」 「はい!」 あどけなさの残る顔で青年は答えた。

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